昭和61(あ)848 公務執行妨害、傷害

裁判年月日・裁判所
平成元年3月10日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 福岡高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  弁護人山口紀洋、同建部明、同内山成樹の上告趣意第一点は、憲法三一条違反を いうが、実質は単なる法令違反の主張であり、同

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判決文本文1,324 文字)

主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  弁護人山口紀洋、同建部明、同内山成樹の上告趣意第一点は、憲法三一条違反を いうが、実質は単なる法令違反の主張であり、同第二点は、判例違反をいうが、原 判決は、共謀共同正犯における共謀の意義について、所論のような趣旨の判示をし たものではないから、前提を欠き、同第三点は、憲法三一条違反をいうが、実質は 単なる法令違反、事実誤認の主張であり、同第四点は、判例違反をいうが、所論引 用の判例は、事案を異にし本件に適切でないから、いずれも刑訴法四〇五条の上告 理由に当たらない。  なお、公務執行妨害罪の成否に関する所論にかんがみ検討すると、原判決の認定 によれば、熊本県議会公害対策特別委員会委員長Aは、同委員会の議事を整理し、 秩序を保持する職責を有するものであるが、昭和五〇年九月二五日同委員会室で開 催された委員会において、水俣病認定申請患者協議会代表者から陳情を受け、その 事項に関して同委員会の回答文を取りまとめ、これを朗読したうえ、昼食のための 休憩を宣するとともに、右陳情に関する審議の打切りを告げて席を離れ同委員会室 西側出入口に向かおうとしたところ、同協議会構成員らが右打切りに抗議し、その うちの一名が、同委員長を引きとめるべく、その右腕などをつかんで引つ張る暴行 を加え、同委員長がこれを振り切つて右の出入口から廊下に出ると、右構成員らの 一部や室外で待機していた同協議会構成員らも加わつて合計約二、三〇名が、同委 員長の退去を阻止すべく、同委員長を取り囲み、同委員会室前廊下などにおいて、 同委員長に対し、押す、引くなどしたばかりか、体当たりし、足蹴りにするなどの 暴行を加えたというのである。右の事実関係のもとにおいては、A委員長は、休憩 宣言により職務の執行を終えたものではなく、休憩宣言後も、 に対し、押す、引くなどしたばかりか、体当たりし、足蹴りにするなどの 暴行を加えたというのである。右の事実関係のもとにおいては、A委員長は、休憩 宣言により職務の執行を終えたものではなく、休憩宣言後も、前記職責に基づき、 - 1 - 委員会の秩序を保持し、右紛議に対処するための職務を現に執行していたものと認 めるのが相当であるから、同委員長に対して加えられた前記暴行が公務執行妨害罪 を構成することは明らかであり、これと同旨の原判断は正当である(最高裁昭和五 一年(あ)第三一〇号同五三年六月二九日第一小法廷判決・刑集三二巻四号八一六 頁参照)。  よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、 主文のとおり決定する。   平成元年三月一〇日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    角   田   禮 次 郎             裁判官    大   内   恒   夫             裁判官    佐   藤   哲   郎             裁判官    四 ツ 谷       巖             裁判官    大   堀   誠   一 - 2 -

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