令和6(わ)799 強盗傷人被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年5月20日 札幌地方裁判所
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判決文本文1,716 文字)

令和7年5月20日宣告令和6年(わ)第799号判決被告人に対する強盗傷人被告事件について、当裁判所は、裁判員の参加する合議体により、検察官大濱新悟、同伊東冬実、国選弁護人野田晃弘(主任)、同新堂有亮各出席の上審理し、次のとおり判決する。 主文 被告人を懲役5年6月に処する。 未決勾留日数中160日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、通行人から金品を強奪しようと考え、令和5年5月15日午前3時23分頃、札幌市a区bc条de丁目f番先路上において、徒歩で通行中のA(当時25歳)に対し、同人が負傷するかもしれないと認識しながら、背後から近づいていきなり同人の頭部を消火器(令和6年領第940号符号1)で殴る暴行を加え、その反抗を抑圧して金品を強奪しようとしたが、同人に抵抗されたため、その目的を遂げず、その際、前記暴行により、同人に全治約10日間を要する頭部外傷の傷害を負わせた。 (確定裁判) 1 事実令和5年8月30日札幌地方裁判所宣告建造物侵入、窃盗未遂罪により懲役1年2月令和5年9月14日確定 2 証拠前科調書(乙17)(法令の適用) 罰条刑法240条前段刑種の選択有期懲役刑を選択併合罪の処理刑法45条後段、50条(判示強盗傷人罪は前記確定裁判があった罪と併合罪の関係にあるから、まだ確定裁判を経ていない判示強盗傷人罪について更に処断)酌量減軽刑法66条、71条、68条3号未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由) 1 被告人は、深夜の路上において、酔余で無防備な被害者の頭部を、背後から金属 未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由) 1 被告人は、深夜の路上において、酔余で無防備な被害者の頭部を、背後から金属製の消火器で相応の強さをもって殴った上、更に複数回殴っており、暴行態様は被害者に重い傷害を負わせかねない危険なものである。判示の傷害自体は、幸い傷の長さも短く、比較的軽傷であるが、広範囲に皮下出血が生じ、これにより被害者が仕事上の不利益を被ったこと等も併せると、被害結果も軽くはない。 被告人は、知人から本件強盗を誘われ、消火器を用いること等も同人から示唆され、さらに同人らから自分たちも実行を分担すると言われていたがために、本件犯行に及んだものであり、この点は被告人の意思決定に対する非難を多少減ずるものといえる。しかし、被告人がいわゆる置き引きによる窃盗罪で懲役1年2月、3年間執行猶予の判決を受けたにもかかわらず、その猶予期間中に、より悪質な財産犯である本件犯行に及んだことは、強く非難されなければならない。 以上の犯情に照らすと、本件は、同種事案(凶器を用いた路上強盗類型の強盗致傷事件で、強盗の点は未遂に終わり、示談等がなされていないもの)のうち、決して軽い犯行ではない。 2 一般情状については、被告人の従前の生活状況や犯罪傾向からすると、財産犯を繰り返さないための生活設計等が必要で、この点の言及は必ずしも十分とはいえないものの、本件で暴力にまで及んだことについて後悔を述べるなど、被告人 なりの反省をみせており、今後の更生には期待したい。また、社会内での双極性障害の治療が更生に資する部分もあると思われる。 3 そこで、これらの犯情及び一般情状から導かれる刑や、本件と前記確定裁判の罪とを併せて審判した場合に科されるであろう刑を踏まえた上で、 内での双極性障害の治療が更生に資する部分もあると思われる。 3 そこで、これらの犯情及び一般情状から導かれる刑や、本件と前記確定裁判の罪とを併せて審判した場合に科されるであろう刑を踏まえた上で、同裁判ですでに科された刑期の長さを考慮すると、主文の刑に処するのが相当である。 社会復帰後の被告人に福祉的措置等が十分に機能することも期待しつつ、主文のとおり判決する。 (求刑懲役6年、弁護人の科刑意見懲役4年10月)令和7年5月20日札幌地方裁判所刑事第3部 裁判長裁判官渡邉史朗 裁判官西功 裁判官小松美緖

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