平成16年(行ケ)第157号特許取消決定取消請求事件平成16年9月30日口頭弁論終結判決原告三菱電機株式会社訴訟代理人弁理士高橋省吾同伊達研郎被告特許庁長官小川洋指定代理人清田榮章同大橋康史同高木進同涌井幸一同宮下正之 主文 1 特許庁が異議2003-71448号事件について平成16年3月2日にした決定中「特許第3353032号の請求項4に係る特許を取り消す。」との部分を取り消す。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求める裁判 1 原告(1) 主文1と同旨(2) 訴訟費用は被告の負担とする。 2 被告(1) 原告の請求を棄却する。 (2) 主文2と同旨第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「エレベータ」とする特許第3353032号の特許(平成10年2月10日出願,平成14年9月20日設定登録。以下「本件特許」といい,願書に添付した明細書及び図面を「本件明細書」という。請求項の数は7である。)の特許権者である。 本件特許に対して特許異議の申立てがされ,特許庁は,これを異議2003-71448号事件として審理した結果,平成16年3月2日,「特許第3353 項の数は7である。)の特許権者である。 本件特許に対して特許異議の申立てがされ,特許庁は,これを異議2003-71448号事件として審理した結果,平成16年3月2日,「特許第3353032号の請求項4,5,7に係る特許を取り消す。同請求項1~3,6に係る特許を維持する。」との決定をし,同年3月24日,その決定の謄本を原告に送達した。 2 決定の理由決定の理由は,要するに,本件請求項4,5,7に係る発明は,特開平7-10434号公報及び特開平9-124252号公報に記載された各発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとするものである。 3 訂正審決の確定原告は,本訴係属中,平成16年6月25日付けで,本件明細書につき,特許請求の範囲請求項4の記載の訂正を含む訂正審判を請求した。特許庁は,これを訂正2004-39149号事件として審理し,その結果,平成16年8月13日にその請求のとおり訂正をすることを認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,これが確定した。 4 本件訂正審決による訂正前の請求項4の内容(本件明細書記載のもの)【請求項4】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール,綱車及びブレーキを有し,上記昇降路内の上部に配置されている巻上機,上記綱車に巻き掛けられている主索,上記主索に吊り下げられ,上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り,及び上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記ガイドレールに対して上記かごを連結し上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えていることを特徴とするエレベータ。 5 本件訂正審決による主な訂正の内容請求項4の文言を訂正し,請 巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えていることを特徴とするエレベータ。 5 本件訂正審決による主な訂正の内容請求項4の文言を訂正し,請求項5及び請求項7を削除する。 訂正後の請求項4の内容は次のとおりである。 【請求項4】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール,綱車及びブレーキを有し,上記昇降路内の上部に配置されている巻上機,上記綱車に巻き掛けられている主索,上記主索に吊り下げられ,上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り,及び上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記ガイドレールに対して上記かごを連結し,上記かごが移動しないように上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えていることを特徴とするエレベータ。 第3 当裁判所の判断上記当事者間に争いのない事実によれば,本件特許の特許請求の範囲請求項4について,特許法29条2項の規定に違反して登録された特許であることを理由にこの特許を取り消した決定の取消を求める訴訟の係属中に,請求項4に係る特許請求の範囲の減縮を含む訂正審判の請求がなされ,特許庁は,同請求を認める旨の本件訂正審決をし,これが確定したということができる。そうすると,決定は,これにより,結果として,請求項4について,判断の対象となるべき発明を特定すべき特許請求の範囲の認定を誤ったことになり,この誤りが決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,本件特許の特許請求の範囲請求項4に係る特許を取り消した決定は,取消を免れない。 以上によれば,本訴請求は理由があるので,これを認容することとし,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め, 許請求の範囲請求項4に係る特許を取り消した決定は,取消を免れない。 以上によれば,本訴請求は理由があるので,これを認容することとし,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所知的財産第3部裁判長裁判官佐藤久夫裁判官設樂隆一裁判官若林辰繁
▼ クリックして全文を表示