平成30(わ)37 傷害致死,傷害

裁判年月日・裁判所
平成31年3月1日 大阪地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-88566.txt

判決文本文1,822 文字)

主文 被告人両名をそれぞれ懲役10年に処する。 被告人両名に対し,未決勾留日数中各300日をそれぞれその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人両名は,当時のA(分離前の相被告人)方である大阪府箕面市ab丁目c番d団地e棟f号室で,同人の実子であるB(当時4歳)及びC(当時2歳)と同居していたものであるが,Aと共謀の上,第1 平成29年12月中旬頃から同月24日午後5時23分頃より前までの間,同所において,Bに対し,その側腰部等を拳骨,平手等で多数回殴打するなどの暴行を加え,よって,同人に全治約2週間以内の側腰部打撲等の傷害を負わせ,第2 平成29年12月24日午後5時23分頃から同月25日午前2時11分頃までの間に,同所において,Bに対し,その腹部を拳骨で殴打する暴行を加え,同人に腸間膜挫裂の傷害を負わせ,よって,同日午前3時25分頃,大阪府内の病院において,前記傷害に基づく腹腔内出血により死亡させ,第3 平成29年12月中旬頃から同月25日までの間,同所又はその周辺等において,Cに対し,その顔面,腹部等を拳骨,平手等で多数回殴打するなどの暴行を加え,よって,同人に少なくとも全治約1週間を要する多発打撲等の傷害を負わせた。 (法令の適用)罰条判示第1及び第3の所為いずれも包括して刑法60条,204条判示第2の所為刑法60条,205条刑種の選択判示第1及び第3の罪いずれも懲役刑を選択 併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の処理刑事訴訟法181条1 併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の処理刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)本件は,4歳と2歳の被害者2名とその母親であるAとともにA方で同居していた被告人両名が,Aと共謀の上,被害者両名に対して判示の各犯行に及んだ児童虐待の事案であるところ,被告人両名は,Aの指示をきっかけとして,被害者両名に対し,多数の皮膚変色が生じる程度の強い力により,少なくとも約1週間にわたって,顔面や腹部,側腰部等を拳骨や平手で殴るなどの暴行を加えた上,Bに対しては,平成29年12月24日の夜に,被告人両名又はそのいずれかが,仰向けになったBの腹部を複数回殴って死亡させており,その殴る強度には腸間膜と大網に挫裂を生じさせるほどのものがあったのであって,その態様は悪質である(もっとも,Bに致命傷を生じさせた暴行がいずれの被告人によるものかは,証拠上明らかでない。)。 被害者両名は身体の各所にそれぞれ判示の傷害を負い,Bは同日夜の暴行による腸間膜挫裂に基づく腹腔内出血によって死亡したのであるが,その受けた肉体的苦痛はもとより,被告人らから日常的に暴行を受ける恐怖といった精神的苦痛もまた大きかったとみられる。 被告人両名は,当初はAの指示に起因して暴行を開始したものであるが,その指示を受け入れないことも可能であったし,指示がなくても各自が暴行を加えることもあったところである。 以上によれば,被告人Dが,他の共犯者に暴行を指示したことはなく,また,被告人Eに比すれば暴行の回数が少なかったとうかがわれることなどを踏まえても,本件が,被告人両名いずれの関係ででも,傷害致死を処断罪とする同種事案の中で重 の共犯者に暴行を指示したことはなく,また,被告人Eに比すれば暴行の回数が少なかったとうかがわれることなどを踏まえても,本件が,被告人両名いずれの関係ででも,傷害致死を処断罪とする同種事案の中で重い部類に属することは否定し難い。 他方,被告人Eの提案により被告人両名が犯行後数時間で警察に出頭したこと,各被告人なりに判示の各事実を認めて反省の態度を示していること,被告人Eにつき内妻が情状証人として出廷したこと,被告人Dにつき情状証人として出廷した父親が今後の生活の支援をする旨述べていることといった酌むことができる事情もそれぞれ認められる。 そこで,被告人両名に対して,いずれも主文の刑に処するのが相当であると判断した。 (求刑被告人両名につきそれぞれ懲役12年)平成31年3月7日大阪地方裁判所第6刑事部 裁判長裁判官大寄淳 裁判官海瀬弘章 裁判官藤 﨑 彩菜

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る