昭和38(オ)472 審決取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和39年10月23日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人溝上満好の上告理由第一点について。  論旨は、本願商標は図形と文字と

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判決文本文1,774 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人溝上満好の上告理由第一点について。  論旨は、本願商標は図形と文字とが不可分一体をなした商標であるのに、原判決 が図形のみを要部として摘出し、「双キリン」なる明白平易な文字の部分を看過し て引用商標と称呼及び観念の上で類似と判断したのは、判断の遺脱ないし審理不尽 の違法をおかしたものというにある。  しかし、文字と図形と結合した商標でも、つねに両者の間に軽重の差異をつけが たいものではなく、その結合の態様によつて全体の構成中看る者の注意をひきやす い部分とそうでない部分とが存するのであれば、前者をその要部と認めて、その部 分をもつて類否を判定することも、また失当ということはできない。原判決は、本 願商標の図形部分をもつて要部とするのを相当とする理由として、その麟麟の図形 が商標の中央にその大部分を占める程度にきわめて顕著に圧倒的な大きさで描かれ ているから、その図形の上部に「双キリン」の文字が相当肉太にはつきりと表わさ れてはいるが、その全体の構成からいつて、この商標の看者としては、図形の部分 からの印象をもつとも強くうけるものといわざるをえない旨を説示しているのであ つて、その判断は首肯するに足りる。従つて、右図形を本願商標の要部とし、右商 標からは単なる「キリン」印の称呼と「麟麟」の観念を生ずる可能性が多分に存し、 引用商標とその称呼及び観念を共通にする場合を生ずる旨を判定したのをもつて、 所論のように違法とは認めがたく、論旨は採用しがたいものといわなければならな い。  同第二点について。 - 1 -  論旨は、原判決が本願商標と引用商標とがその指定商品について取引上誤認混同 される虞れのあるものと判断したのをもつて、取引界の実状を考慮せ といわなければならな い。  同第二点について。 - 1 -  論旨は、原判決が本願商標と引用商標とがその指定商品について取引上誤認混同 される虞れのあるものと判断したのをもつて、取引界の実状を考慮せず、経験則に 違反し、証拠の解釈を誤つものというにある。  しかし、原判決は、本願商標の指定商品たる綿糸のうち原糸の取引だけをとつて みても、紡績会社から糸商の手を経て加工業者に至るまでの取引関係は相当複雑で その末端ではかなり細分化されていることを、証拠に基づいて認定し、かように複 雑、細分化されてその取引件数も取引関係者も多数、広範囲にわたる末端の取引状 態こそ、商標の誤認混同の虞れの有無の判断についてはむしろ重視せらるべきもの とする見地から、上告人提出の甲各号証にみられる証明者等一部の者が上告人の主 張どおりのことを証明したからといつて、これをもつてこの複雑細分化された取引 の末端まで本願商標と引用商標とが誤認混同の虞れのないことの保障がなされたも のとは到底なしがたい旨を判示したものと推察される。そして右のような立証の程 度をもつてしては、もともと称呼及び観念において共通のものが認められる本願商 標と引用商標とは、その原糸取引界の実状からみても、一般に取引者ないし需要者 に区別して取引され、誤認混同の虞れがないと断ずるには足りないと認めるのを相 当とする。従つて原判決には所論のような違法は存せず、論旨は理由がないものと いうべきである。  よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと おり判決する。      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    奥   野   健   一             裁判官    山   田   作 之 助             裁判官    草   鹿   浅 之 介            裁判長裁判官    奥   野   健   一             裁判官    山   田   作 之 助             裁判官    草   鹿   浅 之 介             裁判官    城   戸   芳   彦 - 2 -             裁判官    石   田   和   外 - 3 -

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