主文 被告人を懲役3年に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 押収してある文化包丁1本(平成16年押第10号の1)を没収する。 訴訟費用は全部被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 神戸市a区b町c番地の県営d鉄筋e号棟f号室に居住し,自室真上のg号室から聞こえてくる子供の足音などの物音が気になり,不快に思っていたものであるが,平成15年11月15日午後9時ころ,上記g号室から物音がしたため,同室に赴いて静かにするよう注意したにもかかわらず,再び物音がしたことに立腹し,再度同室に赴き,静かにするよう声を荒げて注意したところ,その様子を聞いて駆けつけた自室北隣のh号室に居住するA及びその妻と口論となり,両名から,「集合住宅やからしゃあないやろ。」,「ちょっと位辛抱せんかえ。」,「そんなうるさい言うんやったら出て行かんかえ。」などと言われたことから,若いAらに自分の面子を潰されたと感じて憤慨し,Aを包丁で刺そうと決意し,同月16日午後3時48分ころ,上記h号室のA方に赴き,応対に出たA(当時34歳)に対し,上記h号室前通路において,「昨日,出て行け言うたやろ。」,「お前からけんか売ってきたんじゃ。」,「わしらのけんかは命の取り合いなんじゃ。」などと怒号した上,Aが死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,右手に持った文化包丁(刃体の長さ約17センチメートル,平成16年押第10号の1)を振り上げ,Aの胸部を目掛けて振り下ろし,さらに,「ぶっ殺したる。」などと怒号しながら,Aの左胸部及び腹部を目掛けて上記文化包丁を数回突き出すなどしたが,A チメートル,平成16年押第10号の1)を振り上げ,Aの胸部を目掛けて振り下ろし,さらに,「ぶっ殺したる。」などと怒号しながら,Aの左胸部及び腹部を目掛けて上記文化包丁を数回突き出すなどしたが,Aが被告人の右手を掴むなどして激しく抵抗したため,Aに加療約6か月間を要する左手第3指切創等の傷害を負わせたに止まり,殺害するに至らなかった第2 業務その他正当な理由による場合でないのに,同月16日午後3時48分ころ,上記h号室前通路において,刃体の長さ約17センチメートルの上記文化包丁1本を携帯したものである。 (証拠の標目)―括弧内は証拠等関係カードの検察官請求証拠番号省略(補足説明) 1 弁護人は,判示第1の事実について,被告人は被害者に対する殺意を有していなかったから,傷害罪が成立するに止まる旨主張し,被告人も当公判廷において殺意はなかった旨供述し,他方,検察官は,公訴事実においては,被告人は被害者に対する確定的な殺意を有していたものとするところ,当裁判所は,被告人は被害者に対する未必の殺意を有していたものであり,殺人未遂罪が成立すると認定したので,以下その理由を補足して説明する。 2 まず,関係各証拠によれば,以下の各事実が認められる。 (1) 被告人は,県営d鉄筋e号棟f号室に居住し,自室真上のg号室から聞こえてくる子供の足音などの物音が気になり,不快に思っていたものであるが,平成15年11月15日午後9時ころ,上記g号室から物音がしたため,同室に赴いて静かにするよう注意したにもかかわらず,再び物音がしたことに立腹し,再度同室に赴き,静かにするよう声を荒げて注意したところ,その様子を聞いて駆けつけた自室北隣のh号室に居住するA(以下「被害者」という。)及びその妻のBと口論となり,両名から,「集合住宅やからしゃあないやろ。 赴き,静かにするよう声を荒げて注意したところ,その様子を聞いて駆けつけた自室北隣のh号室に居住するA(以下「被害者」という。)及びその妻のBと口論となり,両名から,「集合住宅やからしゃあないやろ。」,「ちょっと位辛抱せんかえ。」,「そんなうるさい言うんやったら出て行かんかえ。」などと言われて,「出て行けとは何ぞ。」などと大声で怒鳴りながら,被害者らに掴みかかろうとしたが,周りの者らが間に入って止めたためその場はおさまったものの,自室に戻ってあれこれ考えるうち,若い被害者らに自分の面子を潰されたと感じて憤慨し,明日被害者を包丁で刺してやろうなどと思うに至った。 (2) 被告人は,翌16日になっても,被害者に対する怒りがおさまらなかったことから,被害者を包丁で刺そうと決意し,自室台所から持ち出した文化包丁(以下「本件包丁」という。)をズボンの左わきの辺りに入れて隠して,上記h号室の被害者方に赴き,応対に出たBに被害者を呼ぶよう伝え,玄関に出て来た被害者に対し,本件に及んだ。 (3) 本件包丁は,刃体の長さが約17センチメートルあり,柄に近い部分の刃が少し欠けているものの,先端部分は尖っていて,これで身体の枢要部を突き刺せば優に人を殺傷することができるものであり,被告人は,本件包丁の性能や形状をよく認識していた。 (4) 被害者は,①左手第3指(掌側付け根部分)と②右手関節にそれぞれ切創を負い,②の切創は軽傷であったが,①の切創は左手第3指・尺側指神経を損傷する長さが約2センチメートルの縫合処置が必要な加療約6か月間を要するものであった。 (5) 被告人は,本件犯行中に本件包丁を妻のCに取り上げられると,更に刃物等による攻撃を加えようとすることなく自室に戻り,その後,臨場した警察官に現行犯逮捕された。 3 本件の犯行態 た。 (5) 被告人は,本件犯行中に本件包丁を妻のCに取り上げられると,更に刃物等による攻撃を加えようとすることなく自室に戻り,その後,臨場した警察官に現行犯逮捕された。 3 本件の犯行態様に関しては,被害者と被告人の供述内容が相反するので,以下において両者の供述の信用性を検討することとする。 (1) まず,被害者である証人Aの当公判廷における供述並びにその検察官調書(甲5―不同意部分を除く。)及び警察官調書(甲3,4―各不同意部分を除く。)(以下これらを併せて「被害者供述」という。)の概要は,以下のとおりである。 ① 被害者が玄関に行き,中から「何や。」と言うと,玄関の外に立っていた被告人が「ええから出てこい。」と言うので,外に出ようとしたところ,右足と上半身が外に出た辺りで,被告人から右腕を引っ張られたため,身体が玄関の外に出た状態となり,玄関ドアが閉まった。 ② 被害者が玄関の外に出ると,被告人は,「昨日,出て行け言うたやろ。」,「お前からけんか売ってきたんじゃ。」,「わしらのけんかは命の取り合いなんじゃ。」などと怒号した上,被害者の右腕を掴んだまま,被告人のズボンの左わきの辺りから右手で本件包丁を取り出して,顔の横ぐらいまで本件包丁を振り上げると,被害者の胸部を目掛けて振り下ろしてきたので,被害者は危ないと思い,左腕を上げてこれを防いだ。 ③ 続いて,被告人が被害者の左胸部及び腹部を目掛けてすごい力で本件包丁を何度か突き出してきたので,被害者は,刺されないようにするため,突き出してきた被告人の右手首付近を手で掴んだり,身体ごとよけたりするなどしたが,その際,被告人が「ぶっ殺したる。」などと怒鳴ったことがあった。 ④ また,その途中で,Cがその場にやって来て,被告人の右腕を掴んだところ,被告人が「おま んだり,身体ごとよけたりするなどしたが,その際,被告人が「ぶっ殺したる。」などと怒鳴ったことがあった。 ④ また,その途中で,Cがその場にやって来て,被告人の右腕を掴んだところ,被告人が「おまえには関係ないんじゃ。すっこんどけ。」などと言って右腕を後ろに引くなどしたため,これを掴んでいた被害者の左手が離れるとともに,被告人の右肘がCの胸に当たって,同女は被告人の後方に横向きに倒れた。 ⑤ 被告人は,Cが転倒した後も,被害者に向かってきたので,被害者が左手を前に出して本件包丁を持った被告人の右手を掴もうとすると,被告人が邪魔だと言わんばかりに本件包丁を振り回すなどしたため,被害者は,これを防いでいた左手の中指に痛いような感触を感じ,その後気付いたときには,ぼたぼたという感じで血が垂れて地面に落ちていた。 ⑥ 被告人は更に被害者に向けて本件包丁を突き出してきたが,そのころには,被害者方の玄関ドアが開いていて,Bが後方から左肩付近を掴んで被害者を玄関内の方に引っ張り,被害者は玄関の中でしゃがみ込む格好になったが,その後も,被告人は,被害者の腹の辺りを目掛けて本件包丁を突き出し,また,Bの方に向かっていく様子を示したため,被害者がこれを止めようとした際,本件包丁で右手首を切られた。 ⑦ 被告人は,その後,Cに引っ張られていったん後に下ったが,Cが手を放すと,また被害者の方に来て,安全靴を履いていた左足で被害者の右上腕部付近を蹴りつけた。 ⑧ 被告人がいなくなった後,被害者は,Bが持ってきたタオルを負傷した左手の中指に巻いて止血し,救急車が来るまで玄関の外に出ないで待ち,救急車が来て玄関の外に出たときも,血が下に垂れることはなかった。 (2) 被害者供述は,その供述間に細部に食い違いがあったり,その証言においては記憶が不確 車が来るまで玄関の外に出ないで待ち,救急車が来て玄関の外に出たときも,血が下に垂れることはなかった。 (2) 被害者供述は,その供述間に細部に食い違いがあったり,その証言においては記憶が不確かになっているところも認められるものの,全体としてみれば,その内容は,具体的で迫真性に富んでおり,そこに格別不自然な点はなく,捜査公判段階を通じおおむね一貫していること,被害者の血液型と同一のO型の血痕が被害者方の玄関内ばかりでなく,玄関の外側の通路やMBドアの外面等にまで付着しているほか,被告人の安全靴(左足)にも付着しているなどの客観的事実ともよく符合していること,また,被害者供述,特にその証言は,記憶のないところはないと供述するものであって,その供述態度にも真摯なものが窺えること,そして,Bの供述内容ともほぼ符合していることなどを考え併せると,被害者供述は十分信用できるというべきである。 (3) これに対し,被告人の公判供述の概要は,①被害者を引っ張り出したのではなく,被害者が自発的に玄関の外に出てきた,②本件包丁をズボンの中から取り出して,「こらあ。」,「刺すぞ。」などと言うと,被害者は,玄関の外と中との境目辺りに座り込んでしまった,③「わしらのけんかは命の取り合いなんじゃ。」,「ぶっ殺したる。」などと言ったことはない,④座り込んでしまった被害者を見て,情けない奴だと思い,刺す気を失ったが,被害者を威嚇するため,被害者に向けて本件包丁を2,3回突き出したところ,本件包丁が被害者の手に当たってしまった,などというものであるが,このような被告人の公判供述は,被害者と同一のO型の血痕が被害者方玄関の外側の通路やMBドアの外面等にまで付着しているという客観的事実と明らかに矛盾していること,Cは,被告人を必死になって止め,左手に負傷しなが 人の公判供述は,被害者と同一のO型の血痕が被害者方玄関の外側の通路やMBドアの外面等にまで付着しているという客観的事実と明らかに矛盾していること,Cは,被告人を必死になって止め,左手に負傷しながら,被告人から本件包丁を取り上げているが,被告人に被害者を刺す気がなく,ただ威嚇するために,本件包丁を2,3回突き出したにすぎないのであれば,Cが上記のような行動を取るとは考え難いこと,被告人は,後記のとおり,捜査段階の当初においては,被害者に対する殺意を認める旨の供述をしていたものであるが,その後,殺意を否定し,更には,被害者を本件包丁で刺すつもりもなかった旨の供述をするなど,その供述内容を自己に有利に変遷させていることなどを考え併せると,被告人の上記公判供述を到底信用することはできないというべきである。 (4) 以上みてきたとおり,被害者供述は信用できるのに対し,被告人の公判供述は信用することができないから,本件の犯行態様に関しては,被害者供述のいうとおりであると認定するのが相当である。 4 殺意についての判断(1) 以上の事実によれば,被告人は,被害者の身体の枢要部である左胸部や腹部を目掛けて,数回にわたり至近距離から,特に手加減することなく,本件包丁を突き出すなどした上,玄関の中でしゃがみ込む格好となり自由に身動きすることが困難となった被害者に対し,更に腹の辺りを目掛けて本件包丁を突き出すなどしたものであって,このような被告人の執拗な刺突行為に対し,被害者が本件包丁を持った被告人の右腕を掴んだり,手を前に出すなどして防御していなければ,本件包丁が被害者の左胸部あるいは腹部に突き刺さっていた可能性は高かったといわざるを得ないし,被告人は被害者が死亡するに至る危険性の高い行為であることを認識しながら,あえてこれを行ったものというこ 本件包丁が被害者の左胸部あるいは腹部に突き刺さっていた可能性は高かったといわざるを得ないし,被告人は被害者が死亡するに至る危険性の高い行為であることを認識しながら,あえてこれを行ったものということができるから,被告人は被害者に対する未必の殺意を有していたものと推認するのが相当である。 (2) この点,検察官は,公訴事実においては,被告人が確定的な殺意を有していたものとし,被告人の弁解録取書(乙3)及び検察官調書(乙10)では,被告人が被害者に対する確定的な殺意を認めるかのような供述をしていることが認められるが,被告人は,本件前夜の被害者夫婦との口論の後から,被害者を包丁で刺してやろうと思っていたものの,その経緯は被告人をして被害者に対する強い殺意を抱かせるまでのものとは思われないこと,被告人は,本件包丁をCに取り上げられた後,被害者に対し更に刃物等による攻撃を加えようとすることなく,自室に戻っていること,上記検察官調書(乙10)においては,被告人は,読み聞け後,確定的な殺意はなく,未必的な殺意を有していたにすぎない旨供述を訂正していることなどを考え併せると,確定的な殺意を認める部分の供述はそのままには信用し難いというべきであるから,被告人が被害者に対して確定的な殺意を有していたとまでは認定することができない。 (3) なお,被告人は,当公判廷において,被害者に対する殺意を認める弁解録取書(乙3)について,訂正できることは分かっていたが,検察官が長い時間を掛けて作成したのに訂正を申し出たらしかられる,パソコンで1回打ったものはもう直せないなどと思って,仕方なく署名したものであるなどと供述するけれども,上記検察官調書(乙10)においては,前記のとおり,被告人が読み聞け後に供述の訂正を申し立て,訂正がなされていることからみても, せないなどと思って,仕方なく署名したものであるなどと供述するけれども,上記検察官調書(乙10)においては,前記のとおり,被告人が読み聞け後に供述の訂正を申し立て,訂正がなされていることからみても,被告人の上記公判供述は信用できないといわざるを得ず,弁解録取書(乙3)をはじめとする被告人の捜査段階における各供述調書等の作成の過程に何ら違法,不当な点が存せず,任意性に疑いを容れるような事情も認められないことからすれば,捜査段階の各供述調書等において,被告人が殺意を認める部分の供述は,未必の殺意を認める限度において,信用することができるというべきである。 (4) 以上のとおりであって,被告人には被害者に対する未必的な殺意があったと認定するのが相当であるから,被告人には殺人未遂罪の成立を認めることができる。 (法令の適用)被告人の判示第1の所為は刑法203条,199条に,判示第2の所為は銃砲刀剣類所持等取締法32条4号,22条にそれぞれ該当するところ,各所定刑中判示第1の罪については有期懲役刑を,判示第2の罪については懲役刑をそれぞれ選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により重い判示第1の罪の刑に同法47条ただし書の制限内で法定の加重をした刑期の範囲内で,被告人を懲役3年に処し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予し,押収してある文化包丁1本(平成16年押第10号の1)は,判示第1の犯行の用に供した物で被告人以外の者に属しないから,同法19条1項2号,2項本文を適用してこれを没収し,訴訟費用については,刑事訴訟法181条1項本文により全部これを被告人に負担させることとする。 (量刑の理由)本件は,被告人が,未必の殺意をもって,同じ県営住宅に住む被害者に 用してこれを没収し,訴訟費用については,刑事訴訟法181条1項本文により全部これを被告人に負担させることとする。 (量刑の理由)本件は,被告人が,未必の殺意をもって,同じ県営住宅に住む被害者に向けて所携の文化包丁を数回突き出すなどしたが,被害者が抵抗したため,被害者に傷害を負わせたに止まり,殺害するには至らなかったという殺人未遂(判示第1)及びその際に上記文化包丁1本を不法に携帯したという銃砲刀剣類所持等取締法違反(判示第2)の事案である。 被告人は,前示の経緯から,本件犯行に及んだものであって,短絡的かつ身勝手な犯行の動機に酌むべき点は乏しいこと,被告人は,一晩考えた上であえて本件犯行に及んでいるのであって,本件は一時の激情に駆られた偶発的な犯行ではないこと,被告人は,自室台所から刃体の長さ約17センチメートルの文化包丁を持ち出し,玄関先に呼び出した被害者の左胸部及び腹部を目掛けて数回にわたって文化包丁を突き出すなどしたものであって,その犯行態様は執拗かつ危険であり,悪質であること,被害者には,このような被害に遭わなければならないまでの落ち度はないところ,文化包丁を手にした被告人に突然襲われ,加療約6か月間を要する左手第3指切創等の傷害を負わされたものであって,被害者の受けた恐怖感,肉体的苦痛は小さくなく,本件後には,負傷した指が以前よりも動かしにくくなるなど,仕事にも支障が生じていたこと,被害者は,後述のとおり,被告人の側から示談金として金150万円を受け取っているものの,その処罰感情は依然として厳しいこと,また,被告人は,本件犯行状況について不合理不自然な弁解をして,自己の刑責を軽減しようとしており,その反省の態度は十分なものとはいえないことなどを考え併せると,犯情は悪く,被告人の刑事責任は重いといわざるを得ない。 しか 状況について不合理不自然な弁解をして,自己の刑責を軽減しようとしており,その反省の態度は十分なものとはいえないことなどを考え併せると,犯情は悪く,被告人の刑事責任は重いといわざるを得ない。 しかしながら,前示のとおり,本件犯行の発端となった被害者夫婦の言動にも多少の言い過ぎがあった面を否定できないこと,殺意は未必的なものにとどまっており,幸いにも被害者は生命に関わるような重い傷害を負わされたわけではないこと,被告人は,被害者に金150万円を支払って示談を成立させていること,被告人は,被害者に反省の手紙を書いたりするなど,それなりに反省の態度を示している上,本件後転居するなど,被害感情の緩和に努めていること,被告人は75歳と高齢であること,被告人の妻が糖尿病を患うなど,その健康状態がよくないこと,被告人にはこれまで禁錮以上の刑に処せられた前科がなく,最終の罰金前科からすでに30年以上が経過していること,本件により7か月近くの期間身柄拘束を受けていることなどの,被告人のために酌むべき事情もまた認められるので,今回は,被告人を主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予することとする。 (検察官の科刑意見懲役6年)よって,主文のとおり判決する。 平成16年6月10日神戸地方裁判所第2刑事部裁判長裁判官森岡安廣裁判官川上宏裁判官酒井孝之
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