令和6(わ)1006 殺人、死体遺棄

裁判年月日・裁判所
令和7年10月24日 横浜地方裁判所
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判決文本文1,691 文字)

主文 被告人を懲役8年に処する。 未決勾留日数中320日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、A、B、C及びDと共謀の上第1 令和5年12月15日午後8時45分頃から同月16日午前2時35分頃までの間に、東京都大田区(住所省略)A方居室内において、E(当時46歳)に対し、殺意をもって、睡眠薬を混入させたコーヒー飲料を飲ませて眠らせた上、Eの頸部を結束バンドで絞め付け、よって、その頃、同所において、Eを絞頸による窒息により死亡させて殺害した。 第2 その頃から同日午前4時15分頃までの間に、Eの死体をスーツケースに入れて自動車に積載するなどして同所から東京都大田区(住所省略)付近の多摩川河川敷まで運搬した上、同スーツケースを多摩川に投棄し、もって死体を遺棄した。 (証拠の標目)略(法令の適用)略(量刑の理由) 1 本件は、被告人が共犯者ら(被告人の父であるD、母であるA、妹であるB及びBの犯行当時の交際相手であるC)と共謀の上、動画配信者であり、Bの元交際相手である被害者を殺害し、その死体を川に遺棄した事案である。 2 共犯者らは、被害者の動画配信の内容等をきっかけに、被害者を殺害する計画を立て、被害者をA方に呼び出し、犯行に使用する睡眠薬、結束バンド、スーツケース、重り等を準備した。被告人らは、呼出しに応じた被害者を睡眠薬で眠らせ、その身体を結束バンドで拘束し、目を覚ました被害者の首を絞めて殺害した。被告人らは、その死体をスーツケースに入れ、河川敷まで運搬し、重り等をつけて川に沈めて遺棄した。 被告人は、12月15日午前2時頃、Aから、被害者を呼び出して話合いをするが、話合いの結果次第では被害者を殺害し、川まで運ぶことになるかもしれないと聞かされ、足の悪いAの代わり 棄した。 被告人は、12月15日午前2時頃、Aから、被害者を呼び出して話合いをするが、話合いの結果次第では被害者を殺害し、川まで運ぶことになるかもしれないと聞かされ、足の悪いAの代わりに自分が運ぶ旨申し出た。被告人は、Aに言われてDとCを死体を遺棄する場所に案内した。被告人は、遅くともDとCがA方に入っていった時点では、被害者を殺害することになったと認識し、被害者に対する殺害行為に関わったものである。そうすると、被告人が殺人罪の責任を負うことは明らかである。 3 被害者の動画配信が共犯者らにとって誹謗中傷と感じるような内容であり、それが本件犯行のきっかけとなったことは否定できない。しかし、複数人で計画を立て、睡眠薬を飲ませるなどして抵抗できないようにした被害者を殺害し、死体をスーツケースに入れるなどして川に沈めて遺棄したという犯行態様は、極めて悪質である。また、このような犯行態様からは、被告人らが被害者の命を軽視する態度もみてとれる。 被告人は、計画段階には関わっておらず、睡眠薬を飲ませたり、実際に首を絞めたりしたわけでもない。しかし、被害者を入れたスーツケースを川まで運ぶ役割を自ら申し出た上、実際にも共犯者らと共に被害者の死体を遺棄しており、単に巻き込まれたというだけではない。また、自らの判断でスーツケースを運ぶことをAに申し出たことは、被害者の命を軽視するものである。そうすると、Aの話をうのみにし、言われるがまま共犯者らと行動を共にし、本件犯行に関わった被告人の責任は重い。 4 以上によれば、被告人が、被害者に申し訳ない気持ちである、今後は家族と関わらないと公判廷で述べていることを踏まえても、殺人の共同正犯における量刑傾向からすれば、被告人を懲役8年の刑に処するのが相当であると判断した。 (求刑懲役15年) 持ちである、今後は家族と関わらないと公判廷で述べていることを踏まえても、殺人の共同正犯における量刑傾向からすれば、被告人を懲役8年の刑に処するのが相当であると判断した。(求刑懲役15年) 令和7年10月28日 横浜地方裁判所第5刑事部 裁判長 裁判官佐藤卓生 裁判官菅野祐希 裁判官安藤幸歩

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