平成25(行ウ)782 行政文書不開示処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成28年1月14日 東京地方裁判所 情報公開
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判決文本文51,341 文字)

- 1 -平成28年1月14日判決言渡平成25年(行ウ)第782号行政文書不開示処分取消請求事件 主文 1 処分行政庁が平成25年6月12日付けで原告に対してした決定(平成25年消取引第○号。平成26年4月22日付け変更決定により変更された後のもの。)のうち,別紙3開示部分目録記載の部分について不開示とした部分を取り消す。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを4分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求の趣旨処分行政庁が平成25年6月12日付けで原告に対してした決定(平成25年消取引第○号。平成26年4月22日付け変更決定により変更された後のもの。)のうち,別紙4取消請求文書目録記載の文書について不開示とした部分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)4条1項に基づき,処分行政庁に対し,「消費者庁が保有する,2010年夏にP1から預託法順守状況についての報告申し出があったにもかかわらず担当課が報告を聞かなかった件で,2011年夏に担当審議官及び担当課長らに対してなされた処分の内容及び理由,経過等が分かる一切の文書」(以下「本件開示請求対象文書」という。)の開示を請求し,処分行政庁から平成24年8月6日付けで本件開示請求対象文書を開示しない旨の決定(平成24消総人第○号。以下「本件原決定」という。)を受けたことから,本件原決定に対する異議を申し立てたところ,処分行政庁から平成25年6月12日付けで本件原決 - 2 -定を変更して別表1開示文書一覧記載の文書(ただし,同表の「不開示部分」欄記載の部分を除いた部分)を開示する旨の決定(平成25年消取引 処分行政庁から平成25年6月12日付けで本件原決 - 2 -定を変更して別表1開示文書一覧記載の文書(ただし,同表の「不開示部分」欄記載の部分を除いた部分)を開示する旨の決定(平成25年消取引第○号。以下「本件決定」という。)を受けたことに対し,本件決定(平成26年4月22日付け変更決定により変更された後のもの)のうち,別紙4取消請求文書目録記載の文書(以下「本件不開示文書」という。)を不開示とした部分の取消しを求めている事案である。 1 関係法令等の定め(1) 本件に関係する法令の定めは,別紙5関係法令の定め記載のとおりである(なお,同別紙において定義した略語等は,本文においても用いることとする。)。 (2) 消費者庁は,情報公開法に基づき処分行政庁が行う処分につき,行政手続法5条1項の規定による審査基準として,「消費者庁における情報公開法に基づく処分に係る審査基準」(平成21年消費者庁訓令第19号。以下「本件審査基準」という。)を定めており,本件審査基準には,情報公開法5条2号及び6号に関し,別紙6本件審査基準の定め記載のとおりの定めが含まれている。 2 前提事実(証拠等を掲げていない事実は,当事者間に争いのない事実である。)(1) 消費者庁の事務の概要等ア消費者庁は,消費者基本法2条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり,消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて,消費者の利益の擁護及び増進,商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うことを任務とし(消費者庁及び消費者委員会設置法〔以下「消費者庁等設置法」という。〕3条),平成21年9月1日,内閣府の外局として設置された。 に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うことを任務とし(消費者庁及び消費者委員会設置法〔以下「消費者庁等設置法」という。〕3条),平成21年9月1日,内閣府の外局として設置された。 イ消費者庁は,上記アの任務を達成するため,消費者庁等設置法4条各号 - 3 -に掲げられた事務をつかさどるところ,同条11号は,預託法の規定による預託者の利益の保護に関すること,同条14号は,景表法2条3項又は4項に規定する景品類又は表示の適正化による商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保に関することを規定している。 (2) 本件不開示文書の作成経緯等ア和牛は,預託法2条1項1号の「特定商品」に該当するところ,株式会社P1(以下「P1」という。)は,次のような仕組みによる和牛預託商法を行っていた。 (ア) P1は,預託者(「黒毛和種牛売買・飼養委託契約」と称する契約〔以下「本件契約」という。〕をP1と締結した顧客)に対し,繁殖牛(生後6か月以上の繁殖の目的に適する黒毛和種の雌牛)を販売する。 (イ) 預託者は,P1に対し,売買・飼養委託契約金(預託者が,P1から繁殖牛を買い受け,P1に対し契約に定める期間を通じて繁殖牛の飼養を委託するためにP1に支払う金銭)を支払った上で,契約に定める期間を通じて,繁殖牛の飼養を委託し,P1は,これを受託する。 (ウ) P1は,預託者から繁殖牛が出産した子牛(生後6か月未満の黒毛和種の牛)を買い取り,預託者に対し,利益金(P1が,繁殖牛が出産した子牛を買い取る際の子牛買取予定代金から1年分の飼養委託費を控除して,預託者に支払う金銭)を年1回支払う。 (エ) P1は,契約期間経過後,預託者から繁殖牛を買い戻す。 イ(ア) 農林水産省(以下「農水省」という。)は,平成21年1月 1年分の飼養委託費を控除して,預託者に支払う金銭)を年1回支払う。 (エ) P1は,契約期間経過後,預託者から繁殖牛を買い戻す。 イ(ア) 農林水産省(以下「農水省」という。)は,平成21年1月,P1(当時は有限会社P2)に対し,預託法10条1項の規定に基づき立入検査を行い,財務状況等についての指摘を行い,同年3月,P1に対し,検査結果を基に財務諸表等を適切に作成し,かつ,その結果を定期的に報告するよう指示した。 (イ) P1は,平成21年7月,農水省に対し,状況報告を行った。 - 4 -ウ預託法は,従前,経済産業大臣及び特定の商品の流通を所掌する大臣が主務大臣とされていたが(平成21年法律第49号による改正前の預託法),平成21年9月1日,消費者庁の発足に伴い内閣総理大臣の所管とされ,内閣総理大臣から処分行政庁に権限が委任された(消費者庁及び消費者委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律19条)。 エ P1は,平成22年7月,消費者庁取引・物価対策課(当時)に対し,預託法の遵守状況について報告したい旨を申し入れたところ,消費者庁の担当者は,同年8月,P1に対し,必要と判断した場合には話を聞く旨を回答した。 オ P1は,平成23年8月1日,全預託者に対して支払停止の通知書を一斉に送付し,支払不能状態となり,同月9日,東京地方裁判所に対し,民事再生手続の開始を申し立てた。 カ処分行政庁は,平成23年8月,P1の前記エの状況報告の申出に対する消費者庁担当者の対応に関し,当時の預託法の担当であったP3審議官及びP4取引対策課長(以下「P4課長」といい,P3審議官と併せて「本件審議官ら」という。)に対し厳重注意(以下「本件厳重注意」という。)を行った。 キ(ア) 消費者庁は,平成23年9月,P1に対し,景表法に 対策課長(以下「P4課長」といい,P3審議官と併せて「本件審議官ら」という。)に対し厳重注意(以下「本件厳重注意」という。)を行った。 キ(ア) 消費者庁は,平成23年9月,P1に対し,景表法に基づく措置命令に向けた任意の立入検査(以下「本件立入検査」という。)を行った。 (イ) 消費者庁は,平成23年11月30日,P1に対し,本件契約の内容についての複数の雑誌広告における表示は,実際のものよりも著しく優良であることを示すことにより,不当に顧客を誘引し,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示をしていたものであり,景表法4条1項1号(優良誤認表示)に該当するとして,景表法に違反するものである旨を一般消費者へ周知徹底するよう措置命令(以下「本件措置命令」という。)を行い,同日,本件措 - 5 -置命令の概要を公表した。[甲3]ク本件不開示文書は,消費者庁の調査官が本件立入検査においてP1から任意に提出を受けた文書の一部であり,1頁の文書である。本件不開示文書には,P1の民事再生手続の過程において監督委員から財務状況の調査を委託された特定監査法人(以下「本件監査法人」という。)のP1に対する質問事項について,P1が用意した回答が記載されており,具体的には,P1の役員に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名等の記述により特定の個人を識別できるものや,当該役員の債権債務の内容,当該役員が債務保証をしている法人名等が記載されているほか,P1に係る預託法の遵守状況が記載されている。[甲1,2,弁論の全趣旨](3) 本件訴訟に至る経緯等ア当時の内閣府特命担当大臣(消費者担当)松原仁は,平成24年2月21日,衆議院予算委員会において,次のとおり答弁(以下「本件答弁」という。)をした。 趣旨](3) 本件訴訟に至る経緯等ア当時の内閣府特命担当大臣(消費者担当)松原仁は,平成24年2月21日,衆議院予算委員会において,次のとおり答弁(以下「本件答弁」という。)をした。 「 平成22年夏,P1より担当課に対し,預託法遵守状況について報告をしたい旨の連絡がございました。担当課は,平成21年7月のP1から農林水産省への報告により,農林水産省が平成21年1月の立入検査を踏まえP1に指摘した財産状況にかかわる書類における記載の不備が改善されていたこと,平成22年夏の時点でPIO-NET上にはP1の預託法違反をうかがわせる苦情,相談はなかったことから,P1に対し,必要と判断した場合には話を聞くと伝え,結果として報告を受けなかった事実がございます。消費者庁においては,P1から報告は聞いておくべきであったと,昨年夏に長官が担当審議官及び担当課長に厳重注意したとの報告を受けておりますが,P1から報告を受けることを怠ったことについては,担当大臣として,極めて遺憾であるというふうに認識しております。」 - 6 -イ原告は,平成24年7月6日付けで,処分行政庁に対し,開示請求する行政文書の名称等を「消費者庁が保有する,2010年夏にP1から預託法順守状況についての報告申し出があったにもかかわらず担当課が報告を聞かなかった件で,2011年夏に担当審議官及び担当課長らに対してなされた処分の内容及び理由,経過等が分かる一切の文書」とする行政文書開示請求書(以下「本件開示請求書」という。)を提出し,消費者庁は,同月9日に本件開示請求書を受け付けた(以下,この開示請求を「本件開示請求」という。)。 ウ処分行政庁は,平成24年8月6日,本件開示請求に対し,「本件については,国家公務員法(昭和22年法律第120号)に基づく懲戒処 を受け付けた(以下,この開示請求を「本件開示請求」という。)。 ウ処分行政庁は,平成24年8月6日,本件開示請求に対し,「本件については,国家公務員法(昭和22年法律第120号)に基づく懲戒処分(免職,停職,減給,戒告)や矯正措置(訓告,厳重注意)を行っていないことから,請求に係る文書については作成も取得もしておらず保有していないため。」という理由により,これを開示しない旨の本件原決定をし,これを原告に通知した。[乙4]エ原告は,平成24年8月10日付けで本件原決定に対する異議申立てをし,同月24日付けでこれを補正した(以下,この異議申立てを「本件異議申立て」という。)。なお,本件異議申立てに係る申立書(以下「本件異議申立書」という。)には,仮に国家公務員法に基づく処分が行われていなかったとしても,本件答弁のいう「厳重注意」という処分は行われていたのであり,本件開示請求書も単に「処分」と記載したのみで国家公務員法に基づく処分とは限定していない旨が記載されていた。[乙5,6]オ(ア) 処分行政庁は,平成24年9月24日,本件異議申立てについて,情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問した。 (イ) 審査会は,平成25年5月15日,処分行政庁に対し,本件原決定について,処分行政庁は別表2審査会による答申の「特定すべき文書」欄ⅠないしⅥに掲げる文書(以下,併せて「本件答申対象文書」という。) - 7 -を保有していることが認められるとして本件答申対象文書の開示を検討すべき旨を答申した(以下,この答申を「本件答申」という。)。 (ウ) 審査会は,本件答申に先立ち,原告が本件開示請求対象文書について「処分」を国家公務員法に基づく処分には限定していないことは明らかであるとして,処分行政庁に対し,本件厳重注意 」という。)。 (ウ) 審査会は,本件答申に先立ち,原告が本件開示請求対象文書について「処分」を国家公務員法に基づく処分には限定していないことは明らかであるとして,処分行政庁に対し,本件厳重注意の内容及び理由,経過等が記載された文書を探索させており,本件答申対象文書は,この探索の結果,文書の存在が確認されたものである。なお,本件答申は,本件原決定について,「処分庁は,異議申立人が求める『処分』とは国家公務員法に基づく懲戒処分や規程に基づく矯正措置であると限定的に解釈し,本件厳重注意は事実上の行為にすぎないとして,当該『処分』について不存在を理由に不開示とした原処分は不適切といわざるを得ない。 処分庁は,開示請求の時点で,その請求内容等を十分精査し対象となる行政文書を漏れなく特定する必要があり,今後,法に基づき適切に対応すべきである」との付言をしている。[甲2]カ処分行政庁は,平成25年6月12日,本件異議申立てについて,本件原決定を全て取り消し,本件開示請求対象文書が本件答申対象文書であると特定した上で,別表1開示文書一覧記載の文書(ただし,同表の「不開示部分」欄記載の部分を除いた部分。なお,同表は,本件決定に係る決定書の別紙2の表である。)を開示する旨の本件決定をし,これを原告に通知した。処分行政庁は,本件決定に係る決定書(以下「本件決定書」という。)の「決定の理由」欄において,① 原告(異議申立人)の求める「『処分』の意義を広く国家公務員法(昭和22年法律第120号)に基づく懲戒処分又は消費者庁職員の訓令等に関する規程(消費者庁訓令第15号)に基づく矯正措置(訓令,厳重注意)と理解し,さらに日常用語としての『処分』の意味まで含めて検討した結果,本件厳重注意はこれらの『処分』のいずれの意味にも該当しない」と判断して本件原決 令第15号)に基づく矯正措置(訓令,厳重注意)と理解し,さらに日常用語としての『処分』の意味まで含めて検討した結果,本件厳重注意はこれらの『処分』のいずれの意味にも該当しない」と判断して本件原決定をしたのであり, - 8 -この点につき,本件答申には事実誤認がある,② 本件答申は,「矯正措置として行われたものではない本件厳重注意が,担当審議官等の職員への『処分』に相当すると判断した理由について」説明しておらず,理由不備がある,③ 本件答申が,本件開示請求の後に提出された本件異議申立書の記載内容から,事後的に文書を特定することを要求する趣旨であるならば,情報公開法4条1項に反し,かつ,処分行政庁に対して不可能を強いるものであるとした上で,④ 本件答申は,本件異議申立書の記載内容を参考として「事後的に開示請求者の合理的意思を探求すると,当該『処分』という言葉は,本件厳重注意が行われた事実自体を指示する日常用語として用いられたものと理解することも可能であったことから,『処分』という言葉の意味内容について厳密に拘ることなく,開示請求書全体の趣旨として,本件厳重注意の内容及び理由,経過等が分かる一切の文書を本件対象文書として特定すべきであったという点を指摘したものと,解釈しえないわけではない」ことから,本件答申を結論において尊重した旨を記載している。 [甲1]キ原告は,平成25年12月9日,本件決定のうち,次の(ア)ないし(エ)の各部分の取消しを求めて,本件訴えを提起した。 (ア) 別表1の「番号」項目Ⅳ「平成24年2月21日衆議院予算委員会柴山昌彦君の対松原大臣に対する質疑に係る答弁資料及び議事録」中「詳細番号」項目7の「平成24年2月21日衆議院予算委員会柴山昌彦君答弁資料」のうち,「④景表法の調査において入手した資料」を不 会柴山昌彦君の対松原大臣に対する質疑に係る答弁資料及び議事録」中「詳細番号」項目7の「平成24年2月21日衆議院予算委員会柴山昌彦君答弁資料」のうち,「④景表法の調査において入手した資料」を不開示とした部分(イ) 別表1の「番号」項目Ⅴ「同年3月27日参議院予算委員会消費者問題特別委員会における上野通子君に係る議事録」中「詳細番号」項目9の「参議院予算委員会・消費者問題特別委員会上野通子君答弁資料」のうち,「③景表法の調査において入手した資料」を不開示とした部分 - 9 -(ウ) 本件不開示文書を不開示とした部分(別表1の「番号」項目Ⅵ中「詳細番号」項目10)(エ) 別表1の「番号」項目Ⅵ「本件事案に係る消費者庁の担当課と特定会社等とのやり取りメモ」中「詳細番号」項目11の「A社に関する取引対策課の関係」のうち,「不開示部分のうち,『A社に関する取引対策課の関係』及び『対外厳秘』を除く部分」を不開示とした部分ク(ア) 処分行政庁は,本件決定について,改めて情報公開法5条各号所定の不開示情報該当性を検討した結果,平成26年4月22日,本件決定を変更し,本件決定における不開示部分のうち,前記キ(ア),(イ)及び(エ)の各部分(ただし,(エ)については,P1の社員の氏名以外の部分。以下,これらの開示部分を併せて「本件追加開示部分」という。)を開示する旨の決定(平成26年消取引第○号。以下「本件変更決定」という。)をした。処分行政庁は,同日頃,原告に対し,本件変更決定を通知して,本件追加開示部分を開示した。[乙3,弁論の全趣旨](イ) 原告は,本件追加開示部分の開示を受けて,平成26年7月17日,本件訴えのうち,本件決定中,前記キ(ア),(イ)及び(エ)の各部分を不開示とした部分の取消しを求める部分を取り下げた。 旨](イ) 原告は,本件追加開示部分の開示を受けて,平成26年7月17日,本件訴えのうち,本件決定中,前記キ(ア),(イ)及び(エ)の各部分を不開示とした部分の取消しを求める部分を取り下げた。[顕著な事実] 3 争点(1) 本件不開示文書に記録された情報(以下「本件不開示情報」という。)が情報公開法5条各号所定の不開示情報に該当するか否か。 ア本件不開示情報が情報公開法5条6号に該当するか否か。[争点1]イ本件不開示情報が情報公開法5条1号に該当するか否か。[争点2]ウ本件不開示情報が情報公開法5条2号イに該当するか否か。[争点3](2) 本件不開示文書を部分開示すべき義務の有無等 [争点4](3) 本件決定における手続的違法の有無ア本件決定が情報公開法4条2項に違反しているか否か。[争点5] - 10 -イ本件決定が行政手続法8条に違反しているか否か。[争点6]第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(本件不開示情報が情報公開法5条6号に該当するか否か。)(1) 被告の主張ア(ア) 情報公開訴訟において採用されるべき審理,判断の手法は,当該行政文書に類型的にいかなる情報が記載されているかという前提となる事実関係から,当該行政文書の不開示部分にどのような情報が記載されているのか,あるいは,それを公開した場合に,一般的にはどのような支障が生じ得るのかを,必ずしも具体的な証拠や具体的な事実に基づいてではなく,上記前提事実から経験則に基づき認定・判断するというものである。したがって,情報公開訴訟においては,当該不開示決定に係る行政文書に記録された具体的な情報の内容が明らかにされてはならないだけでなく,それが公にされた場合に生じる支障の蓋然性は,それ自体が証拠に基づいて直接的具体的に証明される ては,当該不開示決定に係る行政文書に記録された具体的な情報の内容が明らかにされてはならないだけでなく,それが公にされた場合に生じる支障の蓋然性は,それ自体が証拠に基づいて直接的具体的に証明されることまでは要求されておらず,被告が不開示情報に該当するとする情報の類型的な性質を明らかにすることなどにより,そのような情報が公にされた場合,経験則上,支障が生ずるおそれがあると判断することが可能な程度の主張立証をすれば,不開示情報該当性は肯定されるというべきである。 (イ) 情報公開法5条6号所定の「公にすることによりその適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」という要件は,将来の予測に係る事由であり,問題となる情報を公にすることによって国の事務等の適正な遂行という保護法益にいかなる影響がどの程度及ぶかの判断は,それまでに蓄積された行政運営上の経験の上に立って初めてすることができる場合が多く,それぞれに関連する事務事業の全容等を把握しないままでは,そのような予測を的確に行うことは不可能である。このようなことに鑑みれば,上記要件は,少なくとも,開示実施の任に当たる行政機関の長に一定の - 11 -幅のある判断をさせることを許容していると解し得るものであり,そのような幅を逸脱する判断がされた場合に限り,その要件該当性が否定され,当該不開示処分が違法性を帯びるとの判断手法を採用するのが相当というべきである。 (ウ) この点,原告は,不開示情報該当性について,可能な限り個別具体的な主張立証が尽くされるべきであり,本件審査基準が情報公開法5条6号につき,実質的な支障,法的保護に値する蓋然性を要求しているから,被告の主張は本件審査基準にも反するなどと主張している。しかしながら,被告は,情報公開法の正しい解釈及び裁判例に基づき,自ら策定した本件審査基準 的な支障,法的保護に値する蓋然性を要求しているから,被告の主張は本件審査基準にも反するなどと主張している。しかしながら,被告は,情報公開法の正しい解釈及び裁判例に基づき,自ら策定した本件審査基準にのっとって,同号所定の「適正な遂行に支障をおよぼすおそれ」の有無を判断しており,被告の主張(前記(ア))は,何ら本件審査基準と矛盾しない。 イ(ア) 消費者庁は,景表法2条3項又は4項に規定する景品類又は表示の適正化等に関する事務をつかさどるところ,景表法4条は,一般消費者に誤認される不当な表示を禁止し(同条1項1号ないし3号),ここでいう「誤認」とは,「実際のものと一般消費者が当該表示から受ける印象との間に差が生じていることをいう」(平成11年10月1日公正取引委員会審決)とされている。そこで,消費者庁が違反事実を立証するためには,当該表示物の確認にとどまらず,当該表示と関連する可能性があると考えられる多種多様かつ広範な資料を網羅的に収集し,当該表示に係る商品や役務の実際の内容等を正確に把握した上で,違反の有無につき多面的・総合的な検証を行う必要があり,景表法違反被疑事件の調査は,表示物(商品の包装,広告等)を収集したり,相手方事業者等から必要な報告や物件の提出を求めたり,事情を聴取したりすることなどによって行われる。そして,消費者庁が行う景表法に係る調査は,内閣総理大臣から処分行政庁に委任された権限に基づき行われるが,捜査 - 12 -機関が行う捜索差押え等とは異なり,直接的・物理的な強制力を伴うものではなく,事業者等の同意や,その意思に基づく回答,資料提出を必要とするものであり,罰則による間接強制にも相当限界がある。 (イ) 本件不開示文書は,消費者庁の調査官が,景表法に基づく措置命令に向けた本件立入検査において,P1から任 に基づく回答,資料提出を必要とするものであり,罰則による間接強制にも相当限界がある。 (イ) 本件不開示文書は,消費者庁の調査官が,景表法に基づく措置命令に向けた本件立入検査において,P1から任意の提出を受けた文書の一部であるところ,本件不開示情報を開示することにより消費者庁が行う景表法に係る調査の内容や手法等が明らかとなるものといえるから,本件不開示情報は,国の機関が行う事務に関する情報(情報公開法5条6号)に該当する。また,本件不開示文書には,P1の預託法の遵守状況として,P1に対する農水省の検査に関する情報が記載されており,当該情報は,国の機関が行う検査業務に関する情報(同号イ)に該当する。 ウ本件不開示文書を公にすることになれば,以下に述べるとおり,現在及び将来の景表法違反被疑事件の調査において,① 任意の協力を得られなくなる弊害,② 執行上の着眼点が判明することとなる弊害が生じることとなり,消費者庁の事務(調査)の適正な遂行に支障を及ぼす蓋然性は極めて高い。したがって,本件不開示情報は,情報公開法5条6号の不開示情報に該当するというべきである。 (ア) 任意の協力を受けられなくなる弊害a 前記イ(ア)のとおり,景表法の執行実務においては,多様な資料の収集に基づき正確な実態を把握し,多面的・総合的な検証を行う必要があるため,事業者等の協力が必要不可欠である。景表法違反被疑事件の調査目的のみに使用されるとの信頼の下に資料を任意提出したにもかかわらず,当該資料が公開されて上記目的以外の目的のために使用されることとなれば,当該事業者との信頼関係が著しく損なわれ,その結果,将来の景表法の執行実務において,事業者一般から任意提出を受けられなくなるなど,事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼす - 13 -おそれがある。 業者との信頼関係が著しく損なわれ,その結果,将来の景表法の執行実務において,事業者一般から任意提出を受けられなくなるなど,事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼす - 13 -おそれがある。 b この点,原告は,① 消費者庁による調査がP1自身の景表法違反被疑事件に関する調査であり,消費者庁とP1との間に信頼関係が成立しているような場合ではない,② P1が既に破産しており,不利益を被る主体も存在しないなどと主張している。 しかしながら,景表法違反被疑事件に係る情報公開法5条6号該当性を判断するに当たっては,現在継続中の他の事件調査や将来の事件調査に与える影響等も含めて考えるべきであり,情報提供の主体が違反被疑事業者自身であることや法人格が失われていることなどの個別事情や関係性のみを考慮することは妥当ではない。本件不開示情報は,飽くまでもP1が民事再生手続の過程において本件監査法人からの質問事項に対して用意した情報であり,第三者に公にするようなものではなく,飽くまでも景表法違反被疑事件の調査目的のみに使用されるとの信頼に基づいて消費者庁に提出されたものである。本件不開示情報を公にすれば,現在及び将来の景表法違反被疑事件の調査において,消費者庁に任意提出した資料が調査目的を超えて第三者に開示されることを恐れた事業者等から調査協力が得られなくなり,景表法の執行事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすこととなる。 以上によれば,原告の上記主張は失当である。 (イ) 執行上の着眼点が判明することとなる弊害a 前記イ(ア)のとおり,景表法の執行実務においては,違反事実の立証のために,当該表示と関連する可能性があると考えられる多種多様かつ広範な資料を網羅的に収集するが,景表法違反被疑事件の調査の過程において収集した資料を開示することは,消 務においては,違反事実の立証のために,当該表示と関連する可能性があると考えられる多種多様かつ広範な資料を網羅的に収集するが,景表法違反被疑事件の調査の過程において収集した資料を開示することは,消費者庁の調査官が,当該事件における違反事実を立証するために,何が必要と考えて何を収集したのかという景表法の執行における重点項目や調査手法を示す - 14 -ことにほかならない。本件不開示文書は,P1に対する本件立入検査の際に,P1から任意に提出を受けた文書であるところ,これを開示することによって,調査官が,かかる資料を収集資料の一つとして持ち帰ったという判断過程そのものが示されることとなり,検査の現場を公開するに等しい。このような事態が生じれば,今後,他の事業者等において,景表法に基づく措置命令において問題となる点が発覚しないように不正な手段を講じる機会を与えることになり,違法若しくは不当な行為を容易にし,又はその発見を困難にする客観的なおそれがある。 b 原告は,① 民事再生手続の中で本件監査法人がしたP1の財務状況についての調査資料といったものは,第三者である財務の専門家により作成されたという点で,極めて信頼性が高く,これを持ち帰ろうとすることはいわば当然である,② 本件不開示文書が開示されたとしても,網羅的に収集した資料の一部しか判明しないのであり,景表法の執行における重点項目や調査手法を示すことにはならない,③ 本件不開示文書に預託法の遵守状況が記載されているならば,その開示によって,景表法の立入検査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは考えられない旨主張している。 しかしながら,本件不開示文書は,本件監査法人からの質問事項に対してP1が用意した回答が記載された文書であり,そもそも第三者である財務の専門家によって作成 があるとは考えられない旨主張している。 しかしながら,本件不開示文書は,本件監査法人からの質問事項に対してP1が用意した回答が記載された文書であり,そもそも第三者である財務の専門家によって作成された文書ではない。また,本件不開示文書には,預託法の遵守状況が記載されているところ,上記遵守状況の具体的内容は多岐にわたっており,本件不開示情報を公にすれば,いかなる事項に関して,具体的にどのような記載がなされているのかといった情報が明らかとなり,かかる情報を公にすることは,消費者庁の調査官が,景表法違反被疑事件における違反事実を立証する - 15 -ために,何が必要であると考えて実際に何を収集したのか,という正に景表法の執行における重点項目や調査手法を示すことにほかならず,本件不開示情報の開示が景表法の執行に及ぼす影響は極めて大きい。 さらに,景表法の調査において本件不開示文書のいかなる部分に着目し,これを収集するか否かは,専門的な検討を経た上で判断されるものであるから,調査官が本件不開示文書を持ち帰ろうとすることが当然のことであるということはできず,調査過程でいかなる資料を収集するか自体が景表法の執行ノウハウに当たる。したがって,本件不開示文書を開示することによって,景表法の執行における重点項目や調査手法を示すことにはならない旨の原告の主張は失当である。 (2) 原告の主張ア(ア) 情報公開法の目的(1条)に鑑みれば,情報公開法5条各号に定められた不開示事由は,制限的に解釈されなければならない。また,消費者庁は,同条各号について,本件審査基準を定めているから,処分行政庁はこれに従うべきである。 (イ) この点,被告は,情報公開訴訟について,一般的抽象的観点から不開示情報該当性を主張立証し,これを経験則に基づいて判断すればよい 審査基準を定めているから,処分行政庁はこれに従うべきである。 (イ) この点,被告は,情報公開訴訟について,一般的抽象的観点から不開示情報該当性を主張立証し,これを経験則に基づいて判断すればよいなどと主張している。しかしながら,不開示情報は情報公開法の定める例外であり,主権者たる国民に対する説明責任を全うする観点からも,被告は,本件不開示文書にいかなる性質の情報が記載され,これが公開されることよっていかなる支障があるのかなどという点について,可能な限り個別具体的に主張立証を尽くさなければならない。したがって,被告の上記主張は,情報公開法の趣旨を見誤り,国民に対する説明責任を放棄するものであって,極めて不当である。 また,本件審査基準は,情報公開法5条6号所定の「適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」について,① 処分行政庁に広範な裁量権限を与える - 16 -ものではない旨を規定し(本件審査基準の第3の6(1)ウ),② 「支障」の程度は,「名目的なものでは足りず実質的なものを必要とし」,「おそれ」の程度も,「単なる確率的な可能性ではなく,法的保護に値する蓋然性があるかどうかにより判断する」(本件審査基準第3の6(1)エ)と規定しているところ,本件審査基準は,被告を拘束し,同号の要件判断については,本件審査基準にのっとった事案処理が要請されるというべきである。そうである以上,被告は,本件審査基準に従い,個別具体的な主張立証を行うべきであり,被告の主張は,本件審査基準にも反する。 イ(ア) 被告は,本件不開示文書を開示することにより,事業者等から任意の協力が得られなくなる弊害が生じる旨主張している。 しかしながら,消費者庁による調査は,資料を提出したP1自身の景表法違反被疑事件に関する調査であり,処分行政庁がP1に対して景表法 者等から任意の協力が得られなくなる弊害が生じる旨主張している。 しかしながら,消費者庁による調査は,資料を提出したP1自身の景表法違反被疑事件に関する調査であり,処分行政庁がP1に対して景表法6条に基づく措置命令を行った事実を公表していることに照らしても,消費者庁とP1との間において,調査協力に関する信頼関係が成り立っていないことは明らかである。さらに,P1は既に破産し,本件不開示文書を開示することによって不利益を被る主体も存在しない。また,被告は,他の事件調査や将来の事件調査への影響も含めて考えるべきとするが,行政庁はその所掌事務に係る同種の事件を多数抱えており,同種の事件に対する影響といった理由を重視することは,行政庁が情報を不開示とする口実を与えるものであって,解釈論としての妥当性,均衡性を欠く。 以上によれば,本件不開示文書を開示することにより,他の事業者等に対し,資料の提出や調査の協力について萎縮的効果を生じさせるとは考え難く,景表法違反被疑事件の調査事務に「実質的な支障」が生じるおそれは想定できない。また,仮に想定できるとしても,それは極めて - 17 -限定された抽象的な可能性の域を出ず,かかる支障が生じることについて,法的保護に値する蓋然性を認めることはできない。 (イ) 被告は,本件不開示文書を開示することにより,景表法の執行における着眼点が明らかになるという弊害が生じる旨主張している。 しかしながら,本件不開示文書には,P1が本件監査法人からの質問事項に対して用意した回答が記載され,本件不開示文書の内容形成に消費者庁は全く関与していないのであり,処分行政庁による執行実務との関連性は薄い。そして,P1による景表法違反について調査する調査官にとって,民事再生手続の中で本件監査法人がした調査の資料(本件不 費者庁は全く関与していないのであり,処分行政庁による執行実務との関連性は薄い。そして,P1による景表法違反について調査する調査官にとって,民事再生手続の中で本件監査法人がした調査の資料(本件不開示文書)といったものは,第三者である財務の専門家により作成されたという点で,極めて信頼性の高いものであり,これを持ち帰ろうとするのはいわば当然のことであって,調査官がこの資料を持ち帰ったという事実から,景表法の執行における重点項目や調査手法が判明することになるとは考え難い。また,本件不開示文書は,消費者庁が多種多様かつ広範な資料を網羅的に収集した資料の一部(僅か1頁の資料)であり,本件立入検査において本件不開示文書を持ち帰ったという事実からは,本件不開示文書がP1による景表法違反やその調査と関連する可能性があるということまでしか判明しないのであって,景表法の執行における重点項目や調査手法を示すことにはならない。さらに,本件不開示文書には,預託法の遵守状況等が記載されているとのことであるが,これらの記載内容と景表法の執行実務との関連性は不明であり,これを開示することによって,景表法の執行実務に関する具体的な着眼点が明らかになるとは考え難い。 以上によれば,本件不開示文書を開示することにより,景表法の執行上の観点が判明し,景表法の執行実務に「実質的な支障」が生じるおそれは想定できず,そのような支障が生じることについて,法的保護に値 - 18 -する蓋然性が生じるということもできない。 なお,本件不開示文書を開示することによって,消費者庁における執行上の着眼点が明らかになることが仮にあり得るとしても,P1と同様の立場に置かれる業者が,民事再生手続において,監査法人の質問に対する回答を回避することができるわけではなく,当該業者が処分行政庁 執行上の着眼点が明らかになることが仮にあり得るとしても,P1と同様の立場に置かれる業者が,民事再生手続において,監査法人の質問に対する回答を回避することができるわけではなく,当該業者が処分行政庁による調査に備えて資料を廃棄するという事態は,本件不開示文書の開示いかんにかかわらずに起こり得ることであって,本件不開示文書の開示を原因として生じるものではない。 2 争点2(本件不開示情報が情報公開法5条1号に該当するか否か。)(1) 被告の主張本件不開示文書には,P1の役員(1名)の氏名,役職,報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容に関する情報(以下,これらを併せて「本件役員情報」という。)が記載されており,本件役員情報は,情報公開法5条1号本文の不開示情報に該当し,このうち,当該役員の債権債務の内容等が記載された情報については,同号本文後段の「公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがある」情報に該当する。 この点,本件役員情報のうち,P1の役員の氏名及び役職の記載部分に係る情報(以下「本件氏名役職情報」という。)は,本件決定時点において,P1の商業登記簿に記録された情報であるところ,原告は,本件氏名役職情報が情報公開法5条1号ただし書イに該当する旨主張している。しかしながら,同号本文にいう「個人に関する情報」とは,当該情報に係る個人が誰であるかを識別させることとなる氏名その他の記述部分だけではなく,氏名その他の記述等により識別される特定の個人情報の全体であるとされている。 そして,本件不開示文書は,P1の民事再生手続の過程において,本件監査法人からの質問事項に対してP1が用意した回答が記載された文書であるところ,本件氏名役職情報は,単に当該役員がP1の役員であることやその役 - 19 -職を示すものにとど 過程において,本件監査法人からの質問事項に対してP1が用意した回答が記載された文書であるところ,本件氏名役職情報は,単に当該役員がP1の役員であることやその役 - 19 -職を示すものにとどまらず,当該役員が本件監査法人による財務調査の対象とされたことや,当該財務調査により報酬等の個人的な資産状況等がP1から本件監査法人に対する回答として用意されたことといった内容をも包含するものとして一体的に捉えるべきものであり,これらは容易に区分することができない(仮に本件氏名役職情報が明らかにされれば,必然的にかかる情報も明らかになってしまうが,これらの情報を公にし又は公にすることを予定している法令の規定も慣行も認められない。)。したがって,本件氏名役職情報は,情報公開法5条1号ただし書イに該当しない。 (2) 原告の主張被告は,本件不開示情報にはP1の役員に関する情報(本件役員情報)が含まれているから,情報公開法5条1号の不開示情報に該当する旨主張している。しかしながら,本件役員情報のうち,本件氏名役職情報については,商業登記簿に記載されたものである以上,同号ただし書イに該当する。 この点,被告は,本件氏名役職情報は,当該役員が本件監査法人による財務調査の対象とされたこと等の情報を包含しており,情報公開法5条1号ただし書イに該当しないなどと主張している。しかしながら,本件不開示文書は,「特定監査法人よりの質問事項に対する回答」という対象文書名が明らかにされているだけで,その内容は全部不開示とされているから,単体の情報として本件氏名役職情報を開示したからといって,被告の指摘するような情報が包含されているということはできない。 3 争点3(本件不開示情報が情報公開法5条2号イに該当するか否か。)(1) 被告の主張ア情報公開法5 開示したからといって,被告の指摘するような情報が包含されているということはできない。 3 争点3(本件不開示情報が情報公開法5条2号イに該当するか否か。)(1) 被告の主張ア情報公開法5条2号イは,法人等に関する情報には,営業秘密等,開示すると当該法人等の権利利益を害するおそれのあるものがあり,原則として法人等が有する正当な権利利益は,開示することにより害されるべきではないとの考え方に基づき規定されたものであって,「権利,競争上の地 - 20 -位その他正当な利益を害するおそれ」の有無は,当該法人等と行政との関係,その活動に対する憲法上の特別の考慮の必要性等,それぞれの法人等及び情報の性格に応じて,的確に判断されるべきものである。 イ(ア) 本件不開示文書には,P1の法的整理の過程において,監督委員から調査を委託された本件監査法人による質問事項についてP1が用意した回答が記載されているところ,同回答からうかがわれる監査法人の質問事項や調査の手法は必ずしも画一的ではなく,本件監査法人の企業秘密・ノウハウというべき情報であるということができる。 (イ) 本件不開示文書には,P1の役員が債務保証をしている法人(以下「本件関連法人」という。)に関する情報も記載されているところ,当該情報は,取引先である本件関連法人にとって重要かつ機微にわたるものであり,これを公にすれば,本件関連法人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。 (ウ) 以上によれば,本件不開示文書には,本件監査法人及び本件関連法人に関する情報が記録されており,これが公になれば,これらの法人の権利,競争上の地位を害するおそれがあるから,本件不開示情報は,情報公開法5条2号イに該当する。 ウ(ア) この点,原告は,監査法人による監査業務は,監査実務 おり,これが公になれば,これらの法人の権利,競争上の地位を害するおそれがあるから,本件不開示情報は,情報公開法5条2号イに該当する。 ウ(ア) この点,原告は,監査法人による監査業務は,監査実務指針に沿って遂行されている限り,監査業務のノウハウとしての秘密性を有しないなどと主張している。しかしながら,民事再生手続における監査法人又は公認会計士(以下「監査法人等」という。)による財務調査は,裁判所の監督の下,再生計画(民事再生法第7章)の策定に向けて,限られた調査期間で効率的に当該企業の財務状況を調査するものであり(同法124条参照),監督委員から監査法人等に対して委託される調査については,監督委員の指示や意向を受けて行われるが,通常は,調査の内容,範囲及び手続の詳細については,監査法人等が個別事情に応じて具 - 21 -体的に決定するものであり,監査法人等による実際の調査内容も事案との関係で種々に異なる。このように,民事再生手続における監査法人等による財務調査は,制約された条件下における限定された調査手続によって個別事情に応じて行われ,財務諸表の監査とは全く異なる性質のものであるため,調査手法(調査の視点や調査項目など)もおのずと異なる。したがって,民事再生手続における財務調査は,再生債務者がいかなる企業であり具体的にいかなる状況に置かれているか,またいかなる監査法人による調査であるかによって異なっており,調査手法それ自体が監査法人独自の特殊なノウハウとなり,当該監査法人の信用や存在価値に直結するものとなる。本件不開示文書を開示すれば,P1の回答内容から本件監査法人の質問事項は容易に推知されることになるところ,このようなノウハウである質問事項が推知されるということは,それ自体当該ノウハウが流出することに等しく,本件不開示文 ば,P1の回答内容から本件監査法人の質問事項は容易に推知されることになるところ,このようなノウハウである質問事項が推知されるということは,それ自体当該ノウハウが流出することに等しく,本件不開示文書の分量が1頁であることは,何ら本件監査法人の正当な利益の侵害の程度を低減させる理由とはならない。 (イ) 原告は,本件不開示情報が情報公開法5条2号ただし書に該当する旨主張しているところ,同号ただし書に該当するためには,開示による法人等の不利益を受忍させてもやむを得ないほど,開示により人の生命,健康,生活又は財産等の保護に資することが相当程度具体的に認められることが必要であり,かつ,この点については原告が主張立証責任を負うものと解される。前述のとおり(前記(ア)),本件不開示情報を開示すれば,本件監査法人のノウハウが流出することによって企業価値等が低下し,当該法人の正当な利益が害される蓋然性が認められるのに対し,本件不開示文書を開示することによって,そもそもどのような利益がいかなる理由で保護されることになるのが明らかではない。なお,本件不開示文書を公にすることが,将来の消費者被害を防止することと直接的 - 22 -に関係しているとはいえないし,なぜ,直ちに国民の生活又は財産の保護に資するのかも不明であり,両者の間に具体的関連性は認められない。 したがって,本件不開示情報は,情報公開法5条2号ただし書が規定する情報には該当しないというべきである。 (2) 原告の主張ア被告は,本件不開示文書に本件監査法人のノウハウに当たる情報が記載されており,これが情報公開法5条2号に該当する旨主張している。しかしながら,一般的に,監査法人は,監査業務に当たり,企業会計審議会の策定した監査基準に準拠し,各種委員会が公表している監査実務指針に従う おり,これが情報公開法5条2号に該当する旨主張している。しかしながら,一般的に,監査法人は,監査業務に当たり,企業会計審議会の策定した監査基準に準拠し,各種委員会が公表している監査実務指針に従うものとされており,監査法人による監査業務は,監査実務指針に沿って遂行されている限りにおいて,(監査の対象会社の秘密情報は別論として)監査業務のノウハウとしての秘密性を有しない。また,P1の民事再生手続は,監督委員の指示や意向を受けて行われるものであり,本件監査法人の裁量は,監督委員の意向や指示によって大幅に羈束されており,ノウハウを発揮する場面は限定されている。また,本件不開示文書には,本件監査法人からの質問事項に対してP1が用意した回答が記載されているとのことであるが,僅か1頁の本件不開示文書に記載された回答からは,本件監査法人の質問事項が一応推知されるにとどまり,質問の内容がそのまま開示されることはない。さらに,監査法人のノウハウの本質は,無形の監査技法の総体にあり,僅か1頁の本件不開示文書から秘密性が暴露されるような浅薄なものではない。 以上によれば,本件不開示文書を開示することによって,本件監査法人の正当な利益が害されることはなく,また,その利益が害されることについて,法的保護に値する蓋然性を認めることもできない。よって,本件不開示情報が情報公開法5条2号に該当するということはできない。 イ本件不開示情報は,以下のとおり,情報公開法5条2号ただし書の規定 - 23 -する情報に該当する。 (ア) 本件審査基準は,情報公開法5条2号ただし書に該当するかどうかの判断について,「法人又は事業を営む個人の当該事業に関する情報を公にすることにより保護される人の生命,健康等の利益と,これを公にしないことにより保護される法人等又は事業 ただし書に該当するかどうかの判断について,「法人又は事業を営む個人の当該事業に関する情報を公にすることにより保護される人の生命,健康等の利益と,これを公にしないことにより保護される法人等又は事業を営む個人の権利利益とを比較衡量し,前者の利益を保護することの必要性が上回ると認められる場合は,当該情報を開示しなければならない。」と定めている(本件審査基準の第3の2(2))。 (イ) 本件開示請求は,消費者庁が,平成22年7月にP1から状況報告の申入れを受けたにもかかわらず,これを放置して,我が国最大の消費者被害を発生させた件に関して,本件審議官らが本件厳重注意を受けた際の資料の開示を求めるものであり,当該資料を公の批判にさらし,消費者庁の在り方について国民の検証を受けることによって,P1が引き起こしたような甚大な消費者被害が今後生じ,その生活や財産が侵害されることを防止することに目的がある。他方において,本件不開示文書は僅か1頁の資料であり,その内容はP1が本件監査法人からの質問事項に対して回答したものであって,前述のとおり,本件不開示文書を開示することによって本件監査法人のノウハウ等が明らかになるおそれが想定できないことに鑑みれば,本件不開示文書を公にしないことによる本件監査法人の利益は存在しないか,仮に存在したとしても極めて小さいものである。 (ウ) 以上によれば,本件不開示情報は,これを公にすることの利益が,これを公にしないことによって守られる利益よりもはるかに優越することが明らかであるから,人の生活又は財産を消費者被害から保護するために必要な情報に当たり,情報公開法5条2号ただし書に該当する。 4 争点4(本件不開示文書を部分開示すべき義務の有無等) - 24 -(1) 被告の主張ア原告は,本件不開示文書につ ために必要な情報に当たり,情報公開法5条2号ただし書に該当する。 4 争点4(本件不開示文書を部分開示すべき義務の有無等) - 24 -(1) 被告の主張ア原告は,本件不開示文書について情報公開法5条1号の適用があるとしても,情報公開法6条2項による部分開示をすべきである旨主張している。 しかしながら,前述のとおり(前記1及び2の各(1)),本件不開示文書の全体が情報公開法5条6号及び同条2号イの不開示情報に該当し,本件役員情報以外の部分は同条1号以外の不開示情報に該当することになるから,情報公開法6条2項が適用されないことは明らかである。よって,本件不開示文書について同項による部分開示は不可能である。 イ原告は,仮に本件不開示文書に本件監査法人のノウハウ等が記載されており,情報公開法5条2号イに該当するとしても,情報公開法6条1項により,当該ノウハウを除いた部分を開示する必要がある旨主張している。 しかしながら,本件不開示文書には,本件監査法人による質問事項に対してP1が用意した回答が記載されており,これらの回答内容全体が一体的に情報公開法5条2号イの不開示情報に該当するとともに,前述のとおり(前記1(1)),同条6号の不開示情報にも該当する。したがって,本件不開示文書は,「行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合」(情報公開法6条1項本文)には該当しないし,仮にこれに該当するとしても,本件不開示文書から不開示情報部分を「容易に区分して除くことができるとき」(同項本文)にも該当しないから,原告の上記主張は失当である。 (2) 原告の主張ア本件不開示情報について情報公開法5条1号が適用されるとしても,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利 (2) 原告の主張ア本件不開示情報について情報公開法5条1号が適用されるとしても,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められる場合には,特定の個人を識別させる部分以外の部分について情報機関公開法6条2項に規定する部分開示を検討すべきである(本件不開 - 25 -示文書の全部に個人情報が含まれているものではない以上,本件不開示文書の全部を不開示とすべき合理性はない。)。 イ仮に,本件監査法人のノウハウ等が本件不開示文書に記載されており,本件不開示情報が情報公開法5条2号イに該当する場合であっても,本件不開示文書の全てにわたってノウハウ等が推知できるような情報が記載されているはずはないから,本件不開示文書のうち,そうしたノウハウが直接推知できるような回答のみを区分して除き,その他の部分を開示することは容易であると考えられる。したがって,被告は,情報公開法6条1項に基づき,本件不開示文書のうち,当該ノウハウを除いた部分を開示しなければならない。 5 争点5(本件決定が情報公開法4条2項に違反しているか否か)(1) 原告の主張ア(ア) 処分行政庁は,本件原決定に当たり,原告に対し,情報公開法4条2項に基づき,本件開示請求書の補正を求めた上で,補正の参考となる情報を提供すべきであったにもかかわらず,本件開示請求書に記載された「担当審議官及び担当課長らに対してなされた処分」が国家公務員法上の懲戒処分又は規程に基づく矯正措置であると一方的に限定した上で,本件原決定をした。 (イ) 情報公開法4条2項は,行政機関の長が開示請求者に対して開示請求の補正を求めるか否かについて裁量権を付与していると解される。しかしながら,上記裁量 方的に限定した上で,本件原決定をした。 (イ) 情報公開法4条2項は,行政機関の長が開示請求者に対して開示請求の補正を求めるか否かについて裁量権を付与していると解される。しかしながら,上記裁量権は全くの無限定ではなく,国民の知る権利を具体化した情報公開請求権に関わるものであり,本件開示請求の公益性に鑑みても,補正をするか否かについての裁量権の範囲が広範なものであるということはできない。そして,原告は,本件開示請求書において,単に「処分」とのみ記載し,国家公務員法上の懲戒処分又は規程に基づく矯正措置であると限定していなかったのであるから,原告に対して補 - 26 -正の措置を一切執ることなく,「処分」の意味合いを不当に限定解釈してされた本件原決定は,裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものであり,情報公開法4条2項に違反しているというべきである。 イ先行処分と後行処分については,目的の同一性及び効果の不可分一体性が認められれば,先行処分の違法性が後行処分に承継されるものと解すべきである。先行処分である本件原決定と後行処分である本件決定の関係性について検討するに,これらの処分は,同一の情報開示請求に対する開示の有無を判断するものであり,同一の目的に出たものである。また,本件決定は,本件原決定に不服のある原告がした本件異議申立てを受け,本件答申の結果を踏まえて,本件原決定の内容を改めたものであり,本件原決定なくして本件決定は存在せず,本件原決定と本件決定とは,その法的効果の上でも不可分一体性を有している。さらに,本件原決定における処分行政庁の裁量権の範囲の逸脱又は濫用の程度は著しく,本件決定により本件原決定の違法性が完全に治癒されたとは考え難く,本件原決定の違法は本件決定にも残余していると解すべきである。 以上によれば,本件原決定 の裁量権の範囲の逸脱又は濫用の程度は著しく,本件決定により本件原決定の違法性が完全に治癒されたとは考え難く,本件原決定の違法は本件決定にも残余していると解すべきである。 以上によれば,本件原決定と本件決定との間には違法性の承継が認められ,上記アのとおり,本件原決定が違法である以上,本件決定も本件原決定の違法性を承継して違法になるというべきである。 (2) 被告の主張ア原告は,本件原決定が情報公開法4条2項に違反している旨主張している。しかしながら,同項に基づき開示請求書の形式上の不備について補正を求めるか否かは,行政機関の長の裁量に委ねられており,処分行政庁は,本件原決定に当たり,本件開示請求書によって文書は特定されており,形式上の不備はなく補正を求める必要はないと判断したのであるから,本件原決定が同項に違反しているということはできない。 イ本件原決定は,本件決定に当たり取り消されているから,本件決定につ - 27 -いて,本件原決定の違法の承継が生じる余地はない。さらに,処分行政庁は,本件異議申立てを受け,本件開示請求対象文書の範囲について,審査会における審議の過程で十分な検索作業を行い,審査会に検索結果を伝達した上で,審査会が当該文書の範囲を妥当と判断したものであり,本件決定における本件開示請求対象文書の特定は,十分に合理性を有するものであり,本件決定の違法性を基礎付ける事情はない。 6 争点6(本件決定が行政手続法8条に違反しているか否か。)(1) 原告の主張ア本件決定は,別表2記載のⅠないしⅥの各文書(本件答申対象文書)が本件開示請求対象文書であると特定しているが,本件答申対象文書は,狭きに失しており,例えば,① 処分行政庁が本件審議官らに対して本件厳重注意をしたということ以外に,具体的に,いつ,どこ 対象文書)が本件開示請求対象文書であると特定しているが,本件答申対象文書は,狭きに失しており,例えば,① 処分行政庁が本件審議官らに対して本件厳重注意をしたということ以外に,具体的に,いつ,どこで,どのような方法で,どのような言葉で「厳重注意」をしたのかについて分かる文書,②農水省から処分行政庁への引継資料,③ 本件厳重注意は,処分行政庁が独自の判断で行ったものなのか,庁内外の検討を経たものなのかが分かる文書,④ 本件審議官らからの事情聴取に関する文書,報告書及び始末書,⑤なぜ国家公務員法上の懲戒処分又は規程に基づく矯正措置ではなく,厳重注意であるのかなどの理由が分かる文書は対象とされてない。 イ処分行政庁が,上記アのような文書をも対象に探索したが,見つからないか不存在であるというのであれば,決定書の中においてそのことが説明されるべきである。しかしながら,本件決定において本件開示請求対象文書として特定された文書(本件答申対象文書)の中に上記①ないし⑤の文書は含まれておらず(ただし,上記②については,本件追加開示部分に含まれている。),また,上記④の一部の文書(本件審議官らからの事情聴取)及び⑤の文書については,不存在である旨の説明もされていない。 ウ以上によれば,本件決定は,申請に対する拒否処分については,書面に - 28 -より当該処分の理由を示さなければならない旨を定めた行政手続法8条に違反するものというべきである。 (2) 被告の主張ア行政手続法8条による申請拒否処分の理由提示の意義は,拒否理由の有無についての行政庁の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制するとともに,拒否理由を申請者に知らせることによって,その不服申立てに便宜を与えることにあると考えられる。上記趣旨に鑑みれば,申請に対する拒否処 政庁の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制するとともに,拒否理由を申請者に知らせることによって,その不服申立てに便宜を与えることにあると考えられる。上記趣旨に鑑みれば,申請に対する拒否処分に付記すべき理由は,いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して行政処分が行われたかを,申請者においてその記載自体から了知し得るものでなければならず,かつ,それで足りるのであって,申請者自身が存在するものと考える(あるいは存在を疑っている)行政文書について,それが存在しない理由を逐一記載することまで必要なわけではない。 イ(ア) 処分行政庁は,本件原決定の通知書において,不開示とした理由として,「本件については,国家公務員法(昭和22年法律第120号)に基づく懲戒処分(免職,停職,言及,戒告)や矯正措置(訓告,厳重注意)を行っていないことから,請求に係る文書については作成も取得もしておらず保有していないため。」とし,本件決定は,これを前提に「原処分を取り消し,本件厳重注意の内容及び理由,経過等が分かる一切の文書を対象文書として特定することとした。」とした上で,不開示とした部分ごとに不開示の理由を示している。これらの内容によれば,本件決定において特定した文書開示の対象である行政文書を本件厳重注意に関する一切の文書と特定したことを読み取ることができ,不開示部分ごとにその不開示とした理由が明らかにされているのであるから,本件決定の理由は,必要かつ十分であり,欠けるところはない。 (イ) なお,本件厳重注意は,処分行政庁が口頭で事実上行ったものであ - 29 -り,原告が主張する文書(前記(1)ア①ないし⑤)は存在しない(なお,本件追加開示部分に前記(1)ア②に相当する文書は含まれていない。)。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(本 - 29 -り,原告が主張する文書(前記(1)ア①ないし⑤)は存在しない(なお,本件追加開示部分に前記(1)ア②に相当する文書は含まれていない。)。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(本件不開示情報が情報公開法5条6号に該当するか否か。)(1)ア情報公開法5条柱書きは,行政機関の長は,開示請求に係る行政文書に同条各号のいずれかに掲げる情報(不開示情報)が記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない旨を定めており,同条は,開示請求に係る行政文書を原則として開示すべきことを前提とした上で,例外的に不開示にすべき情報として,同条各号所定の不開示情報を限定列挙している。このように同条各号が同条柱書きの定める原則開示義務に対する例外であることに鑑みれば,開示請求に係る行政文書に記録された情報が同条各号所定の不開示情報に該当することは,開示請求に係る行政文書の開示義務を争う行政機関の長の側(被告)において,主張立証しなければならない。 イ情報公開法5条6号は,不開示情報として,「国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,[中略]当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」を規定しているところ,① 上記の「当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼす」とは,国の機関等が行う事務又は事業の性質(目的及び内容)に照らして,当該事務又は事業に関する情報を公にすることにより,当該情報を公にすることによる利益を踏まえても看過し得ないような実質的な支障が当該事務又は事業に生じる場合をいい,また,②上記「支障を及ぼすおそれ」があるというためには,事務又は事業の適正 より,当該情報を公にすることによる利益を踏まえても看過し得ないような実質的な支障が当該事務又は事業に生じる場合をいい,また,②上記「支障を及ぼすおそれ」があるというためには,事務又は事業の適正な遂行について支障が生じる抽象的な可能性があるというだけではなく, - 30 -当該事務又は事業の適正な遂行について実質的な支障が生じる蓋然性が認められることを要すると解すべきである。 ウ(ア) この点,被告は,不開示決定に係る行政文書に記録された情報が公にされた場合,経験則上,支障が生ずるおそれがあると判断することが可能な程度の主張立証をすれば,不開示情報該当性を肯定すべきである旨主張している。 そこで検討するに,行政機関の長は,不開示決定に係る行政文書の具体的内容を訴訟において明らかにすることはできないから,不開示情報該当性に係る主張立証は,飽くまでも当該行政文書の外形的事実等に基づくものとならざるを得ない。しかしながら,そうであるからといって,情報公開法5条6号所定の「事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」について,一般的ないし抽象的な可能性を立証すれば足りるということはできず,情報公開法が「行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに,国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資すること」を目的としており(情報公開法1条),情報公開法5条6号が同条柱書きの定める原則開示義務に対する例外であることに鑑みても,開示請求に係る行政文書を公にすることで国の機関等が行う事務又は業務に実質的な支障が生じる蓋然性が客観的に認められなければ,同号に基づく行政文書の不開示を正当化することはできないというべきである。 請求に係る行政文書を公にすることで国の機関等が行う事務又は業務に実質的な支障が生じる蓋然性が客観的に認められなければ,同号に基づく行政文書の不開示を正当化することはできないというべきである。 よって,被告の上記主張については,国の機関等が行う事務又は事業の適正な遂行に支障が及ぶ可能性のあることをもって,情報公開法5条6号所定の不開示情報に該当するという趣旨であるならば,これを採用することはできない。 (イ) 被告は,情報公開法5条6号所定の要件は,開示実施の任に当たる - 31 -行政機関の長に一定の幅のある判断をさせることを許容しているものであり,そのような幅を逸脱する判断がされた場合に限り,その要件該当性が否定されると解すべきであると主張している。 しかしながら,情報公開法5条6号所定の不開示情報に当たるか否かは,同号の定める要件に該当する事情の有無によって客観的に判断されるべきものであって,同号の文言に照らしても,行政機関の長の裁量判断に委ねられていると解することはできない。前記検討のとおり,同号所定の不開示情報に該当するか否かは,国の機関等が行う事務又は事業の性質(目的及び内容)に照らして判断すべきものであるところ,開示義務を争う処分行政庁は,開示請求に係る行政文書の外形的事実等に加えて,国の機関等の行う事務又は事業の目的及び内容を明らかにした上で,当該行政文書を公にした場合に当該事務又は事業にいかなる影響(実質的な支障)が及ぶのかを主張立証すべきであり,行政機関の長の裁量判断は問題にならないというべきである。 よって,被告の上記主張を採用することはできない。 (2)ア前記(1)を踏まえて,本件不開示情報が情報公開法5条6号に該当するか否かについて検討するに,本件不開示文書は,消費者庁の調査官が,景表法に基づ 被告の上記主張を採用することはできない。 (2)ア前記(1)を踏まえて,本件不開示情報が情報公開法5条6号に該当するか否かについて検討するに,本件不開示文書は,消費者庁の調査官が,景表法に基づく措置命令に向けた本件立入検査において,P1から任意の提出を受けた文書であり(前提事実(2)キ(ア),ク),景表法に基づく調査事務によって入手した資料の一部であるということができるから,本件不開示情報は,同号の定める国の機関が行う事務に関する情報に該当するということができる。 イなお,被告は,本件不開示文書には,P1の預託法の遵守状況として,P1に対する農水省の検査に関する情報が記載されており,当該情報は,国の機関が行う検査業務に関する情報(同号イ)に該当する旨指摘している(前記第3の1(1)イ(イ))。しかしながら,被告は,本件不開示文 - 32 -書を公にすることにより,国の機関が行う検査業務の適正な遂行に支障が及ぶ旨を具体的に主張しているわけではなく,全証拠を精査しても,本件不開示文書を公にすることによって,上記検査業務の適正な遂行に支障を及ぼす蓋然性のあることを認めることはできない。 (3) 被告は,本件不開示文書を公にすることにより,消費者庁の事務の適正な遂行に支障を及ぼす蓋然性が極めて高いとしており,具体的には,現在及び将来の景表法違反被疑事件の調査において,① 任意の協力を得られなくなる弊害,② 執行上の着眼点が判明することとなる弊害が生じる旨主張していることから,上記①及び②について,順次検討する。 ア任意の協力を得られなくなる弊害について(ア)a 消費者庁は,景表法2条3項又は4項に規定する景品類又は表示の適正化による商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保に関する事務をつかさどっているところ( くなる弊害について(ア)a 消費者庁は,景表法2条3項又は4項に規定する景品類又は表示の適正化による商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保に関する事務をつかさどっているところ(前提事実(1)イ),消費者庁は,上記事務に含まれる業務として,景表法4条1項に違反している可能性のある事業者に対する調査等を行い,景表法違反の有無を把握するという業務(以下,この業務を「景表法違反被疑事件調査事務」という。)を行っているものと認められる(弁論の全趣旨)。 b 景表法は,景表法4条1項の規定に違反する行為があるときは,内閣総理大臣が,① 当該事業者に対し,その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができ(景表法6条柱書き前段。以下,この命令を「措置命令」という。),② 措置命令を行うために必要があると認めるときは,当該事業者等に対し,その業務若しくは財産に関して報告させ,若しくは帳簿書類その他の物件の提出を命じ,又はその職員に,当該事業者等の事業所等に立ち入り,帳簿書類その他の物件を検査させ,若しくは関係者に質問させること - 33 -ができ(景表法9条1項。以下,同項に基づくこれらの業務を「景表法9条調査等事務」という。),これらの権限は内閣総理大臣から処分行政庁に委任されているが(景表法12条1項),景表法その他関係法令を通覧しても,事業者が消費者庁による景表法違反被疑事件調査事務に協力すべき義務を直接規定したものは見当たらない。そうすると,景表法違反被疑事件調査事務については,消費者庁が調査対象である事業者から任意の協力を得て遂行することが予定されているということができる(ただし,景表法4条2項は,事業者がした表示が優良 すると,景表法違反被疑事件調査事務については,消費者庁が調査対象である事業者から任意の協力を得て遂行することが予定されているということができる(ただし,景表法4条2項は,事業者がした表示が優良誤認表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは,当該表示をした事業者に対して,期間を定めて,当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ,この場合において,当該事業者が当該資料を提出しないときは,当該表示を優良誤認表示とみなす旨を定めており,事業者は,優良誤認表示とみなされないようにするためには,合理的な根拠を示す資料を提出しなければならないという意味で,景表法違反被疑事件調査事務への協力を事実上強制されているということはできる。)。 (イ)a しかしながら,本件不開示文書は,そもそも景表法違反被疑事件調査事務において入手された文書ではなく,措置命令を行うための景表法9条調査等事務である本件立入検査において入手されたものであり(前提事実(2)ク),情報公開法に基づき本件不開示文書を公にしたからといって,景表法違反被疑事件調査事務の遂行に具体的な影響が生じるとは直ちに考え難い。なお,P1は,本件立入検査において,本件不開示文書を任意に提出しているものの(前提事実(2)ク),消費者庁が景表法9条調査等事務を行う権限を有しており(景表法9条),事業者がこれを拒否するなどした場合には刑罰の対象となり得ること(景表法16条,18条)に鑑みれば,P1が任意に本件不開 - 34 -示文書を提出したからといって,これを景表法違反被疑事件調査事務における任意の協力と同視することはできない。 b また,消費者庁は,本件措置命令の概要を公表しているところ(前提事実(2)キ(イ)),証拠(甲3)及び弁論の全趣旨によれ 景表法違反被疑事件調査事務における任意の協力と同視することはできない。 b また,消費者庁は,本件措置命令の概要を公表しているところ(前提事実(2)キ(イ)),証拠(甲3)及び弁論の全趣旨によれば,消費者庁は,① 事業者に対して措置命令を行った場合には,当該事業者を特定した上で,景表法4条1項に違反している具体的内容等を公表しており,② 本件措置命令については,P1が遅くとも平成19年3月頃以降,各事業年度末において,オーナーの持分及び共有持分を合計した数値に比して過少な繁殖牛を飼養しており,繁殖牛を割り当てることのできないオーナーに対して雌の子牛や肥育牛その他の牛を割り当てていたことを公表するとともに,P1の事業内容に関する客観的な数値(平成18年度ないし平成22年度における,㋐事業別売上高の推移,㋑オーナー持分及び共有持分の合計と全飼養繁殖牛の状況の推移)を公表していたことが認められる。このように消費者庁が措置命令を行った場合に当該措置命令の事業者を特定して,その違反内容を具体的に公表していることに照らせば,景表法に基づく調査の対象となり得る事業者としては,これらの公表内容が,消費者庁の調査結果に基づいてされたものであると考えるのが合理的であって,少なくとも景表法9条調査等事務による調査結果が対外的に公表されることはないとの期待を有しているとは考え難い。 c さらに,事業者は,優良誤認表示をしてはならない法的義務を負っているのであり(景表法4条1項1号),景表法違反被疑事件調査事務の対象とされた事業者としては,消費者庁から同項に違反したか否かについて任意の調査を求められたにもかかわらず,これに協力しなければ,不利な事実を隠しているのではないかとの疑念を生じさせかねないと考えるのが自然であり,前述のとおり,景表法4条2 に違反したか否かについて任意の調査を求められたにもかかわらず,これに協力しなければ,不利な事実を隠しているのではないかとの疑念を生じさせかねないと考えるのが自然であり,前述のとおり,景表法4条2項が, - 35 -事業者が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出しなければ,当該表示を優良誤認表示とみなす旨を定めていることに鑑みても,特段の事情がない限り,景表法違反被疑事件調査事務に協力するものと考えられる。そして,現に本件措置命令を受けて,その内容を公表されているP1について,景表法9条調査等事務である本件立入検査において入手された資料の一部(本件不開示文書)が情報公開法に基づき開示されたからといって,現在又は将来の景表法違反被疑事件調査事務において,その他の事業者があえて景表法違反被疑事件調査事務における任意の協力を拒否するようになるとは考え難い。 d この点,消費者庁による任意の調査(景表法違反被疑事件調査事務)において,第三者に公にしないことを条件として,資料の提出等に協力しようと考える事業者がいる可能性自体は否定できない。しかしながら,P1がそのような条件を付して本件不開示文書を提出したことを認めるに足りる証拠はない(なお,本件不開示文書は,P1が本件監査法人からの質問に対して回答内容を記載した文書であり〔前提事実(2)ク〕,P1が預託法を遵守すべき立場にあることに鑑みれば,P1が,少なくとも預託法の遵守状況に関する情報内容について,対外的に公表されることがないと合理的に期待していたとも考え難い。)。 そうである以上,第三者に公にしないことを条件として資料の提出等に協力した事業者との関係において,本件不開示文書が情報公開法に基づいて開示されたからといって,そのような事業者の合理的な期待を裏切ることにはならず, 第三者に公にしないことを条件として資料の提出等に協力した事業者との関係において,本件不開示文書が情報公開法に基づいて開示されたからといって,そのような事業者の合理的な期待を裏切ることにはならず,そのような協力を事業者から得にくくなるということもできない。 また,情報公開法5条は,行政機関の要請を受けて,公にしないとの条件で任意に提供された情報であり,当該条件が合理的であると認められるものについては,それ自体を独立の不開示情報として規定し - 36 -ていること(同条2号ロ)に鑑みれば,第三者に公にしないことを条件として情報提供に協力する者が存在する可能性があること自体から直ちに,任意の情報提供に係る情報が同条6号の定める不開示情報に該当するということはできないというべきである(なお,ある事業者が景表法違反被疑事件調査事務において任意に協力して情報提供した場合において,当該情報を公表することにより,当該事業者の正当な利益を害するおそれがあるならば,そのこと自体をもって,同条2号イの定める不開示情報に別途該当することはいうまでもない。)。 (ウ) 以上によれば,本件不開示文書を開示することによって,現在及び将来の景表法違反被疑事件の調査(景表法違反被疑事件調査事務)において,任意の協力を得られなくなる弊害が生じる蓋然性を客観的に認めることはできない。 イ調査における着眼点が判明することとなる弊害について(ア) 被告は,本件不開示文書を公にすることによって,景表法の執行上の着眼点(景表法に基づく調査事務における着眼点)が判明してしまうという弊害が生じる旨主張している。上記「執行上の着眼点」なるものが,景表法9条調査等事務における着眼点であるのか,景表法違反被疑事件調査事務を含めた調査全般における着眼点であるのかは必ずしも明 うという弊害が生じる旨主張している。上記「執行上の着眼点」なるものが,景表法9条調査等事務における着眼点であるのか,景表法違反被疑事件調査事務を含めた調査全般における着眼点であるのかは必ずしも明らかではないが,そもそも本件不開示文書は,P1が本件監査法人からの質問に対する回答を記載した文書であり(前提事実(2)ク),消費者庁が自ら作成した文書ではなく,本件不開示文書が僅か1枚の文書であることに鑑みても,本件不開示文書を公にすることによって,消費者庁による調査事務における着眼点が明らかになるとは解し難い。 (イ) この点,被告は,いかなる資料を入手するかということ自体が専門的観点からの検討を踏まえて決められるものであって,本件不開示文書の分量の多寡にかかわらず,調査事務における着眼点が明らかになるな - 37 -どと主張している。確かに,消費者庁が事業者に対する調査(景表法違反被疑事件調査事務ないし景表法9条調査等事務)を行う場合において,当該調査の結果として,ある資料を入手することは,それ自体が調査主体である消費者庁の判断に基づくものであるということができる。しかしながら,P1の景表法違反の具体的内容(前記ア(イ)b)に鑑みれば,消費者庁が本件立入検査において,P1による預託法の遵守状況が記載された資料を取得することは至極自然であり,本件不開示文書を入手したことから,消費者庁の調査における独自の観点が明らかになるとは考え難い。また,本件不開示文書を開示することによって,第三者が認識し得ない調査事務の手法や方針が明らかになることをうかがわせる事実ないし証拠はなく,被告の上記主張を採用することはできない。 (ウ) 以上によれば,本件不開示文書を公にすることによって,現在及び将来の景表法違反被疑事件の調査事務における着眼点が判明 がわせる事実ないし証拠はなく,被告の上記主張を採用することはできない。 (ウ) 以上によれば,本件不開示文書を公にすることによって,現在及び将来の景表法違反被疑事件の調査事務における着眼点が判明することによる弊害が生じる蓋然性を客観的に認めることはできない。 (4) 以上の検討によれば,本件不開示文書を公にすることによって,消費者庁の事務(現在及び将来の景表法に基づく調査事務)の適正な遂行について実質的な支障を及ぼす蓋然性を客観的に認めることはできず,その他これを認めるに足りる事実ないし証拠もない。そうである以上,本件不開示情報は,情報公開法5条6号の定める不開示情報には該当しないというべきである。 2 争点2(本件不開示情報が情報公開法5条1号に該当するか否か。)(1) 本件不開示文書には,P1の役員である個人を識別できるものや,当該役員の債権債務の内容,当該役員が債務保証をしている法人名等が記載されているところ(前提事実(2)ク),証拠(甲1,乙3)及び弁論の全趣旨によれば,本件不開示文書は,表題と本文から成り,本文は上段部分と下段部分とから構成され,当該上段部分には,P1の役員(1名。以下「本件対象役員」という。)の氏名,役職,報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の - 38 -内容に関する情報(本件役員情報)が記載されていることが認められ(以下,本件不開示文書のうち,本件役員情報が記載された部分を「本件役員情報部分」という。),本件役員情報が,特定の個人(本件対象役員)に関する情報であって,当該個人を識別することができるもの(情報公開法5条1号)であることは明らかである。 (2) 本件対象役員の氏名及び役職がP1の商業登記簿に記録されていることについては当事者間に争いがないところ,原告は,本件役員情報のうち,本件 (情報公開法5条1号)であることは明らかである。 (2) 本件対象役員の氏名及び役職がP1の商業登記簿に記録されていることについては当事者間に争いがないところ,原告は,本件役員情報のうち,本件対象役員の氏名及び役職に係る情報(本件氏名役職情報)が情報公開法5条1号ただし書イに該当する旨主張している。 しかしながら,本件不開示文書は,P1が本件監査法人からの質問に対して用意した回答を記載した文書であるところ(前提事実(2)ク),本件役員情報は,前記認定のとおり,本件対象役員の氏名及び役職のみならず,報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容を含むものであって,これらの情報が全体として情報公開法5条1号の定める不開示情報に該当するというべきである。そうである以上,同号ただし書イの定める「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当するか否かは,同号の定める不開示情報に該当する本件役員情報の全体について問題になるのであって,その一部分である本件氏名役職情報のみについて,同号ただし書イ該当性を問題とすることはできないというべきである。 そして,本件対象役員の氏名及び役職に加えて,その報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容が含まれている本件役員情報を公にすることを定めた法令の規定は見当たらず,本件役員情報を公にする慣行の存在をうかがわせる事実ないし証拠もない。 したがって,本件役員情報が,情報公開法5条1号ただし書イに該当するということはできない。 (3) 以上によれば,本件不開示情報のうち,本件役員情報は,情報公開法5条 - 39 -1号の定める不開示情報に該当するというべきである。 3 争点3(本件不開示情報が情報公開法5条2号イに該当するか否か。)(1) 情報公開法5条2号イは,法 報は,情報公開法5条 - 39 -1号の定める不開示情報に該当するというべきである。 3 争点3(本件不開示情報が情報公開法5条2号イに該当するか否か。)(1) 情報公開法5条2号イは,法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報のうち,「公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのあるもの」を不開示情報として定めているところ,情報公開法が行政機関の保有する情報の一層の公開を図ること等を目的とし,開示請求に係る行政文書を原則として開示すべきことを前提としており(情報公開法1条,5条),同条2号イが上記原則開示義務の例外であることに鑑みれば,同号イに該当するためには,開示請求に係る行政文書を公にすることによって,法人等の「権利,競争上の地位その他正当な利益」が害される蓋然性が客観的に認められることが必要であると解される(最高裁平成20年(行ヒ)第11号同23年10月14日第二小法廷判決・判例タイムズ1376号123頁参照)。そして,法人等の「権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ」(蓋然性)の有無については,開示請求に係る行政文書の外形的事実等(いかなる法人等のどのような種類の情報が記録されているのかなど)を前提として,当該法人等の性格や権利利益の内容・性質等に応じ,当該権利利益を保護する必要性,当該法人等の行政との関係等を総合考慮して判断すべきであると解される。 (2)ア本件不開示文書は,P1が本件監査法人からの質問事項に対して用意した回答内容が記載された文書であるところ(前提事実(2)ク),被告は,本件不開示情報が本件監査法人の企業秘密・ノウハウというべき情報であって,情報公開法5条2号イに該当する旨主張している。 イそこで検討するに,本件不 文書であるところ(前提事実(2)ク),被告は,本件不開示情報が本件監査法人の企業秘密・ノウハウというべき情報であって,情報公開法5条2号イに該当する旨主張している。 イそこで検討するに,本件不開示文書の記載内容(前提事実(2)ク)に照らせば,本件不開示文書を開示することにより,本件監査法人がP1に対して質問した内容及び方法を推知することが可能になると認められるか - 40 -ら,その限りにおいて,本件不開示情報は,本件監査法人の業務内容又は業務方法に関する情報であり,法人等に関する情報(情報公開法5条2号柱書き)に該当するということができる。 ウ(ア) しかしながら,本件監査法人によるP1の財務状況に関する調査は,P1の民事再生手続において,監督委員からの委託に基づき行われたものであり(前提事実(2)ク),本件監査法人がP1に対して質問調査を行う際,他の監査法人等に知られていない独自の企業秘密やノウハウを用いたと認めることはできない。監督委員は,民事再生手続において,裁判所の監督を受けて再生債務者の業務及び財産の状況等について調査を行うとされているところ(民事再生法57条,59条),証拠(乙11)及び弁論の全趣旨によれば,監督委員が監査法人等に対して財務調査を委託する場合には,一般的に,① 監督委員から監査法人等に対して必要な調査の内容(範囲)及び手続に関する指示があるほか,重点調査項目がある場合には,その点についても具体的な指示を行っていること,② 監査法人は,監督委員の指示や意向を受けて調査業務を行っており,調査範囲の変更等がある場合には監督委員の了解を得るとされていることが認められ,本件監査法人のP1に対する財務調査についても,監督委員の指示や意向を受けて実施されたものであると推認することができる。そして,全証拠を ある場合には監督委員の了解を得るとされていることが認められ,本件監査法人のP1に対する財務調査についても,監督委員の指示や意向を受けて実施されたものであると推認することができる。そして,全証拠を精査しても,本件監査法人が,P1に対する質問調査において,独自の企業秘密やノウハウを用いたことをうかがわせる事実ないし証拠もない。 (イ) さらに,本件監査法人が独自の調査手法を用いて質問調査を行ったと仮定しても,本件不開示文書は,飽くまでもP1が本件監査法人からの質問に対する回答を用意した書面であって,本件不開示文書が僅か1頁の書面であること(前提事実(2)ク)に鑑みれば,本件不開示文書を公にすることによって,本件監査法人独自の調査手法が明らかになる - 41 -とも考え難い。 (ウ) この点,被告は,監督委員の指示や意向を受けて行われるにしても,調査方法等の詳細は,監査法人等が個別事情に応じて具体的に決定しており,調査手法それ自体が監査法人独自の特殊なノウハウとなるなどとも主張している。しかしながら,本件監査法人がP1に対する具体的な調査方法等を決定していることを前提としても,そのこと自体から調査手法が独自のノウハウになるということはできない。調査項目が限られていても独自の調査手法が用いられる場合があり得ることは否定できないが,本件監査法人が本件不開示文書の開示によって本件監査法人のノウハウ等が明らかになるとの意見を有していることをうかがわせる事実ないし証拠もないことを併せ考えれば,被告の上記主張を採用することはできない(なお,情報公開法13条は,開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されている場合には,当該第三者に対して,意見を述べる機会を付与する事ができる旨を定めているところ,処分行政庁が本件決定に当たり本件監査 法13条は,開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されている場合には,当該第三者に対して,意見を述べる機会を付与する事ができる旨を定めているところ,処分行政庁が本件決定に当たり本件監査法人に対して意見書を提出する機会を付与したかどうかも明らかではない。)。 エ以上によれば,本件不開示文書を公にすることによって,本件監査法人の企業秘密・ノウハウというべき情報が明らかになるということはできず,その他本件監査法人について「権利,競争上の地位その他正当な利益」が害される蓋然性を認めるに足りる事実ないし証拠はない。そうである以上,本件不開示情報は,本件監査法人との関係において,情報公開法5条2号イの定める不開示情報に該当するということはできない。 (3)ア被告は,本件不開示文書には,P1の役員が債務保証をしている本件関連法人に関する情報が記載されており,当該情報は,本件関連法人にとって重要かつ機微にわたるものであって,情報公開法5条2号イに該当する旨主張している。 - 42 -イそこで検討するに,本件不開示文書には,P1の役員の氏名,役職,報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容に関する情報(本件役員情報)が記載されている(前記2(1))ところ,証拠(甲1,2,乙3)及び弁論の全趣旨によれば,本件役員情報部分には,P1の役員が債務保証をしている本件関連法人に関する記載部分が含まれていると認められる。そして,本件役員情報が情報公開法5条1号の定める不開示情報に該当することは前記検討のとおりであるから(前記2),上記記載部分に係る情報は,同条2号イに該当するか否かを検討するまでもなく,不開示情報に該当するというべきである。 4 争点4(本件不開示文書を部分開示すべき義務の有無等)(1) 情報公開法6条1項は,開示 係る情報は,同条2号イに該当するか否かを検討するまでもなく,不開示情報に該当するというべきである。 4 争点4(本件不開示文書を部分開示すべき義務の有無等)(1) 情報公開法6条1項は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報(情報公開法5条各号)が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,当該部分を除いた部分を開示すべき旨を定めているところ,前記検討のとおり,本件不開示文書のうち,本件役員情報部分には,同条1号所定の不開示情報が記録されている(前記2)。他方において,本件不開示文書に同条6号所定の不開示情報が記録されているということはできず(前記1),本件監査法人との関係において,本件不開示文書に同条2号イの不開示情報が記録されているということもできない(前記3)のであって,全証拠を精査しても,本件役員情報部分を除いた部分に不開示情報が記録されていることを認めるに足りる事実ないし証拠はない。そして,前記認定のとおり,本件役員情報部分が本件不開示文書の本文の上段部分に記載されていること(前記2(1))に鑑みれば,本件不開示文書について,本件役員情報部分を容易に区分して除くことができるものと認められる。 以上によれば,処分行政庁は,本件不開示文書のうち,本件役員情報部分を除いた部分について,情報公開法6条1項に基づき,これを開示すべきで - 43 -あり,本件決定(本件変更決定により変更された後のもの)のうち,上記部分を不開示とした部分は取消しを免れない。 (2) なお,原告は,本件不開示情報が情報公開法5条1号の不開示情報に該当するとしても,特定の個人を識別させる部分以外の部分については情報公開法6条2項に基づく部分開示を検討すべき旨を主張しているところ,同主張は は,本件不開示情報が情報公開法5条1号の不開示情報に該当するとしても,特定の個人を識別させる部分以外の部分については情報公開法6条2項に基づく部分開示を検討すべき旨を主張しているところ,同主張は,本件役員情報部分のうち,本件役員の氏名及び役職以外の部分に関する情報(以下「本件報酬等情報」という。)について,同項に基づく部分開示をすべきであるという趣旨であるとも解し得る。しかしながら,本件報酬等情報は,本件対象役員の報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容に関する情報であって,個別具体的な内容が含まれていることに鑑みれば,P1又は本件関連法人について通常入手し得る情報と組み合わせることによって,本件対象役員を特定することが十分可能であると考えられる。また,個人にとって,その収入状況や債権債務等に関する情報は,通常,公にされることを望まない情報であると考えられることを併せ考えれば,本件報酬等情報について,「公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがない」(情報公開法6条2項)ということはできない。以上によれば,本件報酬等情報について,同項に基づく部分開示をすべきであるということはできない。 5 争点5(本件決定が情報公開法4条2項に違反したものであるか否か)(1) 原告は,本件原決定が情報公開法4条2項に違反しており,その違法性を本件決定が承継しているから,本件決定も同項に違反している旨主張している。しかしながら,処分行政庁は,本件原決定を全て取り消した上で,本件開示請求に対する開示の有無,範囲を検討し,本件決定を行ったのであり(前提事実(3)カ),仮に本件原決定が同項に違反しているとしても,本件決定がその違法性を承継する余地はない。また,原告の主張を前提とした場合,行政庁が違法な行政処分を取り消して,新たに行政処分をやり直した 実(3)カ),仮に本件原決定が同項に違反しているとしても,本件決定がその違法性を承継する余地はない。また,原告の主張を前提とした場合,行政庁が違法な行政処分を取り消して,新たに行政処分をやり直したとしても,当該行政処分の瑕疵を治癒できないことになってしまうのであり,原告 - 44 -の主張が不合理であることは明らかである。 (2) この点,原告は,処分行政庁が,本件決定書の理由欄において,本件答申の事実認定に誤りがあり,理由不備があると記載していたこと(前提事実(3)カ)を問題として,本件決定において本件原決定の違法性が完全に治癒されたとは考え難いなどとも主張している。しかしながら,処分行政庁は,本件答申を結論において尊重し,本件原決定を全て取り消した上で,本件開示請求対象文書が本件答申対象文書であると特定しているのであって(前提事実(3)カ),本件決定がその理由において本件答申の内容に異論を述べていたからといって,そのことによって,本件決定が情報公開法4条2項に違反しているということはできない。また,本件決定において,本件開示請求対象文書の特定に瑕疵があったことを認めるに足りる事実ないし証拠もない(なお,本件訴えは,本件決定のうち,本件不開示文書を不開示とした部分の取消しを求めるものであり,本件開示請求対象文書が本件答申対象文書であると特定したことの適法性が問題とされているわけではないというべきである。)。 (3) 以上によれば,本件決定が情報公開法4条2項に違反しているということはできない。 6 争点6(本件決定が行政手続法8条に違反したものであるか否か。)(1) 行政手続法8条が,申請を拒否する処分をする場合に同時にその理由を申請者に対して書面で示さなければならないとしているのは,許認可等の申請に対して行政庁が拒否処 違反したものであるか否か。)(1) 行政手続法8条が,申請を拒否する処分をする場合に同時にその理由を申請者に対して書面で示さなければならないとしているのは,許認可等の申請に対して行政庁が拒否処分をする場合に,行政庁の判断の慎重,合理性を担保するとともに,申請者の争訟提起の便宜を図るという趣旨に出たものと解される。 (2)ア処分行政庁は,本件開示請求に対し,① 国家公務員法に基づく懲戒処分や矯正措置(訓告,厳重注意)を行っていないから,請求に係る文書については作成も取得もしておらず保有していないとして,これを不開示とする旨の本件原決定をし(前提事実(3)ウ),② その後,本件答申を受 - 45 -けて,本件原決定を取り消した上で,本件開示請求対象文書が「本件厳重注意の内容及び理由,経過等が分かる一切の文書」であり,本件答申対象文書が本件開示請求対象文書であると特定して,これを部分開示する旨の本件決定をしている(前提事実(3)カ)ところ,証拠(甲1)によれば,処分行政庁は,本件決定書において,処分行政庁が本件答申対象文書を本件開示請求対象文書として特定した経緯(上記①及び②)を記載するとともに,本件答申対象文書について,不開示部分ごとにその不開示とした理由を明記した表(別表1)を添付していたことが認められる。 イ原告は,本件決定について,原告が本件開示請求対象文書に含まれているとする各文書(前記第3の6(1)ア①ないし⑤の文書)が不存在である理由を説明していないから,行政手続法8条に違反する旨主張している。 しかしながら,原告は,本件開示請求において,上記各文書を特定して,その開示を請求していたわけではなく(前提事実(3)イ,エ参照),また,上記各文書の作成が法的に義務付けられているとか,ある時点で上記各文書が存在したこと 件開示請求において,上記各文書を特定して,その開示を請求していたわけではなく(前提事実(3)イ,エ参照),また,上記各文書の作成が法的に義務付けられているとか,ある時点で上記各文書が存在したことが明らかであるといった事情もない。さらに,処分行政庁は,本件開示請求対象文書を「本件厳重注意の内容及び理由,経過等が分かる一切の文書」と特定している以上,行政手続法8条の上記趣旨に照らしても,処分行政庁が本件開示請求対象文書に含まれないと判断した文書や,存在していない文書について,逐一その理由を同条に基づき示すべき義務を負っていたということはできない。そして,上記認定によれば,処分行政庁が本件開示請求対象文書として本件答申対象文書を特定し,本件答申対象文書に係る不開示情報該当性を判断したことは,本件決定書の記載内容から明らかである。 (3) 以上によれば,本件決定が行政手続法8条に違反しているということはできない。 第5 結論 - 46 -以上によれば,原告の請求は,主文第1項記載の限度において理由があるから,これを認容することとし,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官増田 稔 裁判官村田一広 裁判官高橋心平 - 47 -(別紙3)開示部分目録別表1開示文書一覧記載の「番号」項目Ⅵ「本件事案に係る消費者庁の担当課と特定会社等とのやりとりメモ」中「詳細番号」項目10の「特定監査法人よりの質問事項に対する回答」のうち,P1株式会社の役員の氏名,役職,報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容に関する情報を除いた部分以上 - 48 -(別紙4)取消請 特定監査法人よりの質問事項に対する回答」のうち,P1株式会社の役員の氏名,役職,報酬,債務保証,資金提供及び債権債務の内容に関する情報を除いた部分以上 - 48 -(別紙4)取消請求文書目録別表1開示文書一覧記載の「番号」項目Ⅵ「本件事案に係る消費者庁の担当課と特定会社等とのやりとりメモ」中「詳細番号」項目10の「特定監査法人よりの質問事項に対する回答」の全部以上 - 49 -(別紙5)関係法令の定め第1 情報公開法 1 第1条(目的)この法律は,国民主権の理念にのっとり,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに,国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。 2 第4条(開示請求の手続)(1) 1項前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は,次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を行政機関の長に提出してしなければならない。 一開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名二行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項(2) 2項行政機関の長は,開示請求書に形式上の不備があると認めるときは,開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し,相当の期間を定めて,その補正を求めることができる。この場合において,行政機関の長は,開示請求者に対し,補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。 3 第5条(行政文書の開示義務) [平成26年法律第67号による改正前のもの]行政機関の長は,開示請 政機関の長は,開示請求者に対し,補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。 3 第5条(行政文書の開示義務) [平成26年法律第67号による改正前のもの]行政機関の長は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に次の - 50 -各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない。 一個人に関する情報([括弧内略])であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。 イ法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報ロ人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報ハ当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員([括弧内略]),独立行政法人等([括弧内略])の役員及び職員,地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人([括弧内略])の役員及び職員をいう。)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分二法人その他の団体(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるもの。ただし,人の 二法人その他の団体(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるもの。ただし,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。 イ公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの - 51 -ロ行政機関の要請を受けて,公にしないとの条件で任意に提供されたものであって,法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質,当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの三ないし五 [省略]六国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれロないしホ [省略] 4 第6条(部分開示)(1) 1項行政機関の長は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。 (2) 2項開示請求に係る行政文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別すること ければならない。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。 (2) 2項開示請求に係る行政文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において,当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは,当該部分を除いた部分は,同号の情報に含まれ - 52 -ないものとみなして,前項の規定を適用する。 第2 特定商品等の預託等取引契約に関する法律(以下「預託法」という。) 1 第1条(目的)この法律は,特定商品及び施設利用権の預託等取引契約の締結及びその履行を公正にし,並びに預託等取引契約に係る預託者が受けることのある損害の防止を図ることにより,預託等取引契約に係る預託者の利益の保護を図ることを目的とする。 2 第2条(定義)(1) 1項この法律において「預託等取引契約」とは,次に掲げる契約をいう。 一当事者の一方が相手方に対して,内閣府令で定める期間以上の期間にわたり政令で定める物品(以下「特定商品」という。)の預託(預託を受けた特定商品の返還に代えて金銭その他これに代替する物品を給付する場合を含む。)を受けること(信託の引受けに該当するものを除く。)及び当該預託に関し財産上の利益を供与することを約し,又は特定商品の預託を受けること(信託の引受けに該当するものを除く。)及び当該内閣府令で定める期間以上の期間の経過後一定の価格(一定の方法により定められる価格を含む。)により当該特定商品を買い取ることを約し,相手方がこれに応じて当該特定商品を預託することを約する契約二 [省略](2) 2項な 期間の経過後一定の価格(一定の方法により定められる価格を含む。)により当該特定商品を買い取ることを約し,相手方がこれに応じて当該特定商品を預託することを約する契約二 [省略](2) 2項ないし4項 [省略] 3 第7条(預託等取引業者に対する業務停止命令等)(1) 1項内閣総理大臣は,預託等取引業者が第3条から前条までの規定に違反する行為をし,かつ,当該行為を引き続きするおそれがあると認めるとき,又は勧誘者が第4条第1項若しくは第5条の規定に違反する行為をし,かつ,当 - 53 -該行為を引き続きするおそれがあると認めるときは,その預託等取引業者に対し,1年以内の期間を定めて,預託等取引契約の締結若しくは更新についての勧誘を行い若しくは当該勧誘を勧誘者に行わせることを停止し,又は預託等取引契約に関する業務の全部若しくは一部を停止すべきことを命じ,その他顧客又は預託者の利益を保護するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (2) 2項 [省略] 4 第10条(報告及び立入検査)(1) 1項内閣総理大臣は,この法律の施行のため必要があると認めるときは,政令で定めるところにより預託等取引業者若しくは勧誘者に対し報告をさせ,又はその職員に,預託等取引業者の事業所に立ち入り,帳簿,書類その他の物件を検査させることができる。 (2) 2項 [省略](3) 3項第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 5 第13条の2(権限の委任)内閣総理大臣は,この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。 6 第14条(罰則)次の各号の一に該当する者は,2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。 一第4条第1項又は第 律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。 6 第14条(罰則)次の各号の一に該当する者は,2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。 一第4条第1項又は第2項の規定に違反した者二第7条第1項の規定による命令に違反した者 7 第15条 - 54 -第3条第1項又は第2項の規定に違反して書面を交付せず,又は虚偽の記載のある書面を交付した者は,50万円以下の罰金に処する。 8 第16条次の各号の一に該当する者は,30万円以下の罰金に処する。 一第6条の規定に違反して書類を備え置かず,若しくは預託者の求めに応じて閲覧させず,又は虚偽の記載のある書類を備え置き,若しくは預託者に閲覧させた者二第10条第1項の規定による報告をせず,若しくは虚偽の報告をし,又は同項の規定による検査を拒み,妨げ,若しくは忌避した者 9 第17条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し前3条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。 第3 不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。) 1 第1条(目的)この法律は,商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより,一般消費者の利益を保護することを目的とする。 2 第4条(不当な表示の禁止)(1) 1項事業者は,自己の供給する商品又は役務の取引について,次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一商品又は役務の品質,規格その他の内容について,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であ ,自己の供給する商品又は役務の取引について,次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一商品又は役務の品質,規格その他の内容について,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると示し,又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係 - 55 -るものよりも著しく優良であると示す表示であって,不当に顧客を誘引し,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの二及び三 [省略](2) 2項内閣総理大臣は,事業者がした表示が前項第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは,当該表示をした事業者に対し,期間を定めて,当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において,当該事業者が当該資料を提出しないときは,第6条の規定の適用については,当該表示は同号に該当する表示とみなす。 3 第6条(措置命令)内閣総理大臣は,第3条の規定による制限若しくは禁止又は第4条第1項の規定に違反する行為があるときは,当該事業者に対し,その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令は,当該違反行為が既になくなっている場合においても,次に掲げる者に対し,することができる。 一当該違反行為をした事業者二当該違反行為をした事業者が法人である場合において,当該法人が合併により消滅したときにおける合併後存続し,又は合併により設立された法人三当該違反行為をした事業者が法人である場合において,当該法人から分割により当該違反行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人四当該違反行為をした事業者 存続し,又は合併により設立された法人三当該違反行為をした事業者が法人である場合において,当該法人から分割により当該違反行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人四当該違反行為をした事業者から当該違反行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた事業者 4 第9条(報告の徴収及び立入検査等)[平成26年法律第71号による改正前のもの] - 56 -(1) 1項内閣総理大臣は,第6条の規定による命令を行うため必要があると認めるときは,当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者に対し,その業務若しくは財産に関して報告をさせ,若しくは帳簿書類その他の物件の提出を命じ,又はその職員に,当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者の事務所,事業所その他その事業を行う場所に立ち入り,帳簿書類その他の物件を検査させ,若しくは関係者に質問させることができる。 (2) 2項及び3項 [省略](3) 4項第1項[中略]の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 5 第12条(権限の委任等) [平成26年法律第71号による改正前のもの](1) 1項内閣総理大臣は,この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。 (2) 2項及び3項 [省略] 6 第15条(罰則) [平成26年法律第71号による改正前のもの](1) 1項第6条の規定による命令に違反した者は,2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。 (2) 前項の罪を犯した者には,情状により,懲役及び罰金を併科することができる。 7 第16条 [平成26年法律第71号による改正前のもの]第9条第1項の規定による報告若しくは物件の提出をせず,若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の により,懲役及び罰金を併科することができる。 7 第16条 [平成26年法律第71号による改正前のもの]第9条第1項の規定による報告若しくは物件の提出をせず,若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし,又は同項の規定による検査を拒み,妨げ, - 57 -若しくは忌避し,若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず,若しくは虚偽の答弁をした者は,1年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。 8 第18条 [平成26年法律第71号による改正前のもの](1) 1項法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務又は財産に関して,次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,当該各号に定める罰金刑を科する。 一第15条第1項 3億円以下の罰金刑二第16条又は前条各本条の罰金刑(2) 2項法人でない団体の代表者,管理人,代理人,使用人その他の従業者がその団体の業務又は財産に関して,次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その団体に対しても,当該各号に定める罰金刑を科する。 一第15条第1項 3億円以下の罰金刑二第16条又は前条各本条の罰金刑(3) 3項 [省略]第4 行政手続法 1 第5条(審査基準)(1) 1項行政庁は,審査基準を定めるものとする。 (2) 2項及び3項 [省略] 2 第8条(理由の提示)(1) 1項行政庁は,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は, - 58 -申請者に対し,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。ただし,法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定め る場合は, - 58 -申請者に対し,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。ただし,法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって,当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは,申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。 (2) 2項前項本文に規定する処分を書面でするときは,同項の理由は,書面により示さなければならない。 以上 - 59 -(別紙6)本件審査基準の定め 1 情報公開法5条2号ただし書について(本件審査基準の第3の2(2))「 (2) 人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報(法第5条2号ただし書)について法人又は事業を営む個人の当該事業に関する情報を公にすることにより保護される人の生命,健康等の利益と,これを公にしないことにより保護される法人等又は事業を営む個人の権利利益とを比較衡量し,前者の利益を保護することの必要性が上回ると認められる場合は,当該情報を開示しなければならない。現実に人の生命,健康等に被害が発生している場合に限らず,将来これらが侵害される蓋然性が高い場合も含まれる。 なお,法人等又は事業を営む個人の事業活動と人の生命,健康等に対する危害等との明確な因果関係が確認されなくても,現実に人の生命,健康等に対する被害等の発生が予想される場合もあり得る。 」 2 情報公開法5条2号イについて(本件審査基準の第3の2(3))「 (3) 公にすることにより当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ(法第5条2号イ)についてア 『権利』とは,信教の自由, (本件審査基準の第3の2(3))「 (3) 公にすることにより当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ(法第5条2号イ)についてア 『権利』とは,信教の自由,集会・結社の自由,学問の自由,財産権等,法的保護に値する権利一切を指す。 イ 『競争上の地位』とは,法人等又は事業を営む個人の公正な競争関係における地位をいう。 ウ 『その他正当な利益』には,ノウハウ,信用等法人等又は事業を営む個人の運営上の地位を広く含むものである。 エ権利,競争上の地位その他正当な利益を『害するおそれ』があるかどうかの判断に当たっては,法人等又は事業を営む個人には様々な種類,性格 - 60 -のものがあり,その権利利益にも様々のものがあるので,法人等又は事業を営む個人の性格,権利利益の内容及び性質等に応じ,当該法人等又は事業を営む個人の憲法上の権利(信教の自由,学問の自由等)の保護の必要性,当該法人等又は事業を営む個人と行政との関係等を十分考慮するものとする。 また,この『おそれ』の判断に当たっては,単なる確率的な可能性ではなく,法的保護に値する蓋然性が認められるかどうかにより判断する。 」 3 情報公開法5条6号について(本件審査基準の第3の6(1))「 (1) 『公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの』ア国の機関又は地方公共団体が行う事務又は事業は,公共の利益のために行われるものであり,公にすることによりその適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報は,不開示情報に該当する。なお,本号イからホまでの規定は,各機関に共通的に見られる事務又は事業に関する情報であって,その性質上,公にすることにより,その適正な遂行に支障 障を及ぼすおそれがある情報は,不開示情報に該当する。なお,本号イからホまでの規定は,各機関に共通的に見られる事務又は事業に関する情報であって,その性質上,公にすることにより,その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると考えられる典型的な支障が挙げられているものであり,本号の規定の対象となる事務及び事業は,これらに限られない。 イ 『当該事務又は事業の性質上』とは,当該事務又は事業の本質的な性格,具体的には,当該事務又は事業の目的,その目的達成のための手法等に照らして,その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるかどうかを判断するとの趣旨である。 ウ 『適正な遂行に支障を及ぼすおそれ』とは,行政機関の長に広範な裁量権限が与えるものではなく,各規定の要件の該当性を客観的に判断するものとし,事務若しくは事業の根拠となる規定又はその趣旨に照らし,公益的な開示の必要性等の種々の利益を衡量した上での『適正な遂行』と言えるものであるかどうかにより判断する。 - 61 -エ 『支障』の程度は名目的なものでは足りず実質的なものを必要とし,また,『おそれ』の程度も単なる確率的な可能性ではなく,法的保護に値する蓋然性があると認められるかどうかにより判断する。 」 4 情報公開法5条6号イについて(本件審査基準の第3の6(2))「 (2) 『監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ』(法第5条第6号イ)ア 『監査』(主として監察的見地から,事務又は事業の執行又は財産の状況の正否を調べること。),『検査』(法令の執行確保,会計経理の適正確保,物資の規格,等級の証明等のために帳簿書類その他の物件等を調べる 査』(主として監察的見地から,事務又は事業の執行又は財産の状況の正否を調べること。),『検査』(法令の執行確保,会計経理の適正確保,物資の規格,等級の証明等のために帳簿書類その他の物件等を調べること。),『取締り』(行政上の目的による一定の行為の禁止,又は制限について適法,適正な状態を確保すること。),『試験』([括弧内省略])及び『租税の賦課若しくは徴収』([括弧内省略])に係る事務は,いずれも事実を正確に把握し,その事実に基づいて評価,判断を加えて,一定の決定を伴うことがあるものである。 イ監査・検査等に係る事務に関する情報のうち,監査等の対象,実施時期,調査事項等の詳細な情報,試験問題等事前に公にすると,適正かつ公正な評価又は判断の前提となる事実の把握が困難となるもの,行政客体における法令違反行為又は法令違反に至らないまでも妥当性を欠く行為を助長し,又はこれらの行為を巧妙に行うことにより隠蔽をすることを容易にするおそれがあるような情報は,不開示とする。また,監査等の終了後であっても,例えば,違反事例等の詳細を公にすることにより,他の行政客体に法規制を免れる方法を示唆することになるものは,本規定に該当する。」以上

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