平成22年6月17日宣告平成22年(わ)第16号強盗致傷,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件判決主文被告人を懲役3年6月に処する。 未決勾留日数中80日をその刑に算入する。 押収してあるアウトドアナイフ1本(平成22年押第6号の1)を没収する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1現金を強奪しようと考え,平成22年1月7日午後5時30分ころ,,()a市b番地有限会社甲店舗内において同社代表取締役A当時75歳に対し,その首の後方から右腕を回して,右手に持ったアウトドアナイフ(刃体の長さ約8.6センチメートル。 を平成22年押第6号の1)同人ののど元付近に突き付け「刺すぞ。レジを開けろ」などと言って,。 脅迫し,左手で同人の口をふさぐなどの暴行を加え,その反抗を抑圧して現金を奪おうとしたが,同人がレジを開けずに騒ぎ立て,もがくなどして抵抗したため,現金強奪に至らず,その際,同人に全治約8日間を要する右中指切創の傷害を負わせ,第2業務その他正当な理由による場合でないのに,前記日時・場所において,前記アウトドアナイフ1本を携帯したものである。 (証拠の標目)省略(法令の適用) 罰条判示第1の行為について刑法240条前段判示第2の行為について銃砲刀剣類所持等取締法31条の18第3号,第22条本文刑種の選択判示第1の罪について有期懲役刑判示第2の罪について懲役刑併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(重い判示第1の罪の刑に刑法47条ただし書の制限内で法定の加重)酌量減軽刑法66条,71条,68条3号未決勾留日数の算入刑法21条没収刑法19条1項2号,2項本文訴訟費用の負担刑訴法181条1項本文(量刑の理由)本件は,アウ 法定の加重)酌量減軽刑法66条,71条,68条3号未決勾留日数の算入刑法21条没収刑法19条1項2号,2項本文訴訟費用の負担刑訴法181条1項本文(量刑の理由)本件は,アウトドアナイフを用いて店舗で強盗をし,その際被害者に怪我,。 を負わせたという強盗致傷及び銃砲刀剣類所持等取締法違反の事案である弁護人は,被告人は被害者に怪我をさせたくないと思い,ナイフの刃の部分を持っていたこと,現金強奪には至らず,怪我の程度も全治約8日間と決して重くないこと,計画的な犯行ではないこと,犯行動機となった消費者金融からの請求に対しては法的な支払義務がなかったこと,被害者に100万円を支払って示談が成立したこと,1700名を超える者が嘆願書を書いた,,,こと被告人には業務上過失傷害罪による罰金刑のほかに前科がないこと5か月以上身柄拘束を受けて事実上の制裁を受けていること,反省している こと,債務整理の結果借金がなくなって犯行の動機がなくなり,また,家族の監督が期待できるから再犯のおそれがないことなどの事情を考慮すると,,,。 被告人に対しては社会内での更生の機会を与えるべきであると主張するしかし,強盗致傷罪は重大な犯罪であって,検察官が主張する本件犯行の態様,結果,動機等を考慮すると,弁護人が主張する点を踏まえて検討しても執行猶予を付するのは相当でないと判断した。 被告人は,1人で店番をしていた75歳の女性に対し,刃体の長さ約8. 6センチメートルのアウトドアナイフをのど元付近に突き付け,恐怖心からこれを払いのけようとした被害者に対し,全治約8日間の傷害を負わせたものである。犯行態様は,高齢の女性を狙った卑劣なものであり,危険で悪質である。被告人がナイフの刃を持っていたにしても,刃先は被害者に向けられており,危険性が 者に対し,全治約8日間の傷害を負わせたものである。犯行態様は,高齢の女性を狙った卑劣なものであり,危険で悪質である。被告人がナイフの刃を持っていたにしても,刃先は被害者に向けられており,危険性が少なくなったわけではなく,現に被害者は怪我をしている。怪我の程度は重いとまではいえないものの,被害者は3針縫っており,抜糸後も不自由な生活を強いられている。また,被害者は,1人で店番をすることが怖くなったと述べており,精神的な苦痛が大きく,生じた結果は重い。被告人の父親が100万円を支払って示談を成立させているものの,被害者の許しが得られているわけではなく,被害者の被害感情がどれほど和らいでいるかは明らかではない。 被告人は,出会い系サイトに興じるうちに借金返済が困難となり,消費者金融から請求された2万円を支払うために,誰に相談することもなく,取りあえず2万円を手に入れようとして,本件強盗に及んだというのであるが,犯行後その日のうちに,いとこから2万円を借りることができている。被告人が消費者金融に対し法的には支払義務がなかったことを考慮しても,被告人の犯行動機は,余りにも短絡的で身勝手であり,酌むべきものはない。被告人の刑事責任を軽くみることはできない。 ,,,そうすると本件が計画的な犯行ではないこと示談が成立していること被告人が反省していること,妻や父親が被告人の監督を約束していること,被告人には懲役前科がないことなどの酌むべき事情を十分考慮しても,本件が執行猶予を付すべき事案であるとは認められない。 (求刑懲役5年及びアウトドアナイフの没収)平成22年6月17日静岡地方裁判所刑事第1部裁判長裁判官原田保孝裁判官髙橋孝治裁判官久保田千春 没収)平成22年6月17日静岡地方裁判所刑事第1部裁判長裁判官原田保孝裁判官髙橋孝治裁判官久保田千春
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