令和7年12月23日判決言渡 令和7年(ネ)第10068号商標権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所令和6年(ワ)第70003号) 口頭弁論終結日令和7年11月25日判決 控訴人 X 同訴訟代理人弁護士 牧野和夫 同 工藤英知 被控訴人 ロキテクノロジーインコーポレイテッド(以下「被控訴人ロキ社」という。) 被控訴人 Y1(以下「被控訴人Y1」という。) 上記両名訴訟代理人弁護士 原田學植 被控訴人 Y2(以下「被控訴人Y2」という。) 同訴訟代理人弁護士 齋藤健博 被控訴人 Y3(以下「被控訴人Y3」という。) 被控訴人 ティーケーテクノロジー有限会社(以下「被控訴人TK社」という。) 上記両名訴訟代理人弁護士 四方沢子 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人らは、控訴人に対し、連帯して、1億円を支払え。 第2 事案の概要等 1⑴ 控訴人は、「2ch」の標準文字からなる、原判決別紙 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人らは、控訴人に対し、連帯して、1億円を支払え。 第2 事案の概要等1⑴ 控訴人は、「2ch」の標準文字からなる、原判決別紙商標権目録記載の商標(以下「原告商標」という。)の商標権者である。 被控訴人ロキ社は、インターネット上の電子掲示板「5ちゃんねる」(以 下「ロキ社掲示板」という。)を運営する外国会社である。被控訴人ロキ社は、DNS(ドメインネームシステム)の転送機能の設定画面において、「2ch.net」との文字列(以下「被告標章」という。)を、ロキ社掲示板のウェブサイトに転送するためのドメイン名として入力した(以下、これを「本件入力行為」という。)。 ⑵ 本件は、控訴人が、本件入力行為は商標法2条3項8号所定の標章の「使用」に該当するのであり、被控訴人らは共同して原告商標の商標権を侵害したなどと主張して、被控訴人らに対し、共同不法行為に基づき、損害賠償金3億6000万円及び令和5年10月1日(最初の不法行為の日)から令和7年6月26日まで1か月500万円の割合による金員の連帯支払を求める 事案である。 原審は、被控訴人ロキ社が商標法2条3項8号所定の「使用」に該当する行為をしたとはいえないなどとして、控訴人の請求をいずれも棄却し、控訴人は、これを不服として、被控訴人らに対し、1億円の連帯支払を求める限度で控訴を提起した。 2 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、原判決3頁19行目末尾 を改行の上、次のとおり加え、3のとおり、当審における当事者の追加主張を加えるほかは、原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要等」の2から4まで(原判決2頁21行目から5頁12行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用 のとおり、当審における当事者の追加主張を加えるほかは、原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要等」の2から4まで(原判決2頁21行目から5頁12行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 「⑸ 国際裁判管轄及び準拠法 被控訴人ロキ社は、フィリピン共和国内に本店を有する外国会社であり、被控訴人Y1は、同国内に住所を有する者であるが、被控訴人ロキ社及び被控訴人Y1は、いずれも、本件訴えにつき、日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をしていることから、いずれにせよ、日本の裁判所が、管轄権を有するものと認められる(民事訴 訟法3条の8)。 また、控訴人は、日本で登録された商標の商標権の侵害を理由として、被控訴人ロキ社及び被控訴人Y1を含む被控訴人らに対し、共同不法行為に基づく損害賠償請求をするのであり、その加害行為の結果が発生した地は日本であるから、本件訴えについては、法の適用に関する通則法 17条により、日本法が準拠法となる。」 3 当審における当事者の追加主張(控訴人の主張)被控訴人ロキ社は、ユーザーが、インターネットのアドレスバーに「2ch」と入力すると、「2」と「犬らしき動物」が出現し、当該動物が「2」を蹴り 壊すと「5CH」と表示する映像(以下「本件動画」という。)が表示され、 ユーザーをロキ社掲示板に自動転送する状況を作出した(以下、これを「本件作出行為」という。)。 本件入力行為と本件作出行為は、全体的に見て、インターネット上の電子掲示板「2ch」を利用しようとするユーザーをして、「2ch」との標章を表示し、その目に触れさせて、ロキ社掲示板を利用させるための一連一体の行為 であり、商標法2条3項7号所定の「使用 上の電子掲示板「2ch」を利用しようとするユーザーをして、「2ch」との標章を表示し、その目に触れさせて、ロキ社掲示板を利用させるための一連一体の行為 であり、商標法2条3項7号所定の「使用」(電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為)に該当するとともに、同項8号所定の「使用」(役務に関する広告に標章を付して展示し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為)に該当する。 (被控訴人ロキ社及び被控訴人Y1の主張)本件動画は、映像面に「2ch」との標章を表示するものではないし、広告を内容とする情報に「2ch」との標章を付するものでもない。 (被控訴人Y2、被控訴人Y3及び被控訴人TK社の主張)控訴人は、被控訴人Y2、被控訴人Y3及び被控訴人TK社の各行為につい て何ら主張していない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も、控訴人の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、次のとおり当審における控訴人の追加主張に対する判断を付加するほかは、原判決「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」の1及び2(原判決5頁 14行目から6頁17行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 2 当審における控訴人の追加主張に対する判断控訴人は、本件入力行為と本件作出行為は、一連一体の行為として、商標法2条3項7号及び8号所定の「使用」に該当する旨の主張をする。 しかしながら、控訴人の主張は、本件動画が原告商標(「2ch」)を表 示するものであることを、その前提とするところ、本件動画は、先ず、「2」 と動物のキャラクターが表示され、当該キャラクターが「2」に近付き、これを蹴り壊すと、「2 (「2ch」)を表 示するものであることを、その前提とするところ、本件動画は、先ず、「2」 と動物のキャラクターが表示され、当該キャラクターが「2」に近付き、これを蹴り壊すと、「2」に換わり「5」が表示され、さらに、「CH」との記載のある小旗が表示される映像であり(甲10)、外観、称呼(「ゴシーエイチ」又は「ゴチャンネル」)、観念(「2ではない5ちゃんねる(ロキ社掲示板)」)のいずれについても、原告商標(「2ch」)と同一である とも類似するとも認めることはできない。 控訴人の主張は、その前提を欠くものといわざるを得ず、採用できない。 3 結論よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これらをいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官森冨義明 裁判官菊池絵理 裁判官頼晋一
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