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昭和31(ネ)776 和解無効確認請求事件

裁判所

昭和32年4月3日 東京高等裁判所 棄却

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4,270 文字

主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。事実 控訴人らは、原判決を取消す。被控訴人から各控訴人にたいする東京高等裁判所昭和二六年(ネ)第一三二六号建物収去土地明渡請求控訴事件についての和解調書の執行力ある正本にもとずく強制執行はこれを許さない。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする、との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上、法律上の主張、証拠の提出、援用および認否はつぎに付加するほか、原判決事実らんに記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。控訴人Aは、一、 控訴人Aは、前記和解においてAの訴訟代理人となつた弁護士Bの訴訟代理権を否認するものであるが、仮に控訴人Cが控訴人Aを代理して同人のためB弁護士に右訴訟代理を委任した事実があつたとしても、これによつてはB弁護士は控訴人Aの訴訟代理人たりえないものである。けだし訴訟代理権の授与は訴訟行為に属し、したがつて訴訟代理権授与の代理行為もまた訴訟行為に属することは一点の疑もないところである。しかるに訴訟行為の代理は「法令によりて裁判上の行為をなすことをうる代理人」例えば支配人(商法第三八条)船舶管理人(商法第七〇〇条)船長(商法第七一三条)のごとき者のほかは「弁護士」でなければできないことは民事訴訟法第七九条の明定するところである。ゆえに弁護士でもなく、また支配人でもない控訴人Cが、控訴人Aの代理人として弁護士Bにたいし、訴訟代理権を授与してもかかる訴訟行為は法律上無効であり、Aの追認なきかぎりなんらの効力を生じないといわねばならない。このことは(イ)AはCを自己の訴訟代理人に選任して訴訟行為を追行せしめえないこと、(民事訴訟法第七九条)(ロ)したがつてAから訴訟委 、Aの追認なきかぎりなんらの効力を生じないといわねばならない。このことは(イ)AはCを自己の訴訟代理人に選任して訴訟行為を追行せしめえないこと、(民事訴訟法第七九条)(ロ)したがつてAから訴訟委任を受けたCはAのために訴訟代理人を選任しえないこと(民事訴訟法第八一条二項四号)に徴してもきわめて明確である。 に選任して訴訟行為を追行せしめえないこと、(民事訴訟法第七九条)(ロ)したがつてAから訴訟委 、Aの追認なきかぎりなんらの効力を生じないといわねばならない。このことは(イ)AはCを自己の訴訟代理人に選任して訴訟行為を追行せしめえないこと、(民事訴訟法第七九条)(ロ)したがつてAから訴訟委任を受けたCはAのために訴訟代理人を選任しえないこと(民事訴訟法第八一条二項四号)に徴してもきわめて明確である。控訴人Cは、一、 控訴人Cは本件裁判上の和解をするにつき、法律行為の要素に錯誤があつたと主張するものであるが、右錯誤が裁判上の和解の法律効果についてのものであつても、「もしかかる錯誤がないとしたならば、」主観的にみて控訴人はかかる不利な和解はしなかつたであろうということが認められるのみならず、客観的にみて、社会一般人を控訴人の地位においてもやはりかかる不利な和解はしなかつたであろうということが推認されるから、右は要素の錯誤となり本件和解は無効である。二、 Cはその主張するように被控訴人の代理人弁護士Dから申向けられたことを信用して本件和解に応じたものであるが、同弁護士は右牽強附会な言葉によつてCを欺罔したものであるとともに、その言葉は控訴人に強要できない私的な、独自の法律判断にもとずくものであり権利の濫用でもある、またD弁護士は判決による保護を与えられる期待性あるかのように主観的意図のみを主張し、しつこく控訴人を強迫したものでもある。してみれば本件和解は当然無効であるとともにこれを取消しうべきものであるから、昭和三一年一一月七日の口頭弁論期日においてこれを取消す、と述べ、控訴人らは立証として当審における控訴人各本人の供述を援用した。理由 一控訴人らの主張する本件請求の原因はこれを肯認しがたいことはつぎに補足するほか、原判決理由に説明のとおりであるから、ここにこれを引用する。当審の控訴人 用した。理由 一控訴人らの主張する本件請求の原因はこれを肯認しがたいことはつぎに補足するほか、原判決理由に説明のとおりであるから、ここにこれを引用する。当審の控訴人ら各本人の供述中右認定に反する部分は、原判決理由において採用した各証拠と対照し信用することができない。<要旨>二当審における控訴人Aのあらたな主張について考えるに、民事訴訟法第七九条第一項前段に弁護士でなく</要旨>てはならないとされる代理人は、裁判上の行為をなす代理人を意味するのである、訴訟行為をなす代理人はすべて弁護士でなければならないとするものではない。 ら、ここにこれを引用する。当審の控訴人ら各本人の供述中右認定に反する部分は、原判決理由において採用した各証拠と対照し信用することができない。<要旨>二当審における控訴人Aのあらたな主張について考えるに、民事訴訟法第七九条第一項前段に弁護士でなく</要旨>てはならないとされる代理人は、裁判上の行為をなす代理人を意味するのである、訴訟行為をなす代理人はすべて弁護士でなければならないとするものではない。このことは同規定の文言から明らかである。公正証書作成の場合に債務者が公正証書にもとずき強制執行をうけることを認諾する行為は訴訟行為であるといわれるのであるが、代理人によつてする場合、代理人は弁護士でなくても適法とされていることは、多くの人のあやしまないところである。訴訟代理人を任ずる行為は訴訟行為であつても、裁判上の行為ではない。訴訟代理人を任ずる行為を弁護士でない他人に代理させることは民事訴訟法の前記規定に反するものではない。よつてこれに反する控訴人Aの所論は理由がない。三控訴人Cの本件和解については要素の錯誤があつたから右は当然無効であるとする主張、同和解は当時の被控訴人の訴訟代理人D弁護士の詐欺または強迫によるかしある意思表示であるからこれを取消すとの主張、右和解について被控訴人の権利濫用があるから右は無効であるとの主張について判断するに、原審における控訴人C本人の供述により成立を認める甲第二号証原審証人E、Bの各証言、原審における被控訴人本人の供述、原審および当審における控訴人Cの各供述の一部をあわせると、本件債務名義たる裁判上の和解(東京高等裁判所昭和二六年(ネ)第 を認める甲第二号証原審証人E、Bの各証言、原審における被控訴人本人の供述、原審および当審における控訴人Cの各供述の一部をあわせると、本件債務名義たる裁判上の和解(東京高等裁判所昭和二六年(ネ)第一三二六号)は、その第一審(東京地方裁判所昭和二二年(ワ)第一七七五号)においてC敗訴の判決言渡があつて、Cの控訴により審理中、その訴訟代理人弁護士Eの申立によつて裁判所が和解を試み、和解のための口頭弁論期日三、四回をへて後昭和二七年一〇月八日の口頭弁論期日において成立するにいたつたものであるが、同期日には控訴人本人C、右訴訟代理人E弁護士、訴訟引受人Aの訴訟代理人B弁護士、被控訴代理人D弁護士が出頭したこと、同和解条項は右成立の期日の一回前の弁論期日にはすでに骨子ができ上つていたものであるが、Cがこれに不満をとなえたためその期日を一回延期して後成立させたものであり、当時Cは和解の成立自体については異議がなかつたこと、E弁護士は右訴訟が被控訴人により東京地方裁判所に提起される以前から本件土地に関する紛争につきCの相談をうけていたものであつて、右訴訟事件が係属後はCの訴訟代理人として調停の申立をしたこともあり、本件の和解も前記のとおり相当期間をかけた上で成立させたものであつて、Cも右和解に応ずるまでにはその利害を検討するに十分の余裕をもつていたこと、またCは本件和解後E弁護士および相手方代理人D弁護士から、本件土地明渡までには一年程の間があるから何とか話合をする機会もあるのではないか、その間鹿島組(Cの前に本件土地を占有していた第三者であつて、Cはこの鹿島組と交渉のすえ、鹿島組に代つて本件土地を占有するにいたつたが、被控訴人が本件土地につき、賃借権を主張したため、紛争を生じたのであり)とも話合つて立ち退きの際は鹿島組からいくらかでももらつてやろ Cは本件和解後E弁護士および相手方代理人D弁護士から、本件土地明渡までには一年程の間があるから何とか話合をする機会もあるのではないか、その間鹿島組(Cの前に本件土地を占有していた第三者であつて、Cはこの鹿島組と交渉のすえ、鹿島組に代つて本件土地を占有するにいたつたが、被控訴人が本件土地につき、賃借権を主張したため、紛争を生じたのであり)とも話合つて立ち退きの際は鹿島組からいくらかでももらつてやろ 島組と交渉のすえ、鹿島組に代つて本件土地を占有するにいたつたが、被控訴人が本件土地につき、賃借権を主張したため、紛争を生じたのであり)とも話合つて立ち退きの際は鹿島組からいくらかでももらつてやろう、といわれたことがあること、以上の事実が認められる。してみれば控訴人Cは被控訴人との本件和解事件については終始その訴訟代理人E弁護士と相談し、同和解の内容およびCにおいて不履行のときは強制執行をうけることの裁判上の和解の効力についても説明をうけ、これらの事がらは了承していたものと認めるのほかないものであつて、たとえCが右和解には不満があり、本件土地明渡につき、再び被控訴人と話合う機会があつて、土地明渡をまぬかれうることを予期したとしても、同人が前記和解の内容および右裁判上の和解の効力のどおいうものかを知らず、(すなわち本件和解につき要素の錯誤があつたこと)あるいはこの和解をするについて控訴人C主張のごとく被控訴人の訴訟代理人D弁護士から欺罔または強迫されたことおよび被控訴人が本件和解をするにつき権利監用があつたことはとうてい認めがたいところである。原審および当審における控訴人C本人の供述中、右認定に反する点はとうてい採用しがたく、その他本件には以上の認定をうごかすにたる証拠はない。四以上のとおりで本件控訴は理由がないからこれを棄却し、民事訴訟法第八九条第九五条を適用し、主文のとおり判決する。(裁判長判事藤江忠二郎判事原宸判事浅沼武)

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