平成14(ろ)1119 道路交通法違反被告

裁判年月日・裁判所
平成14年11月27日 東京簡易裁判所
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判決文本文2,686 文字)

平成14年11月27日宣告平成14年(ろ)第1119号道路交通法違反被告事件(制限速度を認識していたと認められた事例) 主文 被告人を罰金9万円に処する。 その罰金を完納することができないときは,金5,000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 理由 (犯罪事実)被告人は,平成14年3月15日午後4時1分ころ,道路標識によりその最高速度が60キロメートル毎時と指定されている東京都板橋区内の首都高速道路において,その最高速度を60キロメートル超える120キロメートル毎時の速度で普通乗用自動車を運転して進行したものである。 (補足説明) 1 被告人は,公判で,「60キロ規制ということは知らなかった。首都高速は80キロ規制だと思っていた。速度は120キロは出していない。」と述べ,弁護人も,「被告人は本件道路の速度規制が80キロであると勘違いしていたのであるから,過失による指定速度違反に止まる。また,120キロ走行として取締を受けたが,被告人は110キロまでしか出ていないという認識なので,その点で錯誤があるから,仮に故意犯が成立するとしても,80キロ規制の認識で110キロ走行の認識即ち指定速度30キロ超過の故意犯が成立するに止まる」と主張するので検討する。 2 関係証拠によれば,次の事実が認められる。 (1) 被告人が本件取締を受けた首都高速道路は,片側2車線で,被告人はその第2通行帯を走行中に本件違反をした。 (2) 被告人車の速度を測定した装置は,自動速度取締機(オービスⅢ-Lj型)であり,平成2年11月13日に設置され,本件取締前後の平成14年1月24日及び同年7月23日に定期点検がなされた結果,異常はなく良好であった。また,本件 置は,自動速度取締機(オービスⅢ-Lj型)であり,平成2年11月13日に設置され,本件取締前後の平成14年1月24日及び同年7月23日に定期点検がなされた結果,異常はなく良好であった。また,本件違反前日の同年3月14日のフィルム装填時と違反後の同年3月18日のフィルム取出時の警察官による点検によっても異常がなかった。 (3) 本件測定記録写真によれば,被告人車は,通行帯を示す白線とほぼ平行に走行していること及び同車の前部バンパーの真下に,撮影地点を示す路面上の白い撮影線が位置しているから,同測定記録写真は正常に撮影されていることが認められる。 (4) 捜査報告書によれば,本件速度違反を撮影したフィルム1本には,本件取締当日,本件以外に17件の違反車が撮影されており,捜査中の3件を除き本件以外の違反者は全て違反事実を認めている。 (5) 以上の事実によれば,本件オービスⅢの正確性が認められると同時に,本件取締時において,本件オービスⅢは正常に作動していたことが認められるから,被告人は取締当時,120キロメートル毎時の速度で走行していたことが認められる。 3 次に被告人の弁解及び弁護人の主張について判断する。 (1) 被告人は,公判で,「ストロボが光ったので速度取締を受けたと思い,メーターを見たら,100キロか110キロくらいの速度だった」と述べる 。しかしながら,他方で,「光った時,アクセルを離したように思う」と述べているのであるから,スピードメーターを見た時点では,既に減速していたことが推認されるのであって,本件オービスⅢが120キロと計測したことと,スピードメーターを見た時点でメーターが100~110キロを指していたこととは,何ら矛盾はしないし,却って,アクセルペダルから足を離す前は100~110キロよりも早い速度が出ていたこと したことと,スピードメーターを見た時点でメーターが100~110キロを指していたこととは,何ら矛盾はしないし,却って,アクセルペダルから足を離す前は100~110キロよりも早い速度が出ていたことが認められるから,被告人の弁解は採用しない。 (2) 次に被告人は,「60キロ制限であることを知らなかったし,80キロ制限だと思っていた。速度はせいぜい110キロしか出ていない。」と述べ,弁護人はこの点を理由に錯誤を主張する。しかしながら,Aランプから本件違反場所までの区間は,被告人は,初めて通る道路ではなく,食材の買い出しのため,月2回くらいの割合で通行している道路であり,また,同区間には,60キロ制限の規制標識が3か所,自動速度取締機設置路線の警告看板が5か所,それぞれ設置されていたのであるから,被告人は,この区間を走行中に,60キロ制限の規制標識を見ていたことが推認されるので,被告人は本件道路が60キロ制限であることを知っていたことが認められる。また,仮に,被告人が制限速度が60キロメートル毎時であることを知らなかったとしても,故意による速度違反罪が成立するためには,運転手に「制限速度を超えて車両を運転していることの認識」があれば足りるところ,被告人は,単に制限速度の程度と速度超過の程度を誤認したに過ぎないのであって,100キロないし110キロくらいで走行しているとの認識はあったのであり,「制限速度を超えて車両を運転しているとの認識」においては何ら欠けることがないから,生じた指定速度違反の故意の成立を妨げない。 したがって,被告人は,60キロメートル毎時という指定最高速度を60キロメートル超える120キロメートル毎時の速度で車両を運転した故意犯の責任を負うものである。 (3) 被告人は,本件道路が有料の高速道路であるのに,指定最 0キロメートル毎時という指定最高速度を60キロメートル超える120キロメートル毎時の速度で車両を運転した故意犯の責任を負うものである。 (3) 被告人は,本件道路が有料の高速道路であるのに,指定最高速度が一般道路の法定速度と同じ60キロメートル毎時であるのは不当である,また,自動速度取締機による取締は速度違反をした理由を考慮しないので納得できないなどと主張するが,これらは,いずれも被告人の本件速度違反を正当化する事由には当たらないから,被告人の主張は理由がない。 (法令の適用)罰条道路交通法22条1項,4条1項,同法施行令1条の2第1項,平成13年法律第51号附則9条,同法による改正前の道路交通法118条1項2号刑種の選択罰金刑労役場留置刑法18条訴訟費用不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(求刑罰金9万円)平成14年11月27日東京簡易裁判所刑事第1室裁判官山中喜代志

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