令和7(わ)46 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年7月22日 大分地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-94708.txt

判決文本文2,016 文字)

令和7年7月22日宣告令和7年(わ)第46号入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害被告事件 主文 被告人を罰金100万円に処する。 その罰金を完納することができないときは、1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和4年4月1日から令和5年3月31日までの間、大分市環境部部長として同部の業務を統括し、同市が発注するごみの収集運搬に関する業務委託の指名競争入札における指名業者及び予定価格の決定等の職務に従事していたものであるが、平成29年10月19日から令和5年8月1日までの間、一般廃棄物及び産業廃棄物処理等を目的とする株式会社Aの監査役であるとともに同社の実質的経営者として同社の業務全般を統括していた分離前の相被告人B、同部審議監として清掃事業等に関する事務を統括し同部部長を補佐する職務に従事していたC及び同部清掃業務課課長として同市が発注するごみの収集運搬に関する業務委託について受託者選定等の事務を総括する職務に従事していたDと共謀の上、令和4年7月29日に同市が執行した「西部清掃事業所地域缶・びん収集運搬業務委託(その2)」の指名競争入札に関し、同社に有利な金額で落札させようと考え、被告人、前記C及び前記Dは、それぞれ前記職務に従事するものとして適正に入札等に関する職務を行う義務があるのに、その職務に反し、同年6月10日頃から同月22日頃までの間、同市ab番地c所在の前記Bが実質的に経営する株式会社E営業所にお いて、同人に対し、前記入札における秘密事項である前記業務委託の設計金額が2億1028万8000 から同月22日頃までの間、同市ab番地c所在の前記Bが実質的に経営する株式会社E営業所にお いて、同人に対し、前記入札における秘密事項である前記業務委託の設計金額が2億1028万8000円(税抜き)である旨を教示し、さらに、同月30日頃、同所において、同市福祉保健部次長F及び同部人権・同和対策課課長Gを介し、前記Bに対し、前記入札における秘密事項である選定予定の指名業者名及び前記業務委託の予定価格が2億1028万8000円(税抜き)である旨を記載した書面を交付してそれぞれ教示し、その際、前記Bは、自らの希望する指名業者の選定を要求するなどし、もって偽計を用いるとともに入札等に関する秘密を教示するなどの方法により、公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為を行った。 (量刑の理由)被告人は、本件当時、大分市環境部部長として、競争入札参加者の指名や予定価格の決定に関する事項につき市長名で決裁を行う権限を有していたところ、従前から続く同市とBとの不正な癒着関係を背景に、同市の職員らより上位の立場にあったBが実質的に経営する判示の株式会社Aに有利な金額で落札させるべく、予定価格が2億1028万8000円(税抜き)にもなる同市執行の業務委託に関する指名競争入札において、同市の部下職員らをして、Bに予定価格や指名業者名等を漏示させた上、同人の指名業者の変更要求に応じ、実質的に競争相手が存在しない状況を作り上げ、予定価格の99.91パーセントという高い落札率で同社に落札させたのであって、入札制度やこれに関わる職務の公正を害した程度は大きい。確かに、大分市では、被告人が環境部部長に着任するより前の段階で、前記会社に缶・びんの収集運搬業務委託を落札させる慣行ないし流れが形成されており、Bの指名競争入札に関する不当要求に対して は大きい。確かに、大分市では、被告人が環境部部長に着任するより前の段階で、前記会社に缶・びんの収集運搬業務委託を落札させる慣行ないし流れが形成されており、Bの指名競争入札に関する不当要求に対しては、本来同市が組織的に厳正な対応をとるべきであったことなど、本件犯行の経緯において被告人に酌むべき事情があるとの見方も不合理ではない。しかし、被告人は、前記専決権限を有する部長として、適正に入札等に関する職務を行う義務があったのに、部下職員らのBに対する過剰な配慮に疑問を感じながら、結局は前例踏襲で本件犯行に関与したのであり、入札の公正をないがしろにした意思決定についてその役職に応じた非難は免れない。 以上の諸事情に照らすと、被告人の刑事責任を軽くみることはできないが、Bより下位の立場で本件犯行に関与したことを踏まえると、罰金刑を選択するのが相当である。その上で、被告人が本件犯行を認めて反省の態度を示していることを考慮し、主文の金額を量定した。 (求刑-罰金100万円)令和7年7月22日大分地方裁判所刑事部 裁判長裁判官辛島靖崇 裁判官北島聖也 裁判官小野あゆみ

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る