- 1 -令和7年4月17日宣告令和7年(わ)第8号判決 主文 被告人を懲役2年6月に処する。 この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和6年11月23日、愛知県豊田市等が主催する自動車競技選手権「FIA世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン2024」の一環として岐阜県恵那市内の公道を規制して開催されたレース競技「スペシャルステージ12」の正常な運営に支障を及ぼすことを知りながら、同日午前10時30分頃、同市a町bcd番e先路上において、普通貨物自動車を運転し、同所係員の制止を振り切り、同競技関係車両及び同レースコース周辺に居住する住民の車両以外の通行車両の進入が禁じられた区域内に進入した上、同日午前10時33分頃、同市f町ghi番j先路上において、前記貨物自動車を運転し、同所係員の制止を振り切り、進路前方道路を横断する形で設置された規制テープ2か所を突破し、同競技中の進入が禁じられた同レースコース内に進入して同レースコース内を走行し、同日午前10時34分頃、同市k町lmn番o先路上に至り、同所において、係員の移動要請に従わず、約11分間にわたって同所で発走待機中の競技車両の直前に前記貨物自動車を停車させ、よって、同競技車両及び後続競技車両の発走を不能にさせた上、同競技を中止することを余儀なくさせて同競技の正常な運営に支障を生じさせ、もって威力を用いて人の業務を妨害したものである。 (証拠の標目) - 2 -省略(法令の適用)省略(量刑の理由)本件は、被告人が、岐阜県恵那市内の公道を使って開催された自動車レース競 の業務を妨害したものである。 (証拠の標目) - 2 -省略(法令の適用)省略(量刑の理由)本件は、被告人が、岐阜県恵那市内の公道を使って開催された自動車レース競技のコース内に普通貨物自動車で進入し、レースを妨害した事案である。 被告人は、犯行当日、知人との待ち合わせ場所に赴くために犯行場所を通りたいという理由で本件犯行を行ったものであり、その身勝手で自己中心的な動機や経緯に酌量の余地はない。被告人は、最初の検問地点のスタッフの言動が高圧的であったことに立腹したと述べるが、たとえそうであったとしても、それはレースを妨害する理由となるものではない。被告人は、検問を突破し、係員の制止を振り切り、競技コースを逆走して、スタート直前のラリーカーに向かって走行し、スタート地点到着後、係員が退避ルートを示してもこれに従わず、約11分間にわたってスタート地点に自車を停車させたものである。自動車競技は、競技用にチューンナップされた車両が高速度で走行するものであり、コース内に一般車両が進入すれば、競技車両のドライバーや進入した一般車両の運転手等の生命にかかわる衝突事故が発生しかねないところ、本件犯行態様は、極めて危険かつ悪質である。本件犯行により、約1年をかけて準備されたレース競技が中止になっただけでなく、主催者は、FIAに対し、800万円を超える罰金を支払うことを余儀なくされたものであり、結果は重大である。 以上の諸点に照らすと、被告人の刑事責任は軽視できない。 他方、被告人は、起訴後であれ、弁護士を通じて、被害者との間で示談し、822万5743円の分割払いを約し、うち500万円をすでに支払い(ただし、原資は被告人の父が立て替えた金員である。)、今後も令和11年9月までの分割弁済をすることを約したこと、それを受けて 談し、822万5743円の分割払いを約し、うち500万円をすでに支払い(ただし、原資は被告人の父が立て替えた金員である。)、今後も令和11年9月までの分割弁済をすることを約したこと、それを受けて、被害者は被告人を宥恕したこと、被告人は、当公判廷において、本件犯行を認め、被告人なりの反省の態度を示し、 - 3 -更生の意欲を示していること、被告人には、罰金前科以外の前科がないこと、被告人のパートナーが当公判廷に出廷し、被告人の更生に協力する旨誓約していることなど、被告人のために酌むべき事情もある。 そこで、以上の諸情状を総合考慮した結果、被告人に対し、社会内で自力更生する機会を与えるのが相当と考え、主文のとおり判断した。 (求刑懲役2年6月)令和7年4月17日岐阜地方裁判所多治見支部 裁判官細野なおみ
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