平成19(あ)1985 麻薬及び向精神薬取締法違反,覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
平成20年3月4日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文838 文字)

- 1 -主文本件各上告を棄却する。 理由 検察官の事件受理申立て理由について検察官の所論は,事件受理申立理由書記載のとおりであるが,要するに,第1審判決判示第3の事実(以下「本件」という。)について,覚せい剤取締法41条の輸入罪及び平成17年法律第22号による改正前の関税法109条1項,3項の禁制品輸入罪(以下「本件各輸入罪」という。)の各実行の着手を認めず,被告人の行為がいずれの犯罪についても予備にとどまると判断した原判決は,本件各輸入罪の実行の着手に関する法令の解釈適用を誤ったものであるから,原判決を破棄して相当の裁判を求める,というのである。 しかしながら,被告人は,共犯者らと共謀の上,外国において覚せい剤を密輸船に積み込んだ上,本邦近海まで航行させ,同船から海上に投下した覚せい剤を小型船舶で回収して本邦に陸揚げするという方法で覚せい剤を輸入しようとしたものの,悪天候などの理由により,投下した覚せい剤を小型船舶により発見,回収することができなかったものである。その事実関係に照らせば,小型船舶の回収担当者が覚せい剤をその実力的支配の下に置いていないばかりか,その可能性にも乏しく,覚せい剤が陸揚げされる客観的な危険性が発生したとはいえないから,本件各輸入罪の実行の着手があったものとは解されない。これと同旨の原判断は相当であり,所論は理由がない。 被告人の上告趣意について弁護人高木浩二,同布川博良の上告趣意は,違憲をいう点を含め,実質は事実誤- 2 -認,単なる法令違反の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 よって,刑訴法408条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官堀籠幸男裁判官藤田宙靖裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官近藤崇晴) よって,刑訴法408条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官堀籠幸男裁判官藤田宙靖裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官近藤崇晴)

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