昭和29(う)3473 道路交通取締法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和30年5月9日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      当審の訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  本件控訴の趣意は被告人及び弁護人大政満作成の各控訴趣意書の通りであるから

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判決文本文1,696 文字)

主文本件控訴を棄却する。 当審の訴訟費用は被告人の負担とする。 理由本件控訴の趣意は被告人及び弁護人大政満作成の各控訴趣意書の通りであるからこれを引用し、これに対し当裁判所は次のように判断する。 論旨は被告人は居村A中学校教諭としてB科を担任し職業指導のため、自動車運転免許申請中であつたが、同校の行事である臨海学園開設準備のため現地視察に赴く途中、運転の資格を有する同校教諭Cより運転技術の指導を受けながら約五百米を運転したもので単独で運転したのではないと主張する。なるほど原判決挙示の証拠によると被告人が原判示自動車の運転をした際、その傍に運転の資格を有するCが同乗していたことは認められるが、しかしたとえ運転の資格を有する者が傍に同乗していて、その者から運転技術上の指導を受けながら運転したとしても自動車の運転をしたことには変りがないのである。次に論旨は栃木県では自動車の運転の免許申請者が免許を受ける迄の間に練習する場所が定まつていないので、何処でも自由に練習することを認め、試験の時だけ試験場で試験することになつている実情であると主張するが、かかる事実は記録上これを認め得べき証拠がない。更に論旨は道路交通取締法第七条第一項には車馬又は軌道車の操縦者は無謀な操縦をしてはならないと規定し、その第二項において無謀な操縦の定義を掲げているが、無謀操縦を犯罪として処罰する所以のものは、正常安全な操縦ができない危険がある場合ないし正常安全な操縦を怠つている場合の操縦を取締る趣旨であつて、形式的に法令に定められた運転の資格を持たない考の運転であつても、人通りの少い場所での運転、有資格者の指導の下における運転、又は本人の運転能力等を綜合して、かかる正常安全な運転ができない危険がない場合には無謀操縦 定められた運転の資格を持たない考の運転であつても、人通りの少い場所での運転、有資格者の指導の下における運転、又は本人の運転能力等を綜合して、かかる正常安全な運転ができない危険がない場合には無謀操縦には該当しないと主張する。 しかし道路交通取締法第七条第二項においては無謀な操縦とは左の各号の一に該当する行為をいうと規定し、その第一号ないし第五号に列挙した行為を以て無謀な操縦としているのであつて、同項各号の行為はいづれも一般に交通の安全を害し危険発生の虞ある行為であるからこれを禁止しているのであり、同項第二号において法令に定められた運転の資格を持たないで諸車又は軌道車を運転することを無謀な操縦として禁止しているのは、若し法令に定められた運転の資格を有たないで諸車又は軌道車を運転する者があれば、交通上如何なる危険が発生するやも図り難いので、自動車の運転をする者には自動車運転者試験を行い、これに合格した者に対し運転免許証を交付し、この免許証を有する者のみに運転を許可し、以て道路における危険の防止及び交通の<要旨>安全を図らんとするにあるのである。故に法令に定められた運転の資格を持たないで諸車又は軌道車を運転す</要旨>ることは、それ自体交通の安全を害し危険発生の虞ある行為で無謀な操縦なのである。所論のように一、一具体的に正常な運転ができない虞があつたかどうかによつて無謀な操縦であるかどうかを判断すべしとする見解は、結局自動車運転の免許制度を否定すると同様な結果になり賛成し難い。要するに原判決挙示の証拠を綜合すると原判示事実はすべて優にこれを認めることができ、記録を精査するも原判決には所論のような事実誤認ないし法令適用の誤は存しない。論旨はいずれも理由がない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条に則り本件控訴を棄却し、当審の訴訟費用は刑事訴訟法 とができ、記録を精査するも原判決には所論のような事実誤認ないし法令適用の誤は存しない。論旨はいずれも理由がない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条に則り本件控訴を棄却し、当審の訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項本文によりこれを被告人に負担させることとし、主文の通り判決する。 (裁判長判事大塚今比古判事工藤慎吉判事渡辺辰吉)

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