令和6(わ)275 業務上横領、社会福祉法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年1月30日 津地方裁判所
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判決文本文1,655 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役10月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)第1(令和6年11月5日付け起訴状記載の公訴事実に対応するもの)被告人は、Aと共謀の上、令和4年2月10日頃、兵庫県内又はその周辺において、B(三重県鈴鹿市(住所省略)所在の社会福祉法人Cの理事長として、Cを代表してその職務を執行し、理事会を招集するとともに、Cの理事及び監事を選任するに当たっては、理事会の決議を経た上、評議員会を招集し、Cの評議員を選任するに当たっては、理事会の決議を経た上、評議員選任・解任委員会において、評議員選任候補者の推薦の提案を行うなどの職務に従事していたもの)に対し、被告人らが用意した役員の交代に関する契約書等に署名捺印等させるなどして、Bらの利益を図るため、適正な理事、監事及び評議員選任のための所定の手続を履践しないことを前提として、Cの理事、監事及び評議員をいずれも被告人の指定した人物に変更できるよう権限を行使してもらいたい旨の不正の請託をしてその承諾を受け、その対価として、被告人が、情を知らないDをして、同月15日、東京都千代田区(住所省略)株式会社E銀行F支店において、株式会社G銀行H支店に開設されたBが管理する株式会社I名義の普通預金口座に2000万円を、同日、前記株式会社E銀行F支店において、J銀行株式会社Kに開設されたLが管理する株式会社M名義の普通預金口座に1500万円をそれぞれ振込入金させ、もってBの職務に関し、不正の請託をして、財産上の利益を供与したものである。 第2(令和6年10月16日付け起訴状記載の公訴事実に対応するもの)Aは、令和3年10月4日から同年12月25日までの間、及び令和4年2 - 2 - 財産上の利益を供与したものである。 第2(令和6年10月16日付け起訴状記載の公訴事実に対応するもの)Aは、令和3年10月4日から同年12月25日までの間、及び令和4年2 - 2 -月24日以降、Cの理事長として、Cの業務全般を統括していたもの、被告人は、前記各期間、Cの実質的経営者として活動していたものであるが、被告人は、Aと共謀の上、株式会社N銀行O支店に開設されたC名義の普通預金口座の預金をCのために業務上預かり保管中、令和4年7月15日、東京都中央区(住所省略)株式会社N銀行Pにおいて、被告人らの用途のため、同口座から500万円を払い戻し、もって横領したものである。 (量刑の理由)社会福祉法違反の事件は、法人の理事等を自分の息がかかった者に交代させて、被告人が実権を握ろうとして3500万円を支払ったというものであり、社会福祉法人の役員等の職務の公正に対する社会の信頼を侵害した程度は大きいといえる。 業務上横領における被害額は500万円と多額である。ここで、本件各犯行における被告人に個別の事情をみると、社会福祉法人を買収する交渉を自ら行い、業務上横領についてはAに金を引き出すよう指示してこれを自分の知人に貸し付けることで流用しており、各犯行において主導的な役割を果たしたといえる。以上により、被告人の刑事責任は重い。 しかしながら、本件各犯行は、確定裁判があった業務上横領、社会福祉法違反の罪と併合罪の関係にあること(いわゆる確定前の余罪)、被告人側で業務上横領について757万円の被害弁償金を支払ったこと、被告人が当公判廷において二度と犯罪をしないと誓ったこと、被告人の父が当公判廷において今後同居の上指導監督する旨述べたことといった事情もある。そこで、今回は主文のとおりの刑に処するのが相当である。 (求刑懲 廷において二度と犯罪をしないと誓ったこと、被告人の父が当公判廷において今後同居の上指導監督する旨述べたことといった事情もある。そこで、今回は主文のとおりの刑に処するのが相当である。 (求刑懲役10月)令和7年1月30日津地方裁判所刑事部裁判官西前征志

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