昭和31(あ)338 外国為替及び外国貿易管理法違反

裁判年月日・裁判所
昭和33年7月31日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  被告人AことBの弁護人一松弘の上告趣意について。  所論は量刑不当の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

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判決文本文2,118 文字)

主文本件各上告を棄却する。 理由被告人AことBの弁護人一松弘の上告趣意について。 所論は量刑不当の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 被告人CことDの弁護人青柳盛雄の上告趣意第一点について。 所論昭和二七年政令一二七号日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う外国為替管理令等の臨時特例に関する政令(以下「政令一二七号」と略称する)は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約三条に基く行政協定(以下「行政協定」と略称する)を実施するため、外国為替管理令(昭和二五年政令二〇三号)その他の外国為替及び外国貿易管理法(以下「外為法」と略称する)に基く命令の特例を設けることを目的とすること(政令一二七号一条)、政令一二七号は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(以下「安保条約」と略称する)三条に基く行政協定二〇条I(a)項にいう「日本国政府は、認められない者に対し軍票を使用する取引に従事することを禁止するため必要な措置を執るものとし」の規定による必要な措置として制定されたこと及び行政協定は安保条約三条に基き、日本国政府及びアメリカ合衆国政府が締結したものであること(行政協定前文)は、いずれもこれを首肯することができる。 そしてまた、政令一二七号四条一項は、合衆国軍隊等以外の者の軍票による支払等については、外国為替管理令中の義務を課する規定並びに行為及び取引に関する制限及び禁止を免除する規定を適用しないと規定し、同二項は、前項の者は、その収受した又は所持する軍票を、大蔵省令で定める手続により、遅滞なく、日本銀行に寄託しなければならないと規定しており、右の如く合衆国軍隊等以外の者に対し軍票寄託の義務を課することは前掲行政協定二〇条I(a)同項に 所持する軍票を、大蔵省令で定める手続により、遅滞なく、日本銀行に寄託しなければならないと規定しており、右の如く合衆国軍隊等以外の者に対し軍票寄託の義務を課することは前掲行政協定二〇条I(a)同項にいう必要な措置- 1 -にあたることは、政令一二七号一条に照らし明らかである。 ところで、外為法は、外国貿易の正常な発展を図り、国際収支の均衡、通貨の安定及び外貨資金の最も有効な利用を確保するために必要な外国為替、外国貿易及びその他の対外取引の管理を行い、もつて国民経済の復興と発展とに寄与することを目的とするものであつて(一条)、同法二一条は、本邦にある者は、政令で定めるところにより、本邦内にある対外支払手段等の財産を特定の場所に若しくは特定の方式により保管若しくは登録し又は売却する義務を課せられることがあると規定しており、右の如く本邦にある者に対し、本邦内にある対外支払手段について、保管若しくは登録又は売却の義務を政令によつて課することは、本来わが国が自由に、すなわち外国との如何なる条約若しくは協定にもかかわりなく全く独自の立場から規制することのできる事項であることは多言を用いずして明らかである。そして外為法二一条にいう「対外支払手段」とは、外国通貨その他通貨の単位の如何を問わず、外国通貨をもつて表示され、又は外国において支払手段として使用することのできる支払手段をいい(六条一項八号)、軍票は、政令一二七号二条一〇号によれば、合衆国政府が発行し、且つ、合衆国通貨をもつて表示される対外支払手段たる軍票をいうと規定されているのであるから、それが上掲外為法六条一項八号にいう「対外支払手段」に該当することはいうまでもなく、また本邦内にあるかかる対外支払手段たる軍票を政令一二七号四条二項所定の如く、所定の手続に従い日本銀行に寄託することが、前掲外 為法六条一項八号にいう「対外支払手段」に該当することはいうまでもなく、また本邦内にあるかかる対外支払手段たる軍票を政令一二七号四条二項所定の如く、所定の手続に従い日本銀行に寄託することが、前掲外為法二一条所定の、特定の場所に若しくは特定の方式による保管の一つの態様であることはこれまた明らかである。 とすれば、政令一二七号四条は、さきにも述べた如く、本来わが国が独自の立場から規制することのできる事項につき、外為法二一条の規定を実施するために制定されたものであつて、その性格は、外国為替管理令(昭和二五年政令二〇三号)と相ならんで、外為法二一条の委任命令に外ならない。従つて、右政令の効力は安保- 2 -条約ないし行政協定の効力如何によつて左右されるものと解することは当を得ないものといわざるを得ず、所論憲法九条違反の主張は、違憲論としての前提を欠くものである。 同第二点は、単なる法令違反及び事実誤認の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らず、この点に関する原審の判断は相当である。 また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和三三年七月三一日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官河村大助裁判官奥野健一- 3 - 3 -

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