平成25(行ケ)10345 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年5月21日 知的財産高等裁判所 2部 判決 請求棄却
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判決文本文18,587 文字)

- 1 -平成26年5月21日判決言渡平成25年(行ケ)第10345号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成26年3月12日判決 原告株式会社ボンマックス 訴訟代理人弁理士江森健二吉田雅一 被告特許庁長官指定代理人守屋友宏村上照美堀内仁子 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた判決特許庁が不服2013-5203号事件について平成25年11月27日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 - 2 -本件は,商標登録出願拒絶査定不服審判請求に対する不成立審決の取消訴訟である。 争点は,本願商標と引用商標との類否(商標法4条1項11号)である。 1 特許庁における手続の経緯原告は,平成24年4月20日,下記の本願商標につき,指定商品を第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」として登録出願をし(商願2012-31582号,甲1),同年10月10日付け手続補正書(甲3)により,指定商品につき,下記のとおりとする補正をしたが,同年12月26日,拒絶査定を受けたので,平成25年3月19日,不服審判請求をした(不服2013-5203号,甲5)。 特許庁は,同年11月27日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は同年12月9日に原告に送達された。 - 3 -【本願商標】 指定商品:第25類「木綿を 許庁は,同年11月27日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は同年12月9日に原告に送達された。 - 3 -【本願商標】 指定商品:第25類「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」(本願指定商品) 2 審決の理由の要点【引用商標(登録第5237252号)。乙1】 - 4 - ・平成20年1月30日登録出願・平成21年6月12日設定登録・指定商品第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」(引用指定商品)・商標権者豊福陽一郎(1) 本願商標と引用商標の類否について簡易・迅速を尊ぶ取引の実際にあっては,本願商標に接する需要者は,本願商標のうち,印象的で記憶に残りやすい部分であって,かつ,親しまれた語である「maximum」の部分を捉えて取引する場合も決して少なくない。 本願商標中「COTTON」の文字部分は,「綿,木綿」の意味を有し,その指定商品「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」との関係においては,単に商品の原材料を理解させるにすぎないから,この部分は,自他商品を識別する機能を有さず,出所識別標識としての称呼,観念を生じない。また,「COTTON」が表されたリボン様の図形の下部に配された絵図は,「COTTON」の文字からすれば から,この部分は,自他商品を識別する機能を有さず,出所識別標識としての称呼,観念を生じない。また,「COTTON」が表されたリボン様の図形の下部に配された絵図は,「COTTON」の文字からすれば,綿花を看取させるものであるところ,本願指定商品との関係においては,単に商品の原材料を理解させるにすぎず,自他商品を識別する機能を有しないから, - 5 -出所識別標識としての称呼,観念を生じない。 加えて,縦長長方形内の下方に5段に表された文字群は,いずれも極めて小さな文字で,細かく書されているから,これらは,印象的で記憶に残りやすい部分であるとはいえない。 そうすると,本願商標は,その構成中「maximum」の文字部分から「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念を生ずるというのが相当である。 一方,引用商標は,「マキシマム」の文字を書してなるから,これより「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念を生ずる。 そこで,本願商標と引用商標を比較すると,本願商標と引用商標は,その外観は差異を有するとしても,「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念を共通にするから,これらを総合的に勘案すると,時と所を異にして接する需要者にとっては,互いに紛らわしい類似の商標というべきである。 (2) 本願指定商品と引用指定商品の類否について本願指定商品「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」は,引用指定商品中「ワイシャツ類」に含まれるものである。 (3) 小括以上からすれば,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。 したがって,本願商標は,商標として登録を受けることはできない。 第3 原告主張の審決取消 用指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。 したがって,本願商標は,商標として登録を受けることはできない。 第3 原告主張の審決取消事由 1 商標法4条1項11号該当性の判断方法について最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決(氷山印事件判決)によれば,商標法4条1項11号における本願商標及び引用商標の類否は,要するに,商品の出所混同を考慮すべきであって,外観,称呼,観念のみな - 6 -らず,取引実情に基づき,総合的に行うべきと判示している。また,同判決は,「商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同が生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであるが,それには,そのような商品に使用された商標が外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきである。しかもその取引の実情を明らかにしうる限り,その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものである。」と判示している。その他,多数の裁判例においても,商品の出所混同を基に本願商標及び引用商標の類否を検討すべきものであり,特段の理由もなく,商標を構成する文字や図形を恣意的に分離観察して,両者商標の類否を行うべきではないとされている。 しかるに,審決は,今日の情報社会の実情等を全く考慮せず,特段の事情がない中で,本願商標のうち,「maximum」の文字部分のみを,他の文字部分や図形部分と恣意的に分離し,出所混同の有無の判断も行わずに,本願商標及び引用商標の類否を画一的に行っており,商標法4条1項11号の判断方法に誤りがあったといわざるを得ない。 2 分離観察について(1) 本願商標は,通常 有無の判断も行わずに,本願商標及び引用商標の類否を画一的に行っており,商標法4条1項11号の判断方法に誤りがあったといわざるを得ない。 2 分離観察について(1) 本願商標は,通常,「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」の商品表示用の襟用タグ等に使用されるのであって,「maximum」の文字部分と,その他の文字部分や図形部分等が切り離されることなく,それらすべてを一括りにする枠を含み,一つの結合商標として使用されるものである。 本願商標は,縦型長方形の一つの枠内に,個々の文字部分や図形部分等からなる要素が,上下左右のバランスが極めて良く収まっており,外観上,看者にとっても一体のものとして認識されており,少なくとも「maximum」の文字部分のみを分離する必然性は全くない。 (2) また,「maximum」の文字部分は,その他の「COTTON」や「Present - 7 -fromnature」の文字部分,更には,4段横書き欧文字からなる文字部分と,観念的にも関連している。すなわち,これらの文字部分を図形部分等も含めて全体的に考察すると,指定商品の原料の一部を表す場合があったとしても,「最大限の自然」,「最大限の自然からの贈り物」,あるいは,「大地のめぐみとしての,最大限の自然の享受」というような本願商標の特質を表わすような自然をモチーフとした観念を想起させているといえる。 仮に,「COTTON」の文字部分やその下の絵図部分が,古くは,ティーシャツやポロシャツの原材料の一つであったとしても,現在では,ほとんどポリエステル樹脂やウレタン樹脂,アクリル樹脂等の合成樹脂材料に変化しているという事実を無視したものであって,「COTTON」を原料としていないティーシャツやポロシャツが,販売数量的にほと ほとんどポリエステル樹脂やウレタン樹脂,アクリル樹脂等の合成樹脂材料に変化しているという事実を無視したものであって,「COTTON」を原料としていないティーシャツやポロシャツが,販売数量的にほとんどを占めるという事情からすれば,「COTTON」の文字部分や絵図部分は,今となっては,珍しいティーシャツやポロシャツの原材料を示すものであって,自他識別力がある部分といえる。したがって,これらの文字や絵図を,単に,指定商品の原材料を理解させるものだから自他識別力がないとする審決の判断は,誤っている。 さらに,一部ロゴ化された「Presentfromnature」の文字部分や,4段横書き欧文字については,少なくとも指定商品の単なる原材料とは無関係である以上,これらは自他識別力がないとか,これらから出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認定する理由にならないことは明らかである。 むしろ,これらについても,商標全体としてのまとまりを示す要素であり,かつ,指定商品につき,自然をモチーフとした観念を想起させるための,商標の重要部分といえる。 (3) さらに,取引の実情を考慮すれば,「maximum」部分を取り出して,分離観察を行うのは適切でない。 すなわち,本願商標の「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」の指定商品に対する取引実情として,本願商標が,商品表示等の縦長長方形のタグ等に - 8 -付してあり,それを需要者や購買者が手にとって,真正面から眺めて,「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」としての商品やブランドを確認するというのが普通である。また,インターネットでの商品取引が頻繁に行われる現状においても,商品が「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」であれば,その商品を手にとって見ることが困難 を確認するというのが普通である。また,インターネットでの商品取引が頻繁に行われる現状においても,商品が「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」であれば,その商品を手にとって見ることが困難な反面,本願商標が付された縦長長方形のタグ等を,より慎重に検査して,正確に識別するという行為が必要である。 とすれば,そのような取引実情に対応して,横書きの文字部分「COTTON」や「Presentfromnature」,更には4段横書き欧文字のほうが,もともと眺める方向と一致する以上,縦枠に対して横向きの「maximum」の文字部分よりも,判読容易であって,迅速に記憶されることはいうまでもないことである。 しかも,4段横書き欧文字について,一文字自体の大きさは「maximum」よりも小さいものの,全体としてみれば,数十文字からなる4段横書きの欧文字であり,縦型長方形の枠内において,その占める面積は相当大きなものである。 また,文字部分「COTTON」の一文字自体の大きさは,本願商標の中で最も大きく,それがフラッグ中に,6文字からなる「COTTON」として記載されており,全体として,相当目をひく態様として記載されている。 その上,文字部分「Presentfromnature」についても,一文字の大きさは,「maximum」と同等か,それ以上であって,しかも,最下部に記載されているものの,中抜きの太字で描かれており,全体として,相当目をひく態様として記載されている。 以上からすれば,本願指定商品及び引用商品の分野においては,所望の商品を確認するための手段としての商品表示等が重視されるとともに,その細部まで注視されることから,本願商標のうち,印象的で記憶に残りやすい部分としては,「maximum」の部分のみであるという認定は到 を確認するための手段としての商品表示等が重視されるとともに,その細部まで注視されることから,本願商標のうち,印象的で記憶に残りやすい部分としては,「maximum」の部分のみであるという認定は到底行えないはずである。 (4) 以上からすれば,本願商標は,文字部分と図形部分とをすべてひとまとまりとした一体の結合商標として捉えるべきものであり,あたかも文字商標のごとく, - 9 -「maximum」という一部の文字部分のみを抽出して対比判断した審決の判断は誤りである。 3 本願商標と引用商標の対比について(1) 前記2のとおり,本願商標の文字と図形は,一体として把握されるべきであり,称呼について,本願商標の「maximum」の文字部分以外にも,「COTTON」や「PresentfromNature」,更には4段横書き欧文字があり,本願商標の称呼として,「コ・ッ・ト・ン」,「マ・キ・シ・マ・ム・コ・ッ・ト・ン」,「コ・ッ・ト・ン・マ・キ・シ・マ・ム」,等も想定される。したがって,少なくとも,称呼として想定されるのは,引用商標と同様の「マ・キ・シ・マ・ム」のみではない。 (2) また,観念においても,本願商標の「maximum」の文字部分以外の部分が総合的に考察された場合,「最大」以外の観念を想起させるものである。すなわち,「COTTON」の文字部分及び絵図部分からは,石油化学工業から得られる「化学素材」ではなく,自然素材である「木綿」を想起させる。それと同時に,「木綿」の綿から,木綿糸が紡がれ,更には布に織られてなる「木綿製」の指定商品であることを連続的に想起させ,ひいては,4段横書き欧文字に記載された「DAICHINOMEGUMIGA 」,「TSUKURIDASHITA 」,「MENKAOTEINEINI 木綿製」の指定商品であることを連続的に想起させ,ひいては,4段横書き欧文字に記載された「DAICHINOMEGUMIGA 」,「TSUKURIDASHITA 」,「MENKAOTEINEINI 」,「ORIAGETASAKUHINDESU」から,自然をモチーフにした所定観念を想起させ,それらをまとめて,自然からの贈り物であるという観念を想起させているといえる。 以上によれば,本願商標を全体的に考察すると,「最大」という人工的かつ数字的な観念というよりは,指定商品に関して,「自然のものの最大限」,「自然からの最大限の贈り物」,更には「大地のめぐみとしての,自然からの最大限の享受」という本願商標の特質を表わす自然をモチーフにした所定観念や自然からの贈り物の観念を想起させていると見るのが妥当である。 したがって,分離観察を前提として,称呼,観念を対比した審決は誤りである。 - 10 - 4 商品の誤認混同のおそれがないことについて(1) 本願商標が付される商品は,パステル等のカラフル色で,ユニホーム的で,自然味あふれ,かつ,比較的安価な「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」である。そして,「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」の需要者や購買者は,その普及率から判断して,今日,老若男女問わず,日本国民の幅広い層であるといえる。 一方,引用商標である「マキシマム」が付される商品は,黒や赤を基調とし,個別的で,創作的で,かつ,比較的高価なゴシック/ロリータファッションという現実や取引実情がある。 これらの引用商標が付される商品の需要者や購買者は,極めて,嗜好性や独自性に富んだ若年女性の少数派であり,かつ,引用商標の商標権者の直営店(原宿直営店)は一店舗しか存在しておらず,しかも,ほとんどがイン らの引用商標が付される商品の需要者や購買者は,極めて,嗜好性や独自性に富んだ若年女性の少数派であり,かつ,引用商標の商標権者の直営店(原宿直営店)は一店舗しか存在しておらず,しかも,ほとんどがインターネット販売されているという取引事情がある。 黒や赤を基調とし,個別的で,創作的で,かつ,比較的高価なゴシック/ロリータファッションを嗜好する若年女性の少数派が,パステル等のカラフル色で,ユニホーム的で,自然味あふれ,かつ比較的安価な「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」を積極的に嗜好し,購買することは,到底あり得ないことからすれば,本願商標が付される商品及び需要者等と,引用商標が付される商品及び需要者等とは,それぞれ相反するほど異なっており,完全にすみ分けされているという取引実情がある。 よって,審決において,本願指定商品のみならず,引用商標における需要者や購買者に関する取引実情を誤って認定しているというべきである。 (2) また,原告は,数年前から,本願商標を指定商品である「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」に付して製造,販売しているのであるが,需要者や購買者から,引用指定商品と出所混同を生じたとのクレームは1件もない。むしろ,本願商標を付した「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」の需要者 - 11 -や購買者は,リピーターが多く,本願商標をたよりにして,原告の「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」を再度購入している取引実情がある。 その上,例えば,インターネットのGoogle 検索サイトを利用して,「マキシマム,ティーシャツ」のキーワードで検索すると,2013年3月12日には,826000件ヒットし,本願商標の指定商品に関するものが,トップ10のうち,9件であり,2013年 イトを利用して,「マキシマム,ティーシャツ」のキーワードで検索すると,2013年3月12日には,826000件ヒットし,本願商標の指定商品に関するものが,トップ10のうち,9件であり,2013年12月16日には,920000件ヒットし,トップ10のすべてが本願商標の指定商品に関するものである。同様に,インターネットのGoogle検索サイトを利用して,「マキシマム,ポロシャツ」のキーワードで検索すると,2013年3月12日には,81700件ヒットし,トップ10のうち,本願商標の指定商品に関するものが9件であり,2013年12月16日には,106000件ヒットし,トップ10のすべてが本願商標の指定商品に関するものである。 以上からすれば,「maximum」を含む本願商標が,「ティーシャツ,ポロシャツ」に関し,日本全国で,相当の周知性を有していることは明らかであって,それもまた,引用商標との類否を判断する上での取引事情として考慮すべきである。 しかるに,本願商標の指定商品における周知性を全く考慮せずに,引用商標と出所混同するおそれがあるとした審決は誤りである。 第4 被告の反論 1 原告の主張1,2に対し本願商標は,縦長長方形の内部の上方に,筆記体で書された「maximum」の文字を右に90度回転させて表し,その下部に,「COTTON」の文字が表されたリボン様の図形及び綿花のようにも思える絵図を配し,その下からは,「maximum」や「COTTON」の文字に比して極めて小さく,「DAICHINOMEGUMIGA」「TSUKURIDASHITA」「MENKAOTEINEINI」「ORIAGETASAKUHINDESU」の文字を上下4段に横書きし,最下部に,筆記体で書された「Presentfromnature」の文字を ASHITA」「MENKAOTEINEINI」「ORIAGETASAKUHINDESU」の文字を上下4段に横書きし,最下部に,筆記体で書された「Presentfromnature」の文字を白抜きした丸隅横長四角形を配してなるものである(以上の文字,絵図は,すべて - 12 -金色か黄土色に見える色で彩色されている。)。 このうち,「maximum」の文字部分は,これ以外の,「COTTON」の文字が表されたリボン様の図形,綿花のような絵図,及び「DAICHINOMEGUMIGA」など縦長長方形内の下方に5段に表された文字群と,外観上,極めて容易に分離・独立して看取されるものであり,また,縦長長方形のうち上半分以上を占めるスペースの中央に,顕著に大きく表されている。 また,「maximum(マキシマム)」の語は,「広辞苑」(乙2)や「新明解国語辞典」(乙3)にも掲載されており,その意味「最大,最大限」とともに比較的親しまれた語であるといえる。 そうすると,簡易・迅速を尊ぶ取引の実際にあっては,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標のうち,印象的で記憶に残りやすい部分であって,かつ,親しまれた語である「maximum」の部分を捉えて取引する場合も決して少なくないというべきである。 また,本願商標中「COTTON」の文字部分は,「綿,木綿」の意味を有し,本願指定商品「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」との関係においては,商品が木綿製であること,すなわち,単に商品の原材料を理解させるにすぎないから,自他商品を識別する機能を有さず,出所識別標識としての称呼,観念を生じない。さらに,「COTTON」が表されたリボン様の図形の下部に配された絵図は,「COTTON」の文字から,綿花を看取させるものであるところ,本 する機能を有さず,出所識別標識としての称呼,観念を生じない。さらに,「COTTON」が表されたリボン様の図形の下部に配された絵図は,「COTTON」の文字から,綿花を看取させるものであるところ,本願指定商品との関係においては,単に商品の原材料を理解させるにすぎず,自他商品を識別する機能を有しないから,出所識別標識としての称呼,観念を生じない。 さらに,縦長長方形内の下方に5段に表された文字群は,いずれも極めて小さな文字で,細かく書されているから,これらは,印象的で記憶に残りやすい部分であるとはいえない。 以上からすれば,本願商標の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察し,加えて,上記指定商品との関係 - 13 -を考慮すると,本願商標は,「maximum」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものといえるから,本願商標と引用商標との類否判断の際には,本願商標のうち該部分だけを引用商標と比較することも,許されるというべきである。 したがって,審決の判断方法及びその判断内容には,いずれも誤りはない。 2 原告の主張3に対し前記のとおり,本願商標の構成中「maximum」の文字部分を分離観察することができることから,「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念をも生ずるといえるものである。 一方,引用商標は,「マキシマム」の文字を書してなるから,これより「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念を生ずる。 本願商標と引用商標を比較すると,本願商標と引用商標は,その外観において差異を有するとしても,「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念を共通にするから,これらを総合的に勘案すると,時と所を異にして接する取引者,需要者にとっては,互いに紛らわしい類似の商標というべきである。 を有するとしても,「マキシマム」の称呼及び「最大」の観念を共通にするから,これらを総合的に勘案すると,時と所を異にして接する取引者,需要者にとっては,互いに紛らわしい類似の商標というべきである。 そして,本願指定商品「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」は,引用指定商品中「ワイシャツ類」に含まれるものである。 そうすると,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当することは明らかである。 3 原告の主張4に対し(1) 本願指定商品は,年齢性別を問わない一般消費者を需要者とする商品であるところ,一般消費者の普通に払われる注意力を踏まえると,本願商標の需要者は,必ずしも商標の構成を細部にまでわたり記憶して取引するとはいえず,商標全体の主たる印象によって商標の出所を識別する場合も少なくないものであり,また,本 - 14 -願指定商品の分野において,複数の部分を組み合わせたいわゆる結合商標は,簡易・迅速を尊ぶ取引の実際にあって,常に必ずしも商標の細部にまで注視されて取引に資されるのではなく,顕著に表されている部分のみをもって取引に資されることも決して少なくない。 仮に,本願商標が子細に観察された場合であっても,「maximum」の文字部分は右に90度回転させて表されているのに対し,その他の文字(「COTTON」や「Presentfromnature」など)は横書きされているから,「maximum」とこれらの文字とを続けて文章(句)として把握することは困難である上,「maximum」の文字とその他の文字とはその書体,大きさ,表示態様も異なり,「maximum」とその他の文字が組み合わされて特定の親しまれた観 を続けて文章(句)として把握することは困難である上,「maximum」の文字とその他の文字とはその書体,大きさ,表示態様も異なり,「maximum」とその他の文字が組み合わされて特定の親しまれた観念を生ずるともいえないから,「maximum」とその他の文字とが一体となって把握,記憶され,取引に資されるとはいえない。加えて,「COTTON」の文字及びその下に配された絵図は,商品の原材料を理解させるものにすぎないし,他の図形も背景的なものと理解されるにすぎず,さらに,「DAICHINOMEGUMIGATSUKURIDASHITAMENKAOTEINEINIORIAGETASAKUHINDESU」及び「Presentfromnature」の部分にしても,これらの文字は小さく,かつ冗長であるばかりでなく,両者からは,それぞれ「大地の恵みが作り出した綿花を丁寧に織り上げた作品です」「自然からの贈りもの」といった程度の意味合いが理解され,これらは,綿花を丁寧に織り上げた商品であること,自然の素材を利用した商品であること程度を認識させ得るものであることからすれば,「maximum」の文字部分以外の文字や絵図は,少なくとも自他商品の識別標識としての機能が強いものとはいえない。 そうすると,本願商標は,その全体が子細に観察されたとしても,結局,「maximum」の文字部分が印象的で記憶に残りやすい部分であって,該部分をもって取引されるものといえる。 したがって,原告の主張は,失当である。 (2) 商標法4条1項11号は,「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係 - 15 -る他人の登録商標・・に類似する商標であつて,その商標登録に係る指定商品・・・又はこれらに類似する商品・・について使用をするもの」と規定されているのであ 願の日前の商標登録出願に係 - 15 -る他人の登録商標・・に類似する商標であつて,その商標登録に係る指定商品・・・又はこれらに類似する商品・・について使用をするもの」と規定されているのであるから,商標の類否判断にあっては,実際に使用されている商品を比較対象とするのではなく,本願指定商品と引用指定商品を比較するべきであるところ,引用指定商品は,「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類」等であって,これらの商品の用途について,ゴシック/ロリータファッション用のものに限定はされていないから,引用商標がゴシック/ロリータファッション用のものに使用されているということを前提に,引用商標が本願商標とすみ分けされているとする原告の上記主張は,その前提において失当である。 さらに,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的,限定的なそれを指すものではないところ,本願商標について現実に出所の混同が生じているか否か及び本願商標が周知であるか否かは,指定商品全般についての一般的,恒常的な取引の実情とはいい難い。 (3) 原告は,本願商標が日本全国で相当に周知性を有する旨主張するが,「マキシマム,ティーシャツ」「マキシマム,ポロシャツ」の語をインターネットで検索した結果を示す証拠を提出したのみであって,例えば,前記第2,1のとおりの本願商標が使用されている様子,本願商標の使用を開始した時期,本願商標を使用した商品の販売量,流通範囲,宣伝・広告の状況等が把握できる証拠を何ら提出していないから,原告が提出する証拠によっては,本願商標が周知であるとはいえない。 第5 当裁判所の判断 1 分離観察の可否に の販売量,流通範囲,宣伝・広告の状況等が把握できる証拠を何ら提出していないから,原告が提出する証拠によっては,本願商標が周知であるとはいえない。 第5 当裁判所の判断 1 分離観察の可否について(1) 商標法4条1項11号に係る商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に,商品又は役務の出所につき誤認混同を生 - 16 -ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,そのためには,まずその外観,観念,称呼の対比を基準にして,取引者・需要者等に与える印象,記憶,連想等を総合し,その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきであるところ(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁),図形や文字等の複数の構成部分を組み合わせた結合商標については,各構成部分の一体性が弱ければ,経験則上,当該部分だけによって称呼,観念される場合があり,特に,当該部分が取引者・需要者等に対し商品又は役務の出所識別標章として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合などには,当該部分を要部として抽出し,この部分をもって他人の商標と比較して商標としての類否を判断すべきものといえる(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁,最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁,最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・集民228号561頁)。 (2) 本願商標は,上記のとおり,図形及び各欧文字から構成される結合商標である。同商標は,縦長長方形の枠線の内部上方に,手書き風の筆記体で書された「maximum」の文字を表し,その下部に,リボ (2) 本願商標は,上記のとおり,図形及び各欧文字から構成される結合商標である。同商標は,縦長長方形の枠線の内部上方に,手書き風の筆記体で書された「maximum」の文字を表し,その下部に,リボン状の図形が描かれ,その中に「COTTON」の文字が表され,更にその下部には,「COTTON」の文字と合わせて見れば,綿花を想起させる写実的な花実様の絵図が描かれている。絵図の下部には,「maximum」や「COTTON」の文字に比して極めて小さい字体で,「DAICHINOMEGUMIGA 」「TSUKURIDASHITA 」「MENKAOTEINEINI 」「ORIAGETASAKUHINDESU」の文字を上下4段に横書きし,最下部に,手書き風の筆記体で書された「Presentfromnature」の文字を中抜きして,背景が色塗りされた丸隅横長四角形を配している。これらの文字,絵図は,すべてカーキ色ないし黄土色の一色で彩色されている。 このうち,「maximum」の文字部分は,縦長長方形のうち上半分以上を占め - 17 -るスペースの中央に,横書きの文字を右に90度回転させた横向きの状態で顕著に大きく表されており,それ以外の文字及び図形は,通常の横書きの状態で配されている。「maximum」の文字部分は,特徴的な筆記体で書されているが,判読困難なほどに装飾的な字体ではなく,1文字1文字が独立したアルファベットとして認識できる手書き風のフォントであり,右に90度回転させた横向きの状態であっても,一見して「maximum」であると判読できるものである。 この「maximum」の文字部分からは,「最大」,「最大限」の観念が生じるものではあるが(乙2,3),当該記載に触れた取引者,需要者は,「maximum」の文字部分を,本願指定 るものである。 この「maximum」の文字部分からは,「最大」,「最大限」の観念が生じるものではあるが(乙2,3),当該記載に触れた取引者,需要者は,「maximum」の文字部分を,本願指定商品との関係で,単なる名詞又は形容詞としての意味合いを示すものではなく,特定の出所を表示する固有名詞を示す部分であると認識するものと推測できる。 一方,「DAICHINOMEGUMIGA 」「TSUKURIDASHITA 」「MENKAOTEINEINI」「ORIAGETASAKUHINDESU」の文字を上下4段に横書きした部分,及び最下部に,筆記体で書された「Presentfromnature」の部分は,フォントが小さく,多数の文字が複数段にわたって記されており,一読して判別できるものではなく,詳細に見たとしても,1段目16文字,2,3段目各14文字,4段目19文字,最下段17文字と長く,極めて冗長である。しかも,4段欧文字部分は,ローマ字表記である上に,分説ごとのスペースが挿入されていないこともあって,より文字を把握しにくいものとなっている。これらのことからすれば,上記の4段書き欧文及び最下段の部分は,いわゆる記述的な記載であって,特定の出所を識別させるような機能を有する記載とは認められないというべきである。 他方,「COTTON」の文字部分は,「maximum」とほぼ同じ大きさで配されており,リボン状の図形内に配置されていることもあって,外観上は,目をひくものである。しかし,上記のとおり,「maximum」の文字部分が横書きの文字を右に90度回転させた横向きの状態で配されているのに対し,それ以外の部分は,通常の横書きで配されているため,その構成上,「maximum」の文字部分 - 18 -とそれ以外とは分離して看取され 右に90度回転させた横向きの状態で配されているのに対し,それ以外の部分は,通常の横書きで配されているため,その構成上,「maximum」の文字部分 - 18 -とそれ以外とは分離して看取されるものである。そして,「COTTON」の文字部分からは,「コットン」,「綿」,「木綿」との観念が生じ(乙4),その下の花実様の絵図部分も,「COTTON」の文字と合わせて見た場合,綿花を連想させる絵図であることから,これを本願指定商品である「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」に使用した場合,これらに接する取引者,需要者は,単に指定商品の材質である「木綿」(製品)を表したものと認識することが一般的であると推測される。 そうすると,「maximum」の文字部分は,「COTTON」の文字部分及び花実様の絵図部分とは,構成上も,その意味の上からも,分離して看取,把握され,本願商標に接した取引者,需要者は,上段に大きく記載された印象的な部分であり,自他識別機能を有する部分である「maximum」の文字部分を強く意識することが多いものと認められ,この部分が,本願商標の要部をなすというべきである。 したがって,本願商標は,「maximum」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとして,本願商標と引用商標との類否判断の際に,本願商標のうち該部分だけを引用商標と比較した審決の判断に誤りがあるとはいえない。 2 本願商標と引用商標の類否について本願商標は,前記1に述べた外観であるのに対し,引用商標は「マキシマム」を横書きにしてなる文字商標であることからすれば,外観において相違する。 しかし,前記1に述べたとおり,本願商標の要部が「maximum」部分であることからすれば,本願商標からは,「マキシマム」との称呼が生じ,引用商標の「マ あることからすれば,外観において相違する。 しかし,前記1に述べたとおり,本願商標の要部が「maximum」部分であることからすれば,本願商標からは,「マキシマム」との称呼が生じ,引用商標の「マキシマム」と同一の称呼である。また,「maximum」は,「最大」,「最大限」を意味する英単語であるところ,この英単語は,初歩的な英語教育を受けた者であれば,理解できる単語である一方,「マキシマム」は,広辞苑などの国語辞典(乙2,3)においても,外来語として,英単語における意味と同一の「最大」,「最大限」,「最高」を意味するものとして記されている。したがって,本願商標の「maxi - 19 -mum」は,引用商標における片仮名の「マキシマム」と観念においても共通している。 さらに,本願指定商品は,「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」であり,引用指定商品のワイシャツ類に含まれるものであるところ,後記に述べるとおり,これらの指定商品における取引者・需要者において,本願商標と引用商標の誤認混同が生ずるおそれがないほどに,本願商標が周知性を獲得しているとか,指定商品における取引通念上,取引者・需要者が高い識別力を有しているなどといった事情は認められないことからすれば,本願指定商品に本願商標が用いられた場合には,これに接した取引者・需要者は,引用商標との関係において,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがあると認めるのが相当である。 そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において相違するものの,称呼及び観念において差異はなく,同一又は類似の商品に用いられた場合には,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標であると認められる。同旨の判断をした審決には誤りがない。 3 原告の主張について(1) 原告 は類似の商品に用いられた場合には,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標であると認められる。同旨の判断をした審決には誤りがない。 3 原告の主張について(1) 原告は,審決が,今日の情報社会の実情等を全く考慮せず,特段の事情がない中で,本願商標のうち,「maximum」の文字部分のみを,他の文字部分や図形部分と恣意的に分離し,更には,出所混同の有無の判断も行わずに,本願商標及び引用商標の類否を画一的に行っているとして,審決における4条1項11号の判断方法を論難する。 しかし,審決は,上記のとおり,本願商標の構成及び外観やそこから生じる観念,称呼,指定商品との関係における取引実情を総合勘案の上で,要部を抽出して分離観察をしたものであり,その判断手法に誤りがあったということはできない。 (2) 原告は,「COTTON」の一文字自体の大きさは,本願商標の中で最も大きく目をひくことや,「COTTON」を原料としていないティーシャツやポロシ - 20 -ャツが,販売数量的に多くを占めるとの事情からすれば,「COTTON」の文字部分及び花実様の絵図部分は,今では珍しいティーシャツやポロシャツの原材料を示すものであって,自他識別力があることから,「maximum」の文字部分のみを分離観察したのは誤りであると主張する。 確かに,前記に認定したように,「COTTON」の文字部分が「maximum」の文字部分にひけを取らない大きさであることは否定できない。しかし,前記のように,「maximum」の文字部分は,横書きの文字を右に90度回転させた横向きの状態で配され,「COTTON」の文字部分は,通常の横書きの状態で配されており,両者の字体が相違することに照らすと,本願商標に接した取引者・需要者が,「maxim 文字を右に90度回転させた横向きの状態で配され,「COTTON」の文字部分は,通常の横書きの状態で配されており,両者の字体が相違することに照らすと,本願商標に接した取引者・需要者が,「maximum」と「COTTON」の文字部分を切り離さず,結合させて捉えるとは考え難く,その配置,構成からすれば,明瞭に区別できるものである。そして,「COTTON」の語は,綿,木綿を示すものであることは常識として知られており,本願指定商品が「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」であることからすると,「COTTON」の文字部分及び花実様の絵図部分は,単に材質である木綿を示したものと捉えられるのが通常であり,これが出所を示すものと認識されないことは明らかである。したがって,原告の上記主張は採用できない。 (3) 原告は,本願商標は,「maximum」部分のみでなく,結合商標として他の文字部分及び図形をも一体的に用いていることから分離観察は相当でない旨主張する。 しかし,本願商標の使用に当たって,「maximum」の文字部分を分離することなく,一体的にのみ利用しているとしても,本願商標の構成自体から,「maximum」の文字部分がその他の文字,図形とは分離して認識され,最も注目されるものであることは,前記1のとおりであるから,原告が文字部分と図形を一体的に使用していることは,上記認定を左右するものでない。 (4) 原告は,分離観察の可否における判断において,審決が具体的な取引実情を考慮していないのは誤りであると主張する。 - 21 -しかし,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引実情とは,通常,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に該商標が現在使用されている商品についてのみの限定的,一 しかし,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引実情とは,通常,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に該商標が現在使用されている商品についてのみの限定的,一時的なそれを指すものではない。したがって,原告の主張するように,現に引用商標を付して販売されている商品がロリータファッションであるとしても,引用商標の指定商品としてこれを恒常的な前提とするのは誤りであり,指定商品全般についての一般的な取引実情を考慮すべきである。そうすると,本願指定商品である「木綿を含むティーシャツ,木綿を含むポロシャツ」や,引用指定商品である「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類」等についてみると,これらは,日常的に各所の店舗やインターネットにおいて広く取引される商品であって,取引市場が限られたものではなく,その注意力,識別力には様々な水準が想定される一般的な消費者を対象とする商品であることからすれば,原告主張のように誤認混同のおそれがないということはできない。 (5) 原告は,需要者や購買者から,引用指定商品と出所混同を生じたとのクレームは1件もなく,インターネットの検索エンジンにおけるキーワードに「マキシマム,ティーシャツ」等で入力した場合に,本願商標を付した商品が上位で複数件ヒットすることなどを根拠に,本願商標が周知性を有している旨主張する。 しかし,前者については,原告に実際にそのようなクレームが寄せられていないとしても,商品出所の誤認混同のおそれがないと認めることはできないし,後者については,当該事実によっても,原告の本願商標が,消費者において誤認混同を生じない程度に周知性を獲得していると認めるに足りない。かえって,当該事実は,本願指定商品において原告の製造,販売する商品の出所を称するものとして,「マキシ 告の本願商標が,消費者において誤認混同を生じない程度に周知性を獲得していると認めるに足りない。かえって,当該事実は,本願指定商品において原告の製造,販売する商品の出所を称するものとして,「マキシマム」との片仮名文字のみの表示が通用しており(乙12),引用商標と誤認混同のおそれを生じるものであることを裏付けるものである。したがって,原告の上記主張は採用できない。 第6 結論 - 22 -以上によれば,審決の判断に誤りはないから,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水 節 裁判官中村 恭 裁判官中武由紀 - 23 -

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