昭和26(う)3807 住居侵入(不退去)被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年11月6日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴はいづれもこれを棄却する。          理    由  本件控訴の趣旨は末尾に添附した被告人等の弁護人福田力之助提出の控訴趣意書 及び被告人等提出の各控訴趣意書記

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判決文本文1,763 文字)

主文 本件控訴はいづれもこれを棄却する。 理由 本件控訴の趣旨は末尾に添附した被告人等の弁護人福田力之助提出の控訴趣意書及び被告人等提出の各控訴趣意書記載のとおりであつて、これに対し当裁判所は次のとおり判断する。 (一) 弁護人福田力之助の控訴趣意第一点について本件訴訟記録を精査するに原審第一回公判調書の記載によれば、検察官は在廷証人としてA、B、C、D、E、F、Gの各尋問の請求をなしたところ弁護人福田力之助が刑事訴訟法第二百九十九条の規定に違反するとの理由で異議を述べたにも拘らず、裁判官は右異議申立を却下して右証人全部を許可し尋問すると宣した上、直ちに証人A、同B、同C及び同Gを尋問し、弁護人及び被告人等はいずれも右在廷証人に対しては反対尋問を拒絶したことが明らかである。而して刑事訴訟法第二百九十九条が証人の尋問を請求するについては、あらかじめ相手方に対しその氏名及びその住所を知る機会を与ゑなければならぬと規定した所以は、相手方に為いてその証拠調についての態度を決定し、反対尋問を準備し場合によつては反証を集取する等訴訟の発展に対処し得る合理的な時間を与ゑんとするにあるのであるから、検察官からの在廷証人の取調請求に対し弁護人から異議のあつた場合には右証拠調請求を却下せずして単に相当日時を隔てた他の期日にその証拠調をする旨の決定をなすべきものであつてかかる処置を採らずして右異議申立を却下して直ちに在廷証人の尋問をすることは明らかに右法条の目的とする趣旨を没却す<要旨>るものであつて違法たるを免れない。然しながら弁護人及び被告人等は右在廷証人の取調請求があつた場合に</要旨>は反証のない限りその氏名及び住所を知つたものと解すべきであるから、一度在廷証人として採用された者であつても都合によりそ い。然しながら弁護人及び被告人等は右在廷証人の取調請求があつた場合に</要旨>は反証のない限りその氏名及び住所を知つたものと解すべきであるから、一度在廷証人として採用された者であつても都合によりその期日に尋問することがなくして次回期日に続行された場合においては相当日時を経過した次回期日において為されたこれらの証人の尋問の際においては、既に弁護人の側においてその証拠調に対する態度も決し、反対尋問の準備は勿論更に反証の集取をすることも可能な情況にあるものと考えられるからたとえ前回の公判期日における在廷証人尋問の証拠決定が違法であつても次回公判期日における証拠調の際においては刑事訴訟法第二百九十九条の規定の立法趣旨目的が事実上達成されていると認むべきである。従つて右証拠決定の違法は既にこの時において治癒されたものと考うべきである。本件訴訟記録によれば弁護人は昭和二十六年五月二十八日の第一回公判期日において前記在廷証人A、同B、同C、同Gの尋問が終了した後採用になつている証人D、同E、同Fの尋問は次回になされたい旨申立て、検察官の同意を得て裁判官は右申請を許可し、次いで同年六月十八日の第二回公判期日において証人D、同Eの尋問を施行し、弁護人が必要な反対尋問をたしていることが明らかである。 従つてこれらの証人の尋問は前説示に照らし結局適法であると謂うべきであるからその証拠能力はこれを否定すべきものではない。 而して又前記第一回公判期日において在廷証人として尋問した証人A、同B、同C、同Gの各証言についてはこれが第一回公判期日において法廷に顯出されたことは刑事訴訟法第二百九十六条の規定に直接該当するものとは考えられないし、又事件につき裁判官に予断を懐かしめるものとして同法条の趣旨に違反するものと解すべきものでもない。而して原判決は右在廷証人の各証 は刑事訴訟法第二百九十六条の規定に直接該当するものとは考えられないし、又事件につき裁判官に予断を懐かしめるものとして同法条の趣旨に違反するものと解すべきものでもない。而して原判決は右在廷証人の各証言を証拠として援用していないからその違法は判決に影響を及ぼすべき訴訟手続の違背として原判決破棄の理由とはならないものと解するのが相当である。それゆえ論旨は理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事中村光三判事鈴木重光判事野本泰)

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