令和元年6月19日判決言渡平成29年(行ウ)第43号大阪市政務活動費返還請求事件(住民訴訟)主文 1 被告は,被告補助参加人自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団に対し,8万9425円及びこれに対する平成28年6月17日から支払済みまで 年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は,被告補助参加人Aに対し,8万9425円及びこれに対する平成28年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用(補助参加によって生じた費用を除く。)は,これを4分し,その1を原告らの負担とし,その余は被告の負担とし,補助参加によって生じた費用は,これを4分し,その1を原告らの負担とし,その余は被告補助参加人らの負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 被告は,被告補助参加人自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団に対し,42万1773円及びこれに対する平成28年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は,被告補助参加人Aに対し,42万1773円及びこれに対する平成 28年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要本件は,大阪市の住民である原告らが,被告補助参加人自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団(以下「補助参加人会派」という。)に所属する大阪市会 議員である被告補助参加人A(以下「補助参加人議員」といい,補助参加人会 派と併せて「補助参加人ら」という。)は,大阪市から補助参加人会派を介して交付を受けた平成27年度の政務活動費のうち,143万円を政務活動に要する経費以外のものに充当したものであるから(以 会 派と併せて「補助参加人ら」という。)は,大阪市から補助参加人会派を介して交付を受けた平成27年度の政務活動費のうち,143万円を政務活動に要する経費以外のものに充当したものであるから(以下,当該143万円に係る支出を「本件支出」という。),大阪市は,補助参加人らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権及び補助参加人会派に対する不当利得返還請求権を有 するにもかかわらず,大阪市の執行機関である被告はその行使を違法に怠っていると主張して,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,相手方らに対して各143万円及びこれに対する前記政務活動費の収支報告書提出の日の翌日である平成28年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することを求める住民訴訟であ る。 補助参加人会派が,本件訴訟係属中に,大阪市に対し,前記政務活動費のうち100万8227円を返還したことから,原告らは,前記第1のとおり請求を減縮した(その経緯に鑑み,原告らは,本件において,当該返還に係る100万8227円に対する平成28年6月17日から支払済みまで民法所定の 年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することを求めてはいないものと解される。)。 1 関係法令等の定め(1) 地方自治法地方自治法100条14項は,普通地方公共団体は,条例の定めるところ により,その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務活動費を交付することができ,この場合において,当該政務活動費の交付の対象,額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充当することができる経費の範囲は,条例で定めなければならない旨規定している。 (2) 大阪市会政務活動 この場合において,当該政務活動費の交付の対象,額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充当することができる経費の範囲は,条例で定めなければならない旨規定している。 (2) 大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25 号。以下「本件条例」という。)(丙1)ア本件条例1条は,本件条例は,地方自治法100条14項等の規定に基づき,大阪市会議員の市政に関する調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として交付する政務活動費について必要な事項を定めるものとする旨規定している。 イ本件条例2条は,政務活動費は,大阪市会における会派及び議員(後記ウにより9万5000円の額を選択した会派に所属する議員及びいずれの会派にも所属しない議員に限る。)に対して交付する旨規定している。 ウ本件条例3条1項は,会派に対する政務調査費の月額は,57万円又は9万5000円のうちから各会派が選択した額に,各月1日における当該 会派の所属議員の数を乗じて得た額とする旨規定している。 エ本件条例5条は,1項において,政務活動費は,会派が行う調査研究,研修,広報・広聴,住民相談,要請,陳情,各種会議への参加等市政の課題及び市民の意思を把握し,市政に反映させる活動その他住民福祉の増進を図るために必要な活動(以下「政務活動」という。)に要する経費に対 して交付する旨規定し,2項において,政務活動費の交付を受けた会派は,政務活動費を別表第1(以下「本件別表」という。)に定める政務活動に要する経費以外のものに充当してはならない旨規定している。そして,本件別表は,本件条例5条の政務活動費を充当することができる経費として,(ア)会派が行う政務活動に係る事務遂行に必要な経費である事務費,(イ)会 派が行う政務 ならない旨規定している。そして,本件別表は,本件条例5条の政務活動費を充当することができる経費として,(ア)会派が行う政務活動に係る事務遂行に必要な経費である事務費,(イ)会 派が行う政務活動のために必要となる事務所の設置及び管理に要する経費である事務所費等の費用を規定している。 オ本件条例7条1項は,政務活動費の交付を受けた会派の代表者は,毎年度,当該年度の政務活動費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を作成し,領収書その他の当該支出の事実を証する書類の 写しを当該収支報告書に添付し,これを翌年度の4月30日までに大阪市 会議長に提出しなければならない旨規定している。 カ本件条例8条は,政務活動費の交付を受けた会派は,交付を受けた年度における政務活動費の総額から同年度において本件条例5条(前記エ)に定める経費の範囲に基づいて支出した額を控除して残余の額がある場合は,速やかに当該残余の額を市長に返還しなければならない旨規定してい る。 (3) 大阪市会政務活動費の取扱いに関する要綱(以下「本件要綱」という。)(丙3)ア本件要綱は,大阪市会議長が地方自治法104条に規定する議長の権限に基づき定めたものであるが,3条1項において,(ア)慶弔,見舞,餞別等 の交際費的経費,(イ)会議等に伴う飲食以外の飲食経費,(ウ)選挙活動に属する経費,(エ)政党活動に属する経費,(オ)後援会活動に属する経費,(カ)私的活動に属する経費,(キ)その他政務活動の目的に合致しない経費は,政務活動費を支出することができない(ただし,政務活動に資する経費部分についてはこの限りでない。)旨規定している。 本件要綱3条2項は,会派の活動に要した経費のうち,政務活動費を全額充当することが不適当である ことができない(ただし,政務活動に資する経費部分についてはこの限りでない。)旨規定している。 本件要綱3条2項は,会派の活動に要した経費のうち,政務活動費を全額充当することが不適当であることが明らかな場合は,実態に即して適切に按分し,政務活動に資する経費相当額を計上しなければならない旨規定している。 イ本件要綱6条は,1項において,議長は,本件条例7条1項等の規定に より提出された収支報告書等の記載を検査し,必要があると認めるときは,会派の代表者及び経理責任者等に対し,収支報告書等の記載について説明を求めることができる旨を,2項において,議長は,前記の検査の結果,収支報告書等の記載に不適切なものがあると認めたときは,会派の代表者及び経理責任者等に対し,その修正を命ずることができる旨を,3項にお いて,議長は,修正された収支報告書等の提出があったときは,その写し を市長に送付しなければならない旨をそれぞれ規定している。 (4) 政務活動費の手引き(丙4)大阪市会は,政務活動費の適正な取扱いと経理の明確化に資するための統一的な基準として「政務活動費の手引き」(以下「本件手引き」という。)を作成している。本件手引きには,政務活動費を充当することができる経費 の範囲の運用指針として,要旨,別紙「本件手引きの内容の要旨」記載の定めがある(第3章)。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者等 ア原告らは,大阪市の住民である。(弁論の全趣旨)イ被告は,大阪市の執行機関である。 ウ補助参加人会派は,平成27年5月1日から平成28年3月31日までの間,大阪市から政務活動費の交付を受けた大阪市議会の会派(権利能力のない社団 全趣旨)イ被告は,大阪市の執行機関である。 ウ補助参加人会派は,平成27年5月1日から平成28年3月31日までの間,大阪市から政務活動費の交付を受けた大阪市議会の会派(権利能力のない社団)である。 エ補助参加人議員は,補助参加人会派に所属する大阪市会議員である。 (2) 政務活動費の交付及び支出等ア大阪市は,平成27年度において,補助参加人会派に対し,政務活動費を交付した。 イ補助参加人議員は,平成23年4月1日,有限会社B(同日頃の代表取 締役は,補助参加人議員の長男である。以下「本件会社」という。)との間で,本件会社の所有する2階建て事務所建物(大阪市(住所省略)所在,延べ床面積約550㎡。以下「本件建物」という。)の1階部分(床面積約55.97㎡。以下「本件事務所」という。)を,次の約定で賃借する旨の契約を締結した。(甲1,2,6の2。以下「本件賃貸借契約」とい う。本件賃貸借契約の契約書(甲1)には,賃借人として「A市政事務所 A」との記名押印があること,大阪市会事務局が賃借人は補助参加人議員であると認識していること(甲2)等に照らして,本件賃貸借契約の賃借人は補助参加人議員であると認められる。)賃貸期間平成23年4月1日から平成24年3月31日まで当事者双方に異議のない場合には1年間の自動更新 賃料月額9万円水道光熱費等本件事務所の備品,水道光熱費,車両及び電話料等の使用料(以下「本件使用料」という。)として月額13万円ウ補助参加人会派は,本件賃貸借契約の締結を補助参加人会派のための政務活動として承認し,補助参加人に対し,本件賃貸借契約に基づく賃料及 び本件使用料の各相当額(月額合計22万円)を政務活動費として交付した。(弁論の全趣旨) 約の締結を補助参加人会派のための政務活動として承認し,補助参加人に対し,本件賃貸借契約に基づく賃料及 び本件使用料の各相当額(月額合計22万円)を政務活動費として交付した。(弁論の全趣旨)エ補助参加人議員は,平成27年5月から平成28年3月までの間,毎月,本件会社に対し,補助参加人会派から交付を受けた政務活動費のうち9万円を本件賃貸借契約に基づく賃料に,13万円を本件使用料に,それぞれ 充当した(このうち,本件使用料に充当された月額13万円の支出が本件支出である。)。補助参加人会派は,平成27年度の収支報告書に前記の月額合計22万円の支出に係る領収証を添付する際,政務活動費の使用者を補助参加人議員と,支出内容を「事務所他賃借料(通信・水道・光熱費等130000円含む)」と,それぞれ記載した。(甲1,2,弁論の全 趣旨)本件使用料は,(ア)補助参加人議員が所有する金庫,机,いす,ロッカー・本棚,応接セット,コピー機,パソコン,冷蔵庫,エアコン等,自動車1台及び自転車2台(以下「本件設備」と総称し,前記自動車を「本件車両」という。)の使用料と,(イ)本件事務所の維持・管理のための費用(水 道光熱費等)等(以下「本件維持経費」という。)とから成る。 オ本件会社は,平成27年5月から平成28年3月までの間,毎月25日ないし27日に,補助参加人議員に対し,補助参加人議員から本件支出により受領した金員と同額である13万円を,補助参加人議員名義の普通預金口座(当該金員以外の金員の出入金が多数行われている口座。以下「本件口座」という。)に振り込む方法により支払った。(丙12の1から4 まで,弁論の全趣旨)カ大阪市会議長は,大阪市が平成27年5月から平成28年3月までに交付した政務活動費につい 以下「本件口座」という。)に振り込む方法により支払った。(丙12の1から4 まで,弁論の全趣旨)カ大阪市会議長は,大阪市が平成27年5月から平成28年3月までに交付した政務活動費について,本件条例7条1項の規定に基づき,同年4月30日までに,各会派から収支報告書の提出を受け,同年6月16日,本件要綱6条3項の規定に基づき,被告に対し,検査を経た収支報告書の写 しを送付した。(甲2から4まで)(3) 本件建物の利用状況等本件建物は,本件会社の所有する鉄骨造2階建ての事務所であり,1階床面積は約55.97㎡(登記記録上は16.52㎡)で,2階床面積は496.32㎡である。本件建物の1階部分は本件事務所として使用されており, 2階部分は,補助参加人議員の運営する税理士事務所等(「A税理士総合経営事務所」,「A税理士事務所」,「A会計事務所」。以下,併せて「本件税理士事務所等」ともいう。)として使用される部分(床面積約248㎡)と,本件会社が経営する「C」の事務所等として使用される部分(床面積約248㎡)とから成る。(甲1,6の2,丙73,74,弁論の全趣旨) (4) 本件訴訟に至る経緯ア原告らは,平成28年12月5日,本件支出が違法であるなどと主張して,本件支出に係る政務活動費の返還請求をするなど必要な措置を講ずるよう被告に勧告することを求める旨の住民監査請求をした。(甲1)イ大阪市監査委員は,平成29年2月1日付けで,前記アの監査請求に理 由がないと認め,その旨を原告らに通知した。(甲2から4まで) ウ原告らは,平成29年3月2日,本件訴訟を提起した。(顕著な事実)(5) 政務活動費の返還補助参加人会派は,平成30年12月18日,大阪市会議長に対し,平成27年5月から平 まで) ウ原告らは,平成29年3月2日,本件訴訟を提起した。(顕著な事実)(5) 政務活動費の返還補助参加人会派は,平成30年12月18日,大阪市会議長に対し,平成27年5月から平成28年3月までの本件賃貸借契約に基づく賃料及び本件使用料の各相当額合計242万円について,合計141万1773円に訂正 する旨の収支報告書の訂正届を提出するとともに,大阪市に対し,この訂正による差額に相当する政務活動費100万8227円を返還した。この返還金の中に本件賃貸借契約に基づく賃料相当額は含まれていない。(丙83,84,弁論の全趣旨) 3 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨 本件の争点は,本件支出の違法性であり,この点に関する当事者の主張の要旨は以下のとおりである。 (原告らの主張の要旨)(1) 総論交付された政務活動費は,政務活動に要する経費に対して適切に充当され るべきものであり,政務活動に要する経費以外のものに充当することは許されない(本件条例5条)。 本件支出は,補助参加人議員の長男が代表取締役を務める会社(本件会社)と補助参加人議員との間で締結された事務所の賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づく「備品,水道光熱費,車両及び電話料等」の使用料(本件使用料) 月額13万円に充当されたものであるところ,次の諸点に照らして,賃貸借契約に伴う費用の支払としての実体を欠く資金の流用であり,政務活動に要する経費以外のものに充当されたものというべきであって,その全額143万円(13 万円×11 箇月=143 万円)について違法である。 したがって,補助参加人らは,被告に対し,民法709条に基づき,本件 支出の額に相当する損害を賠償する責任を負う。また,補助参加人会派は, 被告に対し,民法7 万円)について違法である。 したがって,補助参加人らは,被告に対し,民法709条に基づき,本件 支出の額に相当する損害を賠償する責任を負う。また,補助参加人会派は, 被告に対し,民法703条に基づき,不当利得として本件支出に係る金員を返還する義務を負う。 ア本件建物は,実質的に補助参加人議員の所有物である。 本件建物の建築計画概要書において,本件建物の建築主は補助参加人議員とされていたこと,本件建物の登記名義人である本件会社は,補助参加 人議員の長男が代表取締役を務める会社であることなどに照らし,本件建物は,実質的に補助参加人議員の所有物である。 イ本件賃貸借契約の賃貸人である本件会社は,実質的に補助参加人議員と同一視することができるものである。 本件会社は,補助参加人議員が平成5年に代表取締役に就任した時期か ら,実質的に補助参加人議員の会社であったといえる。そして,補助参加人議員が平成14年10月に取締役兼代表取締役を退任し,補助参加人議員の長男が平成15年9月に代表取締役に就任した。以上の経緯を踏まえると,本件会社は補助参加人議員と一体であるといえる。 ウ本件支出に係る金員は,本件会社から補助参加人議員に全額支払われて いた。補助参加人議員が,受領した本件支出に係る金員の一部を結果的に政務活動に要する経費に充当していたとしても,それは結果論であって,不要な契約に基づく不要な支出である本件支出自体を,政務活動に要するものとして正当化することはできない。 また,補助参加人議員が,政務活動に要する経費を支払っていたのであ れば,各支出の領収書を示し,政務活動費から個別に充当すればよいのであり,本件会社を介した迂遠な方法をとる理由は全くない。このような契約形態をとる理由としては,各支出に関 支払っていたのであ れば,各支出の領収書を示し,政務活動費から個別に充当すればよいのであり,本件会社を介した迂遠な方法をとる理由は全くない。このような契約形態をとる理由としては,各支出に関する領収書を提出せずに済ませて事務負担を軽減するなど,およそ不当な目的しか考えられない。自己所有物に対する賃料等を含め,本来は政務活動費を充当することができない経 費や,実際に経費として支出した以上の金額について政務活動費の交付を 受けるなどの違法な目的であったものと推認される。 (2) 本件設備の使用料について本件設備は補助参加人議員の所有物であり,本件手引きが,事務所費について,事務所賃料は,自己所有物件には支出できない旨を定めていることに照らし,政務活動費の本件設備の使用料への充当は違法である。 ア本件車両について本件手引きによれば,政務活動に自家用車を使用した場合,購入費用及び保険代等を政務活動費から支出することはできない。したがって,本件車両のリース代に政務活動費を充当することはできない。 本件手引きによれば,自動車の任意保険料及び車検代等を政務活動費か ら支出することはできない。しかるに,本件設備の使用料には本件車両の保険料及び車検代等が含まれている。 本件車両は,政務活動のみならず補助参加人議員の税理士業にも利用されている。 イ本件設備のうち本件車両以外のものについて 本件設備のうち本件車両以外のものは,元々補助参加人議員の所有物であり,資産である。その使用料に政務活動費を充当することは,購入費用の全部又は一部を政務活動費で回収し,場合によってはそれ以上の利益を得ることにほかならない。このような行為は,本件手引きに明確に反し,ひいては本件条例に違反するものである。 補助 購入費用の全部又は一部を政務活動費で回収し,場合によってはそれ以上の利益を得ることにほかならない。このような行為は,本件手引きに明確に反し,ひいては本件条例に違反するものである。 補助参加人らは使用料相当額を法定耐用年数に基づいて計算しているが,法定耐用年数を経過したからといって実際に買替えを要するわけではない。また,補助参加人らの主張する購入価格は高額すぎるし,この購入価格を前提としても,本件設備の購入価格を55箇月で回収できる使用料月額7万5500円は過大である。 (3) 本件設備の使用料(補助参加人会派の主張・補助参加人議員の予備的主 張)について後記(補助参加人らの主張の要旨)の(3)の費用については,いずれも補助参加人議員が本件会社に支払う根拠がないものであり,政務活動に要する経費に当たらない。 アホームページ作成費用は,補助参加人議員の税理士事務所のものと推認 される。 イ両開き書庫の購入費用は,補助参加人議員が所有する両開き書庫についてのものであり,補助参加人議員が本件会社に支払う根拠はない。 ウ証紙(街宣・道路使用許可申請)の費用は,この証紙を街宣・道路使用許可申請に使用したかが明らかでない。また,この費用を補助参加人議員 が本件会社に支払う根拠はない。 エパソコンは,税理士事務所で使用されている補助参加人議員の所有物であり,その購入代金を補助参加人議員が本件会社に支払う根拠はない。 オコピー機カウンター料は,有限会社Dが支払った費用であり,補助参加人議員が本件会社に支払う根拠はない。 (4) 本件維持経費についてア補助参加人らは,電話代,水道光熱費およびセキュリティ費用等を税理士事務所との一括契約にし,その上でその費用を面積で按分すべきである旨を う根拠はない。 (4) 本件維持経費についてア補助参加人らは,電話代,水道光熱費およびセキュリティ費用等を税理士事務所との一括契約にし,その上でその費用を面積で按分すべきである旨を主張するが,そもそも一括契約にする必要はない。 イ少なくとも電話代及び消耗品費(事務用品)については,使用場所の特 定が可能であるから,これを1階部分と2階部分の面積に応じて按分するのは不当である。 ウ電気代及び水道代については,本件建物の1階部分に存在しない電気機器や職員の分も含まれていると思料されるから,これを1階部分と2階部分の面積に応じて按分するのは不当である。 エガス代(E燃料店)については,LPガスは報告会時に使用することが あるほかは使用していなかったというのであるから,基本料金を支払い続けることをやめるべきであり,政務活動費の充当は違法である。 オ消耗品費(事務用品)について(ア) 株式会社Fに対する支払については,購入品等の内容が不明である。 (イ) G株式会社に対する支払は,政務活動との関連性が不明であり,政務 活動費の充当は違法である。 (ウ) 株式会社Hに対する支払については,会計事務所で使用する事務用品を購入したものであり,政務活動に使用されるものではないと思料される。 (エ) 株式会社Iに対する支払については,同社がフローリングとデッキ材 を取り扱う企業であることから,同社からの購入品は政務活動に使用されるものではないと思料される。 (オ) Jに対する支払については,購入品等の内容が不明である。 (カ) 株式会社Kに対する支払については,購入品等の内容が不明である。 カ印刷関係費用については,会派誌「自民・市民」の発行等に要したもの であるとされ ,購入品等の内容が不明である。 (カ) 株式会社Kに対する支払については,購入品等の内容が不明である。 カ印刷関係費用については,会派誌「自民・市民」の発行等に要したもの であるとされるところ,同会派誌は,補助参加人会派の主義主張や政策等を有権者や社会にアピールするもので,その発行は政治活動等といえるから,政務活動費の充当は違法である。 キごみ収集代については,政務活動によって事業系ごみが出ること自体が想定し難い上,仮にこれが出るとしても,事業系ごみのほとんど全ては会 計事務所由来のものと思料されるため。ごみ収集代を面積で按分して政務活動費を充当することは違法である。 (被告の主張の要旨)争う。 (補助参加人らの主張の要旨) (1) 主張立証責任等 原告らは,不当利得返還請求権の発生を主張しているから,政務活動費の充当について法律上の原因がないこと,すなわち各支出が会派又は議員の行う政務活動のための支出として必要性又は合理性を欠くことを具体的客観的事実として主張立証しなければならない。また,原告らは,不法行為に基づく損害賠償請求権の発生を主張しているから,大阪市の有する政務活動費に 係る剰余金の返還請求権を会派又は議員が侵害したこと,これについて会派又は議員の故意又は過失があったこと,各支出が会派又は議員の行う政務活動のための支出として必要性又は合理性を欠くことを主張立証しなければならない。 また,要綱3条2項は,「政務活動費を全額充当することが不適当である ことが明らかな場合」には当該経費を按分して政務活動費を充当しなければならない旨を定めているから,原告らは,政務活動費を全額充当することが不適当であることが明らかであること及び合理的な按分方法を個々の支出について主張立証し 該経費を按分して政務活動費を充当しなければならない旨を定めているから,原告らは,政務活動費を全額充当することが不適当であることが明らかであること及び合理的な按分方法を個々の支出について主張立証しなければならない。 (2) 本件支出の内訳 本件事務所は,市政相談専用事務所として使用されている。 本件事務所には,本件設備が設置等されている(金庫,机,いす,ロッカー・本棚,応接セット,コピー機,パソコン,冷蔵庫,エアコン等が設置され,駐車場部分に自動車1台(本件車両)及び自転車2台がある。。本件設備は,補助参加人議員の所有物であるが,本件事務所専用であり,専ら政務 活動のみに使用されている。 また,本件事務所の維持・管理及び補助参加人議員の政務活動のために,水道代,電気代,ガス代,電話代(固定電話及び携帯電話),駐車場代(2台分),セキュリティ費用,消耗品費(事務用品,トイレ・清掃用品等,お茶・コーヒー),印刷関係費用(コピー関係費用)及びごみ収集代が必要と なり,これが本件維持経費である。 本件支出は,本件設備の使用料及び本件維持経費の支出である。 (3) 本件設備の使用料について(ただし,補助参加人議員については予備的主張である。後記(補助参加人議員の主張の要旨)の(1)参照)補助参加人議員は,次のとおり,平成27年5月1日から平成28年3月31日までの間,政務活動のための物品等購入として,少なくとも24万1 113円を支出しており,これは政務活動費を充当することができる経費とされているものである。 平成27年 5月10日ホームページ作成費用 7万円平成27年 9月 4日両開き書庫 1万3800円平成27年10月21日証紙 2000円 平成27年 5月10日ホームページ作成費用 7万円平成27年 9月 4日両開き書庫 1万3800円平成27年10月21日証紙 2000円 (街宣・道路使用許可申請)平成27年12月16日同上 2000円平成27年12月15日パソコン 4万0319円平成27年5月1日ないし平成28年3月31日コピー機カウンター料 11万2994円 合計 24万1113円(4) 本件維持経費についてア補助参加人議員は,次のとおり,平成27年5月1日から平成28年3月31日までの間,本件建物の維持・管理等に要する経費として,月額平均30万6299円を支払ったが,これは政務活動費を充当することがで きる経費とされているものである。 水道代 8432円電気代 8万7167円ガス代(E燃料店。LPガス) 1961円ガス代(Lガス。都市ガス) 9679円 電話代 4万4698円 セキュリティ費用 1万4472円消耗品費(事務用品) 9万5060円印刷関係費用(コピー関係費用) 3万1997円ごみ収集代 1万2833円合計 30万6299円 本件建物の維持・管理等に要する経費のうち,「C」が使用する部分に係るものは本件会社が別途支出していたところ,前記の30万6299円を,本件事 30万6299円 本件建物の維持・管理等に要する経費のうち,「C」が使用する部分に係るものは本件会社が別途支出していたところ,前記の30万6299円を,本件事務所(55㎡)と本件税理士事務所等(248㎡)との面積に応じて按分すると,5万5599円となる。これに駐車場代月額1万円及びガソリン代月額平均8869円を加えると,本件維持経費は月額平均7 万4468円となる。 イ消耗品費(事務用品)について(ア) Fから,一般の事務用品を購入した。 (イ) Gに対し,平成27年5月25日,LEDの入替え作業の対価を支払った。 (ウ) Hから,一般の事務用品を購入した。 (エ) Iから,コピー機のトナーを購入した。 (オ) Jから,電球等を購入した。 (カ) Kから,住宅地図を購入した。 (補助参加人議員の主張の要旨) (1) 本件設備の使用料について(主位的主張)ア本件設備の使用料(適正な賃料)は,次のとおり月額7万5483円程度であり(11箇月間の合計83万0313円),これは政務活動費を充当することができる経費とされているものである。 (ア) 本件車両の購入価格は約165万円であるから,4年契約のリース料 月額相当額は約4万7000円である。 (イ) 本件車両以外の本件設備の購入価格は合計約246万円であり,耐用年数は平均で7.2年間であるから,定額で償却すると月額2万8483円となる。 イ補助参加人議員は出えんして本件設備を購入したものであるところ,地方自治法及び本件条例は,自己所有物への賃料の支払を禁じていないから, 本件設備の使用料に政務活動費を充当することは適法である。 (2) その余の点については,前記(補助参加人 であるところ,地方自治法及び本件条例は,自己所有物への賃料の支払を禁じていないから, 本件設備の使用料に政務活動費を充当することは適法である。 (2) その余の点については,前記(補助参加人らの主張の要旨)のとおりである。 第3 当裁判所の判断 1 政務活動費に関する支出の違法性判断の枠組み等について (1)ア地方自治法100条14項ないし16項の規定による政務活動費の制度は,議会の審議能力を強化し,議会における会派及び議員の調査研究その他の活動の基盤の充実を図るため,議会における会派及び議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである。もっとも,同条14項は,議員の調査研究その他の 活動に資するための必要な経費の一部として政務活動費を定めた上,その交付の対象,額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充当することができる経費の範囲については,各地方公共団体がその実情に応じて制定する条例の定めに委ねている。 また,本件条例は,地方自治法100条14項ないし16項の規定に基 づき定められたもの(1条)であるところ,5条において,政務活動費は,会派が行う調査研究,研修,広報・広聴,住民相談,要請,陳情,各種会議への参加等市政の課題及び市民の意思を把握し,市政に反映させる活動その他住民福祉の増進を図るために必要な活動(政務活動)に要する経費に対して交付し(1項),政務活動費を会派が行う本件別表に定める政務 活動に要する経費以外のものに充当してはならない旨(2項)を規定して いる。 地方自治法100条14項及び本件条例5条の文言に加えて,前記のとおりの政務活動費の制度趣旨に鑑みれば,本件条例5条において会派に対する政務活動費を充当すること )を規定して いる。 地方自治法100条14項及び本件条例5条の文言に加えて,前記のとおりの政務活動費の制度趣旨に鑑みれば,本件条例5条において会派に対する政務活動費を充当することができる経費とされているもの(以下「条例所定経費」という。)は,㋐会派としての議会活動の基礎となる調査研 究その他の活動又はこれとの間に合理的関連性が認められる行為に関するものとして本件別表において定められた項目及び内容に該当する経費のうち,㋑本件別表所定の政務活動の目的や性質に照らし,社会通念上,支出が相当であると認められる範囲のものをいうと解すべきである。そうすると,政務活動費の交付を受けた会派において政務活動費につき行った 支出(以下「政務活動費に関する支出」ともいう。)が,条例所定経費に該当せず,当該会派に対する不法行為に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の対象となるためには,①当該支出に係る行為が前記㋐の行為ではないなど,当該支出が,当該会派が行う本件別表所定の項目及び内容に該当しないこと(以下「要件①」という。),又は,②当該支出が, 本件別表所定の当該行為の目的や性質に照らし,社会通念上,相当であると認められる範囲を超えること(以下「要件②」という。)が必要であると考えられる。 ところで,本件条例5条及び本件別表は,政務活動費を「会派が行う」政務活動に要する経費以外のものに充当してはならない旨規定していると ころ,ここにいう「会派が行う」政務活動には,会派がその名において自ら行うもののほか,会派の所属議員等にこれを委ね,又は所属議員による政務活動を会派のためのものとして承認する方法によって行うものも含まれると解するのが相当である(最高裁平成19年(行ヒ)第170号同21年7月7日第三小法廷判 議員等にこれを委ね,又は所属議員による政務活動を会派のためのものとして承認する方法によって行うものも含まれると解するのが相当である(最高裁平成19年(行ヒ)第170号同21年7月7日第三小法廷判決・裁判集民事231号183頁参照)。そし て,議員が,その所属する「会派が行う」政務活動に要する経費に充当す るべく,当該会派を介して大阪市から政務活動費の交付を受けた場合において,当該議員が当該政務活動費につき行った支出が,要件①又は要件②を満たすときには,当該支出は,条例所定経費に該当しないこととなり,当該議員及び当該会派は,当該支出に係る過失の存する限り,大阪市に対して,当該支出につき不法行為に基づく損害賠償義務を負うこととなるも のと解される。 イまた,大阪市会は,本件条例5条(本件別表を含む。)を具体化するものとして,本件手引きを定めたことが認められる(丙4)。 本件手引きは,本件別表が列挙する項目ごとに,本件条例5条に規定する政務活動費を充当することができる経費の範囲の取扱い及び留意事項 等をより具体的に規定したものであるところ,大阪市会において,平成24年法律第72号による改正(同法により,地方自治法100条14項所定の「政務調査費」が「政務活動費」に改められるなどの措置が講じられた。当該措置に係る部分は,平成25年3月1日に施行された。)前の同項に基づく政務調査の実績,実情等を踏まえた議論が相当程度行われた上 で本件手引きが定められたものと推認されることに加えて,その内容も本件条例5条の定めに適う合理的なものというべきであることに鑑みると,政務活動費に関する支出が条例所定経費に該当しないものであるか否かの判断に当たっては,本件手引きの定めを参酌することができると解される。 に適う合理的なものというべきであることに鑑みると,政務活動費に関する支出が条例所定経費に該当しないものであるか否かの判断に当たっては,本件手引きの定めを参酌することができると解される。 (2) ところで,本件のように,地方公共団体の住民が,政務活動費の交付を受けた会派又は当該会派を介して政務活動費の交付を受けた議員において政務活動費につき行った支出が地方自治法100条14項及びこれに基づき定められた条例の規定に反するため,当該地方公共団体は,当該会派又は当該議員に対して,当該支出につき,不法行為に基づく損害賠償請求権を有す るにもかかわらず,その執行機関がその行使を怠っているとして,同法24 2条の2第1項4号に基づき,当該会派又は当該議員に不法行為に基づく損害賠償請求をすることを当該地方公共団体に対して訴えをもって請求する場合には,当該住民である原告において,当該支出が同法100条14項及びこれに基づき定められた条例の規定に反すること(本件においては,要件①又は要件②を満たすこと)の主張立証責任を負うものと解される。 2 本件支出の性質等について本件支出(本件使用料(月額13万円)に充当された支出)は,形式的には,補助参加人会派を介して本件使用料相当額の交付を受けた補助参加人議員が,第三者である本件会社に対して支出したものである。しかしながら,(ア)本件会社は,補助参加人議員から本件支出により受領した金員と同額の金員を,補助 参加人議員名義の本件口座(しかも,この口座は,本件支出に係る金員の入金及びこれに関連する出金のみが行われていたわけではなく,他の金員の出入金が多数行われていたものである。)に振込送金し,補助参加人議員に対して支払っていたこと(前記前提事実(2)オ)に加えて,(イ)補助参 これに関連する出金のみが行われていたわけではなく,他の金員の出入金が多数行われていたものである。)に振込送金し,補助参加人議員に対して支払っていたこと(前記前提事実(2)オ)に加えて,(イ)補助参加人議員が本件会社に対して支払うべき本件使用料は,(a)本件設備の使用料と(b)本件事務所の 維持・管理のための費用(水道光熱費等)等である本件維持経費とから成る(同エ)ところ,(a)本件設備は補助参加人議員が所有するものであり,また,(b)本件事務所に係る水道光熱費等は,本件税理士事務所等に係る水道光熱費等と一括して支払われていたこと(丙12の2から4まで,弁論の全趣旨)を併せ考慮すると,補助参加人議員から本件会社に対する本件支出は,実質的には, 補助参加人議員が自らに対して行った支出というべきであって,補助参加人議員が本件会社を相手方として本件支出を行ったのも,自らの長男が代表取締役を務める本件会社を名目的に介在させることにより,政務活動に要する経費としての支出の体裁を整えるための方策として講じられたものにすぎないと評価せざるを得ない。 このような態様でなされた政務活動費に関する支出たる本件支出は,使途の 透明性を確保しようとした地方自治法100条14項ないし16項の政務活動費の制度の趣旨(前記1(1)ア)にそぐわない不透明極まるものであるのみならず,当該支出が不法行為に基づく損害賠償請求権の対象となるか否かという観点からみても,補助参加人議員が,補助参加人会派が行う政務活動に要する経費に充当するべく補助参加人会派を介して大阪市から交付を受けた政務活 動費について,自らの長男が代表取締役を務める本件会社を名目的に介在させた上,実質的には自らに対して支出している以上,要件①及び要件②を満たすことが推認される して大阪市から交付を受けた政務活 動費について,自らの長男が代表取締役を務める本件会社を名目的に介在させた上,実質的には自らに対して支出している以上,要件①及び要件②を満たすことが推認されるものというべきである。 ただし,被告又は補助参加人らにおいて,①本件支出と同額の金員の本件口座への振込送金を受けた補助参加人議員が,(a)本件口座に預けられた金員を (b)補助参加人会派が行う本件別表所定の項目及び内容に該当する経費の支出に充当し(要件①参照),かつ,②当該支出が,本件別表所定の当該行為の目的や性質に照らし,社会通念上相当であると認められる範囲を超えるものでないこと(要件②参照)をうかがわせるに足りる事実を主張立証すれば,前記の推認は覆されるものというべきである(なお,仮に,補助参加人議員が,本件 口座に預けられた金員以外の金員を用いて,補助参加人会派が行う政務活動のための経費を支出した事実が主張立証されたとしても,本件支出が前記のとおりの不透明な態様でなされたことに照らすと,当該事実が存在することをもって,補助参加人議員から本件会社に対してされた本件支出の全部又は一部が,本件別表所定の補助参加人会派が行う政務活動に要する経費に充当されたも のと評価することはできず,前記の推認が覆されることにはならないものと考えられる。)。 3 本件設備の使用料について(1)ア前記前提事実(2)エのとおり,本件設備は補助参加人議員の所有物であるところ,補助参加人議員は,本件会社に対して支払った本件支出のうち 月額7万5483円(11箇月間の合計83万0313円)を本件設備の 使用料として本件会社から受領したことを自認した上で,これは政務活動費を充当することができる経費とされているもの(条例所定経費)である 483円(11箇月間の合計83万0313円)を本件設備の 使用料として本件会社から受領したことを自認した上で,これは政務活動費を充当することができる経費とされているもの(条例所定経費)である旨主張する(補助参加人議員の平成30年6月28日付け準備書面7頁,補助参加人らの同年12月14日付け準備書面別紙2。前記第2の3の(補助参加人議員の主張の要旨)の(1))。 しかしながら,本件設備の使用料は,その性質上,本件設備の購入費用の回収に充てられるものであるから,政務活動費を補助参加人議員の所有する資産である本件設備の使用料に充当する行為は,事務費について,資産形成に当たる備品の購入及びリースの費用を政務活動費から支出することができない旨の本件手引きの定め(別紙の5(1)ウ(イ))に実質的に反す るものというべきである。また,補助参加人議員が本件設備のうち本件車両の使用料に政務活動費を充当する行為は,自動車の購入費用(リース期間満了後に所有権が会派,議員,配偶者・被扶養者・同居者等生計を一にする者,自らが代表者・役員等の地位にある法人等に移転する場合を含む。)を政務活動費から支出することができない旨の本件手引きの定め(別紙の 6)にも実質的に反するものというべきである。 そうすると,補助参加人議員の主張する本件設備の使用料の支出(合計83万0313円)は,本件別表所定の項目及び内容に該当しないものと認められ(要件①),また,仮にこれに該当するとしても,社会通念上相当であると認められる範囲を超えるものと認められる(要件②)から,条 例所定経費に該当しないものというべきである。 イこれに対して,補助参加人議員は,補助参加人議員は出えんして本件設備を購入したものであるところ,地方自治法及び本件条例は,自己所有 から,条 例所定経費に該当しないものというべきである。 イこれに対して,補助参加人議員は,補助参加人議員は出えんして本件設備を購入したものであるところ,地方自治法及び本件条例は,自己所有物への賃料の支払を禁じていないから,本件設備の使用料に政務活動費を充当することは適法である旨主張する。 そこで検討すると,地方自治法100条14項による委任を受けた本件 条例は,5条2項において,政務活動費の交付を受けた会派は,政務活動費を本件別表に定める政務活動に要する経費以外のものに充当してはならない旨定め,本件別表は,事務費については「会派が行う調査研究等政務活動に係る事務遂行に必要な経費」と,事務所費については「会派が行う調査研究等政務活動のために必要となる事務所の設置及び管理に要する経 費」と抽象的に定めるにとどまる。しかしながら,(ア)前記1(1)イで説示したとおり,政務活動費に関する支出が条例所定経費に該当しないものであるか否かの判断に当たっては,本件手引きの定めを参酌することができると解される上,(イ)本件手引きが,資産形成に当たる備品の購入及びリースの費用(別紙の5(1)ウ(イ)),自動車の購入費用(別紙の6),自己所 有物件に関する賃料(別紙の5(2)ウ(イ))等を政務活動費から支出することができない旨定めているのは,政務活動費の支出によって,会派や議員の資産が形成されたり,会派や議員の所有物に関する購入費用の回収が行われたりする結果となることは,(a)議会の審議能力を強化し,議会における会派及び議員の調査研究その他の活動の基盤の充実を図るため,議会に おける会派及び議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化するという地方自治法100条14項ないし16項の趣旨を大きく逸脱するものであると 調査研究その他の活動の基盤の充実を図るため,議会に おける会派及び議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化するという地方自治法100条14項ないし16項の趣旨を大きく逸脱するものであるとともに,(b)政務活動と会派や議員による資産の形成活動との混同を招き,社会通念上相当であるとは認められず,政務活動費の使途の透明性を確保しようという前記各条項の趣旨にも反するとの観点によるものと解さ れ,これは前記各条項や本件条例の規定内容に照らしても,合理的であると考えられる。そうすると,資産形成に当たる備品の購入及びリースの費用,自動車の購入費用,自己所有物件に関する賃料等は,条例所定経費(本件条例5条において会派に対する政務活動費を充当することができる経費とされているもの)に該当しないと解するのが相当である。 したがって,補助参加人議員の前記主張は採用することができない。 なお,証拠(丙38の1・2)及び弁論の全趣旨によれば,平成22年3月に改定される前の本件手引きにおいては,前記アのような定めがなかったことが認められる。しかし,これは平成24年法律第72号による改正後の地方自治法が施行される前のことであるから,同法100条14項及びこれを前提とする本件条例の解釈を左右するものではない。 (2) また,補助参加人らは,補助参加人議員は,平成27年5月1日から平成28年3月31日までの間,政務活動のための物品等購入として,少なくとも24万1113円を支出したから,本件支出のうち少なくとも同支出額の限度では条例所定経費に該当すると認められるべきである旨主張する(前記第2の3の(補助参加人らの主張の要旨)の(3))。 しかしながら,そもそも,本件支出は,「事務所の備品,水道光熱費,車両及び電話料等の使用 に該当すると認められるべきである旨主張する(前記第2の3の(補助参加人らの主張の要旨)の(3))。 しかしながら,そもそも,本件支出は,「事務所の備品,水道光熱費,車両及び電話料等の使用料」(本件使用料)の支払を目的として行われたものであるところ(前記前提事実(2)イ,エ),補助参加人らの主張する物品等購入のうち,少なくとも,ホームページ作成費用及び証紙の購入費用については,前記のとおりの本件支出の支払目的の中には含まれないから,当該費用 の支出がされたことをもって,本件支出が補助参加人会派が行う政務活動に要する経費に充当されたということはできない(補助参加人議員が,本件支出との関連性なく,補助参加人会派が行う政務活動のための物品等購入のための出えんをしたとしても,それによって本件支出が補助参加人会派が行う政務活動に要する経費に充当されたということはできない。)。 また,前記2で説示したところに従って,補助参加人ら主張の支出が本件口座に預けられた金員によってされたものであることがうかがわれるか(前記2①(a))について検討すると,いずれの支出もこれを満たさない。すなわち,補助参加人らが主張する支出のうち,ホームページ作成費用は「A税理士事務所」名義で支払われたものであり(丙48,49),両開き書庫及び 証紙の費用を支払った者は証拠上不明である(丙50,52)。また,パソ コンは,A税理士事務所の従業員の名義で,A税理士事務所が管理する補助参加人議員名義の農業協同組合の普通預金口座(本件口座とは別のもの)からの出金により購入され,同事務所の消耗品費として計上されている(丙53,56から58まで)。そして,コピー機カウンター料は,D(平成27年当時の代表取締役は補助参加人議員の長男である。)が支出した らの出金により購入され,同事務所の消耗品費として計上されている(丙53,56から58まで)。そして,コピー機カウンター料は,D(平成27年当時の代表取締役は補助参加人議員の長男である。)が支出したものであ るところ(丙59,60,弁論の全趣旨),Dは,A税理士総合経営事務所との間で同事務所の収入高の一定割合に相当する委託料を受け取る旨の業務委託契約を締結しており(丙72の1・2),これに基づいて毎月補助参加人議員から委託料を受領していたものであるから(丙67,68),コピー機カウンター料の支出が本件口座に預けられた金員によってされたものであ るということはできない。 したがって,補助参加人らの前記主張は採用することができない。 4 本件維持経費について(1) 補助参加人らは,補助参加人議員が,本件支出のうちから,本件事務所の水道代,電気代,電話代等の経費(本件維持経費)を支出したから,本件支 出のうち少なくとも同支出額の限度では条例所定経費に該当すると認められるべきである旨主張する。 そこで,前記2で説示したところに従って,以下において,(a)補助参加人ら主張の支出が本件口座に預けられた金員によってされたものであることがうかがわれるか,(b)補助参加人ら主張の支出が,補助参加人会派が行う本件 別表所定の項目及び内容に該当することがうかがわれるか(具体的には,本件建物は,本件事務所のほかに本件税理士事務所等や「C」の事務所等としても利用されているところ,当該支出が本件事務所において補助参加人会派が行う政務活動のためにされたものであるか)を検討する。 (2) 事実関係 ア補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するもののうち,本件事 務所を含む本件建物の水道光熱費,電話代及びセキュリティ費 にされたものであるか)を検討する。 (2) 事実関係 ア補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するもののうち,本件事 務所を含む本件建物の水道光熱費,電話代及びセキュリティ費用については,それが本件口座から支払われたものであること(前記(1)(a))が認められるならば,当該費用の性質,内容等に照らして,少なくともその一部は,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が行う政務活動のために必要となる事務所の設置及び管理に要する経費(事務所費)に該当するこ と(同(b))がうかがわれるものというべきである。そこで,以下検討する。 (ア) 水道代について証拠(丙12の2から4まで)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物の水道代(合計9万2753円)が,本件口座から支払われた事実が認められる。 (イ) 電気代について証拠(丙12の2から4まで)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物の電気代(合計95万8833円)が,本件口座から支払われた事実が認められる。 (ウ) ガス代(E燃料店。LPガス)について 証拠(丙13,14)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物のガス代(LPガス。合計2万1574円)が,補助参加人議員名義の当座貯金口座(本件口座とは別のもの)から支払われ,A会計事務所が支払ったものとして処理された事実が認められる。 (エ) ガス代(Lガス。都市ガス)について証拠(丙12の2から4まで)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物のガス代(都市ガス。合計10万6471円)が,本件口座から支払われた事実が認められる。 て証拠(丙12の2から4まで)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物のガス代(都市ガス。合計10万6471円)が,本件口座から支払われた事実が認められる。 (オ) 電話代について 証拠(丙12の2から4まで,丙18,19,22)及び弁論の全趣 旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物の電話代(インターネット回線の料金月額6663円と光回線の料金月額約3万円ないし約5万9000円。合計48万8628円)が,本件口座から支払われた事実が認められる。 (カ) セキュリティ費用について 証拠(丙12の2から4まで)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年5月分から平成28年3月分までの本件建物のセキュリティ費用(合計15万9192円)が,本件口座から支払われた事実が認められる。 (キ) 小括以上によれば,補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するも ののうち,本件建物の水道光熱費,電話代及びセキュリティ費用については,前記(ウ)(ガス代(E燃料店。LPガス))を除き,いずれも本件口座から支払われたものであること(前記(1)(a))が認められるから,少なくともその一部は,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が行う政務活動のために必要となる事務所の設置及び管理に要する経費 (事務所費)に該当すること(同(b))がうかがわれる。 イ消耗品費(事務用品)について証拠(丙12の3,丙36)によれば,平成28年2月1日,Kから地図を購入するための費用2万5056円が,本件口座から支払われた事実(前記(1)(a))が認められるので,当該費用の性質,内容等に照らして, 少なくともその一部は,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が めの費用2万5056円が,本件口座から支払われた事実(前記(1)(a))が認められるので,当該費用の性質,内容等に照らして, 少なくともその一部は,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が行う政務活動に係る事務遂行に必要な経費(事務費)に該当すること(同(b))がうかがわれるものというべきである。 なお,補助参加人らが本件維持経費の内容を示すものとして提出する「本件維持経費一覧表3」(丙6・最終頁)には,事務用品の購入等費用とし て,F,H,I及びJに対する支払が記載されており,証拠(丙12の1 から4まで)によれば,本件口座から前記各社に対する支払がされた事実(前記(1)(a))が認められるものの,本件全証拠によっても,これらの支払によって購入等された事務用品の具体的な内容及び本件事務所において使用することの必要性や合理性は不明といわざるを得ず,これが本件事務所において補助参加人会派が行う政務活動のために必要な事務用品の購入 等に充当された事実(同(b))はうかがわれない。 また,証拠(丙12の1,丙32)によれば,A税理士事務所が,平成27年5月25日,Gに対し,電話機移設工事一式の費用5万8320円を本件口座から支払った事実(前記(1)(a))が認められ,補助参加人らは,当該支払についてLEDの入替え作業の対価であると主張しているが,こ れが本件事務所において補助参加人会派が行う政務活動のために必要な費用であるという事実(同(b))はうかがわれない。 ウ補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するもののうち,印刷関係費用,ごみ収集代,駐車場代及びガソリン代については,そもそも,本件支出は,「事務所の備品,水道光熱費,車両及び電話料等の使用料」(本 件使用料)の支払を目的として行われた ののうち,印刷関係費用,ごみ収集代,駐車場代及びガソリン代については,そもそも,本件支出は,「事務所の備品,水道光熱費,車両及び電話料等の使用料」(本 件使用料)の支払を目的として行われたものであって(前記前提事実(2)イ,エ),補助参加人らの主張する前記各費用は前記のとおりの本件支出の支払目的の中には含まれないから,前記各費用の支出がされたことをもって,本件支出が補助参加人会派が行う政務活動に要する経費に充当されたということはできない。 以下,念のため前記(1)(a),(b)の点について検討する。 (ア) 印刷関係費用について証拠(丙12の2から4まで,丙28,61)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年6月から平成28年3月までの間,本件口座から印刷会社に対する支払がされた事実,及びこの期間とは別の時期において, 補助参加人議員が同社に補助参加人会派の会派誌の印刷を依頼した事実 が認められる。しかし,これらの事実から直ちに前記支払が補助参加人会派の会派誌の印刷に充当された事実を推認することはできず,ほかにこの事実をうかがわせる証拠はない。 (イ) ごみ収集代について証拠(丙15,29)によれば,「A税理士総合経営事務所」名義で 本件建物に関するごみ収集代が支払われた事実が認められるが,本件全証拠によっても,これが本件口座から支払われた事実はうかがわれない。 (ウ) 駐車場代について証拠(丙62から65まで)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人議員が,本件事務所を拠点とする政務活動に使用するための駐車場1台 分を賃料月額1万円で賃借しており,この賃料を小切手等により支払った事実が認められるが,本件全証拠によっても,この賃料が本件口座から支払われた事実はうかがわれない。 るための駐車場1台 分を賃料月額1万円で賃借しており,この賃料を小切手等により支払った事実が認められるが,本件全証拠によっても,この賃料が本件口座から支払われた事実はうかがわれない。 (エ) ガソリン代について本件全証拠によっても,補助参加人ら主張のガソリン代が本件口座か ら支払われた事実を認めるに足りない。かえって,証拠(丙66から71まで)及び弁論の全趣旨によれば,本件事務所及び本件税理士事務所等において使用する自動車のガソリン代をDが支払った事実が認められる。 (オ) 小括 以上によれば,補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するもののうち,ごみ収集代,駐車場代及びガソリン代については,これらが本件口座から支払われた事実(前記(1)(a))がうかがわれない。また,印刷関係費用については,本件口座から支払われた事実は認められるが,この支払が補助参加人会派の会派誌の印刷に充当された事実,すなわち, 補助参加人会派が行う政務活動のために必要な費用であるという事実 (同(b))はうかがわれない。 (3) 前記(2)の事実関係を前提に検討すると,補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するもののうち,水道代,電気代,ガス代(Lガス),電話代,セキュリティ費用(前記(2)ア(ア),(イ),(エ),(オ),(カ))については,少なくともその一部が,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が行う 政務活動のために必要となる事務所の設置及び管理に要する経費(事務所費)に該当し,消耗品費(事務用品)(同イ)については,少なくともその一部が,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が行う政務活動に係る事務遂行に必要な経費(事務費)に該当するものということができる。 そして,これらの費用は,本 (同イ)については,少なくともその一部が,本件別表所定の項目のうち,補助参加人会派が行う政務活動に係る事務遂行に必要な経費(事務費)に該当するものということができる。 そして,これらの費用は,本件事務所及び本件税理士事務所等の双方に係 るものとして一括して支払われていたこと(丙12の2から4まで,弁論の全趣旨。なお,本件建物のうち「C」が使用する部分の維持・管理等に要する経費は,本件会社が別途支出していた(丙74,弁論の全趣旨)。)や前記費用の性質,内容等に鑑みると,前記費用の合計額183万0933円(9 万2753 円+95 万8833 円+10 万6471 円+48 万8628 円+15 万9192 円 +2 万5056 円=183 万0933 円)のうち,本件事務所と本件税理士事務所等との面積割合(補助参加人らが主張する55:248)で按分した額である33万2348円(円未満切上げ)については,①(a)本件口座に預けられた金員を(b)補助参加人会派が行う本件別表所定の項目及び内容に該当する経費の支出に充当し,かつ,②当該支出が,本件別表所定の当該行為の目的 や性質に照らし,社会通念上相当であると認められる範囲を超えるものでないことをうかがわせるに足りる事実の立証がされたものというべきであり,他方,原告らによって,本件支出のうち当該額に相当する部分に関して,要件①又は要件②を満たすことについての立証はない。 これに対し,補助参加人らが本件維持経費の内容として主張するもののう ちその余の部分に係る支出は,補助参加人会派が行う本件別表所定の項目及 び内容に該当しないものと認められ(要件①),また,仮にこれに該当するとしても,社会通念上相当であると認められる範囲を超えるものと認められる(要件②)。 会派が行う本件別表所定の項目及 び内容に該当しないものと認められ(要件①),また,仮にこれに該当するとしても,社会通念上相当であると認められる範囲を超えるものと認められる(要件②)。 5 不法行為の成否(1) 以上説示したところによれば,本件支出(11箇月で合計143万円)の うち,前記4(3)の33万2348円を除く部分(109万7652円)については,本件別表所定の項目及び内容に該当しないものと認められ(要件①),また,仮にこれに該当するとしても,社会通念上相当であると認められる範囲を超えるものと認められる(要件②)から,この部分については,補助参加人らの違法な行為により大阪市に損害を与えたものとして,大阪市に対す る不法行為に基づく損害賠償の対象となり得る。 (2)ア補助参加人議員は,大阪市会議員として,本件条例及び本件手引き等の内容を当然に認識していたものと認められるところ,本件賃貸借契約に基づく本件会社に対する本件使用料の支払という形式をとって補助参加人会派から政務活動費の交付を受けながら,あえて本件会社から本件支出に 係る金員の支払を受けていたものであるから,政務活動費の違法な支出(109万7652円)をしたことについて少なくとも過失があるものというべきである。 イ本件支出に係る政務活動費は,補助参加人会派が交付を受けたものであり,本件別表所定の「会派が行う」政務活動に要する経費に充当されるべ きものであるところ,補助参加人会派は,本件賃貸借契約の締結を補助参加人会派のための政務活動として承認し,すなわち,本件支出に係る補助参加人議員の政務活動を補助参加人会派のためのものとして承認し,補助参加人議員に対し,本件賃貸借契約に関し,本件使用料の相当額(補助参加人議員による本件支出に対 承認し,すなわち,本件支出に係る補助参加人議員の政務活動を補助参加人会派のためのものとして承認し,補助参加人議員に対し,本件賃貸借契約に関し,本件使用料の相当額(補助参加人議員による本件支出に対応するもの。月額13万円,11箇月で合計 143万円)を含む月額合計22万円を政務活動費として交付した上,補 助参加人議員による政務活動費の違法な支出を是正することなく,本件支出を全額政務活動費として記載した平成27年度の収支報告書を大阪市会議長に提出したものであるから(前記前提事実(2)ウ,エ),この違法な支出(109万7652円)について少なくとも過失があるものというべきである。 (3) 以上によれば,補助参加人らは,大阪市に対し,不法行為に基づき,損害賠償金109万7652円を連帯して支払うべき義務を負っていたものといえる。しかるに,前記前提事実(5)のとおり,補助参加人会派は,大阪市に対し,本件支出の一部に相当する政務活動費100万8227円を返還したから,補助参加人らの損害賠償債務の額は,8万9425円となる。 第4 結論よって,原告らの請求は,補助参加人らに対して各8万9425円及びこれに対する不法行為の後の日である平成28年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することを求める限度で理由があるからこれを認容し,その余はいずれも理由がないからこれを棄却 することとして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官 三輪方大 裁判官 齋藤 三輪方大 裁判官 齋藤毅 裁判官 内藤陽子 (別紙)本件手引きの内容の要旨 1 政務活動費執行に当たっての原則政務活動費の執行に当たっては,次の項目に留意の上,会派(議員)の各々の責任において,適切に取り扱うものとする。 ① 政務活動(すなわち,市政に関する調査研究その他の活動)目的であること。 ② 政務活動の必要性があること。 ③ 政務活動に要した金額や態様等の妥当性があること。 ④ 適正手続がされていること。 ⑤ 支出についての説明ができるよう書類等が整備されていること。 2 実費弁償の原則政務活動は会派(議員)の自発的な意思に基づき行われるものであることから,社会通念上妥当な範囲のものであることを前提とした上で,政務活動に要した費用の実費に充当することを原則とする。 3 支出対象外の経費政務活動費の支出は,政務活動に必要な経費に限るものとし,①慶弔,見舞,餞別等の交際費的経費,②会議等に伴う飲食以外の飲食経費,③選挙活動に属する経費,④政党活動に属する経費,⑤後援会活動に属する経費,⑥私的活動に属する経費,⑦その他政務活動の目的に合致しない経費については,支出できない ものとする。 4 按分の指針会派(議員)の活動は,専ら政務活動以外に政党活動,後援会活動等と多面的であり,混然一体となっていることが多くあり,明確に区分することが困難であると考えられる。このことから,活動に 4 按分の指針会派(議員)の活動は,専ら政務活動以外に政党活動,後援会活動等と多面的であり,混然一体となっていることが多くあり,明確に区分することが困難であると考えられる。このことから,活動に要した費用の全額に政務活動費を充当す ることが不適当であることが明らかな場合は,合理的な方法により按分すること が必要である。 按分を要する項目等の按分割合は,会派又は議員個々の活動実態によって異なることから,政務活動費の交付を受けた会派(議員)のそれぞれの責任において,運用基準や出納手続を定めるなど,当該会派(議員)の政務活動の実態に応じ,合理的に説明できる比率を用いて定めるものとする。ただし,合理的な区分が困 難であり,実績が明確でない場合は,次の考え方により按分するものとする。 1/(政務活動+その他の議員活動)=1/2を按分の基準とする。 5 項目別の政務活動費充当指針(1) 事務費ア内容 会派(議員)が行う調査研究等政務活動に係る事務遂行に必要な経費イ使途の例事務用品代,備品購入費,修理費,通信費,リース・保守料,運搬費,インターネット接続経費,封筒作成代,名刺代,来客用茶菓代,来客用駐車場代等 ウ留意事項(ア) 会派(議員)が,政務活動用に事務機器類(パソコン,コピー機等)を購入又はリースする場合については,政務活動費の充当が可能である。 (イ) 資産形成に当たる備品の購入及びリースはできない。備品購入費の上限は30万円とし,耐用年数を考慮した購入が必要となる。 (ウ) 政務活動に必要な名刺・封筒の作成に政務活動費を充当することは可能である。 (2) 事務所費ア内容会派(議員)が行う調査研究等政務活動のために必要となる事務所の設置 及び管理 ウ) 政務活動に必要な名刺・封筒の作成に政務活動費を充当することは可能である。 (2) 事務所費ア内容会派(議員)が行う調査研究等政務活動のために必要となる事務所の設置 及び管理に要する経費 イ使途の例賃料,光熱水費,共益費,管理費,仲介手数料,礼金,調査研究等政務活動に必要な造作等ウ留意事項(ア) 事務所経費への政務活動費の充当に当たっては,政務活動がそこで行わ れている場合にのみ充当できるものであり,要件としては,次のように「事務所」としての形態を整えている場合に限定される。 ① 外形上,事務所として認識できる形態を有していること。 ② 事務所としての機能(事務所スペースを有し,事務用品等を備えていること。応接スペースは含めることができる。)を有していること。 ③ 賃貸の場合には,基本的に会派(議員)が契約者となっていること。 (イ) 事務所賃料は,次の場合には支出できない。 ① 自己所有物件及び生計を一にする親族の所有物件② 議員又は生計を一にしている親族が法人の代表者・役員等の地位にあり,その法人から事務所を賃借し,賃借料を支払う場合には,当該法人 に独立した法人格を認めることに疑義がある(法人と個人(代表者等)の間の財産の混同,明確な会計区分の欠如等法人が実質的に個人と同一視される場合等)と判断されるときは,政務活動費を充当することができない。 (ウ) 事務所が政務活動のみに限定して使用されている場合は,政務活動費と して全額支出することが可能であるが,事務所を住居や選挙活動等と共用している場合は,事務所における政務活動実績の割合に応じて,合理的に説明可能な範囲で按分割合を設定し,政務活動相当額を支出する必要がある。 また,実態に即して事務所 務所を住居や選挙活動等と共用している場合は,事務所における政務活動実績の割合に応じて,合理的に説明可能な範囲で按分割合を設定し,政務活動相当額を支出する必要がある。 また,実態に即して事務所の賃貸借契約,電気,ガス,水道等の契約を, 政務活動用とそれ以外の活動用に分離することも,考慮すべき一つの手法 と考えられる。 (エ) 政務活動費が会派に対して交付されている場合は,所属議員の事務所が会派の支部事務所として位置付けられていることが必要である。すなわち,会派が所属議員の事務所(すなわち,会派の支部事務所)の経費を負担するということになる。ただし,その際には,賃貸金額や使用面積等を 明確にする必要がある。所属議員の事務所が賃貸事務所である場合に,会派と所属議員とで賃貸借契約を締結し,政務活動費を充当する際は,原契約が第三者に対する転貸に制約を加えていることがあるので,その際は原契約の賃貸人の了解を得るなどの注意が必要になる。 6 複数の使途項目に該当する費用の考え方 自家用車(リースを含む。)を利用して政務活動を行った場合は,ガソリン代,有料道路料金及び現地での駐車場料金等,移動に伴って生じた経費について,政務活動費の充当が可能である。 自動車の購入費用(リース期間満了後に所有権が会派,議員,配偶者・被扶養者・同居者等生計を一にする者,自らが代表者・役員等の地位にある法人等に移 転する場合を含む。),自動車及びバイク等の維持管理に要する税金,保険代,車検代等の費用は支出することができない。 (留意点)自動車リースにおいて,リース期間は原則としておおむね議員の任期である4年程度とすることが望ましい。また,リース期間満了後に所有権が移転する場合は,資産形成につながるため充当することはできない。 自動車リースにおいて,リース期間は原則としておおむね議員の任期である4年程度とすることが望ましい。また,リース期間満了後に所有権が移転する場合は,資産形成につながるため充当することはできない。 以上
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