- 1 -平成21年10月28日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成19年(ワ)第326号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成21年7月1日主文 被告は,原告に対し,132万円及びこれに対する平成19年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1当事者の求めた裁判 原告(1)被告は,原告に対し,598万9625円及びこれに対する平成19年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2)訴訟費用は被告の負担とする。 被告(1)原告の請求を棄却する。 (2)訴訟費用は原告の負担とする。 第2事案の概要本件は,被告の市長(以下単に「市長」という)が平成13年度から平成。 18年度まで競争入札参加資格者名簿登録業者である原告を指名しなかったことは違法であるとして,原告が被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償を求めた事案である。 前提となる事実(証拠等の記載がない事実は当事者間に争いがない)。 - 2 -(1)原告は,建築一式工事の請負を業とする株式会社である。 被告は,公共工事につき一般競争入札,公募型指名競争入札及び工事希望型指名競争入札(以下「一般競争入札等」という)を実施している地方公。 共団体である。 市長は,被告の公務員である。 (2)市長は,平成13年度に入札参加資格者名簿(以下「資格者名簿」という)に原告を登録し,その後平成18年度までの間,継続して登録してき。 た。しかし,市長は,平成13年度から平成18年度までの6年間,平成17年度の公募型指名競 加資格者名簿(以下「資格者名簿」という)に原告を登録し,その後平成18年度までの間,継続して登録してき。 た。しかし,市長は,平成13年度から平成18年度までの6年間,平成17年度の公募型指名競争入札1件を除く指名競争入札で,一度も原告を指名しなかった(以下「本件指名回避」という。 。)(3)被告における入札参加者選定要綱(甲2,以下「選定要綱」という)。 には,指名基準について次の定めがある。 ア第5条市長は,審査に合格した者を資格者名簿に登録するものとする。 資格者名簿の有効期間は,建設工事の請負,測量・建設コンサルタント等にあっては2年とし,物件の製造及び買入れその他にあっては3年とする。ただし,有効期間の途中で登録された者は,当該資格者名簿の有効期間の満了をもって終了する。 イ第7条建設工事の請負に係る指名競争入札に参加する者及び随意契約の見積に参加する者を指名しようとするときは,第5条第1項の規定により資格者名簿に登録された者の中から,次に掲げる事項に留意し,当該年度における指名及び受注の状況を勘案し,特定の者に偏ることのないよう均衡ある。 ,,指名をするものとするただし第2条ただし書の規定に該当するときはこの限りでない。 ①不誠実な行為の有無- 3 -②経営状況③工事成績等④当該工事に対する地理的条件⑤手持ち工事の状況⑥当該工事施工についての技術的特性⑦安全管理の状況⑧労働福祉の状況(以下略)(4)上記指名基準の運用につき,岐阜市競争入札参加者選定要綱の運用基準(甲1,以下「運用基準」という)が,平成13年6月1日に定められ,。 同基準には次の定めがある。 ア第2条(不適格基準)市長は,入札参加者が次の各号のいずれかに該当するときは,指名をしないものとする。 ①不誠実な 」という)が,平成13年6月1日に定められ,。 同基準には次の定めがある。 ア第2条(不適格基準)市長は,入札参加者が次の各号のいずれかに該当するときは,指名をしないものとする。 ①不誠実な行為の有無(同条(1)項)()ア岐阜市競争入札参加資格停止措置要領昭和62年3月27日決裁に基づく資格停止期間中であるとき。 イ市発注工事に係る請負契約に関し,次に掲げる事項に該当し,当該状態が継続していることから請負者として不適当であると認められるとき。 (ア)工事請負契約書に基づく工事関係者に対する措置請求に請負者が従わないこと等,請負契約の履行が不誠実であること。 (イ)一括下請,下請代金の支払遅延,特定資材等の購入強制等請負者の下請契約関係が不適切であることが明確であること。 (次号以下略)②工事成績(同条(3)項)- 4 -岐阜市建設工事成績評定要領(平成16年4月1日決裁)の規定による工事成績評定結果通知書(以下「通知書」という)の評定点の前年。 度(前年度の建設工事に係る通知書が相手方に到達していないものがあるときにあっては,前々年度)の平均点が60点未満であるとき。 イ第3条(優先及び勘案基準)業者の指名にあたっては,次に掲げる事項に留意しなければならない。 ①当該工事に対する地理的条件(同条(2)項),,本店支店又は営業所の所在地及び当該地域での工事実績等から見て当該地域における工事の施工特性に精通し,工種,工事規模等に応じて当該工事を確実かつ円滑に実施できる体制が確保できるかどうかを勘案すること。 ②手持ち工事の状況(同条(3)項)工事の手持ち状況から見て,当該工事を施工する能力があるかどうかを総合的に勘案すること。 (5)被告は,平成17年4月1日の公共工事の品質確保の促進に関する法律(以下 ち工事の状況(同条(3)項)工事の手持ち状況から見て,当該工事を施工する能力があるかどうかを総合的に勘案すること。 (5)被告は,平成17年4月1日の公共工事の品質確保の促進に関する法律(以下「品確法」という)の施行を受け,平成18年3月31日に岐阜市。 一般競争入札等実施要綱(平成11年3月30日制定)を改正した。一般競争入札等の参加資格については,工事成績を条件として加えることとし,入札日の年度の前年度及び前々年度の被告発注の同種工事に係る通知書の評定点の平均点が65点以上の者(当該各年度に被告発注工事の受注実績がない場合については,当該年度の評定点は65点とみなす)を入札参加資格者。 とした。 (6)市長は,平成15年4月10日,Sコミュニティセンター及びT消防署U出張所建築主体工事(以下「コミセン工事」という)の一般競争入札を。 公告し,同年5月19日,同入札を実施した。原告と株式会社Aとの特定建設工事共同企業体(出資比率3:2。以下「原告・AJV」という)は,。 - 5 -3億5700万円でこれを落札し,同年7月2日,被告との間で請負契約を締結した。同工事の工期は,平成15年7月3日から平成16年9月30日とされ,同期間施工された。 (7)市長は,平成17年4月11日,B小学校校舎増築主体工事(以下「B小工事」という)の公募型指名競争入札を公告した。原告とC建築株式会。 社との特定建設工事共同企業体(出資比率7:3。以下「原告・CJV」という)がこれに応募し,指名を受けた。被告は,同年5月23日,同入札。 を実施した。原告・CJVは1億9160万4000円で落札し,同年6月22日,被告との間で請負契約を締結した。 (8)建設業法26条3項は「公共性のある工作物に関する重要な工事で政,令で定めるものについては,工 ・CJVは1億9160万4000円で落札し,同年6月22日,被告との間で請負契約を締結した。 (8)建設業法26条3項は「公共性のある工作物に関する重要な工事で政,令で定めるものについては,工事現場ごとに,専任の主任技術者又は監理技術者を置かなければならない」と定め,B小工事の工事契約約款第10条。 2項は「現場代理人はこの契約の履行に関し,工事現場に常駐し,その運,営及び取締りを行う」と定めている(乙32。 。 )(9)被告工事検査室長は,平成18年3月31日,被告建設工事成績評定要領に基づき,B小工事の工事成績を54点と評定し,同日,原告に対して,工事成績評定結果通知書(以下「通知書」という)により当該評定点を通。 知した(甲10。 )(10)原告は,平成19年12月26日,市長から,Vコミュニティセンター外装改修工事の指名競争入札における指名を受けたが,これを辞退した。 (11)原告は,平成20年5月30日,市長から,D小学校耐震補強工事の指名競争入札における指名を受け,同工事を落札した(甲121,弁論の全趣旨。 ) 争点及び争点についての当事者の主張別紙1争点整理表記載のとおり第3当裁判所の判断- 6 - 争点1(指名競争入札における指名回避が国家賠償法上違法となり得るか)について地方自治法234条1項は「売買,貸借,請負その他の契約は,一般競争入,,。」札指名競争入札随意契約又はせり売りの方法により締結するものとするとし,同条2項は「前項の指名競争入札,随意契約又はせり売りは,政令で定める場合に該当するときに限り,これによることができる」としており,例。 えば,指名競争入札については,契約の性質又は目的が一般競争入札に適しない場合などに限り,これによることができるものとされている(地方自 該当するときに限り,これによることができる」としており,例。 えば,指名競争入札については,契約の性質又は目的が一般競争入札に適しない場合などに限り,これによることができるものとされている(地方自治法施行令167条。このような地方自治法等の定めは,普通地方公共団体の締結)する契約については,その経費が住民の税金で賄われること等に鑑み,機会均等の理念に最も適合して公正であり,かつ,価格の有利性を確保し得るという観点から,一般競争入札の方法によるべきことを原則としそれ以外の方法を例外的なものとして位置付けているものと解することができる。また,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下「適正化法」という)3。 条は,公共工事の入札等について,入札の過程の透明性が確保されること,入札に参加しようとする者の間の公正な競争が促進されること等によりその適正化が図られなければならないとし,地方自治法234条6項,同法施行令167条の11第2項,3項,167条の5は,指名競争入札の参加者の資格については,地方公共団体の長において,あらかじめ,指名競争入札に参加する者につき,契約の種類及び金額に応じ,工事,製造又は販売等の実績,従業員の数,資本の額その他経営の規模及び状況を要件とする資格を定めて,公示しなければならないとし,適正化法8条1号,同法施行令7条1項2号,3号は,指名競争入札の参加者の資格についての公表や参加者を指名する場合の基準を定めたときの基準の公表を義務付けている。 以上のとおり,地方自治法等の法令が,普通地方公共団体が締結する公共工事等の契約に関する入札につき,機会均等,公正性,透明性,経済性(価格の- 7 -有利性)を確保することを図ろうとしていることからすると,地方公共団体の長がし意的な指名又は指名停止,指名回避を 工事等の契約に関する入札につき,機会均等,公正性,透明性,経済性(価格の- 7 -有利性)を確保することを図ろうとしていることからすると,地方公共団体の長がし意的な指名又は指名停止,指名回避をすることは許されず,し意的な指名又は指名停止,指名回避をしたときは,裁量権の逸脱,濫用として国家賠償法上違法となるものと解される(最高裁平成18年10月26日第一小法廷。 判決参照) 争点2(本件指名回避の違法性)について(1)前提となる事実に,後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア原告は,平成10年ころから「談合しない」というキャッチフレーズ,を掲げて新聞広告をするようになり,平成14年ころからは,自社が談合に反対していること,被告の公共工事の実施方法には問題点があり,原告がこれに対して提言をしていること等を新聞や書籍等で頻繁に宣伝を行い,原告の公共工事に対する姿勢や意見は,新聞,雑誌やテレビ等のメディアによって取り上げられるようになった(甲12ないし17,25な。 いし33,38の2・3・5・7~18,40,44の1・2,48の1・4~12,49の11・13)イ平成13年度ないし平成17年度において,被告が建築工事として分類,(,,し実施した指名競争入札但し被告が建築工事に分類した工事のうち下水道切換工事等,建築一式工事を請け負う総合建設会社が通常扱わない工事についての入札及び公募型指名競争入札を除く)は,平成13年度。 は57件,平成14年度は71件,平成15年度は67件,平成16年度は52件,平成17年度は72件であり,合計319件あり,岐阜市内に本社がある建築工事業者のうち,当該期間において被告から一度も指名を受けていないのは,原告を含め33社であった(甲3の1・2,原告代。 2件,平成17年度は72件であり,合計319件あり,岐阜市内に本社がある建築工事業者のうち,当該期間において被告から一度も指名を受けていないのは,原告を含め33社であった(甲3の1・2,原告代。 表者,弁論の全趣旨)ウコミセン工事の経過- 8 -(,,,)(ア)安全祈願祭について甲6164の1~7 弁論の全趣旨aコミセン工事における原告・AJVの現場代理人Wは,平成15年6月10日,コミセン工事の第2回内部打合せ会議に出席し,被告公共建築室のZから安全祈願祭の実施の有無について尋ねられて「有,りの方向で考えている」と回答した。 。 その後,原告・AJVや被告公共建築室の関係者らが平成15年7月28日にかけて安全祈願祭の実施の細目を決定した。 ,,,しかし安全祈願祭の実施は工事契約書に何ら規定されておらず打合せ会議等でもその費用負担をどうするかにつき議題に上らなかった。 b原告は,平成15年11月20日,被告公共建築室の職員に対し,「被告に安全祈願祭の費用を請求する」旨の協議書を提出したとこ。 ろ,被告公共建築室の職員は,同年12月1日,原告に対し「被告,は業者が自主的に主催するものについて費用負担できない」旨の回。 答をした。 c原告は,平成15年12月8日,上記回答を不服として,被告公共建築室の職員に対して,再協議書を提出した。被告公共建築室の職員は,同月17日,原告に対し「政教分離の原則から費用負担できな,い」旨を回答した。 。 (イ)スラブ型枠のフラットデッキ使用について(甲57,59,61,115,116)a原告現場代理人E(以下「E」という)は,平成15年10月1。 6日,被告監督職員F(以下「被告監督職員F」という)に対し,。 コミセン工事のスラブ型枠の施工についてフラ 1,115,116)a原告現場代理人E(以下「E」という)は,平成15年10月1。 6日,被告監督職員F(以下「被告監督職員F」という)に対し,。 コミセン工事のスラブ型枠の施工についてフラットデッキを使用したいとの協議書及びその検討資料として「仮設用フラット床板ハイデッキ設計・施工マニュアル(甲115)及び「仮称)Sコミュニティ」(- 9 -センター及びT消防署U出張所建築主体工事型枠支保工計算書S1スラブ部分(甲116)を提出した。 」被告監督職員Fは,平成15年11月11日,Eに対し,口頭で,「一般階はよいが,屋上階と水回りにフラットデッキを使用する場合は,水漏れ,雨漏り箇所の特定が困難であること等の不安があるため。 。」使用は承諾できない不安を払拭するに足りる資料を提出されたい旨を伝えた。Eは,被告監督職員Fに対し,口頭で技術的な説明を行ったが,これを裏付ける具体的な資料の提出は行わなかった。 b原告代表者は,平成15年12月1日,市長に対し,協議書及び質疑に対する回答が遅い旨の通知書(甲58)を提出した。 被告監督職員Fは,平成15年12月2日,Eに対し「屋上階と,一般階のうち天井コンクリート打ち放し仕上げ及び2階便所を除き,フラットデッキの使用を認める」旨の回答をした。 。 cEは,平成15年12月8日,被告監督職員Fに対し,上記一部使用制限はコミセン工事の契約約款第1条3項に「仮設,施工方法その他工事目的物を完成させるために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という)については,この約款及び設計図書に特別の定めがあ。 る場合を除き,乙(請負者)がその責任において定める」とあるの。 に違反しているとして再協議書を提出した。 被告監督職員Fは,平成15年12月8日「屋上階は将来スラブ,のヒビ割れ,雨漏 めがあ。 る場合を除き,乙(請負者)がその責任において定める」とあるの。 に違反しているとして再協議書を提出した。 被告監督職員Fは,平成15年12月8日「屋上階は将来スラブ,のヒビ割れ,雨漏れに起因する不足の事態も考慮し,使用の取止めをお願いした。契約違反ではなく,特記仕様書に基づく監督職員との協議による承諾事項であるため,原告の要求は認めない」との回答を。 した。 d原告代表者は,平成15年12月16日,被告監督職員Fの回答を不服として,市長に対し,工事請負契約第12条4項に基づく措置請- 10 -求を行った。 市長は,平成15年12月26日,原告の要求を認めないとの回答をした。 e原告代表者は,平成16年2月9日,市長に対し「フラットデッ,キ使用の一部不承諾は契約違反である。この問題について仲裁申請をする」旨の通知書を提出した。 。 f原告代表者は,平成16年5月25日,中央紛争審査会に,被告に対するフラットデッキ使用不承諾を理由とする損害賠償を申請した。 中央紛争審査会は,平成17年2月8日,棄却の裁定をした。 (ウ)地下ピット防水モルタル塗について(甲63)aEは,平成15年10月17日,被告監督職員Fに対し,防水モルタル塗を不要とする旨の協議書を提出した。被告監督職員Fは,同年12月9日,Eに対して,設計図どおり防水モルタル塗を施工をするよう指示した。 b原告は,平成16年5月17日,自社ホームページにおいて,被告監督職員Fの上記指示に対する批判を掲載した。 (エ)山留工事について(甲58,60の1・60の2,乙38,40の1~6,原告代表者)Eは,平成15年9月8日,被告監督職員Fに対し,設計図で軽量鋼矢板バイブロ工法とされていたコミセン工事の山留工事につき,現地試掘の結果,打設が困難であると判明し 38,40の1~6,原告代表者)Eは,平成15年9月8日,被告監督職員Fに対し,設計図で軽量鋼矢板バイブロ工法とされていたコミセン工事の山留工事につき,現地試掘の結果,打設が困難であると判明したとして,山留を中止し,オープンカットで掘削するよう協議書を提出した。被告監督職員Fは,Eに対し,設計図どおり軽量鋼矢板バイブロ工法で施工をするよう回答した。 Eは,平成15年10月17日,被告監督職員Fに対し,基礎部のみ。 ,,を簡易土留にするよう協議書を提出した被告監督職員FはEに対しH鋼横矢板工法への変更を示唆し,簡易土留の施工は擁壁の倒壊の危険- 11 -性があり承諾できない旨回答した。 Eは,平成15年11月12日にも,基礎部のみを簡易土留にするよう協議書を提出した。被告監督職員Fは,Eに対し,安全上の問題から承諾できない旨回答した。Eは,安全面で支障はないと判断し,被告監督職員Fの承諾のないまま簡易土留で施工した。被告監督職員Fは,工期等を考慮し,工事をやり直させてまでH鋼横矢板工法にするよう指示するまではしなかった。 別の業者は,同一建築敷地内で浄化槽設置のためH鋼横矢板工法で掘削しており,原告においてもH鋼横矢板工法を採用することは十分に可能であった。 オ入札応募条件の申し合わせ(甲4,38の10,76の1・2,77,乙30,31)(ア)市長は,平成16年4月9日に公告した2件の公募型指名競争入札において,入札応募条件として「申込書提出期限時において,岐阜市,発注の請負金額4500万円以上の建築工事を受注し施工する者(共同企業体の構成員を含む)でないこと」という条件を定めた。 。 。 (イ)原告代表者は,市長に対し,市長への手紙第16号において「上,記入札応募条件が原告の指名を排除するためのものであり,再考すべ 企業体の構成員を含む)でないこと」という条件を定めた。 。 。 (イ)原告代表者は,市長に対し,市長への手紙第16号において「上,記入札応募条件が原告の指名を排除するためのものであり,再考すべきである」旨述べたところ,市長は「当該入札応募条件は,特定の会。 ,社の排除を意図したものでなく,選定要綱の指名基準に準拠し,受注機会の均衡を図ったものである」との回答をした。 。 (ウ)被告建設工事請負業者選定委員会は,平成16年5月にG小学校耐震補強建築主体工事及びH小学校耐震補強建築主体工事について,同年8月12日に(仮称)X消防署Y分署建築主体工事について,同月31日にI小学校プール建築主体工事の指名競争入札について,それぞれ,入札時4500万円以上の工事を施工中又は平成16年度に落札済の業- 12 -者(公募型指名競争入札を含む)を除いて指名業者の選定をすると申。 し合わせした。 (エ)原告代表者は,平成16年9月6日,市長に対し,①指名回数に著しい差が生じている理由,②平成13年度から平成15年度の3年間において,被告から31回以上の指名を受けている8社についての指名理由及び③同期間において被告から指名を全く受けていない原告を含む4。 ,,業者についての不指名理由を質問した市長は平成16年9月22日これに対し「①については,選定要綱7条の指名基準に基づき指名を,しており,主に「当該工事に対する地理的条件」が原因で指名回数に差が出ていること,②については,原告が指摘する8社各社の指名理由,③については,原告の不指名理由につき,公共建築工事により作られる建築物は極めて公共性が高く重要であるため,その品質確保等,また限られた期間内での完成が必要であることから,工事の実績(とりわけ公共工事の実績)等が重視されている」旨回 ,公共建築工事により作られる建築物は極めて公共性が高く重要であるため,その品質確保等,また限られた期間内での完成が必要であることから,工事の実績(とりわけ公共工事の実績)等が重視されている」旨回答した。 。 カB小工事の経過(甲50,51,53の1~4,乙12ないし21,41の7~34)(ア)原告代表者は,市長に対し,EをB小工事に関する原告の主任技術者として通知し,平成17年6月22日,同人を現場代理人として着工。 ,,,届を提出したしかしEは平成17年7月4日の第1回工程会議は別の現場を離れられないとの理由で欠席し,同月11日の第2回工程会議も欠席した(乙11,12。被告総括監督職員J(以下「被告総括)監督職員J」という)は,原告代理人C及びKに対し,現場代理人が。 現場に常駐するよう指導した(乙12。 )(イ)Eは,平成17年7月14日の第3回工程会議及び同月20日の第。 ,,4回工程会議も欠席した被告総括監督職員Jは原告代理人Kに対し再度Eの出席を求めた。 - 13 -市長は,平成17年7月21日,原告に対し,工事請負契約約款第12条1項に基づき,Eが現場に常駐し,職務の執行にあたるよう,書面で改善措置請求を行った(乙15。 )Eは,平成17年8月1日に現場に着任した(ウ)丁張り工事は平成17年7月15日に開始された。 (エ)工程会議はおおむね週に1度実施され,被告公共建築室室長L(以下「被告公共建築室室長L」という,被告総括監督職員J,被告総。)括監督職員M,被告一般監督職員N及び被告一般監督職員O(以下「被」。)。 告一般監督職員Oというのいずれか又は全員が同会議に出席した同会議に出席した被告職員は,平成17年7月27日の第5回工程会議から翌年2月22日の第34回工程会議に至る O(以下「被」。)。 告一般監督職員Oというのいずれか又は全員が同会議に出席した同会議に出席した被告職員は,平成17年7月27日の第5回工程会議から翌年2月22日の第34回工程会議に至るまで,ほぼ毎回,原告の工程の遅れを指摘した。 被告公共建築室室長Lは,平成17年11月29日に,原告に対し,1階部分のコンクリート打設が当初工程では校舎が同年10月15日,渡り廊下が同月21日となっていたのに16日遅れて同年11月9日になったことについて遅延対策等を検討するよう書面で指導を行った(乙19。 )(オ)Eは,平成17年11月24日,第22回工程会議において「1,2月26日には3階コンクリート打設を実行する。雨や雪も予定内であって予備日を考えてある」と言った。 。 岐阜県の降雪量は,昭和51年から平成18年における各12月の積雪量の平均値は深さ8.2センチであるところ,平成17年12月12日から26日にかけて,岐阜県において,積雪の深度合計79センチ分の降雪があり,B小工事の工事現場においても,同月14日及び同月21日に積雪を伴う降雪があった。 ,,,(カ)原告は平成17年12月28日3階コンクリートの打設を行い- 14 -その後,被告監督職員の承諾を得ずに最小存置期間に満たない10日間で支柱を取り外した。 被告公共建築室室長Lは,平成18年1月12日,原告に対し,適正な現場管理,品質管理が行われていないとして,今後このような事態が発生しないように厳重に注意し,被告監督職員と十分に協議し,指示を受けて施工するよう書面で指示をした(乙21。 ),,,(キ)被告公共建築室室長L被告総括監督職員J被告総括監督職員M被告一般監督職員N及び被告一般監督職員Oは,平成18年2月1日の第31回工程会議において,Eに対し「 した(乙21。 ),,,(キ)被告公共建築室室長L被告総括監督職員J被告総括監督職員M被告一般監督職員N及び被告一般監督職員Oは,平成18年2月1日の第31回工程会議において,Eに対し「原告が同年1月18日に提出,。 。」。 した月間工程から大幅に遅れている工程を守るようにと指導したEは,被告公共建築室室長Lらに対し,平成18年3月15日の工事完成には間に合わせると約束した(乙24。 )(ク)B小工事の工期は,平成17年6月22日から平成18年3月15日とされていたが,完成予定日時点では外構工事が完成しておらず,原告・CJVは,工期より6日遅れの平成18年3月21日に同工事を完成させた。 キB小工事の出来栄え(乙6,8,49,50)B小工事の工事の出来栄えは,別紙2の各出来ばえ欄における被告の主張欄に記載のとおりである。 ク被告一般監督職員のB小工事の評価(乙1,35)被告一般監督職員のB小工事の評価は,別紙2の一般監督職員欄の被告の主張欄に記載のとおりである。 ケ被告総括監督職員のB小工事の評価(乙2,36,証人J)被告総括監督職員のB小工事の評価は,別紙2の総括監督職員欄の被告の主張欄に記載のとおりである。 コ被告検査員P(以下「被告検査員P」という)のB小工事の評価(乙。 - 15 -3,37,証人P)被告検査員PのB小工事の評価は,別紙2の検査員欄の被告の主張欄に記載のとおりである。 サB小工事の工事成績の評定方法(甲69,70の2,74,乙1ないし3,35ないし37,証人J)(ア)被告発注の公共工事成績の評定方法aランク分け被告の工事成績評定は,各考査項目について細別を設け,それぞれの細別に,該当対象項目を設けて,評定を受ける工事がその評価対象項目にどれだけ該当するかという割合(評 工事成績の評定方法aランク分け被告の工事成績評定は,各考査項目について細別を設け,それぞれの細別に,該当対象項目を設けて,評定を受ける工事がその評価対象項目にどれだけ該当するかという割合(評価該当項目数÷評価対象項目数×100)を算出し,判定基準に従い,a~eに振り分ける。 b評点の計算基本はc評価が採点上,普通の評価(加点も減点も無し)であり,a及びbは加点評価,d及びeは減点評価となっており,別紙5(掲載略)の細目別評定点加点減点表にあるように,各項目について,加点,減点がなされ,一般監督職員は40%,総括監督職員は20%,検査員は40%というように,それぞれの評点者に持ち点の割合がある。 (イ)B小工事の評定点の計算についてB小工事の工事成績の評定において,次のとおりの理由でそれぞれ加点又は減点がなされた(下記以外の細目については,すべてc評価が。 なされている)。 1.Ⅱ「配置技術者」一般監督職員評価d(-5.0×0.4=-2.0)理由:現場代理人の現場着任が着工に間に合わず,工事全体が把- 16 -握できる状態ではなく,各種書類,資料について,施工者側としての整理がされておらず,また指摘事項についての訂正が遅れることがあった。各作業の完了確認が不十分なため,監督職員からの手直し事項が多かった。 2.Ⅱ「工程管理」一般監督職員評価e(-10.0×0.4=-4.0)理由:工程会議で示された工程が大幅に遅れることが多く,最終的に工期内に完成できなかった。左官工事などは夜間作業が多かった。 請負者の責めにより工期内に工事を完成させなかった。 総括監督職員評価d(-7.5×0.2=-1.5)理由:工事遅滞のないよう通知し,指導にもかかわらず工期内に完成できなかった。また,下請け業者の作業内容の より工期内に工事を完成させなかった。 総括監督職員評価d(-7.5×0.2=-1.5)理由:工事遅滞のないよう通知し,指導にもかかわらず工期内に完成できなかった。また,下請け業者の作業内容の指示,完了確認等が適正に行われていない。 2.Ⅲ「安全対策」総括監督職員評価d(-7.5×0.2=-1.5)理由:現場監督は,安全帯をすることも無く,日常の安全管理のみで積極的な安全管理が見られない。 2.Ⅳ「対外関係」一般監督職員評価b(+1.0×0.4=+0.4)理由:対外関係がほぼ適切であった。 3.Ⅲ「出来ばえ」検査員評価d(-5.0×0.4=-2.0)以上より,基本点65点から10.6点が減点されて54.4点となり,四捨五入をして54点となった。シ被告建設工事請負業者選定委員会は,平成17年度の5月ないし12月- 17 -に入札が実施された公共工事の指名競争入札9件について,それぞれ,入札時4500万円以上の工事を施工中又は平成16年度に落札済の業者(公募型指名競争入札を含む)を除いて指名業者の選定をすることを申。 し合わせた(乙31。 )(2)そこで,まず,市長が原告を指名しなかったのは,原告が,平成10年ころから談合反対の宣伝活動を行い,平成16年ころから「被告が談合しない会社(原告)を指名しない」などとを活発に広報をしてきたこと及び原告が被告に対し,原告が被告から請け負った工事について様々な意見や異議申立て等を行ってきたことから,市長がし意的に原告を排除したものであるのか否か(原告の主張2ア)につき検討する。 前記第3の2(1)の認定事実によれば,原告同様平成13年度から平成17年度において,岐阜市に本社がありながら1件も指名を受けていない業者は33業者存在したこと,原告は平成10年ころから頻繁に る。 前記第3の2(1)の認定事実によれば,原告同様平成13年度から平成17年度において,岐阜市に本社がありながら1件も指名を受けていない業者は33業者存在したこと,原告は平成10年ころから頻繁に談合反対をキャッチフレーズに頻繁に宣伝活動を行っていたこと,原告が被告から請け負った工事について様々な意見や異議申立て等を行ってきたことは認められるものの,そのことをもってして直ちに市長が原告をし意的に排除したものであったとは推認できず,その他,この点に関する原告の主張を認めるに足りる証拠はない。 (3)次に,被告の指名基準に照らして,本件指名回避に合理的理由があるか否か(原告の主張2イ)につき検討する。 ア平成13年度及び平成14年度について被告は,当該年度において原告を指名しなかった理由について,公共工事の特性から,新規登録業者については,公共工事の実績がない場合は,,,,従来から公共工事の下請け等の経験を経た段階でその状況を勘案して業者指名の対象とすることを慣行としていたためであると主張し,これに沿う内容の当該年度の被告総務部契約課長Qの陳述書(乙28)及び平成- 18 -15年度の被告行政管理部契約室長Rの陳述書(乙29)がある。 しかし,これら陳述書記載の内容は,的確,客観的な裏付けを欠くものであって採用できず,当時,被告主張の慣行が存したとは認められない。 また,仮に,被告主張の慣行が当時存在したとしても,指名基準を定めた場合には,法令上公表が義務づけられており,その法の趣旨は,指名競争入札における指名権者によるし意を排除して公平性を担保することにあると解されるから,指名回避をする際にも公表された基準により判断すべきであり,本件指名回避の違法性の有無を判断するにあたっても,当該慣行を基準とすることは不相当というべきであ 平性を担保することにあると解されるから,指名回避をする際にも公表された基準により判断すべきであり,本件指名回避の違法性の有無を判断するにあたっても,当該慣行を基準とすることは不相当というべきである。 そうとすると,当該各年度において,原告の指名を回避する合理的な理由は見出せず,当該各年度における本件指名回避は業者の指名に係る被告の裁量権を逸脱又は濫用したものといわざるを得ず,国家賠償法上,違法との評価を免れないというべきである。 イ平成15年度について(ア)被告は,当該年度に原告の指名を回避したのは,選定要綱第7条①及び運用基準第2条①にいう「不誠実な行為」が「継続」していたためと主張する。 選定要綱及び運用基準にいう「不誠実な行為」とは,運用基準第2条①に,工事請負契約書に基づく工事関係者に対する措置請求に請負者が従わないこと等と例示した上,請負契約の履行が不誠実であることと規定されていることに鑑みれば,請負業者が,請負工事を誠実に履行しないことや,違法又は社会秩序に反する契約,経営を行っていること等の理由から請負業者としての基本的姿勢に問題があると考えられる場合をいうものと解される。また「継続している」とは,このような状態が,継続していることをいうのであって,同一内容の不誠実な行為が複数の工事において見られることをいうものではない。 - 19 -(イ)被告は,当該年度において,原告は,①型枠材を合板からフラットデッキに変更するよう申し出たが,被告監督職員は,水漏れ,雨漏り箇所の特定が困難であることを指摘し,その使用に関しては一部承諾できない箇所がある旨を伝え,上記不安を払拭するに足りる資料を提出するように求めたが,原告は資料を提出することなく,フラットデッキ使用に関する協議書を被告及び市長に繰り返し提出するなど,不服 部承諾できない箇所がある旨を伝え,上記不安を払拭するに足りる資料を提出するように求めたが,原告は資料を提出することなく,フラットデッキ使用に関する協議書を被告及び市長に繰り返し提出するなど,不服申し立てを行い,②地下ピットの防水モルタル塗について,設計図書どおりに施工するよう依頼する被告をホームページで非難し,③安全祈願祭の費用を被告に対して請求し,④フラットデッキ使用不承諾につき,中央紛争審査会に被告に対する損害賠償を申し立て,⑤山留工事につき契約図書どおりの軽量鋼矢板バイブロ工法又は被告が変更を示唆したH鋼横矢板工法をとらず,簡易土留で施工するなど,請負契約(設計図書)の内容どおりに請負契約の履行を求める被告に従わなかったり非難したりしたことを理由に,上記「不誠実な行為が継続していた」ため,原告は当該年度において指名不適格となり,指名をしなかった旨主張し,前記第3の2(1)ウの認定事実によれば,被告主張の上記①ないし⑤の事実はいずれも認められる。 しかし,前記第3の2(1)ウの認定事実によれば,①のフラットデッキ使用に関するやりとりは,コミセン工事のスラブ型枠の施工にあたりフラットデッキを使用することが同工事の契約約款第1条3項に基づき専ら請負人の責任で定めることができる事項か,特記仕様書に基づき被告監督職員との協議による承諾事項か否かという双方の見解の相違に起因するものであること,原告が被告に対しこれについて重ねて協議を求めたことによる請負契約の履行遅延はないことが認められ,①のフラットデッキ使用に関するやりとりが請負契約の履行上不誠実な行為とはいえない。 - 20 -また,④の原告が中央審査会に被告に対する損害賠償を申し立てたことは,コミセン工事の請負人である原告に認められた正当な権利行使というべきであって,請負契約 不誠実な行為とはいえない。 - 20 -また,④の原告が中央審査会に被告に対する損害賠償を申し立てたことは,コミセン工事の請負人である原告に認められた正当な権利行使というべきであって,請負契約の履行上不誠実な行為とはいえない。 ②については,ホームページ上での被告の対応についての批判の内容自体に,社会秩序や取引上要求される誠実性に反するような記載が含まれていないから,相当な意見表明の範囲内の行為であるというべきであり,請負契約の履行上不誠実な行為とはいえない。 また,③については,安全祈願祭の実施はコミセン工事の工事契約の内容になっておらず,その費用負担者を確定することがないまま実施されたため,原告なりに同祭の実施に至る経緯を踏まえ,発注者である被告がその費用を負担するものと考え,その費用を請求するに至ったというに過ぎないから,当該費用請求は請負契約の履行上不誠実な行為にはあたらない。 ⑤については,原告は結局設計図書どおりに施工せず,被告の示唆する工法での施工を行わなかったのであるから,請負契約の履行上不誠実な行為であるといわなければならない。しかし,被告が原告に工事のやり直しを求めなかったことや原告が被告の指示に従わなかったのはこの山留工事に限られることからすると,その不誠実な行為が継続していたともいい難い。 (ウ)したがって,平成15年度のコミセン工事に関して,原告が不誠実な行為を継続していたとは認められず,他の指名基準に照らしても,何ら指名を回避すべき合理的な理由はなく,平成15年度における本件指名回避には,被告の業者指名に係る裁量権の逸脱,濫用があるというべきである。 ウ平成16年度及び平成17年度について前記第3の2(1)オの認定事実によれば,被告の建設工事請負業者選定- 21 -委員会は,平成16年度と平成1 裁量権の逸脱,濫用があるというべきである。 ウ平成16年度及び平成17年度について前記第3の2(1)オの認定事実によれば,被告の建設工事請負業者選定- 21 -委員会は,平成16年度と平成17年度に,被告発注の指名競争入札参加条件として「申込書提出期限時において,岐阜市発注の請負金額450,(。)0万円以上の建築工事を受注し施工する者共同企業体の構成員を含むでないこと」という条件を申し合わせ,入札の広告にあたり条件として。 明示したことが認められる。 この点,原告は「当該年度において,被告発注の4500万円以上の,公共工事を現に受注している建設業者は実質的に原告のみであるから,当該入札参加条件は,原告を指名排除するために設定されたものであり,指名に係る被告の裁量権の逸脱がある」旨主張する。しかし,平成16年。 4月9日公告の2つの公募型指名競争入札において,当該条件を満たす業者が原告のみであったことの一事をもって,原告を排除する意図の下に設定された条件であると推認することはできない。かえって,当該2つの公募型指名競争入札を落札した業者は,当該年度以降,工事の施工終了に至るまで,同様に指名参加条件を欠くことになるから,当該条件の設定及び当該条件に基づく原告の指名回避は,被告の裁量権を逸脱した違法なものではないと認められる。 エ平成18年度について前提となる事実(5),(9)によれば,原告は,平成16年度に入札が実施された被告の公共工事を落札していないため,平成16年度の評定点は65点とみなされたこと,平成17年度に入札が実施されて原告が落札した被告の公共工事は,B小工事1つであり,同工事の評定点は54点であったこと,そのため,原告は,平成16年度及び平成17年度の平均評定点が59.5点となって,指名競争入札参加資格 されて原告が落札した被告の公共工事は,B小工事1つであり,同工事の評定点は54点であったこと,そのため,原告は,平成16年度及び平成17年度の平均評定点が59.5点となって,指名競争入札参加資格要件を満たさなくなったことが認められる。 そうとすると,平成18年度の原告の指名回避は,被告の裁量権を逸脱した違法なものではないと認められる。 - 22 -この点,原告は「被告にB小工事の評定点が不当に低くつけられた」,。 旨主張する。 ,,,しかし前記第3の2(1)カの認定事実によれば原告の現場代理人は建設業法及び工事契約約款により,現場に常駐し,現場を監督することが求められているにもかかわらず,Eは,着工日から40日,実質的な着工日である丁張り工事開始日からも16日遅れて着任したこと,Eは,工事完成間近になって,被告監督職員との間で完成期日に間に合うよう約束しながら,結局完成が6日遅れたことが認められ,B小工事の工事成績の評定において「配置技術者」の項目で,一般監督職員評価で2点の減点が,なされ「工程管理」の項目で,一般監督職員と総括監督職員の評価を併,せて5.5点の減点がなされていることに何らの不合理もない。 また,前記第3の2(1)カないしコの認定事実からすると,被告一般監督職員,被告総括監督職員及び被告検査員Pの各B小工事の評価は,いずれも事実の裏付けのあるものであることが認められ「配置技術者」及び,「工程管理」の項目以外の項目についての評価も格別不合理であるとは認められない。 そうとすれば,原告の同主張は採用できない。 原告は「完成予定日には小学校の校舎本体は工事が完了しており,外,構工事が一部未完成だったに過ぎないのであるから,工事の遅れは大きな減点対象にはなり得ない」と主張する。 。 しかし,前記第3の2( 原告は「完成予定日には小学校の校舎本体は工事が完了しており,外,構工事が一部未完成だったに過ぎないのであるから,工事の遅れは大きな減点対象にはなり得ない」と主張する。 。 しかし,前記第3の2(1)カの認定事実によれば,被告監督職員は,施工開始から終始,原告に対し,工程の遅れを指摘して遅れを取り戻すよう指導をし,平成18年2月1日にも再度完成日に間に合うようEに対し指導していたこと,Eも同日にこれを約束したことが認められ,B小工事の完成期限は原被告間の重要事項であったと認められるから,原告の同主張は採用できない。 - 23 -原告は「原告が施工したB小学校の出来映えはごく普通である。比較,的最近建てた校舎である四日市市の3小学校,佐久市の2中学校のほか,B小学校の他の校舎や岐阜市立D小学校にも,原告が建設したB小学校のような施工がある」と主張する。 。 しかし,四日市市や佐久市の小学校校舎の出来映えと被告が発注したB小学校の出来映えを比較すること自体,各自治体による評価の在り方や各工事の評価が実際にどうであったかなどが明らかでない以上,さほどの意味はない。また,原告が指摘するB小学校校舎の他の部分(甲97)は,昭和57年度の施工部分であり乙10の1・2岐阜市立D小学校甲(),(110)は,昭和45年度の施工部分である(乙33)から,比較すること自体が相当とはいえない。 したがって,原告の同主張は採用できない。 争点3(市長の故意又は過失の有無)について前記2の認定事実からすると,市長は平成13年度から平成15年度までの本件指名回避について過失があると認められる。 平成13年度から平成15年度までの本件指名回避は被告の公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うについて行ったものであるから,被告は,原告に対し,国家賠 件指名回避について過失があると認められる。 平成13年度から平成15年度までの本件指名回避は被告の公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うについて行ったものであるから,被告は,原告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,原告に生じた損害を賠償する責任を負う。 争点4(損害額)について(1)前提となる事実に証拠(甲3)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成15年度に一般競争入札でコミセン工事を落札し,平成17年度に公募型指名競争入札であるB小工事を落札し,平成19年度にVコミュニティセンター外装改修工事の指名競争入札において市長から指名を受け,平成20年度に指名競争入札でD小学校耐震補強工事を落札していること,岐阜市が建築工事として発注した工事のうち,一般競争入札工事,公募型指名競争入札- 24 -工事,建築一式工事を請け負う総合建設会社が通常扱わない工事,岐阜市に本社のない業者も対象にしている工事を除外した工事の落札金額(消費税を含む)の合計は,平成13年度が10億8095万4000円で,平成1。 4年度が10億8909万1500円で,平成15年度が11億0976万1800円であること,被告の総発注件数は,平成13年度が57件,平成14年度が71件,平成15年度が67件であること,平成15年度に被告の指名業者名簿に掲載されていた岐阜市内に本社のある建築工事業者は109社(原告を含む)で,そのうち31社(原告を含む)については市長。 。 から同年度の指名がなかったことが認められる。 そうとすると,原告は,平成13年度ないし平成15年度の間の指名競争入札において,何件かについて落札,受注することができ,これにより利益を上げることができたものと推認される。 (2)しかし,原告が,平成13年度ないし平成15年度の被告実施の指名競争入 の指名競争入札において,何件かについて落札,受注することができ,これにより利益を上げることができたものと推認される。 (2)しかし,原告が,平成13年度ないし平成15年度の被告実施の指名競争入札において,具体的にどの入札につき落札することができたか,また,いくらで落札することができたか,その工事の利益率はどの程度であるかなどについては,入札制度の仕組みからしてその立証が極めて困難なものとい。 ,,わざるを得ない本件においては原告に損害が生じたことは認められるが損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるということができる。 したがって,当裁判所は,民訴法248条の規定により,平成13年度ないし平成15年度の被告実施の指名競争入札における落札状況等,本件証拠調べの結果及び弁論の全趣旨に基づき,原告の損害額を120万円と認定することとする。 (3)また,本件事案の性質,審理の経過,認容額に鑑みると,原告が被告に,。 対して賠償を求め得る弁護士費用の額は12万円と認めるのが相当である 結論 - 25 -以上によれば,原告の請求は,132万円及びこれに対する平成19年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから,これを認容し,その余は棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第2部裁判長裁判官内田計一裁判官永山倫代裁判官山本菜有子
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