昭和57(あ)1504 騒擾指揮、威力業務妨害、騒擾助勢、公務執行妨害

裁判年月日・裁判所
昭和59年12月21日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  被告人A外三名の上告趣意について  上告趣意一は、単なる法令違反の主張であり、同二は、刑法一〇六条の騒擾罪の 規定自体

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判決文本文2,432 文字)

主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人A外三名の上告趣意について上告趣意一は、単なる法令違反の主張であり、同二は、刑法一〇六条の騒擾罪の規定自体があいまい、不明確であるとして憲法三一条、二一条違反をいうが、右規定が所論のようにあいまい、不明確であるとはいえないから、所論違憲の主張は前提を欠き、同三のうち、現場写真の証拠採用に関して違憲をいう点は、記録によれば、右写真のフイルムの押収手続等に所論の違法はなく、右写真の証拠能力を認めた原判断は正当であるから、所論違憲の主張は前提を欠き、その余は、違憲をいうかのごとき点を含め、実質は単なる法令違反の主張であり、同四は、憲法二一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。 なお、犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写真自体又はその他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備するものであつて、これを証拠として採用するためには、必ずしも撮影者らに現場写真の作成過程ないし事件との関連性を証言させることを要するものではない。 弁護人小泉征一郎、同木内俊夫、同庄司宏の上告趣意について上告趣意第一は、憲法前文、九八条一項、九九条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反の主張であり、同第二は、憲法三一条、二一条違反をいうが、騒擾罪を規定した刑法一〇六条は、所論のようにその構成要件が無内容、あいまい、不明確であるとはいえないから、所論違憲の主張は前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。 同第三のうち、所論ビラ等の証拠採用に関して憲法三七条二項違反をいう点は、- 1 -記録によれば、第一審が「右ビラ等の存在」を立証趣旨としてこれを非供述証拠として採用した 告理由にあたらない。 同第三のうち、所論ビラ等の証拠採用に関して憲法三七条二項違反をいう点は、- 1 -記録によれば、第一審が「右ビラ等の存在」を立証趣旨としてこれを非供述証拠として採用したことに刑訴法三二〇条一項違反を容れる余地はないとした原判断は正当であるから、所論違憲の主張は前提を欠き、その余は、憲法三一条、三七条二項、二一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。 なお、同一地域内において、構成を異にする複数の集団により時間・場所を異にしてそれぞれ暴行・脅迫が行われた場合であつても、先行の集団による暴行・脅迫に触発、刺激され、右暴行・脅迫の事実を認識認容しつつこれを承継する形態において、その集団による暴行・脅迫に時間的、場所的に近接して、後の集団による暴行・脅迫が順次継続的に行われたときには、各集団による暴行・脅迫は全体として同一の共同意思によるものというべきであつて、これと同旨の見解に立ち、昭和四三年一〇月二一日午後八時四五分ころから同月二二日午前一時ころまでの間にB駅の構内及びその周辺で発生した所論各集団暴行等につき、これらの暴行等は全体として同一の共同意思によるものと認められるから包括して一個の騒擾罪が成立するとした原判断は、記録及び証拠物に徴し正当として是認することができる。 同第四は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。 なお、騒擾罪を規定した刑法一〇六条にいう暴行・脅迫は、一地方における公共の平和、静謐を害するに足りるものでなければならないところ(最高裁昭和三三年(あ)第二〇八二号同三五年一二月八日第一小法廷判決・刑集一四巻一三号一八一八頁参照)、右にいう「一地方」に該当するか否かについては、単に暴行・脅迫が行われた地域の広狭や居住 ころ(最高裁昭和三三年(あ)第二〇八二号同三五年一二月八日第一小法廷判決・刑集一四巻一三号一八一八頁参照)、右にいう「一地方」に該当するか否かについては、単に暴行・脅迫が行われた地域の広狭や居住者の多寡などといつた静的、固定的要素のみによつてこれを決めるべきものではなく、右地域(同所にある建物・諸施設、事業所などをも含む。)が社会生活において占める重要性や同所を利用する一般市民の動き、同所を職域として勤務する者らの活動状況などといつた動的、機能的要素をも総合し、- 2 -さらに、当該騒動の様相が右地域にとどまらず、その周辺地域の人心にまで不安、動揺を与えるに足りる程度のものであつたか否かといつた観点からの考察も併せて行うべきであつて、これと同旨の見解に立ち、交通の一大要衝であるB駅の構内及びその周辺で敢行された被告人らを含む学生・群衆らによる本件集団暴力行動が「一地方」における公共の平和、静謐を害するに足りるものであるとした原判断は、記録及び証拠物に徴し正当として是認することができる。 同第五のうち、アマチユアカメラマン撮影の現場写真の証拠採用に関して憲法三一条、三五条違反をいう点は、記録によれば、右写真のフイルムの押収手続及びその現像・焼付の過程等に所論の違法はなく、右写真の証拠能力を認めた原判断は正当であるから、所論違憲の主張は前提を欠き、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、その余は、憲法三一条、三七条二項違反をいう点を含め、実質は事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同第六は、事実誤認の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和五九年一二月二一日最高裁判所第二小法廷 ずれも適法な上告理由にあたらない。 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和五九年一二月二一日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官牧圭次裁判官木下忠良裁判官鹽野宜慶裁判官大橋進裁判官島谷六郎- 3 -

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