平成1(ネ)499 建物明渡、抹消登記承諾、土地建物所有権移転登記等抹消登記手続請求事件

裁判年月日・裁判所
平成元年12月19日 東京高等裁判所
ファイル
hanrei-pdf-20277.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      一 控訴人Aの控訴を棄却する。      二 控訴人B及び同Aの当審において変更された請求をいずれも棄却す る。      三 訴訟費用は第一、二審とも控訴人B及び同Aの負担と

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文9,555 文字)

主文 一控訴人Aの控訴を棄却する。 二控訴人B及び同Aの当審において変更された請求をいずれも棄却する。 三訴訟費用は第一、二審とも控訴人B及び同Aの負担とする。 事実 第一当事者の求めた裁判(第四九九号事件)一控訴人A 1 原判決中控訴人Aに対する建物明渡請求に関する部分を取り消す。 2 被控訴会社の請求を棄却する。 二控訴人B及び同A(以下右控訴人ら両名を「控訴人Bら」という。) 1 (当審において変更された請求の趣旨)被控訴会社は、控訴人Bに対し別紙物件目録一、二記載の土地(以下「本件土地」という。)について、控訴人Aに対し別紙物件目録三記載の建物(以下「本件建物」という。)について、それぞれ別紙登記目録一記載の登記(以下「本件一の登記」という。)の抹消登記手続をせよ。 2 訴訟費用は第一、二審とも被控訴会社の負担とする。 三被控訴会社主文一ないし三項同旨(第一一九〇号事件)一控訴人C主文二、三項同旨二控訴人Bら 1 (当審において変更された請求の趣旨)被控訴人Cは、控訴人Bに対し本件土地について、控訴人Aに対し本件建物について、それぞれ別紙登記目録二記載の登記(以下「本件二の登記」という。)の抹消登記手続をせよ。 2 控訴費用は控訴人Cの負担とする。 第二当事者の主張(第四九九号事件のうちの原審昭和六二年(ワ)第一〇八三号事件(以下「甲事件」という。)関係)一請求原因 1 被控訴会社は、本件土地及び本件建物(以下これらを一括して「本件不動産」という。)に係る千葉地方裁判所昭和六一年(ケ)第二〇三号不動産競売申立事件(以下その手続を「本件競売手続」という。)において本件不動産について被控訴会社を買受人 以下これらを一括して「本件不動産」という。)に係る千葉地方裁判所昭和六一年(ケ)第二〇三号不動産競売申立事件(以下その手続を「本件競売手続」という。)において本件不動産について被控訴会社を買受人とする売却許可決定を受け、昭和六二年六月二三日代金を納付して本件不動産の所有権を取得した。 2 被控訴会社による右所有権の取得は、本件競売手続に民事執行法一八四条が適用される結果右競売事件における担保権の存否にかかわらないものであるが、仮に本件競売手続において同条の適用を妨げる事情があるとしても、被控訴会社は、次の事由により本件不動産の所有権を取得した。 (一) 本件不動産は、もと控訴人Aの所有に属していたところ、同控訴人(仮に本件土地が控訴人Bに属していたとすれば、控訴人Bら。この2項において以下同じ。)は、訴外D(以下「訴外人」という。)に対し、本件不動産につき抵当権を設定することを承諾したうえで、その所有権を譲渡し、昭和五四年一一月一六日その所有権移転登記を経由した。そして、訴外人は、右同日本件不動産につき訴外株式会社住宅ローンサービスのために抵当権(以下「本件抵当権」という。)を設定した。本件競売手続は、右会社の申立てによる本件抵当権の実行の手続である。 (二) 仮に控訴人Aから訴外人への本件不動産の譲渡が通謀虚偽表示であって本件抵当権の設定が無効であったとしても、右訴外会社は、そのことを知らずに本件抵当権の設定を受けたから、民法九四条二項により控訴人Aは、右抵当権設定の無効を主張することができない。のみならず、被控訴会社も右虚偽表示を知らずに前示買受の申出及び代金の支払をしたから、民法の右規定により控訴人Aは、被控訴会社による本件不動産の買受けの無効を主張することもできないものである。 (三) 仮に本件抵当権の設定が効力を有しなか に前示買受の申出及び代金の支払をしたから、民法の右規定により控訴人Aは、被控訴会社による本件不動産の買受けの無効を主張することもできないものである。 (三) 仮に本件抵当権の設定が効力を有しなかったとしても、控訴人Aは、その設定がされたころ、これを明示又は黙示に追認した。 3 控訴人Aは本件建物を現に占有している。 4 そこで、被控訴会社は控訴人Aに対し、所有権に基づき本件建物の明渡しを求める。 二請求原因に対する認否請求原因1のうち被控訴会社が本件競売手続において本件不動産についての売却許可決定を受け、昭和六二年六月二三日代金を納付したことは認めるが、本件建物の所有権を取得したことは争う。同2のうち本件建物が控訴人Aの所有であったこと、本件不動産につき訴外人への所有権移転登記及び訴外人による抵当権の設定がされたこと及び本件抵当権の実行として本件競売手続が行われたことは認めるが、その余の事実は否認する。同3の事実は認める。 三控訴人Aの抗弁 1 控訴人Aは、昭和五三年四月、本件建物を建築して所有権を取得し、その保存登記を経由した。本件土地は、控訴人Bの所有に属する。 2 訴外人は、昭和五四年一一月一六日、控訴人Bらに無断で本件不動産に右同日売買を原因とする所有権移転登記を経由すると同時に、訴外株式会社住宅ローンサービスのために本件抵当権を設定した。 3 本件競売手続は、右会社の申立てにより右抵当権の実行として開始されたものであるが、訴外人への所有権移転登記は、訴外人が偽造した書類によってなされたものであって、実体上の所有権移転の原因は存在せず、したがって本件抵当権の設定も無効である。ところで、民事執行法一八四条は、目的不動産の真実の所有者が競売手続上当事者又は利害関係人(以下「当事者等」という。)として扱われなかった の原因は存在せず、したがって本件抵当権の設定も無効である。ところで、民事執行法一八四条は、目的不動産の真実の所有者が競売手続上当事者又は利害関係人(以下「当事者等」という。)として扱われなかった場合には適用がないと解すべきところ、控訴人Bらは、本件競売手続において当事者等として処遇されなかったから、右手続には同条の適用がなく、被控訴会社が本件建物の所有権を取得するいわれがない。 そして、当事者等として扱われなかった真実の所有者が、競売手続が行われていることを知っていた場合でも、その競売手続の停止措置を講じることができなかったことについて止むを得ない事情があったときは、同条は適用されないものというべきところ、控訴人Bらは、昭和六一年五月二一日執行官の現況調査を受けたことにより本件競売手続の進行を知り、同年一一月一二日千葉地方裁判所に訴外人らを相手として本件不動産につき所有権移転登記及び抵当権設定登記の各抹消登記等を求める訴訟(第一一九〇号事件の原審事件)を提起し、併せて本件競売手続の停止を求めるべくその申立ての準備をしたものの、停止に必要な保証金の調達ができなかったため、右申立てができなかったのであるから、控訴人Bらには、右の止むを得ない事情が存するのであって、本件競売手続に同条の適用はないものというべきである。 もし、本件において、同条の適用を認めるとすれば、競売手続上なんらの通知もしないまま真実の所有者の所有権を剥奪することとなるから、前示売却は、憲法二九条一項に反し、無効である。 また、被控訴会社は、前記訴訟の提起に伴ってなされた各抹消登記の予告登記を知り、又はこれを知りえた状況のもとで買受けの申出をしたのであるから、本件競売手続において同条を適用して被控訴会社を保護する必要はない。 四控訴人Aの抗弁に対する被控訴会社の認 消登記の予告登記を知り、又はこれを知りえた状況のもとで買受けの申出をしたのであるから、本件競売手続において同条を適用して被控訴会社を保護する必要はない。 四控訴人Aの抗弁に対する被控訴会社の認否及び主張 1 1の前段の事実は認め、後段の事実は否認する。 2 2のうち同控訴人主張の登記がなされたこと及び本件抵当権が設定されたことは認めるが、その余の事実は否認する。 3 3のうち本件競売手続の申立てに関する事実、第一一九〇号事件の原審事件がその主張のとおり提起されたこと及びこれに伴う予告登記がされたことは認めるが、その余の事実は否認し、法律上の主張は争う。 4 仮に控訴人Bらに無断で訴外人への所有権移転登記がなされ、本件抵当権が設定されたとしても、控訴人Bらには、本件競売手続の停止を求める機会があったのであるから、本件競売手続については民事執行法一八四条が適用されると解すべきであり、したがって、右の経緯があったことは、被控訴会社による本件建物の所有権の取得に影響を及ぼすものではない。 また、控訴人A主張の予告登記は、本件競売手続における差押え登記後になされたものであり、本件競売手続の記録からは右予告登記があったことを窺い知ることができなかったため、被控訴会社は、控訴人Aからの右訴えの提起があったことを知らずに買受けの申出をしたものである。 (第四九九号事件のうちの甲事件関係を除く事件(以下「乙事件」という。)関係及び第一一九〇号事件関係)一請求原因 1 (一) 控訴人Bは、昭和五二年一〇月、所有者である訴外株式会社綜合企業から本件土地を買い受けてその所有権を取得し、同月二九日その所有権移転登記を経由した。 (二) 控訴人Aは、昭和五三年四月、本件建物を建築してその所有権を取得し、同年一一月一六日その保存登記を経由した。 土地を買い受けてその所有権を取得し、同月二九日その所有権移転登記を経由した。 (二) 控訴人Aは、昭和五三年四月、本件建物を建築してその所有権を取得し、同年一一月一六日その保存登記を経由した。 2 本件不動産につき、被控訴会社のために本件一の登記及び控訴人Cのために本件二の登記がそれぞれなされている。 3 そこで、控訴人Bは、本件土地につき、その所有権に基づき、被控訴会社に対して本件一の登記の、控訴人Cに対して本件二の登記の各抹消登記手続を求め、控訴人Aは、本件建物につき、その所有権に基づき、被控訴会社に対して本件一の登記の、控訴人Cに対して本件二の登記の各抹消登記手続を求める。 二請求原因に対する認否 1 (一)1項(一)の事実について(被控訴会社)登記に関する事実は認めるが、その余の事実は否認する。本件土地を買い受けたのは控訴人Aである。 (控訴人C)認める。 (二) 1項(二)の事実について(被控訴会社及び控訴人C)認める。 2 2 項の事実について(被控訴会社及び控訴人C)認める。 三抗弁 1 (被控訴会社及び控訴人C)訴外人は、昭和五四年一一月一六日、所有者である、控訴人Aから又は控訴人Bから本件土地を、控訴人Aから本件建物をそれぞれ買い受けてその所有権を取得し、その登記を経由した。 2 (控訴人C)控訴人Cは、昭和五八年九月一三日、訴外人との間で、同人に対する貸金債権を担保するため同人から本件不動産の所有権の移転を受ける旨の譲渡担保契約を締結し、これに基づき同月一四日本件不動産について本件二の登記を経由した。 そして、仮に控訴人Bらと訴外人との間の本件不動産の売買契約が通謀虚偽表示により無効であったとしても、控訴人Cは、右売買が有効であるものと信じて訴外人から本件不動産の譲渡を受け、その所 経由した。 そして、仮に控訴人Bらと訴外人との間の本件不動産の売買契約が通謀虚偽表示により無効であったとしても、控訴人Cは、右売買が有効であるものと信じて訴外人から本件不動産の譲渡を受け、その所有権を取得した。 3 (被控訴会社及び控訴人C)甲事件請求原因1項及び2項を援用する。 四抗弁に対する認否 1 1 のうち訴外人が、昭和五四年一一月一六日控訴人A又は同Bから本件土地を、控訴人Aから本件建物をそれぞれ買い受けたことは否認し、訴外人が各所有権移転登記を受けたことは認める。訴外人は、控訴人Bらに無断で右登記を経由したものである。 2 2 のうち所有権移転登記の点は認める。その余は知らない。 3 甲事件請求原因1項及び2項に関する認否を援用する。 五再抗弁甲事件における控訴人Aの抗弁事実を控訴人Bらにおいて援用する。 六再抗弁に対する認否甲事件における控訴人Aの抗弁に対する被控訴会社の認否及び主張を被控訴会社及び控訴人Cにおいて援用する。 第三証拠(省略) 理由 <要旨>一被控訴会社が本件競売手続において本件不動産についての売却許可決定を受け、昭和六二年六月二三日そ</要旨>の代金を納付したことは、当事者間に争いがない。 二成立に争いのない甲イ第一号証の二、三及び甲ロ第九号証によれば、控訴人Bは、昭和五二年一〇月一八日所有者である株式会社綜合企業から本件土地を買い受けてその所有権を取得し、同月二九日その移転登記を経由したことが認められる。そして、控訴人Aが昭和五三年四月本件建物を建築してその所有権を取得し、同月二〇日その保存登記を経由したこと、訴外人が昭和五四年一一月一六日本件不動産につき同日売買を原因とする訴外人への所有権移転登記を経由すると同時に訴外株式会社住宅ローンサービ その所有権を取得し、同月二〇日その保存登記を経由したこと、訴外人が昭和五四年一一月一六日本件不動産につき同日売買を原因とする訴外人への所有権移転登記を経由すると同時に訴外株式会社住宅ローンサービスのために本件抵当権を設定したこと、本件競売手続が右会社の申立てによる本件抵当権の実行の手続であることは、当事者間に争いがない。 三ところで、民事執行法一八四条は、「代金の納付による買受人の不動産の取得は、担保権の不存在又は消滅により妨げられない。」と規定しているところ、控訴人Bらは、同条は、不動産の所有者が競売手続上当事者等として扱われなかった場合には適用がないと主張し、原本の存在及び成立に争いがない丙第六号証及び弁論の全趣旨によれば、控訴人Bらは、本件競売手続において当事者等として扱われなかったことが明らかである。 そこで検討するに、右の規定が置かれた実質的な根拠は、不動産競売手続においては、担保権の存在を証する一定の文書(法定文書)が提出された場合に手続を開始するものとし(同法一八一条)、開始後においても、債務者又は不動産の所有者(以下「所有者等」という。)は、担保権の不存在又は消滅を理由として開始決定に対する執行異議を申し立てることができ(同法一八二条)、担保権の存在を覆すに足りる証明文書が提出されたときは、競売手続を停止するものとされている(同法一八三条一項)のであって、このような簡易な不服申立ての手続が設けられているにも拘らず所有者等がこれらの手続をとることを怠ったことに伴う手続上の失権効を認め、買受人の地位を安定させて不動産競売に対する一般の信頼を確保しようとするにあると解される。そうとすれば、同条の適用の前提として、所有者等にこれらの不服申立てをする機会があったことが必要であると解すべきところ、真実の所有者といえども、競 する一般の信頼を確保しようとするにあると解される。そうとすれば、同条の適用の前提として、所有者等にこれらの不服申立てをする機会があったことが必要であると解すべきところ、真実の所有者といえども、競売手続上当事者等として扱われないときは、競売手続の開始及び進行の事実を当然には知りえないのであり、したがって、不服申立てをする機会があったということはできない。しかし、競売手続上は当事者等として扱われなかった場合であっても、真実の所有者が何らかの事情により競売手続の開始・進行の事実を知り、若しくは知り得る状況にあって、競売手続の停止申立て等の前示規定に基づく措置を講じ得る十分な機会があったということができる場合には、所有者等が手続上当事者等として処遇された場合に準じて、同条の適用を認めるのが相当である。 これを本件について見るに、成立に争いのない甲イ第一号証の一、前掲甲イ第一号証の二、三、原本の存在及び成立とも争いがない甲イ第二号証(ただし、六枚目は除く。)、第三号証、第五号証、原審における控訴人A本人の供述並びに弁論の全趣旨によれば、控訴人Bらは、遅くとも昭和五九年二月ころまでには本件不動産が訴外人に移転登記されていることを、また、遅くとも昭和六一年五月二一日に執行官による現況調査を受けるころまでには本件競売手続の開始(開始決定は、同年三月二五日になされた。)及び進行の事実をそれぞれ知っていたこと、そして、控訴人Bは、同年七月一九日、また、控訴人Aは、同年九月二日、本件不動産についてなされた訴外人及び控訴人Cの各所有権移転登記並びに訴外株式会社住宅ローンサービスによる本件抵当権設定登記の各抹消登記を求める訴訟の提起を弁護士山本満夫に委任し、同年一一月一二日、右の各訴訟(本件第一一九〇号事件の原審事件)が同弁護士を代理人として千葉地方裁判所 ローンサービスによる本件抵当権設定登記の各抹消登記を求める訴訟の提起を弁護士山本満夫に委任し、同年一一月一二日、右の各訴訟(本件第一一九〇号事件の原審事件)が同弁護士を代理人として千葉地方裁判所に提起されたこと、控訴人Bらは、本件競売手続において被控訴会社に対する売却許可決定がなされるや、右弁護士を代理人として、控訴人Bは本件土地について、控訴人Aは本件建物についてそれぞれ所有権を有することを根拠として本件競売手続の停止を求めるべく右許可決定に対して執行抗告を申し立てたが、昭和六二年四月二〇日、右執行抗告は棄却されたこと、右決定の理由中において、本件競売手続の停止を求めるのであれば、抗告人ら(控訴人Bら)は、第三者異議の訴えを提起し、これに係る執行停止の裁判を求めることができる旨指摘されたこと、しかし、控訴人Bらが右指摘された対応をしないうち、同年六月二三日、被控訴会社は本件不動産の売却代金を納付したことが認められ、右認定に反する証拠はない。 右の認定事実によれば、控訴人Bらは、本件競売手続が開始された比較的早い時期にそれが進行していることを知っていて、売却によって本件不動産の所有権を失うことを防止するために、第三者異議の訴えを提起して競売手続の停止を求める等の措置を講じるに十分な時間的な余裕を有していたということができるから、控訴人Bらが本件競売手続において手続上当事者等として処遇されなかったことをもって直ちに民事執行法一八四条の適用を否定すべきものということはできない。 控訴人Bらは、更に、真実の所有者が、競売手続の進行を知った場合でも、その停止措置を講じることができなかったことにつき止むを得ない事情があるときは、同条は適用されないと解すべきであるところ、控訴人Bらは、その事情として、本件競売手続の停止を求めるに必要な保証金の 、その停止措置を講じることができなかったことにつき止むを得ない事情があるときは、同条は適用されないと解すべきであるところ、控訴人Bらは、その事情として、本件競売手続の停止を求めるに必要な保証金の調達ができなかったために右の申立てができなかった旨主張するが、競売手続の停止を得るについては、常に保証を立てなければならないものとはされていないこと(民事執行法三六条参照)及び保証は、相手方に生ずるおそれのある損害の担保として供されるものであることを考慮すれば、その調達ができなかったことをもって同法一八四条の適用を否定すべき事由に当たるものと解することは到底できないから、右の主張は失当である。 更に、控訴人Bらは、本件競売手続において同条の適用を認めるとすれば、真実の所有者に対してなんらの通知もないままその所有権を剥奪することとなるから、本件競売手続は憲法二九条一項に反する旨主張するが、前示のとおり、本件競売手続においては、控訴人Bらは、当事者等として通知を受けなかったけれども、その権利の行使の機会を有していた点において通知を受けた当事者等と同視することができるから、右主張は、その前提を欠き、採用の限りでない。 また、控訴人Bらは、被控訴会社は、控訴人Bらが提起した本件不動産の登記の抹消を求める訴訟の提起に伴ってなされた各抹消登記の予告登記を知り、若しくはこれを知りえた状況のもとで本件不動産の売却代金を納付したのであるから、本件においては、民事執行法一八四条を適用して被控訴会社を保護すべきではないとも主張するが、予告登記は、専ら当該訴えが提起されたことを公示するためになされるものであって、それ以上の効力を有するものではなく、買受人が当該訴訟を知っていたからといって、同条の適用を否定すべき理由はないから、右主張もまた採用することができない。 とを公示するためになされるものであって、それ以上の効力を有するものではなく、買受人が当該訴訟を知っていたからといって、同条の適用を否定すべき理由はないから、右主張もまた採用することができない。 以上によれば、被控訴会社は、本件不動産につき売却許可決定を受け、その代金を納付したことにより本件不動産の所有権を有効に取得したものであり、これにより、控訴人Bは、本件土地の所有権を失い、控訴人Aは、本件建物の所有権を失ったものである。 四上記認定のとおり、本件建物は、被控訴会社の所有に属するところ、控訴人Aが本件建物を占有していることは当事者間に争いがない。そうすると、控訴人Aは被控訴会社に対し、本件建物を明け渡す義務がある。 また、控訴人Bは、本件土地の所有権を、控訴人Aは、本件建物の所有権をそれぞれ失ったのであるから、これを有することを根拠として控訴人Cに対する本件二の登記の抹消登記手続を求める各請求及び被控訴会社に対する本件一の登記の抹消登記手続を求める各請求は、いずれも理由がない。 五以上によれば、甲事件における被控訴会社の控訴人Aに対する請求は正当として認容し、当審において変更された控訴人Bらの乙事件における被控訴会社に対する請求及び第一一九〇号事件における控訴人Cに対する請求はいずれも失当として棄却すべきである。そうすると、第四九九号事件につき、被控訴会社の請求を認容した原判決は相当であって、控訴人Aの控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴人Bらの当審において変更された請求を棄却し(なお、第四九九号事件原判決中控訴人Bらの請求を棄却した部分及び第一一九〇号事件原判決中控訴人Cに関する部分は、当審における請求の変更により失効した。)、訴訟費用の負担につき民訴法九六条、九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。 却した部分及び第一一九〇号事件原判決中控訴人Cに関する部分は、当審における請求の変更により失効した。)、訴訟費用の負担につき民訴法九六条、九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官橘勝治裁判官安達敬裁判官鈴木敏之)別紙物件目録一千葉市a町b番c宅地一三二・三九平方メートル二千葉市a町d番e宅地二三・一四平方メートル三千葉市a町b番地c、d番地e所在家屋番号 f番g居宅木造瓦葺二階建床面積一階六〇・五九平方メートル二階三四・三六平方メートル登記目録一千葉地方法務局千葉西出張所昭和六二年六月二九日受付第二五九五二号所有権移転登記二千葉地方法務局千葉西出張所昭和五八年九月一四日受付第三一三八五号所有権移転登記

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る