19む136岡山地裁平成19・4・16316条の15第1項4号,5号ロ,6号,316条の20第1項棄却 主文 本件申立てをいずれも棄却する。 理由 第1 申立ての趣旨及び理由本件申立ての趣旨及び理由は,弁護人両名連名作成の平成19年3月7日付け裁定申立書,同連名作成の同月15日付け上申書,弁護人A作成の同年4月2日付け裁定申立書の補正書に各記載のとおりであるから,これらを引用する。 第2 当裁判所の判断 1 被害者の病状(本件傷害に関するもの以外に,被害者の精神,身体の全ての病気に関するもの,薬物濫用歴,入通院歴,事件当時服用していた薬物の種類及び量に関するもの)に関して作成された診断書,供述録取書,電話聴取書,照会回答書,捜査報告書等(既に開示されたものを除く。)(以下,「本件1の証拠」という。)について(1) 弁護人らは,本件1の証拠は,要するに,被害者の検察官調書(検6号証,立証趣旨は「強姦の被害状況」)の証明力を判断するために重要であり,被告人の防禦の準備のために必要不可欠であるから,刑訴法316条の15第1項4号又は6号の類型の証拠として開示されるべきである旨主張する。 しかし,被害者の精神,身体の全ての病気に関する被害者の病状,薬物濫用歴,入通院歴,事件当時服用していた薬物の種類及び量といった事項は,一般的に,上記立証趣旨のもとにおける被害者供述の信用性判断を直接左右するものではないから,本件1の証拠は,上記被害者の検察官調書(検6号証)の証明力を判断するために重要な証拠であるとは認められない。そうすると,本件1の証拠は,刑訴法316条の15第1項4号又は6号の要件を満たさないというべきである。 (2) 次に,弁護人らは,被害者供述の信用性を争い,被害者が,精神的に病 とは認められない。そうすると,本件1の証拠は,刑訴法316条の15第1項4号又は6号の要件を満たさないというべきである。 (2) 次に,弁護人らは,被害者供述の信用性を争い,被害者が,精神的に病的な状態にあり,精神薬系の薬物を常用し,言動にも異常な点があったことを証明予定事実として主張しているから,本件1の証拠は,刑訴法316条の20第1項の主張関連証拠として開示されるべきである旨主張する。 しかし,弁護人ら主張の証明予定事実は,仮にそれが立証されたとしても,平成18年10月30日付け公訴事実(強姦致傷の事実)について弁護人が争っている被害者供述の信用性判断を直接左右するものではないから,本件1の証拠は,被害者供述の信用性を争う旨の弁護人の主張と関連しないか,あるいは,関連性の程度は著しく低く,被告人の防禦の準備のために必要であるとは認められない。そうすると,本件1の証拠は,刑訴法316条の20第1項の要件も満たさないというべきである。 2 被害者及びB(被害者の内縁の夫)の前科,前歴,職歴その他の行状に関する書面,すべての警察官調書,検察官調書,捜査報告書(既に開示されたものを除く。)(以下「本件2の証拠」という。)について(1) 弁護人らは,本件2の証拠は,上記の被害者の検察官調書(検6号証),Bの警察官調書(検18号証,立証趣旨は「被害者との関係及び強姦被害後の被害者の言動」)の証明力を検討するために重要であり,被告人の防禦の準備のために必要であるから,刑訴法316条の15第1項5号ロ又は6号の類型の証拠として開示されるべきであると主張する。 しかし,一般的にみて,被害者及び被害者の内縁の夫の前科,前歴,職歴その他の行状が,上記のとおりの立証趣旨のもとにおける同人らの供述の信用性判断に直接影響を与えることはないから あると主張する。 しかし,一般的にみて,被害者及び被害者の内縁の夫の前科,前歴,職歴その他の行状が,上記のとおりの立証趣旨のもとにおける同人らの供述の信用性判断に直接影響を与えることはないから,本件2の証拠は,上記被害者の検察官調書(検6号証)及びBの警察官調書(検18号証)の信用性を判断するために重要であるとは認められない。そうすると,本件2の証拠は,刑訴法316条の15第1項5号ロ又は6号の要件を満たさないというべきである。 (2) 次に,弁護人らは,被害者供述の信用性を疑わせる事情として,被害者に「店外デート」を伴う仕事に従事していた経歴があったこと,被害者が覚せい剤の売人と目される人物との交際があった可能性が窺われることを立証する予定であると主張しているから,本件2の証拠は,刑訴法316条の20第1項の主張関連証拠として開示されるべきである旨主張する。 しかし,弁護人ら主張の証明予定事実は,仮にそれが立証されたとしても,被害者供述の信用性判断に直接影響を与えるものではないから,本件2の証拠は,被害者供述の信用性を争う旨の弁護人の主張と関連しないと認められる。 そうすると,本件2の証拠は,刑訴法316条の20第1項の要件も満たさないというべきである。 第3 結論よって,本件申立ては理由がないから,いずれも棄却することとし,刑訴法316条の26第1項により,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・白神文弘,裁判官・上寺誠,裁判官・長谷川武久)
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