平成16(わ)191 窃盗等被告事件

裁判年月日・裁判所
平成17年3月10日 岐阜地方裁判所
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判決文本文15,658 文字)

主文 被告人を懲役9年に処する。 未決勾留日数中580日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 A,Bら数名と共謀の上,金品窃取の目的で,平成14年11月3日午前零時54分ころ,株式会社C大垣店店長Dが看守する岐阜県大垣市a町ⅰ丁目ⅱ番地所在の同店北側従業員出入口ドアから同店内に侵入した上,同店2階事務所において,同所に置かれた金庫1基を窃取しようとしたが,同金庫を同店1階に通じる階段付近までしか搬出することができなかったため,その目的を遂げなかった第2 E,Fら数名と共謀の上,金品窃取の目的で, 1 同月19日午前零時46分ころ,G店店長Hが看守する岐阜市b通ⅰ丁目ⅱ番地ⅲ所在の同店西側倉庫のシャッターから同店内に侵入し,同所において,同人管理に係るノートパソコン1台(時価約25万円相当)を窃取した 2 同日午前1時55分ころ,I店店長Jが看守する愛知県一宮市大字c字dⅰ番地ⅱ所在の同店東側出入口引き戸から同店内に侵入した第3 A,K,L,M,Bら数名と共謀の上,金品窃取の目的で, 1 同月30日午前1時15分ころ,株式会社N代表取締役Oが看守する岐阜県土岐市e町fⅰⅱ番地所在の株式会社N本店北西側クリーニング店出入口ドアから同N本店内に侵入し,同所において,同人管理に係る現金約5000円及び切手約20枚ほか約800点在中の金庫1基(時価合計約10万6300円相当)を窃取した 2 同日午前2時12分ころ,前記Oが看守する同市g町hⅰ番地のⅰ所在の株式会社N土岐口店事務所南側出入口ドアから同店内に侵入し,同所において,同人管理に係る現金約817万9425円及び商品券63枚ほか約1661点在中の金庫1基(時価合計約39万9500円相 ⅰ所在の株式会社N土岐口店事務所南側出入口ドアから同店内に侵入し,同所において,同人管理に係る現金約817万9425円及び商品券63枚ほか約1661点在中の金庫1基(時価合計約39万9500円相当)を窃取した第4 U,A,K,L,Pら数名と共謀の上,金品窃取の目的で, 1 同年12月4日午前2時17分ころ,株式会社Q店店長Rが看守する同県多治見市i町ⅱ丁目ⅲ番地所在の同店事務室西側従業員出入口ドアから同店内に侵入し,同店事務室内金庫室において,同所に置かれた金庫を搬出して窃取しようとしたが,同金庫の外寸が同金庫室出入口より大きく,搬出できなかったため,その目的を遂げなかった 2 同日午前3時11分ころ,株式会社S朝宮店店長Tが看守する愛知県春日井市j町ⅰ丁目ⅱ番地のⅲ所在の同店東側惣菜調理室出入口ドアから同店内に侵入し,同所において,同人管理に係る現金約303万円及び預金通帳2冊在中の耐火金庫1基(時価約1万円相当)を窃取した第5 U,A,K,L,Mら数名と共謀の上,金品窃取の目的で, 1 同月5日午前零時40分ころ,株式会社V日進駅前店店長Wが看守する同県日進市kⅰ丁目ⅱ番地所在の同店内に侵入し,同所において,同人管理に係る薬約146錠在中の金庫1基(時価合計約6万9195円相当)を窃取した 2 同日午前2時20分ころ,株式会社X店店長Yが看守する同県春日井市l町ⅰ丁目ⅱ番地のⅲ所在の同店南側事務所出入口ドアから同店内に侵入し,同所において,同人管理に係る現金約153万0890円及び預金通帳1通在中の耐火金庫1基(時価約15万円相当)を窃取した第6 U,A,K,L,Fら数名と共謀の上,金品窃取の目的で,株式会社Z店店長アが看守する岐阜県大垣市m町ⅰ番地ⅱ所在の同店内に侵入しようと企て,同月8日午前1時30分ころ,同店従 相当)を窃取した第6 U,A,K,L,Fら数名と共謀の上,金品窃取の目的で,株式会社Z店店長アが看守する岐阜県大垣市m町ⅰ番地ⅱ所在の同店内に侵入しようと企て,同月8日午前1時30分ころ,同店従業員出入口ドアをバールでこじ開けるなどして同店内に侵入しようとしたが,警察官が同店に駆け付けたため,その目的を遂げなかった第7 A,K,M,Bと共謀の上,金品窃取の目的で, 1 平成15年1月9日午前零時50分ころ,株式会社イ店店長ウが看守する和歌山県海南市nⅰ番地のⅱ所在の同店商品搬入口のシャッターから同店内に侵入した上,同店事務所において,同所に置かれた金庫をバールを用いて移動させて窃取しようとしたが,同金庫がコンクリートに固定されていて搬出できなかったため,その目的を遂げなかった 2 同日午前1時43分ころ,株式会社エ店店長オが看守する同県海草郡o町大字pⅰ番地ⅱ所在の同店従業員出入口ドアから同店内に侵入し,同店2階事務所において,同人管理に係る現金約409万2694円及び商品券2860枚ほか約915点在中の金庫1基(時価合計約235万8305円相当)を窃取した第8 A,K,L,Bら数名と共謀の上,金品窃取の目的で, 1 同月20日午前零時49分ころ,株式会社カ店店キが看守する三重県四日市市qⅰ丁目ⅱ番ⅲ号所在の同店裏口ドアから同店内に侵入し,同所において,机の引き出しを開けるなどして物色したが,金品が見付からなかったため,その目的を遂げなかった 2 同日午前2時26分ころ,株式会社ク店店長ケが看守する同県桑名市rⅰ丁目ⅱ番地ⅲ所在の同店南側従業員出入口ドアから同店内に侵入した上,同店事務室において,同所に置かれていた同人管理に係る現金472万6861円及びポイント券1376点在中の金庫1基(時価合計約66万円相当)を窃取した 店南側従業員出入口ドアから同店内に侵入した上,同店事務室において,同所に置かれていた同人管理に係る現金472万6861円及びポイント券1376点在中の金庫1基(時価合計約66万円相当)を窃取したものである。 (証拠)(省略)(事実認定の補足説明) 1 被告人は,捜査段階及び公判を通じて,公訴事実の全犯行について否認又は黙秘をし,弁護人も全犯行について被告人は無罪である旨主張する。そこで,当裁判所が,「罪となるべき事実」記載のとおり,公訴事実の全犯行について被告人が犯人であると認定した理由について,補足して説明する。 2 証拠により優に認定できる事実関係各証拠から以下の事実を優に認定することができる。 ① 被告人が本件各犯行に関与したか否かは別として,前記「罪となるべき事実」記載のその他の者らは,同記載の各犯行を行った。 ② 「罪となるべき事実」第3の2の犯行において,A,Lら中国人実行犯らが,平成14年11月30日午前2時12分ころ,株式会社N土岐口店に侵入し,同所において,現金等在中の金庫1基を窃取し,同金庫を普通乗用自動車ニッサンステージア(以下「ステージア」という。)の荷台に積み込む際,中国人実行犯の一人が,同金庫と前記荷台の間に左手を挟んで怪我をして出血し,その血が左手にはめていた軍手に付着した。 ③ 「罪となるべき事実」第8の2の犯行において,A,Kら中国人実行犯らが,平成15年1月20日午前2時26分ころ,株式会社ク店に侵入し,現金等在中の金庫1基を窃取し,普通乗用自動車ニッサンエルグランド(以下「エルグランド」という。)の荷台に積み込んだ。そのころ,通報により警察車両が同店に駆け付けため,Aらは同所から逃走した。前記エルグランドに乗車していた被告人は,降車 動車ニッサンエルグランド(以下「エルグランド」という。)の荷台に積み込んだ。そのころ,通報により警察車両が同店に駆け付けため,Aらは同所から逃走した。前記エルグランドに乗車していた被告人は,降車して同所から逃走しようとしたが,同所付近の路上で警察官に現行犯逮捕された。 3 共犯者らの各公判供述の検討① 判示第1の犯行についてア Aの公判供述の信用性判示第1の犯行の共犯者Aは,当公判廷において,「私は,本件平成14年11月3日の犯行,同月30日の2件の犯行,同年12月4日の2件の犯行,同月5日の2件の犯行,平成15年1月9日の2件の犯行,同月20日の2件の犯行に実行犯として加わったが,いずれの犯行にも,私が『リーリー』と呼ぶ一人の中国人が実行犯として加わっていた。『リーリー』は,ケや日本人運転手とのやりとりをしていたため,盗んだお金のうち先に10パーセント持っていき,運転手の分の報酬を差し引いた残りをケ及び『リーリー』を含む中国人共犯者ら間で平等に分配していた。『リーリー』は,平成14年11月30日のN土岐口店での犯行において,窃取した金庫を小さいワゴン車の荷台に積み込む際に,左手を金庫と小さいワゴン車の荷台の間に挟んで左手の指に怪我をした。『リーリー』はそのとき両手に軍手をしており,左手を挟んだ直後,左手の軍手には血が付いていた。 『リーリー』は,その後,Bと一緒に病院に行き,マンションに戻ってきたときには左手に白い包帯を巻いていた。平成15年1月20日のク店での犯行において,私達が窃取した金庫を白色ワンボックスカーに押し込んでいる際に警察が来て,私達は現場から逃げ出した。私は,それ以後,『リーリー』とは会ったことはない。その他の中国人共犯者やBとは,その後も会ったことがあるから,捕まったのは『リーリー』に間違いな んでいる際に警察が来て,私達は現場から逃げ出した。私は,それ以後,『リーリー』とは会ったことはない。その他の中国人共犯者やBとは,その後も会ったことがあるから,捕まったのは『リーリー』に間違いない。私は,『リーリー』と前記11件の犯行を行うなど,ずっと一緒に悪いことをしてきたし,盗み以外の場面でも顔を合わせていたから,『リーリー』の顔を覚えている。 『リーリー』とは,被告人のことである。」と供述するところ,その供述内容は,具体的,詳細かつ自然である上,Aは,「リーリー」と呼ぶ中国人とともに前記11件の建造物侵入,窃盗等の犯行を行い,また,それらの犯行の場面以外にも同人と何度も顔を合わせていたから,その顔を覚えているとする点等で合理的である。Aの前記公判供述は,被告人が判示第1の犯行に加わったなどの重要な点で,後記Bの公判供述とも整合している。また,Aは,前記11件の犯行,判示第6の犯行,出入国管理及び難民認定法違反の罪により,岐阜地方裁判所コ支部で懲役6年の実刑判決を受け,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由は見当たらない上,被告人と同じ中国s省t市内に自宅があるため,被告人に不利益な証言をすれば後日被告人から自分やその家族が復讐されるのではないかと恐れているにもかかわらず,敢えて被告人に不利益な供述をしている。これらの点からすれば,Aの公判供述の信用性は高いものと認められる。 イ Bの公判供述の信用性判示第1の犯行の共犯者であるBは,当公判廷において,「私は,本件平成14年11月3日の犯行,同月30日の2件の犯行,平成15年1月9日の2件の犯行,同月20日の2件の犯行に自動車運転手として加わったが,いずれの犯行にも,私が『チェンさん』と呼ぶ中国人のリーダーが実行犯として加わっていた。私は,それ以前 の犯行,平成15年1月9日の2件の犯行,同月20日の2件の犯行に自動車運転手として加わったが,いずれの犯行にも,私が『チェンさん』と呼ぶ中国人のリーダーが実行犯として加わっていた。私は,それ以前に『チンさん』と呼ぶ中国人がリーダーである中国人窃盗団の運転手をしたことがあり,そのとき,『チンさん』から『チェンさん』を紹介されて同人と知り合った。平成14年10月中旬ころ,『チンさん』が中国に帰国したため,『チェンさん』が中国人窃盗団のリーダーになった。『チェンさん』は,平成14年11月30日のN土岐口店での犯行において,両手に軍手をはめていたが,窃取した金庫をステージアの荷台に積み込む際に,左手の中指に怪我をし,血を流していたことがあった。そこで,私は,同日深夜に『チェンさん』をサ病院に連れて行って治療を受けさせ,同人は左手の中指と手のひらに包帯を巻いてもらっていた。『チェンさん』は,平成15年1月20日のク店での犯行において,他の中国人実行犯らとともに同店内に侵入して金庫を窃取してきたものの,私が運転席に座るエルグランドの後部荷台にその金庫を押し込むことができずにいた。他の4人の中国人は,なお金庫を後部荷台に押し込もうとしていたが,『チェンさん』はエルグランドの助手席に乗り込んで来て,『行く,行く。』と言って,車を発進するよう求めてきた。しかし,私は,4人の中国人が金庫を後部荷台に押し込むのを待っていた。すると,前方からハイビームの車が来て,Kが『警察。』と言ったので,私達はエルグランドの後方に向かって走って逃げた。私は,4人の中国人の後を付いて逃げ,『チェンさん』も私とほぼ同時に助手席のドアを開け,同じ方向へ逃げた。私は,『チェンさん』を追い抜き,そのまま民家に隠れた。私が逃げてきた方の道路から,『立て,こっちこい。』などと声が 付いて逃げ,『チェンさん』も私とほぼ同時に助手席のドアを開け,同じ方向へ逃げた。私は,『チェンさん』を追い抜き,そのまま民家に隠れた。私が逃げてきた方の道路から,『立て,こっちこい。』などと声が聞こえてきたので見ると,道路に座っている人が一人いて,立っている二人の男がその人を引っ張っていた。私は『チェンさん』が警察に捕まったものと思った。その後,『チェンさん』の携帯電話から,私の携帯電話に電話がかかり,かけ直すとKが出て,『チェンさん捕まったね。』と言われた。私は,後日,『チェンさん』以外の4人の中国人とは会ったことがあるので,警察に捕まったのは『チェンさん』に間違いない。私は,前記7件の犯行等を『チェンさん』と一緒に行ってきたほか,日中,店舗の下見に何回も一緒に行ったり,平成14年10月中旬ころに焼き肉店,同月下旬ころにオムライス専門店で一緒に食事をしたこともあるため,『チェンさん』の顔をよく覚えている。『チェンさん』の顔には,目がくりっとして,眉毛が濃く,頬がこけているという特徴がある。『チェンさん』とは,被告人のことである。」と供述するところ,その供述内容は,具体的,詳細かつ自然である上,Bは,「チェンさん」とともに7件の建造物侵入,窃盗等の犯行を行い,また,それらの犯行の場面以外にも何度も顔を合わせていたから,その顔をよく覚えているとする点等で合理的である。Bの前記公判供述は,被告人が判示第1の犯行に加わったなどの重要な点において,前記Aの公判供述とも整合している。Bは,前記7件の犯行等により,岐阜地方裁判所コ支部で懲役3年6月の実刑判決を受け,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由は見当たらない。これらの点からすれば,Bの公判供述の信用性は高いものと認められる。 ② 判示第2の1,2の各犯行について 実刑判決を受け,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由は見当たらない。これらの点からすれば,Bの公判供述の信用性は高いものと認められる。 ② 判示第2の1,2の各犯行についてEの公判供述の信用性判示第2の1,2の各犯行の共犯者であるEは,当公判廷において,「私は,シという人に頼まれて,中国人窃盗団の自動車運転手役として,本件平成14年11月19日の2件の犯行に加わり,その際,私が『チョウ』と呼んでいた中国人を助手席に乗せて,その道案内に従って,自動車を運転した。私は,そのときに『チョウ』の顔を何度も見た。また,私は,前記犯行前に待ち合わせ場所付近のマンションの室内で『チョウ』と会っているし,本件以外にも,平成14年10月中旬ころに私が中国人窃盗団の運転手役として自動車を運転したことがあって,その際にも,助手席に乗車した『チョウ』が私に道案内をしていた。さらに,私は,同年11月終わりか12月初旬ころの夕方,名古屋市内の郵便局の前で,運転手役の報酬の件で『チョウ』と会って話をしたことがある。私は,そのころには既に『チョウ』の顔を覚えていたので,郵便局前に来た『チョウ』と会うことができたが,結局報酬をもらうことはできなかった。 『チョウ』の顔には,ほお骨が出ていて,目がくりっとして,眉毛が太く濃いという特徴があり,その顔はずっと覚えている。『チョウ』とは,被告人のことである。」と供述するところ,その供述内容は具体的,詳細かつ自然である上,Eは,被告人とともに2件の建造物侵入,窃盗の犯行を行い,それらの犯行の場面以外にも被告人と会っていたため,同人の顔をよく覚えているとする点等で合理的である。Eは,前記2件等の犯行により,名古屋地方裁判所で懲役2年6月の実刑判決を受けて,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚 にも被告人と会っていたため,同人の顔をよく覚えているとする点等で合理的である。Eは,前記2件等の犯行により,名古屋地方裁判所で懲役2年6月の実刑判決を受けて,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由は見当たらない。これらの点からすれば,Eの公判供述の信用性は高いものと認められる。 ③ 判示第3の1,2の各犯行についてア軍手に付着した血痕についてA及びBの各公判供述等の関係各証拠によれば,判示第3の2の犯行において,Aらの中国人実行犯らが窃取した金庫をステージアの荷台に積み込もうとした際,中国人実行犯の一人が金庫と荷台の間に左手の指を挟んで怪我をし,出血して左手にはめていた軍手に血が付いたことが認められるところ,その後もAらが窃盗等の犯行の際に使用しており,判示第6の犯行現場に遺留された前記ステージアから,左手側に血痕が付着した軍手が押収されている。そして,前記軍手に付着した血痕と被告人の血液について,ABO式血液型検査と複数の型でのDNA検査を実施した結果,両者はいずれも同じ型であり,それらの型が全て一致する人物の中国人における出現頻度は約96万人に1人の確率であることが認められる。これらの点からすれば,前記ステージアから押収された軍手に付着した血痕は,被告人の血液であることが強く推認される。 イ A及びBの各公判供述の信用性いずれも判示第3の1,2の各犯行の共犯者である,Aは前記①アのとおり,Bは前記①イのとおり,それぞれ当公判廷で供述するところ,その供述内容はいずれも,詳細,具体的,自然かつ合理的である上,前記アの,前記軍手に付着した血痕は被告人の血液であると強く推認される事実に整合しており,さらに,前記各供述は,被告人が判示第3の1,2の各犯行に加わったなどの重要な点で相互に整合し 理的である上,前記アの,前記軍手に付着した血痕は被告人の血液であると強く推認される事実に整合しており,さらに,前記各供述は,被告人が判示第3の1,2の各犯行に加わったなどの重要な点で相互に整合している。これらの点からすれば,A及びBの公判供述の信用性はいずれも高いものと認められる。 ④ 判示第4の1,2の各犯行についてア Uの公判供述の信用性判示第4の1,2の各犯行の共犯者Uは,当公判廷において,「私は,Kらに誘われ,本件平成14年12月4日の2件の犯行,同月5日の2件の犯行,同月8日の犯行に加わったが,私が『リーリー』と呼ぶ一人の中国人がいずれの犯行にも実行犯として加わっていた。各犯行現場で他の共犯者らに指示をしていたのが『リーリー』であったことや日本人の共犯者が来たときに話をするのは専ら『リーリー』であったことなどから,窃盗団のリーダーは『リーリー』である。私は,同月3日に『リーリー』と初めて会ったが,そのとき同人は手の指に包帯を巻いていた。私は,同月3日から同月8日までずっと『リーリー』と一緒にいたので,その顔をよく覚えている。『リーリー』の顔には,眉毛が太く,奧目がちな目で,あごがとがっていて,顔の輪郭が細いという特徴がある。『リーリー』とは,被告人のことである。」と供述するところ,その供述内容は具体的,詳細かつ自然である上,Uは,「リーリー」とともに本件5件の建造物侵入,窃盗等の犯行を行い,それらの犯行の場面以外においても,平成14年12月3日から同月8日までの間,ずっと「リーリー」と一緒にいたため,その顔をよく覚えているとする点等で合理的である。Uの前記公判供述は,被告人が判示第4の1,2の犯行に加わったなどの重要な点で,後記A及びKの各公判供述とも整合している。Uは,前記5件の建造物侵入,窃盗等の各犯 えているとする点等で合理的である。Uの前記公判供述は,被告人が判示第4の1,2の犯行に加わったなどの重要な点で,後記A及びKの各公判供述とも整合している。Uは,前記5件の建造物侵入,窃盗等の各犯行及び他の住居侵入,窃盗1件の犯行により,岐阜地方裁判所コ支部で懲役4年の実刑判決を受け,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由は見当たらない上,被告人と同じ中国s省t市内に自宅があるため,被告人に不利益な証言をすると,後日被告人から自分やその家族が復讐されるのではないかと恐れているにもかかわらず,敢えて被告人に不利益な供述をしている。これらの点からすれば,Uの前記公判供述の信用性は高いものと認められる。 イ Aの公判供述の信用性判示第4の1,2の各犯行の共犯者Aは前記①アのとおり,当公判廷で供述するところ,その供述内容は詳細,具体的,自然かつ合理的である上,前記Uの公判供述及び後記Kの公判供述と整合しており,その供述の信用性は高いものと認められる。 ウ Kの公判供述の信用性判示第4の1,2の各犯行の共犯者Kは,「私は,本件平成14年12月4日の2件の犯行,同月5日の2件の犯行に加わったが,私が『ニイニイ』と呼ぶ一人の中国人が,いずれの犯行にも加わっていた。『ニイニイ』は,日本人のケや運転手役の者と連絡を取ったり,犯行場所を下見して見付けてくるなどの役目をしていたから,窃取したお金の分配の際,他の共犯者と違って,先に15パーセントくらいのお金を分け前として取り,その後運転手の取り分を差し引き,その残りを『ニイニイ』やケを含めた共犯者ら間で均等に分配していた。『ニイニイ』は,平成14年11月30日ころ,指に怪我をしたことがあり,同年12月4日の犯行の際,怪我をした指から手にかけて白い包帯を巻いて 『ニイニイ』やケを含めた共犯者ら間で均等に分配していた。『ニイニイ』は,平成14年11月30日ころ,指に怪我をしたことがあり,同年12月4日の犯行の際,怪我をした指から手にかけて白い包帯を巻いていた。私は,平成15年1月20日,『ニイニイ』が逮捕されるのを見たわけではない。ただ,私は,『ニイニイ』以外の中国人共犯者であるK,小宝,表弟とは,同日以後も会ったことがあるけれども,『ニイニイ』とはその後会ったことがない。私は,『ニイニイ』から,同人の本名が『チュン』であると聞かされたことがある。私は,夜,『ニイニイ』と一緒に何回か犯行を行ったり,昼間『ニイニイ』が私のマンションへ遊びに来たりしていたので,『ニイニイ』を見ればすぐにわかる。『ニイニイ』とは,被告人のことである。」と供述するところ,その供述内容は具体的,詳細かつ自然である上,Kは,「ニイニイ」とともに前記4件等の犯行を行ったほか,日中,被告人と一緒に遊んだりしていたことから,その顔を覚えているとする点等で合理的である。Kの前記公判供述は,前記Uの公判供述,前記Aの公判供述とも整合している。Kは,前記4件の犯行に加えて判示第3の1,2,判示第6,判示第8の1,2の犯行,出入国管理及び難民認定法違反の罪で岐阜地方裁判所コ支部で懲役6年の実刑判決を受け,現在受刑中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由は見当たらない上,被告人と同じ中国s省t市内に自宅があるため,被告人に不利益な証言をすると,後日被告人から自分やその家族が復讐されるのではないかと恐れているにもかかわらず,敢えて被告人に不利益な供述をしている。 これらの点からすれば,Kの前記公判供述の信用性は高いものと認められる。 ⑤ 判示第5の1,2の各犯行についてU,A及びKの各公判供述の信用性いずれも判示 に不利益な供述をしている。 これらの点からすれば,Kの前記公判供述の信用性は高いものと認められる。 ⑤ 判示第5の1,2の各犯行についてU,A及びKの各公判供述の信用性いずれも判示第5の1,2の各犯行の共犯者である,Uは前記④アのとおり,Aは前記①アのとおり,Kは前記④ウのとおり,それぞれ当公判廷において供述するところ,その供述内容は詳細,具体的,自然かつ合理的である上,各供述は,被告人が判示第5の1,2の犯行に加わったなどの重要な点で相互に整合している。これらの点からすれば,前記3名の各公判供述はいずれも信用性が高いものと認められる。 ⑥ 判示第6の犯行についてア Uの公判供述の信用性判示第6の犯行の共犯者Uは,当公判廷において,前記④アのとおり供述しているところ,その供述内容は詳細,具体的,自然かつ合理的である上,被告人が判示第6の犯行に加わったなどの重要な点で,後記Fの公判供述とも整合している。これらの点からすれば,Uの公判供述の信用性は高いものと認められる。 イ Fの公判供述の信用性判示第6の犯行の共犯者Fは,当公判廷において,「私は,本件平成14年12月8日の犯行に加わり,窃盗の犯行に行く中国人らを乗せて,その犯行現場まで自動車を運転したことがある。私は,最初中国人3人を乗せて普通乗用自動車トヨタノア(以下「ノア」という。)を運転して名古屋市内から岐阜県本巣郡u町方面へ向かった。同町内で,助手席に乗車していた中国人の指示で,私は,ゴルフ練習場の駐車場にノアを入れて駐車し,その中国人がノアの助手席から降りていき,代わりに別の中国人がノアの助手席に乗車してきた。その中国人の指示で,私は,ノアを発進させて,同県v市内まで運転していき,同市内で,助手席の中国人から『ストップ,ドライバー の助手席から降りていき,代わりに別の中国人がノアの助手席に乗車してきた。その中国人の指示で,私は,ノアを発進させて,同県v市内まで運転していき,同市内で,助手席の中国人から『ストップ,ドライバーチェンジ。』などと指示されて,ノアを降りて,ステージアの運転手と車を交替した。同県本巣郡u町内から同県v市内まで,私の運転するノアの助手席に乗車していた中国人の顔は,眉毛が太く,目がくりっとしていて,顔がほっそりしていてちょっと暗いイメージのある顔であった。私は,指示される際などにその中国人の顔を見たところ,その中国人は,髪は少し耳にかかるくらいで茶髪で,一人だけ髪を染めていたため,印象的であった上,私の中学校時代の同級生の中国人の顔によく似ていたため,その中国人の顔をよく覚えている。その中国人とは,被告人のことである。」と供述するところ,その供述内容は具体的,詳細かつ自然である上,Fは,運転席から隣の助手席に座っていた中国人の顔を見ており,その髪の毛が茶髪で印象的であり,中国人の同級生に顔がよく似ていたために,その中国人の顔をよく覚えていたとする点等で合理的である。Fは,判示第2の1,2の各犯行の際にも中国人らを乗せて運転手役をしたが,そのときの中国人の顔は覚えていないと供述しており,記憶していることと記憶していないことを区別して供述している。Fの前記公判供述は,被告人が判示第6の犯行に加わったなどの重要な点で,前記Uの公判供述とも整合している。また,Fは,判示第6の犯行について名古屋家庭裁判所で保護観察処分を受け,現在保護観察中であり,被告人に不利益な虚偽の供述をする理由も見当たらない。これらの点からすれば,Fの前記公判供述の信用性は高いものと認められる。 ウ軍手に付着した血痕について判示第6の犯行現場に遺留されたステー 不利益な虚偽の供述をする理由も見当たらない。これらの点からすれば,Fの前記公判供述の信用性は高いものと認められる。 ウ軍手に付着した血痕について判示第6の犯行現場に遺留されたステージアから押収された軍手の血痕は,前記③アのとおり,被告人の血液と強く推認されるが,このような血痕が付着した軍手が,犯行に供された前記ステージア内から押収されたことは,U及びFの前記各公判供述の信用性を高めるものである。 ⑦ 判示第7の1,2の各犯行についてア A及びBの各公判供述の信用性いずれも判示第7の1,2の各犯行の共犯者である,証人Aは前記①アのとおり,証人Bは前記①イのとおり,当公判廷で供述しており,その供述内容は詳細,具体的,自然かつ合理的である上,各供述は,被告人が判示第7の1,2の各犯行に加わったなどの重要な点で相互に整合している。これらの点からすれば,両名の公判供述はいずれも信用性が高いものと認められる。 イ被害品の商品券の指紋について判示第7の2の犯行により窃取された商品券が,和歌山市内の数件のチケットショップで発見され,鑑定の結果,そのうちの1枚の商品券から採取された指紋が被告人の指紋と符合している。同商品券は,窃取されるまで流通したことがなかったものである上,Aら中国人実行犯は判示第7の犯行の際に手袋をしていたことから,被告人が同犯行後,窃取品である前記商品券を処分するまで保管していた際等に,被告人の指紋が付着したものと推認される。この事実は,A及びBの各公判供述の信用性を高めるものである。 ⑧ 判示第8の1,2の各犯行についてア被告人が判示第8の2の犯行日時ころ,窃取された金庫が積み込まれたエルグランドに乗車して犯行現場にいたこと被告人は,平成15年1月20日,三重県桑 判示第8の1,2の各犯行についてア被告人が判示第8の2の犯行日時ころ,窃取された金庫が積み込まれたエルグランドに乗車して犯行現場にいたこと被告人は,平成15年1月20日,三重県桑名市所在のク店の犯行現場から逃走したところを現場に駆け付けた警察官に目撃され,その後,同店付近路上で警察官に現行犯逮捕されており,判示第8の2の犯行日時に犯行現場にいたことが認められる。被告人自身も,捜査段階において,Kらの中国人数名及び日本人1名と一緒に,犯行現場に遺留され,同店から窃取された金庫がその荷台に積み込まれたエルグランドに乗車して犯行現場まで来て,同車内に乗車していたところ,警察官が来たため逃走した旨供述して自認している。 イ A及びBの各公判供述の信用性いずれも判示第8の1,2の各犯行の共犯者である証人Aは前記①アのとおり,証人Bは前記①イのとおり,当公判廷で供述しており,その供述内容は詳細,具体的,自然かつ合理的である上,各供述は,被告人が判示第8の1,2の各犯行に加わったなどの重要な点で相互に整合している。 また,前記アの,被告人が判示第8の2の犯行日時ころ,窃取された金庫が積み込まれたエルグランドに乗車して犯行現場にいた事実は,A及びBの前記各公判供述の信用性を高めるものである。これらの点からすれば,両名の各公判供述はいずれも信用性が高いものと認められる。 ⑨ 弁護人主張の検討弁護人は,証人U,F,E,B,A及びKの各公判供述について,同人らは,数回ないし短時間しか前記中国人グループのまとめ役である共犯者と会っていないものである上,犯行から相当時間が経過し記憶が曖昧になっている中で,捜査機関により,被告人が犯人であると誘導された可能性があるから,前記各証人らの公判供述の信用性はいずれも低いと主張する っていないものである上,犯行から相当時間が経過し記憶が曖昧になっている中で,捜査機関により,被告人が犯人であると誘導された可能性があるから,前記各証人らの公判供述の信用性はいずれも低いと主張するが,関係各証拠によれば,前記各証人らは,その特徴を記憶するに十分な回数ないし時間,前記共犯者と会っていたこと,捜査機関が面割りの際に前記各証人らに誘導したり,被告人が犯人であることを暗示させないような方法で写真面割り等を実施したことが認められる。 また,弁護人は,犯行当時の前記共犯者の頭髪の色や他の共犯者からの呼び名について,前記各証人らやその他の共犯者らの供述間で食い違いがあることから,前記各証人らの各公判供述の信用性は低いとも主張する。 しかし,本件において,前記共犯者の当時の頭髪の色は,染色により一定していなかった可能性もあり,前記各証人らが供述するほかの特徴と比較すればそれほど重要な事項といえず,時の経過等により記憶が曖昧になったとしても不合理とはいえないし,前記共犯者の呼び名についても,日本人共犯者が「チェン」,「チョウ」,中国人共犯者が「リーリー」,「ニイニイ」などと異なる呼称で呼んでいたことは認められるものの,他の関係各証拠から,いずれも同一の中国人共犯者であると明らかに認められるものである上,日本人共犯者間,中国人共犯者間に分けると,それぞれの間では類似した呼称で呼ばれていたものということができる。これらの点から,弁護人の前記各主張を勘案しても,被告人が本件各犯行の犯人であることに合理的な疑いを容れない。 4 まとめ以上検討のとおり,U,F,E,B,A及びKの当公判廷における各供述を中心とする関係各証拠により,判示第1ないし第8の2のいずれの犯行においても,被告人が各犯行に加わっていた事実が認められ,他に前記認定を 討のとおり,U,F,E,B,A及びKの当公判廷における各供述を中心とする関係各証拠により,判示第1ないし第8の2のいずれの犯行においても,被告人が各犯行に加わっていた事実が認められ,他に前記認定を覆すに足る証拠は存在しない。 (法令の適用) 1 罰条① 判示第1,第4の1,第7の1,第8の1の各行為についていずれも建造物侵入の点は刑法60条,130条前段いずれも窃盗未遂の点は刑法60条,243条,235条② 判示第2の1,第3の1,2,第4の2,第5の1,2,第7の2,第8の2の各行為についていずれも建造物侵入の点は刑法60条,130条前段いずれも窃盗の点は刑法60条,235条③ 判示第2の2の行為について刑法60条,130条前段④ 判示第6の行為について刑法60条,132条,130条前段 2 科刑上一罪の処理① 判示第1,第4の1,第7の1,第8の1の各罪についていずれも刑法54条1項後段,10条(一罪として重い窃盗未遂罪の刑で処断)② 判示第2の1,第3の1,2,第4の2,第5の1,2,第7の2,第8の2の各罪についていずれも刑法54条1項後段,10条(一罪として重い窃盗罪の刑で処断) 3 刑種の選択・判示第2の2及び第6の各罪についていずれも懲役刑を選択 4 併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い判示第3の2の罪の刑に法定の加重) 5 未決勾留日数の算入刑法21条 6 訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由)本件は,被告人が,いずれも共犯者らと共謀の上,スーパーマーケット等の商店に侵入して,金品を窃取した建造物侵入,窃盗8件,商店に侵入し の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由)本件は,被告人が,いずれも共犯者らと共謀の上,スーパーマーケット等の商店に侵入して,金品を窃取した建造物侵入,窃盗8件,商店に侵入して,金品を窃取しようとしたが,窃盗の目的を遂げなかった建造物侵入,窃盗未遂4件,金品窃取の目的で商店に侵入した建造物侵入1件,同様の目的で商店に侵入しようとしたが侵入の目的を遂げなかった建造物侵入未遂1件の事案である。 本件各犯行は,共犯者らのうち,日本人グループが見張りや自動車の運転等を担当し,中国人グループが実行犯を担当するという役割分担をした上,夜間,狙いを付けた商店内に人がいないことを確認するなどして,商店の出入口に荷台を開けた自動車を待機させ,警察官等が現場に駆け付ける前に逃走するため,予め逃走までの時間を決めてタイマーをセットし,手袋をはめ,準備したバールで出入口をこじ開けるなどして建物内に侵入し,窃取した金庫を積み込んで素早く現場から逃走するなどしたもので,その犯行態様は,組織的,計画的であるばかりか,わずか3か月足らずの間に同様の手口で敢行した連続的犯行であって,極めて悪質である。被告人は,前記中国人グループのまとめ役として,日本人グループのまとめ役の人物と連絡を取り合って犯行場所等を選定したり,犯行現場等で共犯者らに対して各種指示を行うなど,本件において終始主導的かつ重要な役割を果たしたものである。本件各犯行による被害金額は合計2500万円余りと多額に及んでいて,生じた結果は大きいところ,被告人は,共犯者中最も多額の現金等の分配を受けている。被害者らは,いずれも被告人らに対する厳重な処罰を求めているが,被告人は,被害者らに対して慰謝の措置を講じていないのみならず,公判廷においても意味不明な供述を繰り返すなどしており,反省の 受けている。被害者らは,いずれも被告人らに対する厳重な処罰を求めているが,被告人は,被害者らに対して慰謝の措置を講じていないのみならず,公判廷においても意味不明な供述を繰り返すなどしており,反省の態度や改悛の情は窺われない。以上によれば,被告人の刑事責任は重大である。 他方,判示第1,第4の1,第7の1,第8の1の各窃盗及び判示第6の建造物侵入は未遂に終わったこと,判示第8の2の被害品全部など,被害品の一部は被害者らに還付されたこと,被告人には日本国内での前科がないことなど,被告人のために斟酌すべき事情も認められるので,これら一切の事情を総合考慮して,主文のとおりの刑を科すこととする。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑懲役12年)平成17年3月10日岐阜地方裁判所刑事部裁判長裁判官土屋哲夫裁判官古閑美津惠裁判官今井輝幸

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