平成1(オ)174 土地所有権移転登記手続

裁判年月日・裁判所
平成3年4月19日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和62(ネ)3457
ファイル
hanrei-pdf-52445.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人小川正燈、同小川まゆみの上告理由第一点、第二点及び第三点につい て

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文3,693 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人小川正燈、同小川まゆみの上告理由第一点、第二点及び第三点についてDが第一審判決別紙物件目録記載の一ないし六の土地を前所有者から買い受けてその所有権を取得したとした原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができる。原審は、登記簿の所有名義がDになったことだけから右事実を認定したのではなく、同人がE不動産株式会社の社長として相応の収入を得ていたことなどの事実をも適法に確定した上で、Dの売買による所有権取得の事実を認定しているのであり、原審の右認定の過程に、所論の立証責任に関する法令違反、経験則違反、釈明義務違反等の違法はない。論旨は、採用することができない。 同第四点について所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。 同第五点及び第六点について一原審の適法に確定した事実関係は次のとおりである。 1 第一審共同被告FはDの夫、上告人(第一審被告)はDの長女、被上告人(第一審原告)はDの二女、第一審共同原告GはDの三女で、いずれもDの相続人であり、第一審共同原告Hは被上告人の夫であるが、Dは昭和六一年四月三日死亡した。 - 1 - 2 Dは、第一審判決別紙物件目録記載の一ないし八の土地(ただし、八の土地については四分の一の共有持分)を所有していたが、(1) 昭和五八年二月一一日付け自筆証書により右三ないし六の土地について「H一家の相続とする」旨の遺言を、(2) 同月一九日付け自筆証書により右一及び二 いては四分の一の共有持分)を所有していたが、(1) 昭和五八年二月一一日付け自筆証書により右三ないし六の土地について「H一家の相続とする」旨の遺言を、(2) 同月一九日付け自筆証書により右一及び二の土地について「Hの相続とする」との遺言を、(3) 同五九年七月一日付け自筆証書により右七の土地について「Hに譲る」との遺言を、(4) 同日付け自筆証書により右八の土地のDの持分四分の一について「Gに相続させて下さい」旨の遺言をそれぞれした。右各遺言書は、昭和六一年六月二三日東京家庭裁判所において検認を受けたが、右の遺言のうち、(1)の遺言は、被上告人とその夫Hに各二分の一の持分を与える趣旨であり、(2)の遺言の「H」は被上告人を、(4)の遺言の「G」はGをそれぞれ指すものである。なお、Gは、右八の土地についてDの持分とは別に四分の一の共有持分を有していた。 二原審は、右事実関係に基づき、次のように判断した。 右(1)、(3)におけるDの相続人でないHに対する「相続とする」「譲る」旨の遺言の趣旨は、遺贈と解すべきであるが、右(1)における被上告人に対する「相続とする」との遺言、(2)の「相続とする」との遺言及び(4)の「相続させて下さい」との遺言の趣旨は、民法九〇八条に規定する遺産分割の方法を指定したものと解すべきである。そして、右遺産分割の方法を指定した遺言によって、右(1)、(2)又は(4)の遺言に記載された特定の遺産が被上告人又はGの相続により帰属することが確定するのは、相続人が相続の承認、放棄の自由を有することを考え併せれば、当該相続人が右の遺言の趣旨を受け容れる意思を他の共同相続人に対し明確に表明した時点であると解するのが合理的であるところ、被上告人については遅くとも本訴を提起した昭和六一年九月二五日、Gについては同じく同年一〇月 の遺言の趣旨を受け容れる意思を他の共同相続人に対し明確に表明した時点であると解するのが合理的であるところ、被上告人については遅くとも本訴を提起した昭和六一年九月二五日、Gについては同じく同年一〇月三一日のそれぞれの時点において右の意思を明確に表明したものというべきであるから、相続開- 2 -始の時に遡り、被上告人は前記一及び二の土地の所有権と三ないし六の土地の二分の一の共有持分を、Gは前記八の土地のDの四分の一の共有持分をそれぞれ相続により取得したものというべきであり、Hは、前記(3)の遺言の効力が生じた昭和六一年四月三日、前記七の土地の所有権を遺贈により取得したものというべきである。 したがって、被上告人の請求のうち前記一及び二の土地の所有権並びに三ないし六の土地の二分の一の共有持分を有することの確認を求める部分、Hの前記七の土地の所有権を有することの確認を求める請求及びGの前記八の土地の四分の一を超え二分の一の共有持分を有することの確認を求める請求は、いずれも認容すべきであり、被上告人のその余の請求(三ないし六の土地の右共有持分を超える所有権の確認を求める請求)は理由がない。 三被相続人の遺産の承継関係に関する遺言については、遺言書において表明されている遺言者の意思を尊重して合理的にその趣旨を解釈すべきものであるところ、遺言者は、各相続人との関係にあっては、その者と各相続人との身分関係及び生活関係、各相続人の現在及び将来の生活状況及び資力その他の経済関係、特定の不動産その他の遺産についての特定の相続人のかかわりあいの関係等各般の事情を配慮して遺言をするのであるから、遺言書において特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言者の意思が表明されている場合、当該相続人も当該遺産を他の共同相続人と共にではあるが当然相続する地位にあ して遺言をするのであるから、遺言書において特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言者の意思が表明されている場合、当該相続人も当該遺産を他の共同相続人と共にではあるが当然相続する地位にあることにかんがみれば、遺言者の意思は、右の各般の事情を配慮して、当該遺産を当該相続人をして、他の共同相続人と共にではなくして、単独で相続させようとする趣旨のものと解するのが当然の合理的な意思解釈というべきであり、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺贈と解すべきではない。そして、右の「相続させる」趣旨の遺言、すなわち、特定の遺産を特定の相続人に単独で相続により承継させようとする遺言は、前記の各般の事情を配慮- 3 -しての被相続人の意思として当然あり得る合理的な遺産の分割の方法を定めるものであって、民法九〇八条において被相続人が遺言で遺産の分割の方法を定めることができるとしているのも、遺産の分割の方法として、このような特定の遺産を特定の相続人に単独で相続により承継させることをも遺言で定めることを可能にするために外ならない。したがって、右の「相続させる」趣旨の遺言は、正に同条にいう遺産の分割の方法を定めた遺言であり、他の共同相続人も右の遺言に拘束され、これと異なる遺産分割の協議、さらには審判もなし得ないのであるから、このような遺言にあっては、遺言者の意思に合致するものとして、遺産の一部である当該遺産を当該相続人に帰属させる遺産の一部の分割がなされたのと同様の遺産の承継関係を生ぜしめるものであり、当該遺言において相続による承継を当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに当該遺産が当該相続 あり、当該遺言において相続による承継を当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継されるものと解すべきである。そしてその場合、遺産分割の協議又は審判においては、当該遺産の承継を参酌して残余の遺産の分割がされることはいうまでもないとしても、当該遺産については、右の協議又は審判を経る余地はないものというべきである。もっとも、そのような場合においても、当該特定の相続人はなお相続の放棄の自由を有するのであるから、その者が所定の相続の放棄をしたときは、さかのぼって当該遺産がその者に相続されなかったことになるのはもちろんであり、また、場合によっては、他の相続人の遺留分減殺請求権の行使を妨げるものではない。 原審の適法に確定した事実関係の下では前記特段の事情はないというべきであり、被上告人が前記各土地の所有権ないし共有持分を相続により取得したとした原判決の判断は、結論において正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。 - 4 -よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官香川保一裁判官藤島昭裁判官中島敏次郎裁判官木崎良平- 5 - 崎良平

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る