平成23(行ケ)10222 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成24年3月7日 知的財産高等裁判所 4部 判決 請求棄却
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判決文本文8,538 文字)

平成24年3月7日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成23年(行ケ)第10222号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成24年2月22日判決原告株式会社コスメック被告パスカルエンジニアリング株式会社同訴訟代理人弁理士深見久郎森田俊雄吉田昌司荒川伸夫佐 々 木眞人高橋智洋 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が無効2010-800236号事件について平成23年6月8日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,下記1のとおりの手続において,被告の下記2の本件発明に係る特許に対する原告の特許無効審判の請求について,特許庁が同請求は成り立たないとした別紙審決書(写し)の本件審決(その理由の要旨は下記3のとおり)には,下記4のとおりの取消事由があると主張して,その取消しを求める事案である。 1 特許庁における手続の経緯 (1) 本件特許(甲3)被告は,平成20年2月15日,発明の名称を「クランプ装置」とする特許出願(特願2008-34921号)をし,平成21年4月24日,設定 庁における手続の経緯 (1) 本件特許(甲3)被告は,平成20年2月15日,発明の名称を「クランプ装置」とする特許出願(特願2008-34921号)をし,平成21年4月24日,設定の登録(特許第4297511号)を受けた(以下,この特許を「本件特許」という。)。 (2) 原告は,平成22年12月20日,本件特許に係る発明について,特許無効審判を請求し(甲4),無効2010-800236号事件として係属した。 (3) 特許庁は,平成23年6月8日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との本件審決をし,同月16日,その謄本が原告に送達された。 2 本件発明の要旨本件審決が判断の対象とした特許請求の範囲の請求項1の記載は,以下のとおりである。なお,文中の「/」は,原文の改行箇所である。以下,特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を「本件発明」といい,本件発明に係る明細書(甲3)を,図面を含めて「本件明細書」という。 ワークの穴に挿入されて穴の内周面をグリップ可能な環状のクランプ部材であるグリップ部材と,このグリップ部材に内嵌係合させたテーパ軸部を有するクランプロッドと,前記グリップ部材とクランプロッドとを軸心方向へ進退駆動可能な流体圧シリンダと,前記グリップ部材とクランプロッドと流体圧シリンダとが付設される上部本体部材及び下部本体部材とを有するクランプ装置において,/前記上部本体部材に形成されワークを着座させる着座面と,/前記流体圧シリンダによりクランプロッドを介してグリップ部材をクランプ方向へ駆動してワークを着座面に着座させた状態におけるクランプ不良を検出するクランプ不良検出手段と,/前記クランプ部材と一体的に流体圧シリンダの軸心方向へ移動する連動部材とを備え,/前記クランプ不良検出手段は,前記クランプ部 に着座させた状態におけるクランプ不良を検出するクランプ不良検出手段と,/前記クランプ部材と一体的に流体圧シリンダの軸心方向へ移動する連動部材とを備え,/前記クランプ不良検出手段は,前記クランプ部材がクランプ方向限界位置又はその近傍位置まで移動したときに前記連動部材により開弁操作される弁機構と,この弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路とを有することを特徴とするクランプ装置 3 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は,要するに,①本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1の記載は,いわゆる明確性の要件(特許法36条6項2号)及びサポート要件(同項1号)に違反するものではなく,②本件発明について,いわゆる実施可能要件(同条4項1号)に違反するものでもないので,本件発明に係る本件特許を無効にすることができない,というものである。 4 取消事由明確性の要件に係る判断の誤り第3 当事者の主張〔原告の主張〕(1) 「弁機構の入力側」の意義についてア本件発明の弁機構は,「連動部材により開弁操作される弁機構」であるところ,「操作」とは,一般的に,「(機械などを)あやつって働かせること。」を意味するものである(甲7)。 また,「弁機構の入力側」における「入力」とは,一般的に,「機械・通信機・計算機その他の装置やシステムに,外部から動力または情報を与えること。また,その動力または情報。インプット。」を意味するものである(甲7)。 さらに,本件発明は,通信機や電子計算機の発明とは異なり,機械の分野に属する発明であるから,「入力」についても,機械の分野における技術常識に基づいて解釈すべきであるところ,機械工学便覧(甲8)及び空気圧基礎技術入門(甲9)によれば,弁に流体が供給される側は「入口」の用語が使用されており,本件発 」についても,機械の分野における技術常識に基づいて解釈すべきであるところ,機械工学便覧(甲8)及び空気圧基礎技術入門(甲9)によれば,弁に流体が供給される側は「入口」の用語が使用されており,本件発明で用いられている「入力」の用語は使用されてない。 イ本件発明の特許請求の範囲について,単に「入口」という用語を用いるのではなく,あえて「入力側」と特定した以上,それなりの技術的意義や理由が存在すると解するのが相当である。しかし,本件発明における「弁機構の入力側」の意味は不明確であるのみならず,「入力」の意味について,本件明細書において具体的 に定義されているものでもない。 また,本件明細書の記載によれば,本件発明において,エア通路の下端部から下方へ供給された加圧エアは弁機構の弁板(弁部材)の上側に作用し,環状受圧部材(連動部材)の係止鍔の開弁用操作力も弁板(弁部材)の上側に作用するものであるから,弁機構において,開弁用操作力が作用する側と加圧エアが作用する側とは,いずれも上側である。 さらに,本件発明の特許請求の範囲において,「弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路」と特定されているところ,上記特定部分は,用語の一般的な意味や当業者の技術常識を考慮すると,「弁機構に開弁用操作力が作用する側に加圧エアを供給するエア通路」を意味すると解されるから,弁機構においても,開弁用操作力が作用する側と加圧エアが作用する側とは同じ側であることは明らかである。 そうすると,本件発明の特許請求の範囲において,「入力側」について「開弁用操作力が作用する側」であると解釈しても,本件明細書の発明の詳細な説明の記載と矛盾するものではない。 なお,被告は,本件発明の「弁機構」は,「加圧エア」のリークによる圧力低下によって「クランプ不良」を検出する「 側」であると解釈しても,本件明細書の発明の詳細な説明の記載と矛盾するものではない。 なお,被告は,本件発明の「弁機構」は,「加圧エア」のリークによる圧力低下によって「クランプ不良」を検出する「クランプ不良検出手段」の一要素であることから,「弁機構の入力側」に供給されるのは,「クランプ不良」を検出するための媒体たる「加圧エア」であるなどと主張するが,本件発明において,加圧エアの圧力が低下するのは弁機構が開弁操作されるからであり,開弁操作が行われない場合にはクランプ不良を検出できないことは明らかであって,「弁機構が開弁操作される」旨の構成を無視して「クランプ不良検出手段」を解釈しようとする被告の主張は,失当である。 ウ本件審決は,弁機構には,一般に入力側,出力側があることは技術常識であり,また,弁機構は流体の流れを制御するためのものであるから,「弁機構の入力側」とは,一般に流体の「入力側」と解されるとするが,これは,弁機構によって制御される流体の入口と,その弁機構を開き,操作する力の入力側とを混同したも のであって,明らかに誤りである。 そして,本件発明における「入力側」については,本件審決が認定し,被告が主張するとおり「加圧エアが供給される入口」であると理解する余地も残されている以上,少なくとも2つの解釈が存在することになる。 エ米国特許第3456955号明細書(甲1)及び米国特許第3674280号明細書(甲2)にそれぞれ記載されている発明(以下,「甲1発明」及び「甲2発明」という。)は,いずれも本件発明と実質的に同一の構成を有しているところ,本件発明の「弁機構の入力側」を「加圧エアが供給される入口」と解釈すると,甲1発明及び甲2発明は,いずれも本件発明の技術的範囲に属することになるが,「開弁操作力が作用する側」と解釈 しているところ,本件発明の「弁機構の入力側」を「加圧エアが供給される入口」と解釈すると,甲1発明及び甲2発明は,いずれも本件発明の技術的範囲に属することになるが,「開弁操作力が作用する側」と解釈すると,本件発明の技術的範囲に属さないことになる。このように,本件発明において,「弁機構の入力側」の意味をどのように解釈するかによって,その技術的範囲が変動するものであるから,本件発明は,一義的に特定できないものというほかない。 したがって,本件発明は,第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるというべきである。 (2) 小括以上からすると,本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1の記載は,いわゆる明確性の要件を充足するものではないから,本件審決は取消しを免れない。 〔被告の主張〕(1) 「弁機構の入力側」の意義についてア 「入力」により供給されるのは,「力」に限定されるものではない(甲7)。 「入力」とは,物理的な「力」とは全く関係のない「情報」を供給する場合をも含む概念であるから,「入力側」を「力が入る側」に無理に限定解釈しようとする原告の主張は失当である。 イ本件発明の「弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路」について,その文言どおりに解釈すれば,「弁機構の入力側」とは,「加圧エアを供給するエア 通路がある側」を意味するものと理解されるのであって,「開弁操作力が入力される側」などと解釈する必要はない。 本件発明の「弁機構」は,「加圧エア」のリークによる圧力低下に基づいて「クランプ不良」を検出する「クランプ不良検出手段」の一要素であり,「弁機構の入力側」に供給されるのは,「クランプ不良」を検出する媒体たる「加圧エア」であるから,当業者の技術常識及び本件明細書の記載をふまえて解釈すれば,本件発明の「弁機構 出手段」の一要素であり,「弁機構の入力側」に供給されるのは,「クランプ不良」を検出する媒体たる「加圧エア」であるから,当業者の技術常識及び本件明細書の記載をふまえて解釈すれば,本件発明の「弁機構の入力側」は,「加圧エアを供給するエア通路がある側」であることは明白である。「弁機構の入力側」について,「開弁操作力が入力される側」などと解釈すると,「クランプ不良検出手段」が技術的に全く意味のないものとなる。 明確性の要件は,発明全体として明確か否かを判断すべきものであって,原告は,恣意的に抜き出した請求項の一部の記載のみについて不明確であると主張するものにすぎず,その前提自体が誤りである。 ウ本件特許に係る出願当初の明細書(乙1)にも,本件明細書にも,「発明の詳細な説明」の欄に,「入力側」の文言は明記されておらず,そのほか,「入力側」との文言に,特別な技術的意義を持たせるような記載は存在しない。 エしたがって,本件発明における「弁機構の入力側」の意味は明確であって,2種類の意味に解釈される余地はない。 原告は,本件明細書の記載によれば,「加圧エアの入力側」と「開弁操作力の入力側」とは,「同じ側」であると主張するものであるが,「弁機構の入力側」における2つの解釈に基づく「入力側」がいずれも「同じ側」であるならば,「入力側」として「2つの解釈」が成り立つ余地はない。 なお,原告指摘の甲1発明及び甲2発明は,いずれも本件発明と基本的構成自体が異なるものであって,本件発明と実質的に同一ですらない。 (2) 小括以上からすると,本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1の記載は明確であって,いわゆる明確性の要件を充足するものである。 第4 当裁判所の判断 1 本件発明について(1) 本件明細書の記載について本件発明の特 許請求の範囲の請求項1の記載は明確であって,いわゆる明確性の要件を充足するものである。 第4 当裁判所の判断 1 本件発明について(1) 本件明細書の記載について本件発明の特許請求の範囲は,前記第2の2に記載のとおりであるところ,本件明細書(甲3)の「弁機構の入力側」に関する記載を要約すると,以下のとおりとなる。 ア本件に係る発明は,クランプ不良を検出するクランプ不良検出手段を設けたクランプ装置に関するものであるところ,特にワークの穴にグリップ部材のグリップ爪を係合させて着座面の方へ引き付けることでワークをクランプするクランプ装置に好適なものである【0001】)。クランプ装置において,ワークを固定した際,所期の着座面に正しく着座した状態で固定されたのか否かを検出するために,着座面に着座センサを設けることが一般的である(【0003】)。 本件に係る発明は,ワークを着座面に着座させた状態におけるクランプ不良を確実に検出可能とすることを目的とするものである(【0007】)。 イクランプ不良を検出するためのクランプ不良検出機構は,図4ないし図6に示すように,エア通路①の下方において下部本体部材の上端部に浅い円形凹部①が形成されるとともに,上部本体部材の下面には円形凹部①に対向する非常に浅い円形凹部②が形成されている。この2つの円形凹部にエア通路②を開閉する円形の弁板(弁部材)が装着され,その下面側には弁板を上方へエア通路②を閉じる位置に付勢するOリング(弁付勢部材)が装着されている。エア通路①から延びるエア通路②が形成され,弁板の上面側に加圧エアが供給されている(【0048】)。 ウ本件発明は,円形凹部②を形成したので,グリップ部材が下限位置(クランプ方向限界位置)まで退入し,環状受圧部材が下限位置まで下降 され,弁板の上面側に加圧エアが供給されている(【0048】)。 ウ本件発明は,円形凹部②を形成したので,グリップ部材が下限位置(クランプ方向限界位置)まで退入し,環状受圧部材が下限位置まで下降したときには,環状受圧部材の係止鍔が弁板に当接して弁板を下方にエア通路②を開ける位置に押動するようになっている(図6参照)。環状受圧部材が下限位置まで下降しない状態では,エア通路②の下端が弁板とOリングとを含む弁機構によって閉じられている ため,着座センサが正常に作動する。しかし,クランプ不良により,環状受圧部材が最大限下降して係止鍔が弁板を下方へ押した場合には,弁機構が開弁して,エア通路②の加圧エアが収容穴を通じて開口穴へとリークするため,エア通路①及び②のエア圧が上昇しなくなる(【0049】)。 (2) 本件発明における「弁機構の入力側」の意義についてア本件発明は,「弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路とを有する」ものであるから,その文言上からも,弁機構に「加圧エアを供給するエア通路」がある側が,「入力側」であるということができる。 イしかも,前記(1)のとおり,本件明細書には,「エア通路②を開閉する円形の弁板(弁部材)が装着され,…エア通路①から延びるエア通路②が形成され,弁板の上面側に加圧エアが供給されている。」「クランプ不良により,環状受圧部材が最大限下降して係止鍔が弁板を下方へ押した場合には,弁機構が開弁して,エア通路②の加圧エアが収容穴を通じて開口穴へとリークするため,エア通路①及び②のエア圧が上昇しなくなる。」と記載されているのであって,本件発明は,クランプ不良があれば,供給した加圧エアが不良部分からリークして圧力が低下することによって,当該クランプ不良が検出されるものであって,エア通路①及び②は,弁機 記載されているのであって,本件発明は,クランプ不良があれば,供給した加圧エアが不良部分からリークして圧力が低下することによって,当該クランプ不良が検出されるものであって,エア通路①及び②は,弁機構にその加圧エアを供給するものでなくてはならないということができる。 ウまた,本件発明は,「連動部材により開弁操作される弁機構」を有するところ,前記(1)のとおり,本件明細書には,「円形凹部②を形成したので,グリップ部材が下限位置(クランプ方向限界位置)まで退入し,環状受圧部材が下限位置まで下降したときには,環状受圧部材の係止鍔が弁板に当接して弁板を下方にエア通路②を開ける位置に押動するようになっている(図6参照)。」と記載されているのであって,本件発明において,弁板をエア通路②を開ける位置に押動させるものは,環状受圧部材の係止鍔であるから,弁板を具備する弁機構を開き操作させる部材は,係止鍔等を具体的構成とする連動部材であるといわなければならない。 そうすると,本件明細書における弁機構の具体的な構成並びに作用及び機能に係 る記載を考慮してみても,本件発明では,弁機構に「加圧エアを供給するエア通路」を有する側が「入力側」であるということができる。 エしたがって,本件発明における「弁機構の入力側」については,「加圧エアを供給するエア通路がある側」を意味することが明確であって,これを「開弁操作力が作用する側」と解釈し得る余地はない。 オこの点について,原告は,「入力」の一般的な意味は,「機械・通信機・計算機その他の装置やシステムに,外部から動力または情報を与えること。また,その動力または情報。インプット。」であり,機械の分野における各種文献では,弁に流体が供給される側は「入口」の用語が使用されているところ,本件発明の特許請求の範囲に 力または情報を与えること。また,その動力または情報。インプット。」であり,機械の分野における各種文献では,弁に流体が供給される側は「入口」の用語が使用されているところ,本件発明の特許請求の範囲において,あえて「入力側」と特定する以上,それなりの技術的意義や理由が存在すると解されるから,本件審決の判断は,弁機構によって制御される流体の入口とその弁機構を開き操作する力の入力側とを混同したものであるなどと主張する。 しかしながら,本件明細書における前記(1)の記載からすると,本件発明の「弁機構の入力側」について,「開弁操作力の入力側」と解釈する根拠は本件明細書には存在しないものというほかなく,前記のとおり,「加圧エアを供給するエア通路がある側」を意味することは明確である。 なお,「弁機構の入力側」に入力されるのは,原告主張の「力」に限定されるものではなく,弁機構に加圧エアが供給されることも入力にほかならないから,「弁機構の入力側」を「開弁操作力の入力側」と解釈しなければならないものではない。 そもそも,本件発明は,リークにより加圧エアの圧力が低下することによってクランプ不良を検出するものであるから,「弁機構の入力側」を「開弁操作力が入力される側」と解すると,かえって,加圧エアが弁機構の開弁操作力が入力される側に供給されることとなり,「クランプ不良検出手段」の構成が不明確となるとともに,その作用・機能が得られないものとならざるを得ない。本件明細書において,「入口」との用語ではなく,「入力側」との用語が用いられているが,特別の作用や機 能に係る記載もないことからすると,「入力側」の用語を用いたこと自体について,何らかの技術的意義を有するものと解することはできないし,少なくとも,その程度に記載された「入力側」との用語をもって,本件発明の る記載もないことからすると,「入力側」の用語を用いたこと自体について,何らかの技術的意義を有するものと解することはできないし,少なくとも,その程度に記載された「入力側」との用語をもって,本件発明の作用効果それ自体を否定するような解釈をすることはできない。 原告の主張は,要するに,「入力側」の意義につき,独自の見解に立って,明確でないというにすぎず,これを採用することはできない。 (3) 小括以上からすると,本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1の記載がいわゆる明確性の要件を充足するものであることは明らかであって,原告主張の取消事由は理由がないというほかはない。 2 結論以上の次第であるから,原告の請求は棄却されるべきものである。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官滝澤孝臣 裁判官井上泰人 裁判官荒井章光

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