平成13年(行ケ)第5号特許取消決定取消請求事件(平成13年12月17日口頭弁論終結)判決原告株式会社リコー訴訟代理人弁理士鈴木康志同加藤和彦被告特許庁長官及川耕造指定代理人関川正志同小川謙同小林信雄同宮川久成 主文 特許庁が平成11年異議第71541号事件について平成12年11月22日にした決定を取り消す。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告主文と同旨 2 被告原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯(1) 原告は、名称を「画像形成装置」とする特許第2846435号発明(平成2年8月27日出願、平成10年10月30日設定登録)の特許権者である。 (2) その後、本件特許につき特許異議の申立てがされ、この申立ては、平成11年異議第71541号事件として特許庁に係属し、原告は、同係属後の平成11年12月28日に訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)をし、訂正拒絶理由通知後の平成12年6月20日に手続補正(以下「本件補正」という。)をした。 して特許庁に係属し、原告は、同係属後の平成11年12月28日に訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)をし、訂正拒絶理由通知後の平成12年6月20日に手続補正(以下「本件補正」という。)をした。 特許庁は、上記事件につき審理した結果、同年11月22日、「特許第2846435号の請求項1ないし8に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同年12月11日、原告に送達された。 (3) 原告は、平成13年1月10日、本件決定の取消しを求める本件訴えを提起した後、同年3月21日、本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載の訂正(以下「本件訂正」という。)をする訂正審判の請求をし、訂正2001-39046号事件として特許庁に係属した。特許庁は、同年10月30日、本件訂正を認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし、その謄本は、同年11月9日、原告に送達された。 2 本件明細書の特許請求の範囲【請求項1】の記載(以下、その発明を「本件発明」という。)(1) 本件訂正請求前のもの原稿よりの反射光を撮像素子に結像する光学系を有する読取手段と、該読取手段よりの画像信号に基づいて画像を形成する作像手段と、記録紙を収納し1枚宛作像手段へ給送する給紙装置を構成する用紙手段とを備えており、前記読取手段が作像手段の上方に該作像手段との間で空間を形成するように支持枠により支持されているとともに、記録紙排紙トレイが前記空間に位置するように設けられていることを特徴とする画像形成装置。 (2) 本件訂正に係るもの(訂正部分には下線を付す。)原稿よりの反射光を撮像素子に結像する光学系を有する読取手段と、該読取手段よりの画像信号に基づいて画像を形成する作像手段と、 (2) 本件訂正に係るもの(訂正部分には下線を付す。)原稿よりの反射光を撮像素子に結像する光学系を有する読取手段と、該読取手段よりの画像信号に基づいて画像を形成する作像手段と、記録紙を収納し1枚宛作像手段へ給送する給紙装置を構成する用紙手段とを備えており、前記読取手段が作像手段の上方に該作像手段との間で空間を形成するように支持枠により支持され、前記支持枠が前記読取手段を支持することによってコ型状ユニットを形成するとともに、記録紙排紙トレイが前記空間に位置するように設けられていることを特徴とする画像形成装置。 (3) なお、本件訂正前の【請求項2】~【請求項8】は、訂正審決により削除された。 3 本件決定の理由の要旨本件決定は、本件補正が訂正請求の要旨を変更するものであり、特許法120条の4第3項において準用する同法131条2項に適合しないから、本件補正は採用することができず、本件訂正請求の訂正事項が本件明細書又はその図面に記載した事項の範囲内にあるものではなく、特許法120条の4第3項の準用する同法126条2項に適合しないから、その訂正は認められないとして、本件発明の要旨を本件訂正請求前の本件明細書の特許請求の範囲記載のものとした上、本件発明は、特開平2-209247号公報及び周知慣用の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、同法113条2号の規定により取り消されるべきものであるとした。 第3 原告主張の決定取消事由本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正請求前の本件明細書の特許請求の範囲記載のとおりと認定した点は、訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたため、誤りに帰 決定取消事由本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正請求前の本件明細書の特許請求の範囲記載のとおりと認定した点は、訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたため、誤りに帰したことになるから、本件決定は、本件発明の要旨の認定を誤った違法があり、取り消されるべきである。 第4 被告の主張訂正審決により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは認める。 第5 当裁判所の判断訂正審決により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、本件訂正によって、本件明細書の特許請求の範囲は減縮されたことが明らかである。 そうすると、本件決定が本件発明の要旨を本件訂正請求前の本件明細書の特許請求の範囲記載のとおりと認定したことは、結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったこととなり、この誤りが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、本件決定は取消しを免れない。 よって、原告の請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用は、原告の申立て等本件訴訟の経緯にかんがみ、原告に負担させることとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第13民事部裁判長裁判官篠原勝美裁判官石原直樹裁判官長沢幸男
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