主文 原判決中、被告人Aに関する部分を破棄する。被告人Aを懲役五月に処する。原審における訴訟費用は、これを二分し、その一を被告人Aの負担とする。理由 本件控訴の趣意は、弁護人伊藤嘉信作成名義の控訴趣意書(ただし、当審第一回公判における右弁護人の釈明参照)に記載されているとおりであるから、ここにこれを引用する。控訴趣意第二点(訴訟手続の法令違反および憲法違反の各論旨)について。所論は、要するに、原判決が、その挙示する被告人Aの原審公判廷における供述のみをもつて、同被告人に関し、原判示の常習性を認定し、この点につき、なんらの補強証拠をも挙示していないのは、訴訟手続の法令違反であり、また憲法第三八条第三項に違反している、というのである。そこで、まず、原判決書を検討するに、原判決は、その罪となるべき事実として、被告人Aおよび原審相被告人Bの両名がそれぞれ原判示日時場所において、常習として、原判示の賭銭賭博をした旨判示し、その証拠として、(一)被告人らの原審公判廷における判示同旨の供述、(二)C、D、E、F、G、H、I、J、Kの各検察官に対する供述調書謄本および(三)検察事務官作成の原審相被告人Bに対する前科調書を挙示している。ところで、刑事訴訟法第三九条第二項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない」と規定しており、また刑法第一八六条第一項のいわゆる常習賭博罪は、当該被告人が単に賭銭賭博をしたことのみによつて成立するものでなく、当該被告人が常習として賭銭賭博をしたこと、換言すれば、賭博行為を反覆累行する習癖を有する被告人が、その習癖の発現として、該賭博行為をしたことがその要件である。それ のみによつて成立するものでなく、当該被告人が常習として賭銭賭博をしたこと、換言すれば、賭博行為を反覆累行する習癖を有する被告人が、その習癖の発現として、該賭博行為をしたことがその要件である。 賭博をしたことのみによつて成立するものでなく、当該被告人が常習として賭銭賭博をしたこと、換言すれば、賭博行為を反覆累行する習癖を有する被告人が、その習癖の発現として、該賭博行為をしたことがその要件である。それ のみによつて成立するものでなく、当該被告人が常習として賭銭賭博をしたこと、換言すれば、賭博行為を反覆累行する習癖を有する被告人が、その習癖の発現として、該賭博行為をしたことがその要件である。それ故、右の常習賭博罪は、被告人が賭博行為を反覆累行する習癖を有するもの、すなわ<要旨>ち賭博常習者であることを最も重要な要件としているものと解されるのである。したがつて、右の常習賭博</要旨>罪の犯罪事実を認定するにあたつては、被告人が単に賭博行為をしたという点のみならず、被告人が賭博常習者であるといら点についても、被告人のいわゆる公判廷の自白のほかに補強証拠の存在することが必要であると解するのが相当である。いまこれを本件についてみるに、本件記録によれば、前掲(一)の被告人らの原審公判廷における各供述内容は、当該被告人らに対する原判決の罪となるべき事実と同一の当該各公訴事実につき、そのとおり相違ない旨の陳述(いわゆる自白)であり、前掲(二)のCほか八名の各検察官に対する供述調書謄本の各記載内容は、いずれも前同人らが原判示日時場所において、被告人らと共に花札を使用して賭銭賭博をした前後の事情等について、これを検察官に対し、それぞれ供述したものであつて、該各供述調書謄本をもつてしては、未だ被告人Aが賭博常習者であるとか、同被告人が原判示賭銭賭博を常習としてなしたとの点の自白の補強証拠とするに足らず、また前掲(三)の前科調書は、原審相被告人Bの受刑事項を明らかにしたものであつて、これまた右同様被告人Aの前記自白の補強証拠となし得ないものであることは一見して明白である。その故、原判決挙示の前掲(二)、(三)の各証拠をもつてしては、被告人Aが賭博常習者であり、同被告人が原判示賭銭賭博を常習としてなしたという点について、被告人Aの前掲(一)の自白を補強する 白である。その故、原判決挙示の前掲(二)、(三)の各証拠をもつてしては、被告人Aが賭博常習者であり、同被告人が原判示賭銭賭博を常習としてなしたという点について、被告人Aの前掲(一)の自白を補強するに足りないものといわなければならない。 掲(二)、(三)の各証拠をもつてしては、被告人Aが賭博常習者であり、同被告人が原判示賭銭賭博を常習としてなしたという点について、被告人Aの前掲(一)の自白を補強する 白である。その故、原判決挙示の前掲(二)、(三)の各証拠をもつてしては、被告人Aが賭博常習者であり、同被告人が原判示賭銭賭博を常習としてなしたという点について、被告人Aの前掲(一)の自白を補強するに足りないものといわなければならない。もつとも原裁判所が取り調べた被告人Aの検祭官および司法警察員に対する各供述調書、四日市南警察署から東京地力検察庁宛の被告人Aの前科照会に対する回答書添付の犯歴票ならびに検察事務官の認証のある被告人Aに対する略式命令謄本二通を総合すれば、被告人Aが賭博行為を反覆累行する習癖を有し、原判示賭銭賭博を常習としてなしたものであることが十分肯認せられ、右の各証拠は、いずれも被告入Aの前掲(一)の自白の補強証拠たり得るものと認められるが、原判決は、これら証拠を挙示していないので、結局原判決は、被告人Aの前掲(一)の自白のみで、同被告人に対する原判示の常習性を認定したものといわなければならない。したがつて、原判決には、この点において、前記刑事訴訟法第三一九条第二項に違反した違法があり、該違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、原判決中、被告人Aに関する部分は、爾余の論旨に対する判断をなすまでもなく、失当として破棄を免れない。したがつて、論旨は理由があることに帰着する。よつて、刑事訴訟法第三九七条第一項、第三七九条に則り、原判決中、被告人Aに関する部分を破棄し、同法第四〇〇条但書に従い、当裁判所において、被告人Aに対する本件につき、更に判決する。一、 当裁判所が認定した罪となるべき事実。被告人Aは、常習として、昭和四四年四月一六日午後一一時過ぎごろから翌一七日午前一時二〇分ごろまでの間、三重県四日市市a町b番地D方の二階四畳半および六畳の間において、飯田正夫ほか約一一名と共に、花札を使用し、金銭を賭し 昭和四四年四月一六日午後一一時過ぎごろから翌一七日午前一時二〇分ごろまでの間、三重県四日市市a町b番地D方の二階四畳半および六畳の間において、飯田正夫ほか約一一名と共に、花札を使用し、金銭を賭して、俗に「ブタ半」または「バッタマキ」などと称する賭銭博突をしたものである。二、 証拠の標目(イ) 原審第二回公判調書中の被告人Aの供述記載、(ロ) 被告人Aの検察官および司法警察員に対する各供述調書、(ハ) C、D、E、F、G、H、I、J、Kの検察官に対する各供述調書謄本、(ニ) 四日市南警察署から東京地方検察庁宛の被告人Aの前科照会に対する回答書添付の同被告人の犯歴票、(ホ) 検察事務官の認証のある被告人Aに対する略式命令謄本二通、三、 法令の適用等、法律に照らすと、被告人Aの判示所為は、刑法第一八六条第一項に該当するので、その所定刑期範囲内で、同被告人を処断すべきところ、情状について考えてみるに、被告人Aには、これまでに、恐喝、賭博、賭博開張図利幇助などの罪により処罰された前科四犯があり、就中、同被告人はさきに昭和四一年一〇月一八日原裁判所において、賭博開張図利幇助罪により、懲役八月、三年間保護観察付の刑執行猶予に処する旨の判決の言渡を受け、該判決がそのころ確定したにかかわらず、何ら反省するところなく、右の刑執行猶予の期間内に、重ねて本件犯行を敢行したものであること、更には、被告人Aが予ていわゆる暴力団に所属していた形跡を看取し得ることなどを考慮すると、被告人Aの本件に関する犯情は決して軽くないといわなければならないので、被告人Aを懲役五月に処することとする。 により、懲役八月、三年間保護観察付の刑執行猶予に処する旨の判決の言渡を受け、該判決がそのころ確定したにかかわらず、何ら反省するところなく、右の刑執行猶予の期間内に、重ねて本件犯行を敢行したものであること、更には、被告人Aが予ていわゆる暴力団に所属していた形跡を看取し得ることなどを考慮すると、被告人Aの本件に関する犯情は決して軽くないといわなければならないので、被告人Aを懲役五月に処することとする。(従つて、これと同一の原判決の量刑は、所論にかかわらず、重きに過ぎるものと、いうことはできない。)なお、原審における訴訟費用(ただし、国選弁護人松村勝俊に支 、被告人Aを懲役五月に処することとする。(従つて、これと同一の原判決の量刑は、所論にかかわらず、重きに過ぎるものと、いうことはできない。)なお、原審における訴訟費用(ただし、国選弁護人松村勝俊に支給した報酬等)は、刑事訴訟法第一八一条第一項本文により、これを二分し、その一を被告人Aに負担させることとする。以上の理由により、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官上田孝造裁判官藤本忠雄裁判官杉田寛)
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