【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人弁護士村沢義二郎の上告理由第一点について。 上告人の妻Dはその存命
主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人弁護士村沢義二郎の上告理由第一点について。 上告人の妻Dはその存命中自己の名義で独立して呉服類の行商をなし、判示のとおりの売掛代金債権を有していたが、自己の借財が被上告人に覚知されるや、昭和三二年七月下旬頃から家出し、同年八月二二日自殺したこと、上告人は右Dの死亡による相続が開始されるや同年一〇月三一日金沢家庭裁判所に相続放棄の申述をなし、同年一一月八日それが受理されたこと(この申述及び受理の点は争がない)、然るに上告人は右相続開始後であり且つ右相続放棄の申述及びこれが受理前である同年八月三〇日頃右売掛代金中のEに対する金三〇〇〇円の分を取立てて、収受領得したことは原判決挙示の証拠によつて認定されたもろもろの事情及びこれに追加して挙示されている証拠に徴し優に首肯でき、その認定の経路に所論違法のかどあるを発見できない。所論はるる論述するが、ひつきようするに、右認定事実と相容れない事実を主張しながら、原審がその裁量の範囲内で適法になした事実認定を非難するものでしかない。そして上告人が右のように妻Dの有していた債権を取立てて、これを収受領得する行為は民法九二一条一号本文にいわゆる相続財産の一部を処分した場合に該当するものと解するを相当とするから、上告人が判示爾余の債権を如何ように処置したか否かの点を審究するまでもなく、上告人は右処分行為により右法条に基づき相続の単純承認をなしたものとみなされたものと解すべきである。 従つて、結論において同趣旨に帰した原判決の判断は正当といわなければならない。 同第二点四について。 しかし上告人において前示処分について悪意のあつたことは前示認定事実から容- 1 -易に窺い得べく、 、結論において同趣旨に帰した原判決の判断は正当といわなければならない。 同第二点四について。 しかし上告人において前示処分について悪意のあつたことは前示認定事実から容- 1 -易に窺い得べく、原判決もこれと同様の判断をしたものであることは原判文上明らかであるから、所論は採用できない。 同第二点一ないし三及び五について。 前示所論第一点について述べたとおりの理由で原判決が正当である以上、所論の点はすべて原判決の主文に影響のない所見であり、従つて、所論はすべて判決に影響ある重大な法令違反を主張するものとは認められない。それ故、所論も採用できない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下飯坂潤夫裁判官入江俊郎裁判官高木常七裁判官斎藤朔郎- 2 -
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