【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人武藤鹿三の上告理由第一点、第二点及び同大脇松太郎の上告理由につ いて
主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人武藤鹿三の上告理由第一点、第二点及び同大脇松太郎の上告理由について。 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決(その引用する第一審判決を含む。 以下同じ。)挙示の証拠関係及び説示に照らし首肯することができ、その認定判断の過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。 上告代理人武藤鹿三の上告理由第三点について。 土地賃貸人と貸借人との間において土地賃貸借契約を合意解除しても、土地賃貸人は、特別の事情のないかぎり、その効果を地上建物の賃借人に対抗できないことは、所論のとおりである。 しかし、(一)本件土地の賃貸人である被上告人は、貸借人である亡Dとの間で、昭和三〇年一二月一五日、本件土地の賃貸借契約を合意解除し、Dは昭和三五年一二月末日かぎり本件建物を収去して本件土地を明渡す旨の調停が成立したこと、(二)上告会社は昭和二七年六月一八日設立された合資会社で、設立と同時に本件建物をDから貸借しその引渡しを受けていたこと、(三)上告会社は徽章、メダル、バツジ類の製造販売、金属加工、七宝製品の製造販売等を目的として設立されたが、これは、従前Dが個人として行つてきたものを会社組織に改めたもので、同人は設立と同時にその代表者となり、以後、昭和三二年一二月一五日死亡するまで上告会社の無限責任社員であつたこと、(四)上告会社は設立当時から従業員五、六名を擁するにすぎず、設立の前後を通じてその経営規模にさほどの変更もみられなかつたこと、(五)前記調停当時、上告会社の代表者であつたDは会社設立のことにはふれ- 1 -ず、被上告人としては上告会社の設立について全く知らなかつたこと、以上の事実は、原審の確定するところで かつたこと、(五)前記調停当時、上告会社の代表者であつたDは会社設立のことにはふれ- 1 -ず、被上告人としては上告会社の設立について全く知らなかつたこと、以上の事実は、原審の確定するところであり、右事実関係によれば、本件土地賃貸借契約の合意解除をもつて、その地上の本件建物の貸借人たる上告会社に対抗できる特別事情に当たると解することができ、これと同旨の原判決の判断は正当である。所論は、独自の見解に立つて原判決を非難するにすぎず、引用の判例は本件に適切ではない。 論旨は、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官吉田豊裁判官岡原昌男裁判官小川信雄裁判官大塚喜一郎- 2 -
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