主文 被告人両名をそれぞれ懲役4年に処する。 被告人らに対し,未決勾留日数中各350日を,それぞれその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人Aは,Bが同乗するウィッシュを運転していたもの,被告人Cは,DらとともにEの運転するマークⅡに同乗していたものであるが,被告人両名は,D,E及びBらと共謀の上,平成27年12月20日午前1時30分頃から同日午前1時38分頃までの間に,名古屋市a区bc丁目d番e号付近路上において,被告人Aが,ウィッシュを被害者(当時27歳)が運転するエルグランドの進路前方に進出させるなどして同車の進路を塞ぐ暴行を加えて同車を停止させ,引き続き,同車を追いかけてきたマークⅡから降車したDが,上記路上あるいはその周囲の路上において,被害者の両腕,左膝窩部等を刃物で突き刺すなどし,その際被告人Cはエルグランドの近くで刃物様の物を振り回すなどしてDに同調する行動をし,よって,被害者に左膝窩部切損等の傷害を負わせ,同日午前7時6分頃,名古屋市f区gh丁目i番j号独立行政法人国立病院機構Fにおいて,上記傷害に基づく出血性ショックにより同人を死亡させた。 (事実認定の補足説明)(月日は全て平成27年12月20日である。) 1 本件でDらにより判示傷害致死の犯行が行われたことに争いはなく,争点は,被告人らに同罪の共同正犯が成立するか否かである。被告人Aの弁護人は,同被告人によるウィッシュの運転は暴行に当たらず,共謀もないと主張し,被告人Cの弁護人は,同被告人は被害者への暴行をしておらず,共謀もないと主張する。 2 関係各証拠によれば,次の事実が認められる。 本件時及びその前後の事実経過ア Dと被害者は,いずれも覚せい剤の密売に関わっており,両者の間には, 数か月前から薬物密売用の る。 2 関係各証拠によれば,次の事実が認められる。 本件時及びその前後の事実経過ア Dと被害者は,いずれも覚せい剤の密売に関わっており,両者の間には, 数か月前から薬物密売用の携帯電話の売買を巡るトラブルがあった。 イ Eと考えられる人物は,被害者から覚せい剤を購入していた客に電話をかけさせて被害者を呼び出すこととし,本件の一,二時間前頃から,D,E,G及び被告人Cは,マークⅡに乗って行動をともにしていた。 ウ被告人Aは,Dから依頼を受け,Dが用意したウィッシュの助手席にBを乗せて被害者が乗る車両を探し,午前1時21分頃にBの携帯電話へのDからの電話で指示されたkの路上にウィッシュを停車させた。午前1時22分頃,被告人AもマークⅡに乗っていた被告人Cの携帯電話に電話し,その後午前1時30分頃まで,その2台の携帯電話は通話状態にあった。 エ被告人Aは,上記停車中に被害者の運転するエルグランドを発見して追跡を開始した。エルグランドはウィッシュから逃げるように蛇行運転や急加・減速運転をしたが,ウィッシュは追跡をやめず,そのまま2台が連なって数百メートル程度同様の走行をした。その後,エルグランドが交差点で一旦停止した後転回すると,ウィッシュもそれに続いて一旦停止しやや小回りで転回して一時的にエルグランドの右側に出たが,ウィッシュがエルグランドの左側を走行している間に両車は数回衝突し,その後,ウィッシュは右斜めに進行し,午前1時30分頃,ウィッシュは上記転回地点から四,五十メートルの地点で中央分離帯に衝突して停止したが,ウィッシュに進路を塞がれたエルグランドも右斜めに向かい,ウィッシュの右前部に左前部を接触させウィッシュとほぼ同時に中央分離帯に衝突して停止した。 Eが運転し,被告人Cが助手席に,D及びGが後 ィッシュに進路を塞がれたエルグランドも右斜めに向かい,ウィッシュの右前部に左前部を接触させウィッシュとほぼ同時に中央分離帯に衝突して停止した。 Eが運転し,被告人Cが助手席に,D及びGが後部座席に乗車するマークⅡは,エルグランドとウィッシュの後を追って,その間隔を狭めながら走行し,エルグランドとウィッシュに数秒遅れて同交差点を転回すると,アクセルを踏み込んで加速を続け,時速約50キロメートルに達した後,上記ウィッシュ及びエルグランドの停止とほぼ同時に,ブレーキを作動させないまま,右斜めに向きを変えたエルグランドの右側面に衝突して停止した。 オ上記3台の停車後,ウィッシュの助手席からすぐにBが,続いて被告人Aが降車し,マークⅡからは,上記乗員4名が降車した(被告人Cが最後に降車)。午前1時31分頃,Hが運転し,Iが同乗するイストが上記3台の停車車両の後方に到着し,同人らがイストから降りた。 カ Dは,エルグランドの運転席付近に近づき,シャムシールと呼ばれる刃体の長い刃物を振り回して同車に当てたり,運転席内に突き入れたりし,Eは,エルグランドの運転席側やフロント付近に立ち,同車をバットで叩くなどし,Gもバット様の物で同車を叩くなどした(以下,エルグランドの付近でDらによるこれらの行為が行われた現場を「第1現場」ということがある。)。 キ被告人Cは,エルグランドへの攻撃が続く中,イストの左後方に移動し,その後,同車後部座席に乗り込んだ。その頃運転席にHが,それに続いてI,G及びBが同車に乗り込んだところで,Hが同車を一旦発進させたが,呼び止められ,D,E及び被告人Aを乗せた上,午前1時32分頃,その場から走り去った。 ク上記カの攻撃によって,被害者は多量の出血をし,エルグランドは,フロントガラスやリアガ 旦発進させたが,呼び止められ,D,E及び被告人Aを乗せた上,午前1時32分頃,その場から走り去った。 ク上記カの攻撃によって,被害者は多量の出血をし,エルグランドは,フロントガラスやリアガラス,さらには運転席ドア,運転席側スライドドア,助手席側スライドドア及び助手席側後部ドアの各窓ガラスが割れ,車体に多数の打撃痕が残り,さらに運転席ドア,運転席側スライドドア,助手席側スライドドアに刃物で切り付けられた跡が残された。 ケ被害者は,イストが発進した後,エルグランドの運転席から降り,数分かけて流血しながら道路脇のコンビニエンスストアに歩いて向かった。 その頃,イスト内では,Dが被害者が警察に捕まるところを見たいので戻りたいなどと主張し,それに反対する被告人A及びBが降車した。その後,イストは同店付近路上に至り,Dはシャムシールを,Eはバットをそれぞれ持って降車し,被害者と接触し,午前1時38分頃,D及びEを再び乗せたイストが走り去った(以下,上記コンビニエンスストア付近でD及びEが被 害者と接触した現場を「第2現場」ということがある。)。 被害者の負傷状況等被害者の左膝窩部には,長さ約11センチメートル,幅最大約2センチメートル,深さ約5.5センチメートルの切創ないし刺切創があり,これが致命傷となって死亡した。また,被害者の左膝蓋部から左下腿前面付近に4か所の切創ないし刺切創が,左上腕から左前腕,右前腕及び右手背部にそれぞれ切創が,右手指背部には切創ないし刺切創が4か所あり,これらの傷害(判示傷害)はいずれも鋭利な刃物で生じたものである。 エルグランド車内の状況やコンビニエンスストア付近に向かった被害者の出血の状況からして,上記各傷害は,第1現場で被害者がエルグランド車内にいた約2分間の暴行によ 利な刃物で生じたものである。 エルグランド車内の状況やコンビニエンスストア付近に向かった被害者の出血の状況からして,上記各傷害は,第1現場で被害者がエルグランド車内にいた約2分間の暴行により生じた可能性は高いが,その一部がシャムシールを持ったDが被害者と接触した第2現場において生じた可能性も排斥できないから,上記各傷害は,第1現場でマークⅡがエルグランドに衝突してからイストが第2現場を発進するまでの間に,判示の路上(第1現場あるいは第2現場)において,Dが,被害者の両腕,左膝窩部等を刃物で突き刺すなどしたことにより生じさせたものと認めた。 D及びEの意図 経緯からすると,D及びEは,被害者をおびき出した当初から被害者に暴行を加える強い意図を有していたことが明らかである。さらに,第1現場を去って第2現場に至るまでのイスト内でのDの発言や,武器を持って第2現場に至った状況からすると,Dらの上記意図は第2現場まで持続していたものと認められる。 被告人Cについてア被告人Cの行為について マークⅡ降車後の被告人Cの行動について,Bは,公判廷において,被告人Cがエルグランドの助手席側スライドドアの後ろ付近で同車に向かっ てシャムシールを振り回しているのを見た旨証言するのに対し,被告人Cは,マークⅡから降車後,エルグランドに近づくことなくすぐにイストに乗り込んだ旨述べている。 Bの上記供述は,エルグランドの助手席側スライドドアの窓枠後部中央に切創痕があることとよく整合する(Dは,イストに乗り込む直前まで運転席側におり,Dが助手席側スライドドア付近を攻撃したとは考え難い。)。また,Bが現場で刃物を持っていた者が誰かについて自己の責任を転嫁するために虚偽の供述をする必要は認められない上,D及びEの 運転席側におり,Dが助手席側スライドドア付近を攻撃したとは考え難い。)。また,Bが現場で刃物を持っていた者が誰かについて自己の責任を転嫁するために虚偽の供述をする必要は認められない上,D及びEの現場での行動については他の証拠と矛盾がない供述をし,被告人Cについてのみ虚偽の事実を述べる理由も見当たらない。そうすると,上記の点に関するBの供述は信用でき,被告人Cは,エルグランドの助手席側後方付近で,同車に向けてシャムシールを振り回す行為をしたと認められる。 確かに,被告人Cは,エルグランドとの衝突によりマークⅡのフロントガラスに顔面を打ち付け,その後,助手席側後部ドアから降車するのに時間がかかっていたことが認められる上,Eらのエルグランドへの攻撃が続いているうちに既にイストの左後方に移動していたことも認められるから,被告人Cがエルグランド近くにいることができたのは短時間であった。しかし,その間にBが供述する上記の行動をすることは不可能であったとまでは考えられない。 これに対し,マークⅡからイストの左後方に移動しただけであるという被告人Cの供述は,エルグランド助手席側であるウィッシュ付近に被告人Cの血液が付着したマスクが落ちていたことと整合せず,信用することはできない。 このほか,被告人Aは,捜査段階において,被告人Cがエルグランドの右側でDと同じように車内運転席に腕を突き入れる動きを何度もしていた旨供述していた。被告人Aが,この点に関しあえて虚偽の供述をする必要 は見当たらないが,目撃した際の自身や被告人Cの立ち位置等も定かでない上,上記のような短時間に,被告人Cがエルグランド助手席側後方で上記の行動をしただけでなく,D及びEの同車運転席側での攻撃にも加わり,Dらより先にイスト付近に戻るという状況は想定しにくい 定かでない上,上記のような短時間に,被告人Cがエルグランド助手席側後方で上記の行動をしただけでなく,D及びEの同車運転席側での攻撃にも加わり,Dらより先にイスト付近に戻るという状況は想定しにくい。被告人Aは,捜査段階において,この疑問を解消できる供述をしておらず,公判廷でも被告人Cの行動についての供述を避け,反対尋問での吟味もできていないことなどからすると,被告人Aの上記捜査段階の供述を信用することはできない。被告人Cのイスト車内での発言に関するHの証言も上記判断を左右するものではない。 イ被告人Cの共謀について被告人Cは,被害者を攻撃する意図をもつD及びEとともに,バットやシャムシールが複数本搭載されていたと認められるマークⅡに乗車し,運転するEがエルグランドを激しく追跡していることも認識していたことは明らかである。そして,エルグランドとの衝突後は,シャムシールをエルグランドに向けて振り回している。そうすると,被告人Cは,遅くともマークⅡが現にエルグランドを追跡している時点で,D及びEの攻撃意思を認識していたと認められ,その上で,上記両名の攻撃意図に沿う行動をしたのであるから,上記追跡の時点では,Dらとの間でエルグランドの乗員に対し暴行を加える旨の共謀が成立していたと認められ,後に述べる被告人Aの暴行も含め,判示暴行は,被告人Cと共犯者らとの共謀に基づくものであったと認められる。 なお,被告人Cの弁護人は,被告人Cが第2現場でイストから降車していないことなどを捉えて,第2現場での共謀を争うが,被害者に対する敵意を表したままシャムシールを持って降車するDらを見ながら被告人Cが止めるなどの行動をしていないことからすれば,共謀関係が解消されたとはいえず,第2現場での暴行があったとしても,被告人Cとの共謀に基 を表したままシャムシールを持って降車するDらを見ながら被告人Cが止めるなどの行動をしていないことからすれば,共謀関係が解消されたとはいえず,第2現場での暴行があったとしても,被告人Cとの共謀に基づいて行われたものと認められる。 被告人Aについてア被告人Aの行為について ウィッシュが右斜めに進行し,右側を走行するエルグランドの進路を塞いだ上で中央分離帯に衝突し両車が停止したことについて,検察官は,被告人Aがエルグランドを停止させるため故意にハンドルを右に切ったと主張する。 これに対し,被告人Aは,エルグランドと衝突した後,左側の歩道を避けるため右ハンドルを切った際,片手で運転していたのでハンドル操作を誤り,同時にブレーキと間違えてアクセルを踏み,結果として中央分離帯に衝突するに至った旨述べる。 ウィッシュは,車体が第3通行帯を斜めに塞ぎ,右前輪が縁石に乗り上げた状態で停止していた。単にハンドル操作を誤っただけでこのような角度に至ることは考えにくく,直前にハンドルが大きく右に切られたと考えられる。また,左前輪が縁石を越えていないことから,それほどスピードが出ていたとはいえず,ブレーキを踏むつもりでアクセルを踏んだとは考えられない。そうすると,被告人Aが故意に右ハンドルを切って右に進行した以外に,ウィッシュが上記停止状況に至った理由は考え難い。そして,その直前まで,被告人Aが,蛇行運転や急加・減速運転を繰り返すエルグランドを執ように追跡し,数回衝突までする事態に至っていたのであるから,ウィッシュがエルグランドの左前方に位置する時にまさに右ハンドルを切って中央分離帯の方に向かうハンドル操作は,被告人Aがエルグランドを停止させようとしてウィッシュをエルグランドの進路前方に進出させるなどして同車の進 ランドの左前方に位置する時にまさに右ハンドルを切って中央分離帯の方に向かうハンドル操作は,被告人Aがエルグランドを停止させようとしてウィッシュをエルグランドの進路前方に進出させるなどして同車の進路を塞ごうとしたとみるほかなく,判示の被告人Aの暴行の事実が認められる。被告人Aの供述は,客観的な停止状況等に合致しないものであって,信用することはできない。 なお,マークⅡは,被告人Aがハンドルを大きく右に切る前から相当加 速しており,3台がほぼ同時に衝突して停止したという衝突状況にも照らすと,エルグランドがウィッシュに進路を塞がれて右斜めに進路を変えることをEが予測して加速したとは考えられず,マークⅡとエルグランドの衝突がEの暴行の故意に基づくものであったとは認められない。 イ被告人Aの共謀について被告人Aは,本件以前に,Dと被害者との間に上記トラブルがあり,1週間程前に車両同士をぶつけるなどのDによる報復行為があったことを聞いて知っていたばかりか,本件の一,二時間前にはマークⅡに複数名が乗車し行動をともにしており,同車に武器となるバットが数本搭載されていることも目撃していたことも認められる。その上で,被告人Aは,Dの依頼を受け,ウィッシュで被害者を探し,エルグランドを発見してからは,通話状態にあった携帯電話により,ウィッシュ又はエルグランドの現在地等の情報がBからDらに伝えられていることをわかりながら,エルグランドを追跡していたことも認められ,Dらが乗車するマークⅡがエルグランドを追ってきていることも認識していたことが認められる。 被告人Aが,被害者に暴行を加えることに積極的であったとは考えられないものの,Dらの乗るマークⅡがエルグランドに追いつこうとしていることを知った段階では,追いついた場合に同人らにより被 められる。 被告人Aが,被害者に暴行を加えることに積極的であったとは考えられないものの,Dらの乗るマークⅡがエルグランドに追いつこうとしていることを知った段階では,追いついた場合に同人らにより被害者に暴行が行われる可能性があることを予期していたと認められる。その上で,走行中のエルグランドの前方にウィッシュを進出させるというそれ自体被害者を負傷させかねない危険な態様でエルグランドを停止させ,Dらの暴行を可能にしたのであるから,Dらがエルグランドに追いつこうとしていることを被告人Aが知った時点では,被告人AとDらとの間で,暴行の共謀が成立していたと認められ,判示の暴行は,いずれも被告人Aと共犯者らとの共謀に基づくものであったと認められる(被告人Aについても,第2現場に至るまでに共謀関係が解消されたとはいえない。)。 なお,被告人Aは,第1現場でDらの暴行を止める言動をし,さらにはイストに乗車後Dを責める言動もしているが,これは刃物を持ち出すなどの態様が当初の予想以上のものであったためであると考えることが可能であって,上記認定とは矛盾しない。 3 以上のとおりであって,被告人両名は,傷害致死罪について共同正犯の責任を負う。 (被告人Aの累犯前科) 1 事実平成21年8月10日名古屋地方裁判所宣告出入国管理及び難民認定法違反,覚せい剤取締法違反の罪により懲役4年6月及び罰金20万円平成25年10月10日懲役刑の執行終了 2 証拠捜査報告書(法令の適用)罰条(被告人両名について) 刑法60条,205条累犯加重(被告人Aについて) 刑法56条1項,57条(ただし,同法14条2項の制限に従う。)未決勾留日数の算入(被告人両名について)刑法21条訴訟費用の不負担(被 条,205条累犯加重(被告人Aについて) 刑法56条1項,57条(ただし,同法14条2項の制限に従う。)未決勾留日数の算入(被告人両名について)刑法21条訴訟費用の不負担(被告人両名について) 刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由)車両に乗った被害者を数人がかりで取り囲み,短時間ではあるが,殺傷能力の高い大きな刃物を用いて集中的に攻撃を加えるなどしており,あえて手足をねらった可能性があることを踏まえても,危険性は高い。被害者が運転する車両を執ように追跡して路上で無理やり停止させた点も危険といえる。首謀者であるDらは,薬物密売に関するトラブル等が原因で敵対関係にあった被害者を客を使っておびき出し, 複数の車両や凶器を準備しており,計画性も高い。本件は,その全体像をみると,複数人が共謀して知人等の関係にあった者に凶器を用いて暴行を加え死亡させた類型の中で,相当悪質な犯行といえる。 被告人Aは,被害者が運転する車両を無理やり停止させその後の犯行を可能にするという重要な役割を担ったが,直前にDらの攻撃の意図は予期できたとはいえ,刃物を用いた激しい攻撃をするなどの具体的な計画や意図までは知らず,実際にも攻撃に加わっていない。当初被害者と話合いをすると言われて協力したこと自体も否定できない。 また,被告人Cについても,刃物を用いて攻撃するDらの意図を理解してこれに同調し,自ら刃物を手にしたとはいえ,車両を攻撃したにとどまり,早期にその場から離れており,それ以前の計画等に深く関わっていたともいえず,重要な役割を果たしたとはいえない。 そうすると,被告人両名の刑事責任は,いずれも上記類型の事案に加担した者の中でやや軽い部類に属するというべきであり,これを前提に犯情以外の情状も検討し,それぞれ主文の刑を定 果たしたとはいえない。 そうすると,被告人両名の刑事責任は,いずれも上記類型の事案に加担した者の中でやや軽い部類に属するというべきであり,これを前提に犯情以外の情状も検討し,それぞれ主文の刑を定めた。 (求刑被告人Aについて懲役6年,被告人Cについて懲役7年)平成29年6月16日名古屋地方裁判所刑事第5部 裁判長裁判官奥山豪 裁判官西山志帆 裁判官横井千穂
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