令和3(ワ)9575

裁判年月日・裁判所
令和5年11月24日 東京地方裁判所
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判決文本文61,235 文字)

令和5年11月24日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和3年(ワ)第9575号業務発明に伴う不当利得返還請求事件口頭弁論終結日令和5年6月9日判決 原告 A 被告東京エレクトロン株式会社 同訴訟代理人弁護士菅 尋史 同矢嶋雅子同仁木覚志同草深充彦同石井将介主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主位的請求 ⑴ 被告は、原告に対し、5000万円及びこれに対する平成24年7月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 被告は、原告に対し、別紙特許権目録記載の特許権につき、持分100分の99の移転登録手続をせよ。 2 予備的請求 被告は、原告に対し、5000万円及びこれに対する令和3年5月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件の主位的請求は、原告が、従業員として被告に在籍中に原告がした発明 について、職務発明に該当しないにもかかわらず、職務発明に当たりその特許を受ける権利を承継したとして被告が当該発明に係る特許出願をして特許を受けたことなどにより利益を得たことが不当利得に当たるとして、その利得金17億1300万円の一部である5000万円及び利得を得た後である平成24年7月25日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法 (以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による法定利息の支払を求めると 000万円及び利得を得た後である平成24年7月25日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法 (以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による法定利息の支払を求めるとともに、特許を受ける権利の承継が無効であるとして、当該発明に係る特許を受ける権利に基づく妨害排除請求権の便法として、特許権の一部である持分100分の99の移転登録を求めた事案である。 本件の予備的請求は、原告が、前記発明は職務発明であるところ、相当の対 価の支払を受けていないとして、平成16年法律第79号による改正前の特許法(以下「旧特許法」という。)35条3項に基づき、相当の対価37億2555万円の一部である5000万円及び弁済期の後である令和3年5月11日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実及び証拠上容易に認められる事実。証拠等は括弧で付記した。なお、書証は特記しない限り枝番を全て含み、英文と翻訳文とを区別しない。また、西暦で表記されている場合も含めすべて和暦で記載する。以下同じ。)⑴ 当事者(甲1、争いがない事実) 原告は、昭和55年4月1日に、被告の従業員となり、平成29年3月3 1日に、被告を定年退職した。 被告は、半導体製造装置の製造及び販売を行う株式会社であり、平成2年当時からプローブ装置等を製造していた。 ⑵ 平成2年当時の原告の職務内容について原告は、昭和63年4月1日以降、被告において、「8級職」として登録 され、プローブ装置等の検査装置を担当する部署において、営業職として勤務していた。なお、8級職は、上司の概括的な指示に基づいて、一定範囲の業務に高度の専門的知識と実務経験による判 」として登録 され、プローブ装置等の検査装置を担当する部署において、営業職として勤務していた。なお、8級職は、上司の概括的な指示に基づいて、一定範囲の業務に高度の専門的知識と実務経験による判断力や企画力を有し、課長の補佐や代行も行い得る能力を有するものとされていた(乙1、2、争いのない事実)。 ⑶ 原告による発明の届出原告は、平成2年4月10日、被告に対し、測定する際に針をウエハ上のPadに接触及びオーバドライブをかけた状態でX、Y又はθ方向に微振動若しくは数マイクロメートル単位の移動を行い、接触抵抗の低下を可能とするプローブ装置を発明したとして、このことを日本及び外国において知的所 有権を受ける権利を被告に譲渡する旨の不動文字による記載のある報告書によって、被告に届け出た(以下、この届出を「本件届出」という。)。(甲31、乙4)被告の業務規程である知的所有権に関する規程(規程番号3109。改訂年月日が昭和63年3月22日のもの。以下「昭和63年規程」という。) によれば、職務発明は、会社がその権利を承継する旨(第3条1項)、社員は知的所有権に係る職務発明を行った場合、直ちにその旨を「知的所有権報告書」に記入し、発明者の譲渡印を捺印のうえ、所属部長に届け出なければならない旨(第5条1項)、所属部長は、かかる届け出を受けたときは、既契約との関係及び当該職務発明の評価を行いその結果を記入して技術情報管 理部に届け出なければならない旨(第5条2項)、技術情報管理部は、上記 届出に関わる発明が職務発明に該当するか否かの認定を行い(第6条)、その結果を速やかに所属部長経由で発明者に通知する旨(第8条)が定められている。また、本件届出には、提案者として原告の氏名が記入され、その隣の提案者上長 発明に該当するか否かの認定を行い(第6条)、その結果を速やかに所属部長経由で発明者に通知する旨(第8条)が定められている。また、本件届出には、提案者として原告の氏名が記入され、その隣の提案者上長欄に上長の署名押印がある(乙3)。 ⑷ 被告による発明の特許出願 ア被告は、本件届出に係る発明につき、以下のとおり、特許の出願をし、その後、その設定登録を受けた(以下、この特許を「本件特許」といい、本件特許に係る特許権を「本件特許権」という。)。本件特許は、平成22年7月13日、その権利が消滅した。 登録番号特許第3208734号 出願番号特願平2-216982号発明の名称プローブ装置出願年月日平成2年8月20日登録年月日平成13年7月13日イ本件特許に係る各請求項の特許請求の範囲は次のとおりである(以下、 請求項1に記載された発明を「本件発明1」、請求項2に記載された発明を「本件発明2」といい、本件発明1と本件発明2を併せて「本件各発明」という。)。 請求項1被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ 軸 方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、前記載置台をZ軸方向へ移動させてプローブカードに設けられたプローブ針を前記被測定体に接触させて前記被測定体の電気的特性を測定するようにしたプローブ装置において、前記載置台を、前記駆動手段により、前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ 軸方向に微移動させて前 記被測定体の電気的特性を測定するように構成したことを特徴とするプローブ装置。 請求項2被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ 軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、前 記被測定体の電気的特性を測定するように構成したことを特徴とするプローブ装置。 請求項2被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ 軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、前記載置台をZ軸方向へ移動さ せてプローブカードに設けられたプローブ針を前記被測定体に接触させて前記被測定体の電気的特性を測定するようにしたプローブ方法において、前記被測定体の電気的特性を測定する前に、前記載置台を、前記駆動手段により、前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ 軸方向に微移動させ、前記プローブ針と前記被測定 体の電気的導通を確保してから前記被測定体の電気的特性を測定することを特徴とするプローブ方法。 ウ本件各発明を分説すると次のとおりとなる(以下、それぞれの構成について、請求項の項番号と分説の符号に従い、「構成要件1A」などという。)。 請求項1A 被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、B 前記載置台をZ軸方向へ移動させてプローブカードに設けられたプローブ針を前記被測定体に接触させて前記被測定体の電気的特性を測 定するようにしたプローブ装置において、C 前記載置台を、D 前記駆動手段により、E 前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態で、FX軸、Y軸またはθ 軸方向に微移動させて前記被測定体の電気的 特性を測定するように構成した G ことを特徴とするプローブ装置。 請求項2A 被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、B 前記載置台をZ軸方向へ移動させてプローブカードに設けられたプ ローブ針を前記被測定体 A 被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、B 前記載置台をZ軸方向へ移動させてプローブカードに設けられたプ ローブ針を前記被測定体に接触させて前記被測定体の電気的特性を測定するようにしたプローブ方法において、C 前記被測定体の電気的特性を測定する前に、前記載置台を、D 前記駆動手段により、E 前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態で、 FX軸、Y軸またはθ 軸方向に微移動させ、前記プローブ針と前記被測定体の電気的導通を確保してから前記被測定体の電気的特性を測定するG ことを特徴とするプローブ方法。 ⑸ 国外における特許の出願 ア被告は、平成3年7月11日、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)において、プローブ装置に関する特許出願をし、平成7年7月25日、その設定登録を受けた(登録番号5436571。以下、この特許を「本件米国特許」という。)(甲5)。なお、原告は、平成3年7月5日、本件米国特許に係る権利を被告に譲渡した。 イ被告は、平成3年8月19日、大韓民国(以下「韓国」という。)において、プローブ装置に関する特許出願をし、平成10年8月31日、その設定登録を受けた(登録番号0162499。以下、この特許を「本件韓国特許」といい、本件米国特許と併せて「本件外国特許」と、本件特許及び本件外国特許を併せて「本件各特許」という。)(甲6) ⑹ 被告における補償金規程 ア昭和63年規程には、会社が特許の出願等をしたときは、発明の補償として当該発明者に対し、最初の出願時に5000円、登録時に3000円を支払うほか、社内実施があったときは1級から6級までの等級に分けて、1万円から10万円を支払う旨規定さ をしたときは、発明の補償として当該発明者に対し、最初の出願時に5000円、登録時に3000円を支払うほか、社内実施があったときは1級から6級までの等級に分けて、1万円から10万円を支払う旨規定されていたが、支払時期については規定されていない(乙3)。 イ被告が平成21年11月1日に改訂した知的財産権に関する規程(昭和63年規程から数次にわたって改訂されたもの。以下、「平成21年規程」という。)には、社員の発明が職務発明に該当する場合には、当該職務発明に係る全ての権利は、発明時にさかのぼって被告に帰属する旨(5条1項)、被告は、当該規程に基づく職務発明に関する権利の承継の対価とし て、発明者に対して補償金を支給する旨(11条1項)、当該補償金の支給条件及び額等については、別途定める「職務発明等に関する補償金支給に係る細則」(以下「本件細則」といい、昭和63年規程及び平成21年規程と併せて「本件補償金規程」という。)に従う旨(11条2項)規定されていたが、支払時期については規定されていなかった(甲12)。 ウ本件細則には、被告が発明者等から権利を承継した職務発明について日本国に出願した場合に出願補償金として1万円(3条1項)、被告が発明者等から承継した職務発明について出願し、その出願が日本国において設定登録された場合に登録補償金として1万円(4条1項)、被告が登録後7年目の登録料を納付して発明者等から承継した職務発明にかかる日本国 特許の存続を維持した場合であって、出願日からこれらの権利が登録後満5年を経過する日までの期間に当該職務発明等について活用実績があることを確認した場合には、第1回実績補償金として10万円を支払う(5条1項)旨規定されていたほか、特別報奨金について、第8条に以下のとおり規定して 日までの期間に当該職務発明等について活用実績があることを確認した場合には、第1回実績補償金として10万円を支払う(5条1項)旨規定されていたほか、特別報奨金について、第8条に以下のとおり規定していたが、支払時期についてはいずれも規定されていなかった (甲13)。 1項被告は、被告及び被告グループ関連会社の業績への貢献が特に著しいと認める発明者等から承継した職務発明等については、当該職務発明等の発明者等に特別報奨金を支給することができる。 2項 前項に定める特別報奨金の支給対象は、次の各号に定める職務発明等の中から担当知的財産部門が選定し、さらに、当該選定された職務発明等の中から当該職務発明等の属する技術分野を担当する開発部門の執行役員が選抜する。 a 登録後13年目の登録料を納付して日本国における権利を存続させ た職務発明等b 他社への実施許諾または他社とのクロスライセンスの対象とした職務発明等c 他社への権利行使(侵害行為の差止請求、損害賠償請求等)に成功した職務発明等 d 他社へ権利譲渡した職務発明等e その他特に必要と認めた職務発明等第1項に定める特別報奨金の金額は、当該職務発明等による被告及び被告グループ関連会社の業績への貢献の程度、当該職務発明等の発明者等の被告又は被告グループ関連会社における職責及び待遇、その他の 事情を考慮して、被告が判断し決定する。 本条に定める特別報奨金の支給対象の選定・選抜は1年に1回の頻度で行うものとする。 本条に定める特別報奨金の支給対象及びその金額は、被告の社長が承認する。 エ被告は、平成23年11月頃、従業員に対して、「特別報奨金支給に関 する考え方および手順」と題する書面(以下「本件 る特別報奨金の支給対象及びその金額は、被告の社長が承認する。 エ被告は、平成23年11月頃、従業員に対して、「特別報奨金支給に関 する考え方および手順」と題する書面(以下「本件考え方及び手順書」という。)を制定し、公表した。本件考え方及び手順書には、本件考え方及び手順書の内容は、平成21年11月1日以降に支給される特別報奨金に適用される旨、承認を受けた特別報奨金は、原則として対象特許が消滅した日の翌々会計年度に支給する旨規定されていた(甲14)。 ⑺ 補償金の支払ア被告は、平成2年、本件特許を出願し、原告に対し、同年頃、昭和63年規程に基づき、出願補償金として5000円を支払った。 イ被告は、本件特許及び本件米国特許の設定登録を受けたため、その設定登録がされた平成7年頃、原告に対し、同時点の規程に基づき、登録補償 金として、本件米国特許について3000円、本件特許について5000円を支払った。 ウ被告は、平成22年2月25日、原告に対し、平成21年規程及び本件細則に基づき、第1回実績補償金として、10万円を支払った(以下、これらの各補償金を併せて「本件補償金」という。)(甲64)。 ⑻ 本件特許の出願後に被告が出願した特許被告は、本件特許の出願後、以下のア及びイの各特許(以下、アの特許を「別件特許1」、イの特許を「別件特許2」といい、これらを併せて「各別件特許」という。)の出願をした(乙9、10)。 ア別件特許1 別件特許1の概要は以下のとおりである。 a 登録番号特許第3423979号b 出願番号特願平9-202476号c 発明の名称プローブ方法及びプローブ装置d 出願年月日平成9年7月11日 e 登録年月日平成 特許第3423979号b 出願番号特願平9-202476号c 発明の名称プローブ方法及びプローブ装置d 出願年月日平成9年7月11日 e 登録年月日平成15年5月2日 別件特許1の特許請求の範囲の請求項4の記載は以下のとおりである(以下、別件特許1の特許請求の範囲の請求項4に記載された発明を「別件発明1」という。)。 被検査体の電気的特性検査を行うプローバ室上面に固定されたプローブカードと、このプローブカードの下方に配置され且つ上記被検査体を 載置するX、Y、Z及びθ 方向に移動可能な載置台と、この載置台の移動を制御するコントローラとを備え、上記載置台を移動させて上記被検査体と上記プローブカードのプローブ端子とを接触させた後更にオーバドライブさせて上記被検査体の電気的検査を行うプローブ装置において、上記コントローラは、上記載置台の情報、上記被検査体の情報及び 上記プローブカードの情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段で記憶された上記各情報に基づいて上記オーバドライブ時の上記載置台のX、Y及びZ方向への移動補正量を求める第1演算手段と、この第1演算手段により求められた上記X、Y及びZ方向の移動補正量に基づいてX、Y及びZ方向の移動量を求める第2演算手段とを備え、上記第2演算手 段により求められた上記X、Y及びZ方向の移動量に基づいて上記載置台をオーバドライブさせることを特徴とするプローブ装置。 別件発明1を分説すると,以下のとおりとなる(以下、それぞれの構成について、符号に従い、「構成要件1a」などという。)。 a 被検査体の電気的特性検査を行うプローバ室上面に固定されたプロ ーブカードと、b このプローブカードの下方に配置され且つ上記被検査体 いて、符号に従い、「構成要件1a」などという。)。 a 被検査体の電気的特性検査を行うプローバ室上面に固定されたプロ ーブカードと、b このプローブカードの下方に配置され且つ上記被検査体を載置するX、Y、Z及びθ 方向に移動可能な載置台と、c この載置台の移動を制御するコントローラとを備え、d 上記載置台を移動させて上記被検査体と上記プローブカードのプロ ーブ端子とを接触させた後更にオーバドライブさせて上記被検査体の 電気的検査を行うプローブ装置において、e 上記コントローラは、f 上記載置台の情報、上記被検査体の情報及び上記プローブカードの情報を記憶する記憶手段と、g この記憶手段で記憶された上記各情報に基づいて上記オーバドライ ブ時の上記載置台のX、Y及びZ方向への移動補正量を求める第1演算手段と、h この第1演算手段により求められた上記X、Y及びZ方向の移動補正量に基づいてX、Y及びZ方向の移動量を求める第2演算手段とを備え、 i 上記第2演算手段により求められた上記X、Y及びZ方向の移動量に基づいて上記載置台をオーバドライブさせるj ことを特徴とするプローブ装置。 イ別件特許2別件特許2の概要は以下のとおりである。 a 登録番号特許第4223640号b 出願番号特願平11-261106号c 発明の名称プローブ方法及びプローブシステムd 出願年月日平成11年9月14日e 登録年月日平成20年11月28日 別件特許2の特許請求の範囲の請求項6の記載は以下のとおりである(以下、別件特許2の特許請求の範囲の請求項6に記載された発明を「別件発明2」という。)。 被検査体を載置する載置台と、この載置台をX方向、 2の特許請求の範囲の請求項6の記載は以下のとおりである(以下、別件特許2の特許請求の範囲の請求項6に記載された発明を「別件発明2」という。)。 被検査体を載置する載置台と、この載置台をX方向、Y方向及びZ方向へそれぞれ移動させるX軸駆動機構、Y軸駆動機構及びZ軸駆動機構 と、上記載置台の上方に配置され且つ上記被検査体に電気的に接触する 複数のプローブを有するプローブカードとを備え、且つ、上記載置台がオーバドライブする時に上記プローブの先端が上記被検査体の電極パッド内に留まるように上記載置台を上記プローブカードの方向へオーバドライブさせるために、上記各駆動機構それぞれと信号回線で接続され且つ上記各駆動機構それぞれを、同一の位置情報及び速度情報を含む一回 の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えたことを特徴とするプローブシステム。 別件発明2を分節すると、以下のとおりとなる(以下、それぞれの構成について、符号に従い、「構成要件2a」などという。)。 a 被検査体を載置する載置台と、 b この載置台をX方向、Y方向及びZ方向へそれぞれ移動させるX軸駆動機構、Y軸駆動機構及びZ軸駆動機構と、c 上記載置台の上方に配置され且つ上記被検査体に電気的に接触する複数のプローブを有するプローブカードとを備え、且つ、上記載置台がオーバドライブする時に上記プローブの先端が上記被検査体の電極 パッド内に留まるように上記載置台を上記プローブカードの方向へオーバドライブさせるために、d 上記各駆動機構それぞれと信号回線で接続され且つ上記各駆動機構それぞれを、同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えた e ことを特徴とするプロー 構それぞれと信号回線で接続され且つ上記各駆動機構それぞれを、同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えた e ことを特徴とするプローブシステム。 ⑼ 被告による、国内に本店を有するある特定の会社(以下「国内C社」という。)に対するプローブ装置の販売ア被告は、平成7年10月頃に「P-8」と称するプローブ装置を、平成12年1月に「P-8XL」と称するプローブ装置を、国内C社に対し販 売して納入した。被告は、平成13年12月頃、国内C社の要求を受け、 「X/YSCRUB機能」と称するソフトウェア(当該ソフトウェアは、後に、SPO162番の番号が付された。以下、このソフトウェアを、この番号が付される前後を問わず「SPO162番」という。また、SPOとは、スペシャルオプションという意味であり、以下、被告におけるこのようなスペシャルオプションを単に「SPO」という。)を前記プローブ 装置にインストールした(以下、このプローブ装置を「国内C社プローブ装置1」という。)。なお、国内C社プローブ装置1へのSPO162番のインストールに当たっては、被告が無償で行う旨の指示書が作成された(甲76から78)。 イ被告は、平成17年8月頃、被告の顧客が保有する被告製のプローブ装 置に実装されたソフトウェアのバージョンの調査を行い、同月23日、国内C社を担当する者から、国内C社が保有していたプローブ装置のうち、SPO162番のソフトウェアが実装された「P-8」と称するプローブ装置及び「P-12」と称するプローブ装置が存在する旨の回答がされた(甲80、81、弁論の全趣旨。以下、この調査で国内C社が保有してい る旨の回答がされたプローブ装置を「国内C社プローブ ーブ装置及び「P-12」と称するプローブ装置が存在する旨の回答がされた(甲80、81、弁論の全趣旨。以下、この調査で国内C社が保有してい る旨の回答がされたプローブ装置を「国内C社プローブ装置2」という。)。 被告が販売して国内C社が保有していたプローブ装置には、プローブ装置に実装されているSPOのソフトウェアに施されているロックを顧客から別途個別に依頼を受けて各別に解除すること(以下、これを「アク ティブ化」ということがある。)で初めてプログラム的な指令が実行されてその機能を奏する仕組みとなっているSPO162番が実装されているものが存在している(弁論の全趣旨)。 ウ被告は、平成16年6月30日、「P-8XL」と称するプローブ装置を国内C社に対して販売して納入した(以下、このプローブ装置を「国内 C社プローブ装置3」といい、国内C社プローブ装置1及び国内C社プロ ーブ装置2と併せて「各国内C社プローブ装置」という。)。国内C社プローブ装置3について、被告のソフトウェア開発部門からプローブ装置の製造部門への指示書には、アクティブ化する対象としてSPO33番、111番及び227番が記載されていたが、SPO162番は記載されていなかった。平成20年4月3日付けの調査データによれば、国内C社プロ ーブ装置3において、SPO162番を含めた13個のSPOが使用できる状態になっていた(甲85、86、乙26)。 ⑽ 本件の経過(当裁判所に顕著な事実)原告は、令和3年4月14日、本件訴えを提起した。 被告は、令和3年7月2日、第2回口頭弁論期日において、本件各発明の 職務発明の対価の支払債務について、消滅時効を援用する旨の意思表示をした。 2 争点⑴ 主位的請求についてア本件特許権 、令和3年7月2日、第2回口頭弁論期日において、本件各発明の 職務発明の対価の支払債務について、消滅時効を援用する旨の意思表示をした。 2 争点⑴ 主位的請求についてア本件特許権の持分100分の99の移転登録を求める請求(以下「本件 移転登録請求」という。)の可否イ本件各発明は職務発明ではなく、被告は特許を受ける権利を承継していないかウ被告が本件各発明を実施したか否か及び実施による利益の額⑵ 予備的請求について ア被告が本件各発明を実施したか否か及び「相当の対価」の額イ相当対価支払債務の消滅時効が完成したか否か 3 争点に対する当事者の主張⑴ 争点⑴ア(本件移転登録請求の可否)について(原告の主張) 特許権消滅後であっても、その存続期間中に行った侵害行為について、何 人に対しても、損害賠償又は不当利得返還の請求ができる可能性が全くなくなったと認められる特段の事情がない限り、特許権の移転登録をする必要性が失われることはない。本件では、特許権消滅後でも、損害賠償を請求することができる。(民法724条)特許消滅後は特許登録原簿から閉鎖原簿に記録が移し替えられるが、その 記録の日から20年間、閉鎖原簿上に存在し(特許登録令施行規則5条)、場合によっては登録原簿への回復もできる(同規則19条)。「対象そのものが存在しない」という被告の主張は誤りである。 (被告の主張)特許権は設定登録により初めて発生するものであり、そのようにして発生 した特許権を移転する場合、特許原簿のうちの特許登録原簿への登録が必要であって、特許権の移転を含む特許法98条1項に規定された事項については、外界から認識し得る公示の手段としての登録が効力発生要件となっている。他方、特許 、特許原簿のうちの特許登録原簿への登録が必要であって、特許権の移転を含む特許法98条1項に規定された事項については、外界から認識し得る公示の手段としての登録が効力発生要件となっている。他方、特許権の消滅についても特許原簿へ登録されその登録をしたときは、特許登録原簿における当該特許権に関する登録を閉鎖特許原簿に移さな ければならないこととされている。このように、特許権の移転は特許登録原簿への登録が必要であるところ、特許権が消滅した場合には特許権に関する登録が特許原簿とは別物である閉鎖特許原簿へ移されることから、消滅した特許権について移転登録を行う余地はない。 一度消滅した特許権について例外的に回復の登録を行う制度は存在するも のの、本件特許は年金未納により消滅の登録がされており、回復の登録がされているわけでもないため、特許権の移転の効力発生要件である登録はできない。特許法112条の2第1項に基づいて特許料及び割増特許料を追納することも既に不可能であり、仮に追納していたとしても本件特許権は平成22年8月20日に期間満了により消滅した。 既に消滅した本件特許権について法令上移転登録手続を行うことが不可能 である以上、原告の移転登録手続請求には訴えの利益がない。 争点 イ(本件各発明は職務発明ではなく、被告は特許を受ける権利を承継していないか)について(原告の主張)本件各発明は、原告が発明したものであるところ、以下の理由から、職務 発明ではなく、その特許を受ける権利は被告に譲渡されていない。 ア本件各発明をした当時における原告の所属部署は本社組織のマーケティング部門であり、新製品又は新機能関連の中の製品企画の職務は発明提案に関連する職務であるものの、その職務内容は既存の製品の問題点を洗い出し 発明をした当時における原告の所属部署は本社組織のマーケティング部門であり、新製品又は新機能関連の中の製品企画の職務は発明提案に関連する職務であるものの、その職務内容は既存の製品の問題点を洗い出し、売れそうなテーマをピックアップし、工場へ解決するよう要求する などの課題を見つけて企画案を提案することである。この職務の遂行の過程において、新規性と進歩性を兼ねる技術が出てくるものではない。他方、具体的な解決のための実現手段の開発を職務とするのは、営業側の様々な要求を受け、それを実現する被告の子会社の工場にいる技術部門の技術者(以下「工場技術者」という。)であって、原告ではない。また、本件各 発明をした当時、本件各発明における課題自体が、マーケットにおけるニーズがなく、具体的な製品の製作依頼をする必要はないと考えられていたのであり、実際にもその製品の製作依頼を工場に依頼したのは原告が米国に異動した後であって、成果主義を採用している被告が、本件各発明当時、原告に対し、この企画案に労働の対償を支払ったとは考え難いし、その後 も本件各発明等をするに至った行為に対する労働の対償は支払われていない。仮に実現手段案の創作自体が原告の職務であるとすれば、工場技術者は、実際の製造時点における労働の対償と発明の対価と二重の対価を受け取ることができるが、原告のようなマーケティング部門に属するものは、10数年後に結果がでる企画案などにおいては、そもそも労働の対償はな く、かつ発明の対価も受け取れないような事態も招来する。したがって、 本件各発明に至った行為が原告の職務に属するとはいえず、本件各発明は職務発明に当たらない。 イ原告が被告に対して本件各発明が職務発明に該当しないのではないかという問合せをした際、被告はその理由を 本件各発明に至った行為が原告の職務に属するとはいえず、本件各発明は職務発明に当たらない。 イ原告が被告に対して本件各発明が職務発明に該当しないのではないかという問合せをした際、被告はその理由を明確に回答しなかった上、職務発明の認定に当たってするという原告に対する発明内容のヒアリングをして いない。これらから、被告は、当時、本件各発明について職務発明であるとの認定を行っていなかったと推認できる。 ウ被告は、本件各発明当時の原告の地位や被告に製造部門があったことを前提に本件各発明が職務発明である旨主張するが、本件各発明当時、原告は副主事であり、また被告のプローブ装置の営業・マーケティング部門に は製造部門はなかった。加えて、本件届出には昭和63年規程との関係を示す記載は見当たらず、職務発明との文字もなく、発明者に職務発明か業務発明かを表示させる記載欄もないのであって、原告は、本件各発明が職務発明であるとして本件届出をしたものではない。また、原告は、本件各発明以外の原告がした他の発明を職務発明と認めているものではない。 (被告の主張)以下の理由から、本件各発明は原告の職務発明であり、被告は、本件各発明の特許を受ける権利を原告から譲り受けた。被告が本件各特許の設定登録を受けたことに法律上の原因がないということはない。 ア原告は、本件各発明をしたとする平成2年4月当時、被告の検査装置部 門に属しており、その役職は「上司の概括的な指示に基づいて、一定範囲の業務に高度の専門的知識と実務経験による判断力や企画力を有し、課長の補佐や代行も行ないうる能力を有する」とされる8級職の副主幹技術員であった。被告は、半導体製造装置の製造や販売を行っており、検査装置部門はプローブ装置を製造及び販売する部門であるところ、当該製 長の補佐や代行も行ないうる能力を有する」とされる8級職の副主幹技術員であった。被告は、半導体製造装置の製造や販売を行っており、検査装置部門はプローブ装置を製造及び販売する部門であるところ、当該製品につ いて、顧客のニーズにあわせて装置を開発したり調整を行うことが求めら れており、原告は、職務内容として、対象製品に対する深い知見を培いそれをもとに技術的な提案を行うことが期待されていた。すなわち、被告においては、たとえマーケティング職であっても、直接顧客とやりとりを行い、顧客の事業上の課題や被告製品への要求を捉え、それを解決するため、独創的な提案を行うことが職務とされており、その中には、顧客の課題解 決のために発明を行うことも含まれていた。また、原告は、営業部門職であっても、被告の従来品のプローブ装置や関連資料を利用して知見を得ていた。原告が当時担当していたプローブ装置について本件各発明を行うことは、原告の職務にほかならず、原告は職務の遂行として発明をしたものといえるから、本件各発明行為は原告の職務に属する。 イ原告の業務内容は、一般的なマーケティングとは異なり、自ら技術の改善開発を担っていた。被告においては、営業部に所属する者であっても研究開発に携わることが当然の業務とされていた。また、原告がテクニカルサポートエンジニアであるとすれば、それは技術職であって、機器の性能向上のため、改善や開発などの発明を行う職種であるし、原告が自身の職 務の一部を説明したメモからは技術に対する深い理解が必要であることなどがうかがわれるのであって、課題の解決手段の提案が原告の職務でないとはいえない。また、職務発明に該当するというために従業者等が使用者等から当該発明を完成するよう具体的な命令ないし指示を受けていること うかがわれるのであって、課題の解決手段の提案が原告の職務でないとはいえない。また、職務発明に該当するというために従業者等が使用者等から当該発明を完成するよう具体的な命令ないし指示を受けていることまでは必要ではない。 ウそもそも、原告は、本件各発明を職務発明として本件届出をしており、米国における出願等に関して宣誓書や譲渡に署名し、さらに被告が職務発明に対して支払う出願補償金や登録補償金、実績補償金を受領している。 その上、原告の職務発明として、100件程度の特許出願がされており、いずれも同様の手続がされている。仮に原告が当初から職務発明でないと 考えていたのであれば、自ら出願をするか、いわゆる業務発明として届け 出るのが自然である。 ⑶ 争点⑴ウ(被告が本件各発明を実施したか否か及び実施による利益の額)について(原告の主張)ア米国の半導体製造をするある特定の会社(以下「米国B社」という。) に納入された装置以下のとおり、被告が、国内で製造し、オプションとして下記の特定のソフトウェアを実装し、米国B社に販売し納入したプローブ装置は、別件発明1及び別件発明2の技術的範囲に属する。別件発明1及び別件発明2は本件各発明を改良したものであり本件各発明を必ず利用する関 係にあるから、被告は、前記プローブ装置を国内で製造し、米国B社に輸出、販売して、本件各発明を実施した。 プローブ装置を構成するソフトウェアのオプションとしては、顧客に装置を設置した後にその機能の有効又は無効を設定することができるマンマシンインターフェース(以下「MMI」という。)と呼ばれるも のと、出荷するソフトウェアに初めから搭載し、必要なときに被告工場で出荷前に機能を有効にすることができるSPOと呼ばれるものがある。 シンインターフェース(以下「MMI」という。)と呼ばれるも のと、出荷するソフトウェアに初めから搭載し、必要なときに被告工場で出荷前に機能を有効にすることができるSPOと呼ばれるものがある。 そして、別件発明1及び別件発明2は本件各発明を改良したものであり本件各発明を必ず利用する関係にある。米国B社においては、MMIの機能8番である「MMI8番」のソフトウェア(以下、このソフトウェ アを単に「MMI8番」という。)及び「SPO87番」のソフトウェア(以下、このソフトウェアを単に「SPO87番」という。)が実装されているプローブ装置がある。MMI8番が実装されたプローブ装置は別件発明1の構成を備え、SPO87番が実装されたプローブ装置は別件発明2の構成を備える。被告は、MMI8番及びSPO87番を実 装したプローブ装置を国内で製造して米国B社に輸出、販売した。 被告は、本件各発明の構成要件1E、2Eの「接触した状態で」の解釈につき、「オーバドライブをかけた状態で」と完了した状態を指すとした上で、構成要件1F、2Fの「X軸、Y軸またはθ軸方向」には文言どおりZ軸方向は含まれない旨主張する。 しかしながら、構成要件1E、2Eの「接触した」の「した」は状態 を指す意味を有しており、「接触した」とは「接触している」と言い換えることができる。そして、「オーバドライブ」とは、「プローブ針の先端がウエハ表面に接触した後、ウエハ表面をZ軸方向に上昇させること」をいう。したがって、構成要件1F、2F中の「X軸、Y軸またはθ軸方向」の文言だけを見ればZ軸方向は含まれていないが、構成要件 1E、2Eには、「接触した状態」にはZ軸方向の意味が含まれている。 また、被告は、構成要件1F、2Fの「微移動」は、構成要 θ軸方向」の文言だけを見ればZ軸方向は含まれていないが、構成要件 1E、2Eには、「接触した状態」にはZ軸方向の意味が含まれている。 また、被告は、構成要件1F、2Fの「微移動」は、構成要件1A、2Aの「移動」,すなわち,被測定体に接触させるためにオーバドライブをかける際のZ軸方向への大きな「移動」とは文言上もあえて書き分けられており,その内容が異なる点が重要である旨主張する。しかし, 構成要件1A、2AにはZ軸方向の「移動」の記載はない。「微移動」と「移動」の対比は,構成要件1A、2AのX/Y/θ軸方向へアライメント(位置合わせ)のための数100mm単位の大きな移動と,電極パッドに接触した状態での数μm 単位の微移動とを区別したものであり,被告の主張は誤りである。 別件発明1における「Z方向のみならずX、Y方向についても補正しながらオーバドライブさせる」とは、プローブ針が電極パッドに接触した後、Z軸方向だけにオーバドライブさせるのではなく、プローブ針と電極パッドが接触した状態で、X軸又はY軸方向についても載置台を動かし、位置を補正することを意味する。したがって、別件発明1は、 本件発明1の構成要件1Cから1Fまでの「載置台を、駆動手段により、 プローブ針と被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ軸方向に微移動させ[る]」を含むといえる。また、別件発明2は、別件発明1の駆動系に関する問題を解決したものであり、別件発明1同様、本件発明2の構成要件2Cから2Fまでの「載置台を、駆動手段により、プローブ針と被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ軸方向に 微移動させ[る]」を含むといえる。 イ韓国で販売したプローブ装置被告は、平成17年9月頃、ソフトウェアのバージョンを新 ローブ針と被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ軸方向に 微移動させ[る]」を含むといえる。 イ韓国で販売したプローブ装置被告は、平成17年9月頃、ソフトウェアのバージョンを新しくし、今後出荷する装置だけでなく、すでに納入済みのプローブ装置も統一バージョンにし、MMI8番とSPO162番は、被告の全てのプローブ装置の 顧客に実装された。国内で製造されたこのような被告のプローブ装置は米国だけでなく、韓国でも販売されているのであり、本件各発明の実施は被告のプローブ装置の全ての製造、販売となる。 ウ各国内C社プローブ装置各国内C社プローブ装置は、SPO162番のソフトウェアが実装され たプローブ装置であるところ、各国内C社プローブ装置は本件各発明の技術的範囲に属し、被告は、本件各発明を実施して、その実施により利益を得たから、各国内C社プローブ装置の売上げは不当利得となる。 被告は、SPO162番等のスペシャルオプションは、顧客から別途個別に依頼を受けてアクティブ化することで初めてプログラム的な指令 が実行され機能を奏する仕組みとなっており、これをしないまま販売したものについては実施に当たらない旨主張する。しかしながら、販売時点においてSPOの機能がロックされていたとしても、当該プローブ装置には当該機能のソフトウェアが備わっているから、本件各発明を実施したといえる。また、被告のプローブ装置のうち、レビジョンコードが 14.06より小さいものは旧バージョンのプローブ装置であるところ、 旧バージョンのプローブ装置は、必要な機能だけをソフトウェアに組み込み、使わない機能は初めからソフトウェアに組み込むことはしていなかった。したがって、少なくとも旧バージョンのプローブ装置においてSP バージョンのプローブ装置は、必要な機能だけをソフトウェアに組み込み、使わない機能は初めからソフトウェアに組み込むことはしていなかった。したがって、少なくとも旧バージョンのプローブ装置においてSPO162番が実装されている場合には、アクティブ化の概念がなく、直ちに使用できる状態であった。 また、被告は国内C社プローブ装置1については、SPO162番を無償でインストールしたことから利益を得ていないことをもって、また、国内C社プローブ装置3についても、販売時点においてはアクティブ化しておらず、その後アクティブ化された際に対価を収受していないことをもって、相当の対価の算定の基礎とすべきでない旨主張する。しかし ながら、プローブ装置の売上による利益はその機能の有無にかかるものであり、ソフトウェア単体の利益に左右されないから、利得があると評価すべきである。 エ不当利得返還請求権は、改正前民法により発生から10年で消滅時効を迎えることから、本件米国特許の売上げに係る不当利得返還請求権の対象 期間は平成23年4月15日から平成24年7月25日まで、本件韓国特許に係る不当利得返還請求権の対象期間は平成23年4月15日から同年8月19日までであるところ、米国での平成23事業年度の売上額は69億円、平成24事業年度の売上額が81億円であり、韓国での平成23事業年度の売上額は72億円である。当時、本件特許権の有効期間が1年に 満たなかったことを考慮すると、米国の売上額については2分の1を、韓国の売上額については3分の1を乗じた金額が、不当利得返還請求権の算定に当たって対象となる売上額となる。そして、本件各発明は実質的に代替技術がないこと、本件各発明を実施しない限り半導体の質の高い測定ができなくなること、本件特許権を競合他社 、不当利得返還請求権の算定に当たって対象となる売上額となる。そして、本件各発明は実質的に代替技術がないこと、本件各発明を実施しない限り半導体の質の高い測定ができなくなること、本件特許権を競合他社が保有していた場合、被告は売 上げをほとんど期待できなかったこと、米国及び韓国における実施料率は 国内に比べさらに高くなることなどを考慮すると、韓国では12%、米国では19%程度が最低限の実施料率と推定される。したがって、米国における利得金額は14億2500万円、韓国における利得金額は2億8800万円となるから、利得金合計額は17億1300万円となる。 (被告の主張) ア以下のとおり、別件発明1及び別件発明2は本件各発明を改良したものではなく、別件発明1及び別件発明2が本件各発明を利用する関係にはない。原告が主張するソフトウェアを実装したプローブ装置が仮に別件発明1及び別件発明2の技術的範囲に属するとしても、そのプローブ装置が本件各発明の技術的範囲に属するとはいえず、本件各発明の実施はない。 本件各発明の課題及びその解決手段を踏まえれば、本件各発明の構成要件1F、2Fの「X軸、Y軸またはθ軸方向」には文言通りZ軸方向は含まれない。仮にZ軸方向を含むとすれば、オーバドライブをかけた状態からさらにZ軸方向への移動を伴うため、プローブ針が電極パッドに掻き傷を残したり突き刺したりするという課題を解決できない。ま た、構成要件1E、2Eの「接触した状態で」は、「オーバドライブをかけた状態で」を意味する。当該文言につき、原告は、「オーバドライブの始点であるCPから、オーバドライブの終点であるODPまでの間にある状態を指す」と、移動の動作も「状態」という語に含めて解釈しているが、「接触した状態」や「かけた状態」 、原告は、「オーバドライブの始点であるCPから、オーバドライブの終点であるODPまでの間にある状態を指す」と、移動の動作も「状態」という語に含めて解釈しているが、「接触した状態」や「かけた状態」という「完了形」+「状 態」が明確に用いられており、動詞の現在進行形、つまり「接触している動作の進行中」や「かけている動作中」等を示していない。このことは、仮に、Z軸方向への移動とともに(移動動作中に同時に)X軸、Y軸又はθ軸方向への微移動が行われることが本件各発明の内容に含まれるとすると、本件特許出願時の公知技術である特開昭62-98635 号公報に記載された発明により本件特許は無効となってしまうことから も、明らかである。 以上より、本件各発明においては、オーバドライブの動作中に、X軸、Y軸又はθ軸方向への微移動は行われないことが明らかである。さらに、構成要件1F、2Fの「微移動」は、「被測定体表面の酸化膜を突き破る際に、配線不良の発生が減少する接触法」(【発明が解決しようとす る課題】)であり、構成要件1A、2Aの「移動」、すなわち、被測定体に接触させるためにオーバドライブをかける際のZ軸方向への大きな「移動」とは文言上もあえて書き分けられており、その内容は異なる。 これに対し、別件発明1の課題及びその解決手段を踏まえれば、別件発明1の構成要件1hの「X、Y及びZ方向の移動」には、「及びZ 方向」という文言の通りZ軸方向を必ず伴うものと解される。また、別件発明2の課題及びその解決手段を踏まえれば、別件発明2の構成要件2dの「X軸駆動機構、Y軸駆動機構及びZ軸駆動機構それぞれと信号回線で接続され且つ上記各駆動機構それぞれ」を「同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補 2の構成要件2dの「X軸駆動機構、Y軸駆動機構及びZ軸駆動機構それぞれと信号回線で接続され且つ上記各駆動機構それぞれ」を「同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する 制御機構」が想定する駆動は、「及びZ軸駆動機構」及び「同時に一括して」という文言のとおり、Z軸方向への移動を必ず伴うものと解される。オーバドライブをかけた状態からさらにZ軸方向へそのような大きな移動量を与えると、プローブ針が電極パッドに掻き傷を残したり突き刺したりするという課題を解決できない。 したがって、別件発明1及び別件発明2の構成は、構成要件1F、2Fを充足するものではない。原告が主張するソフトウェアが実装され使用できる状態になったプローブ装置が仮に別件発明1及び別件発明2の技術的範囲に属するとしても、そのようなプローブ装置が本件各発明の技術的範囲に属するとはいえず、本件各発明は実施されていない。 イ各国内C社プローブ装置 被告は、各国内C社プローブ装置の販売によって本件各発明を実施したということはなく、また、実施による利得もない。 すなわち、国内C社プローブ装置1については、国内C社に納入したプローブ装置にSPO162番をインストールしたことはあるものの、これは、国内C社の要求を受けて無償で行ってSPO162番の機能を 試験的に動作したにすぎず、その結果国内C社の望む評価が得られず、国内C社はSPO162番を購入しなかったのであり、被告はSPO162番についての対価を得ていない。また、SPO162番等のスペシャルオプションは、顧客から別途個別に依頼を受けてアクティブ化することで初めてプログラム的な指令が実行され機能を奏する仕組みとなっ ており、販売時点でアクティブ化 た、SPO162番等のスペシャルオプションは、顧客から別途個別に依頼を受けてアクティブ化することで初めてプログラム的な指令が実行され機能を奏する仕組みとなっ ており、販売時点でアクティブ化していないプローブ装置については実施による利益はない。さらに、国内C社プローブ装置3については、販売時点においてはSPO162番がアクティブ化しておらず、その後アクティブ化した際にその対価を収受した記録はないことから、同様に、利得はない。 ウしたがって、原告に本件各発明による利得はない。 ⑷ 争点⑵ア(被告が本件各発明を実施したか否か及び「相当の対価」の額)について(原告の主張)ア被告は、オプションとしてMMI8番及びSPO162番のソフトウェ アを実装した前記プローブ装置を国内で製造し、米国B社に輸出、販売して、本件各発明を実施した。その内容は、前記の原告の主張のア、イのとおりである。 イ各国内C社プローブ装置が本件各発明の実施品であることは、前記⑶の原告の主張ウのとおりであり、被告は、各国内C社プローブ装置を国内C 社に販売しているのであるから、相当の対価の算定に当たってはこれらの 売上げを算定の基礎とすべきである。 なお、被告は国内C社プローブ装置1については、SPO162番を無償でインストールしたことから利益を得ていないことをもって、また、国内C社プローブ装置3については、販売時点においてはアクティブ化しておらず、その後アクティブ化された際に対価を収受していないことをもっ て、相当の対価の算定の基礎とすべきでない旨主張する。しかしながら、プローブ装置の売上げによる利益はその機能の有無にかかるものであり、ソフトウェア単体の利益に左右されないから、上記各装置の売上げを相当の対価の 価の算定の基礎とすべきでない旨主張する。しかしながら、プローブ装置の売上げによる利益はその機能の有無にかかるものであり、ソフトウェア単体の利益に左右されないから、上記各装置の売上げを相当の対価の算定に当たっても考慮すべきである。 ウ以上をもとに、相当の対価の額を計算すると、別紙相当の対価計算書記 載のとおり37億2555万円であり、本件補償金の支払を受けていたとしても相当の対価は支払われたとはいえない。 (被告の主張)ア前記⑶の被告の主張アのとおり、原告が主張するソフトウェアを実装したプローブ装置が仮に別件発明1及び別件発明2の技術的範囲に属すると しても、このようなプローブ装置が本件各発明の技術的範囲に属するとはいえず、本件各発明の実施はない。 イ各国内C社プローブ装置について、本件各発明の対価を受け取っていないことは前記⑶のとおりであり、これらの販売の売上げを相当の対価の算定の基礎とすべきではない。 ウそうすると、相当の対価の算定の基礎とすべき本件各発明を実施するプローブ装置の売上げはないから、本件補償金の支払により、「相当の対価」は支払われたといえる。 ⑸ 争点⑵イ(相当対価支払債務の消滅時効が完成したか否か)について(被告の主張) ア本件に対しては、平成21年規程及び本件細則が適用されるところ、平 成21年規程及び本件細則には支払時期の定めがないから、相当の対価支払請求権の権利を行使できる時は、特許権の設定登録日又は特許発明の実施開始時のいずれかになる。本件各発明について、実施による売上げがないため、本件特許権の設定登録日が「権利を行使できる時」となるところ、その設定登録日は平成13年7月13日であるので、本件訴え提起時点に おいて時効は完成している。なお、被 実施による売上げがないため、本件特許権の設定登録日が「権利を行使できる時」となるところ、その設定登録日は平成13年7月13日であるので、本件訴え提起時点に おいて時効は完成している。なお、被告は相当の対価を支払っており、それを超えて債務は存在しないから、第1回実績補償金の支払は中断事由である改正前民法147条3項の「承認」に当たらない。また、仮にその支払が中断事由に当たるとしても、被告が原告に対し第1回実績補償金を支払った平成22年2月25日の翌日から新たな時効の進行が始まり、同日 が消滅時効の起算点となるから、本件訴え提起時点において時効は完成している。また、仮に被告が本件特許権を実施していたとしても、特許権消滅後においては「実施」とは認められなくなるから、本件特許権消滅時が「権利を行使しうる時」であり、平成22年7月13日の翌日から時効の進行は開始し、訴え提起時点において時効は完成している。 イ仮に、本件において昭和63年規程のみが適用されるとしても、補償金の支払時期の定めがないから、上記と同様に、訴え提起時点において、消滅時効は完成している。 ウ原告は、本件考え方及び手順書記載の特別報奨金支給日が消滅時効の起算点になる旨主張するが、本件考え方及び手順書が遡及的に適用されるの は、「平成21年11月1日以降に支給される特別報奨金」であるところ、平成21年規程及び本件細則のもとでは、本件特許権については、本件細則で定める特別報奨金の支給要件を満たさないから、本件考え方及び手順書は遡及適用されない。 (原告の主張) ア特別報奨金の支給は、被告の意思によって決定されるものであり、その 要件も、被告の判断に係るものも含まれており、特別報奨金を受給できるかどうかを事前に発明者自身が判 の主張) ア特別報奨金の支給は、被告の意思によって決定されるものであり、その 要件も、被告の判断に係るものも含まれており、特別報奨金を受給できるかどうかを事前に発明者自身が判断することは困難である。特に、本件細則8条2項5号は、特許法の改正により実質的に第2回補償金の支払を受ける機会を喪失する発明者を救済するための規定であるが、発明者は、特別報奨金の対象となるか否かを事前に判断できない。また、その支払時期 も、特許権が消滅した日の翌会計年度に、それまでの累積売上げ等に基づいて、支給対象者が選定、選抜され、被告の代表者に承認された上で、特許権が消滅した日の翌々会計年度に支給されるものである。したがって、原告が、本件特許権に関して特別報奨金の支給を受けないことを知るのは、特別報奨金支給日であり、その特別報奨金支給日より前に相当の対価を原 告が請求可能であったとはいえない。そうすると、相当対価支払債務の消滅時効の起算点は特別報奨金支給日である平成24年4月1日の翌日であり、本件訴え提起時点において消滅時効は完成していない。 イ被告は、本件考え方及び手順書が遡及適用されない旨主張するが、原告が平成22年12月25日に支給されるべき特別報奨金の検討対象範囲と なった特許権について被告に尋ねたところ、その対象となった特許権の消滅日は平成18年以降のものということであったのであり、本件考え方及び手順書が遡及的に適用される「平成21年11月1日以降に支給される特別報奨金」は、特許権の消滅日に関わらず、同日以降に支給される特別報奨金を指すと解される。 ウなお、被告は、予備的に昭和63年規程のみが適用される旨主張するが、本件細則第5条に基づき第1回実績補償金が支払われていることから、失当である。 れる特別報奨金を指すと解される。 ウなお、被告は、予備的に昭和63年規程のみが適用される旨主張するが、本件細則第5条に基づき第1回実績補償金が支払われていることから、失当である。 第3 当裁判所の判断 1 争点⑴イ(本件各発明は職務発明ではなく、被告は特許を受ける権利を承継 していないか)について 事案に鑑み、原告の主位的請求について、まず、争点1を検討する。 ⑴ 準拠法について原告の主位的請求の不当利得返還請求は、本件各発明に係る特許を受ける権利の被告への移転に法律上の原因がないことを前提として、この特許を受ける権利に基づく本件特許に係る国内での製造販売による利益及び国内で製 造した製品の国外への輸出による利益が不当利得であると主張するものである。その原因となる事実はいずれも国内において発生したものであり、かつ、その原因となる事実が発生した当時、原告及び被告はいずれも日本に常居所を有していた。したがって、法の適用に関する通則法14条の「原因となる事実が発生した地」は国内にあるといえる。そうすると、準拠法は日本法で ある。 なお、原告の主張中には、利得額の主張に当たって本件米国特許及び本件韓国特許の売上金額を前提としているかのような部分があるものの、原告は、本件各発明の実施としては、飽くまで日本国内における実施を主張し(原告第9、第10準備書面)、第10回弁論準備手続において、本件各発明の実 施としては、国内C社へのプローブ装置の納入と、米国B社に納入する製品を日本国内で製造したこと以外は主張しない旨明らかにしており、原告が主張する不当利得返還請求権の原因となる事実は国内において発生したものといえる。 ⑵ 本件各発明が職務発明に当たるか ア本件各発明をした たこと以外は主張しない旨明らかにしており、原告が主張する不当利得返還請求権の原因となる事実は国内において発生したものといえる。 ⑵ 本件各発明が職務発明に当たるか ア本件各発明をした原告は、本件各発明は職務発明ではなく、特許を受ける権利が職務発明に関する被告の規程に基づき被告に移転することはなく自己に帰属していると主張して、主位的請求である本件移転登録請求及び不当利得返還請求をしている。そこで、まず、本件各発明が職務発明であるか否かを判断する。 なお、被告の主張中には、原告が本件各発明をした後に知的所有権を受 ける権利を被告に譲渡する旨の記載のある本件届出により、本件各発明の特許を受ける権利について譲渡する旨の合意をしたとして、本件届出に基づき特許を受ける権利が承継されたとの主張をする部分もある。しかし、本件届出の知的所有権を受ける権利を被告に譲渡する旨の記載は不動文字による記載である上、従業員は会社から本件届出を義務付けられていたこ と(前記第2の1⑶)などからすると、本件届出によって、直ちに発明者である原告が特許を受ける権利を被告に対して譲渡する旨の意思表示をしたと認めることはできない。 イ職務発明とは、発明をするに至った行為が従業者等の職務に属する発明であり、従業者等により職務の遂行としてされた発明をいうと解される。 そして、当該従業者等の地位、職種、職務内容、職務上の経験、使用者等の当該発明完成過程への関与の内容・程度等の諸般の事情に照らし、当該発明をすることが当該従業者等の職務上の行為として予定され、期待されている場合、従業者等によって職務の遂行として当該発明がされたといえると解される。 ウ本件各発明は、被告が従前から製造していたプローブ装置を改良する装置、方法 為として予定され、期待されている場合、従業者等によって職務の遂行として当該発明がされたといえると解される。 ウ本件各発明は、被告が従前から製造していたプローブ装置を改良する装置、方法に係る発明であり、原告は、被告の従業員であった。原告は、プローブ装置を担当する部門において営業職として勤務していたものの、上司の概括的な指示に基づいて、一定範囲の業務に高度の専門的知識と実務経験による判断力や企画力を有し、課長の補佐や代行も行い得る能力を有 するとされる8級職として登録され(前記第2の1⑵)、本件各発明当時、少なくとも「テクニカル・サポートエンジニア」の業務を遂行していた(甲18、弁論の全趣旨)。そして、被告においては、テクニカル・サポートエンジニアは「機器の技術的サポート(高度な技術を提供する)」を行うとされており、その具体的な業務内容として、「機器の技術的な性 能評価・分析・改善・管理」等が明示的に含まれていた(甲21)。 原告は、被告における業務を行う中で顧客からの要求や自らの検討によって発見した、被告が製造している製品の課題につき、それを解決する方法を検討し、それらの課題を解決するものである本件各発明をして、本件届出をして被告に提案したものである。上記のとおりの原告の地位、職種、職務内容等に照らせば、被告の製品の課題の発見やその改善の方 法の検討、提案は、原告の職務として予定され、期待されていたものであると認められる。したがって、原告は、職務の遂行として本件各発明をしたとするのが相当である。 エ原告は、原告の職務は課題を見つけて企画案を提案することであり、課題を解決するのは工場技術者であるから、本件各発明は職務発明ではない 旨や本件各発明に係る企画案について労働の対償を受け取 エ原告は、原告の職務は課題を見つけて企画案を提案することであり、課題を解決するのは工場技術者であるから、本件各発明は職務発明ではない 旨や本件各発明に係る企画案について労働の対償を受け取っていない旨を主張する。 しかしながら、仮に工場技術者に課題を解決するという業務があったとしても、前記のとおり、原告が本件各発明を発明することは、原告の職務として予定され、期待されていたものといえ、また、原告はそのようなこ とを行うことも期待されている職務を行っているとして被告において勤務していたといえる。原告の上記主張は、前記ウの判断を左右するものではない。 オしたがって、本件各発明は原告の職務の遂行としてされたものであり、本件各発明は職務発明に当たる。 そうすると、被告は、職務発明について特許を受ける権利を被告が承継する旨の昭和63年規程に基づき、本件各発明の特許を受ける権利を、本件各発明をした原告から適法に承継した。本件各発明が職務発明ではなく、本件各発明の特許を受ける権利が被告に適法に承継されていないことを前提とする原告の主位的請求はいずれも認められない。 なお、主位的請求のうちの移転登録請求(第1の1⑵の請求。争点ア 関係)は、現在の給付請求であり、その請求の対象が特定しているといえることから、同請求に係る訴えの利益は認められると解されるものの、上記のとおり、当該請求の前提が認められないため、その余を判断するまでもなく、その請求は認められない。 2 争点⑵ア(被告が本件各発明を実施したか否か及び「相当の対価」の額)に ついて旧特許法35条4項は、同条3項に規定する相当の対価の額について「その発明により使用者等が受けるべき利益の額」を考慮して定めるべき旨規定している。使用者 及び「相当の対価」の額)に ついて旧特許法35条4項は、同条3項に規定する相当の対価の額について「その発明により使用者等が受けるべき利益の額」を考慮して定めるべき旨規定している。使用者は特許を受ける権利を承継しない場合でも職務発明の通常実施権を有するところ、使用者等が特許を受ける権利を承継して特許発明の 実施を独占することにより得られるべき利益(以下「独占の利益」という。)がある場合には、独占の利益が「その発明により使用者等が受けるべき利益の額」になると解される。 ⑵ 原告は、MMI8番を実装するプローブ装置は別件発明1の構成を備えるものであり、SPO87番を実装するプローブ装置は別件発明2の構成を備 えるものであるところ、別件発明1及び別件発明2は本件各発明を基本とする改良発明であるから、別件発明1及び別件発明2の構成を備える装置は本件各発明の技術的範囲に属することを前提として、MMI8番及びSPO87番のソフトウェアを実装する装置等の製造、販売は、本件各発明を実施したこととなると主張し、それらにより、被告が独占の利益を得たと主張する。 これに対し、被告は、別件発明1及び別件発明2が本件各発明を基本とする改良発明であることを争い、原告が指摘する装置が本件各発明の技術的範囲に入ることを争う。 そこで、以下、別件発明1の構成を備える装置及び別件発明2の構成を備える装置が、本件発明1の技術的範囲に属する装置といえるか否かについて 検討する。なお、原告は、被告による本件各発明の実施として、プローブ装 置の製造等を問題としているので、本件各発明のうちの本件発明1について検討する。 まず、本件発明1の意義及び本件発明1の構成要件1E、1Fについて検討する。 ア明細書の記載 本 置の製造等を問題としているので、本件各発明のうちの本件発明1について検討する。 まず、本件発明1の意義及び本件発明1の構成要件1E、1Fについて検討する。 ア明細書の記載 本件特許に係る明細書(以下「本件明細書」という。)には、発明の詳細な説明欄には以下の記載がある。 発明の目的a 産業上の利用分野本発明は、プローブ装置及びプローブ方法に関するものである。 b 従来の技術通常、この種のプローブ装置、例えば半導体ウエハのプローブ装置は、ウエハ上の多数の素子の電気的特性を測定する測定部を設け、この測定部には、プローブ針を有するプローブカードを設け、このプローブカードにテスタを接続して各素子の電気的特性を順次測定するよ うにしている。 このプローブカードは、第3図に示すように、基板1に固定リング2を取付け、この固定リング2に多数のプローブ針3を固着した構造であり、或いは、第4図に示すように、支持部材4に垂直状態にプローブ針5を設けた垂直プローブが知られている。 そして、実際には、チャック6上に固着された半導体ウエハ7の電極パッドにプローブ針3、5の先端を接触させる際に、チャック6を介して半導体ウエハ7を上昇させてウエハ7にオーバドライブ(プローブ針の先端がウエハ表面に接触した後、ウエハ表面をZ軸方向に上昇させることをいう。)を与えるようにしている。これは、ウエハ7 の表面が自然酸化膜で覆われるため、ウエハ7を上昇させて酸化膜を プローブ針の先端で突き破るためのものである。 c 発明が解決しようとする課題しかしながら、上記した従来のプローブ装置には、次のような課題がある。 第3図の場合は、プローブ針3の先端が横ずれをしながら酸化膜に のものである。 c 発明が解決しようとする課題しかしながら、上記した従来のプローブ装置には、次のような課題がある。 第3図の場合は、プローブ針3の先端が横ずれをしながら酸化膜に 食い込み、電極パッドに接触した後にも横ずれをして電極パッドに掻き傷を残すので、配線不良になり、歩留まりの低下をきたす問題がある。この問題は、高集積化されればされる程、配線が細く薄くなるため生じやすい。 第4図の垂直プローブ針の場合も、プローブ針5の先端が酸化膜を 突き破った後にも電極パッドに突き刺さることが多いので、製品の歩留まりの低下をきたしている。 本発明は上記の問題点に鑑みて開発したものであり、被測定体表面の酸化膜を突き破る際に、配線不良の発生が減少する接触法を実行することにより高精度な接触状態を得て測定精度の向上と製品の歩留ま りの向上を図ることを目的としたものである。 発明の構成a 課題を解決するための手段上記目的を達成するため、本発明は、被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ 軸方向へ移動させ位置合せを行 い、かつ、前記載置台を、前記駆動手段により、Z軸方向へ移動させてプローブカードに設けられたプローブ針を前記被測定体に接触させて前記被測定体の電気的特性を測定するようにしたプローブ装置において、前記載置台を、前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ 軸方向に微移動させて前記被測定体の電 気的特性を測定するように構成したことを特徴とするプローブ装置、 を採用する。 また、他の発明は、被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ 軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、前記載置台を、Z軸方向へ移動させてプロー 装置、 を採用する。 また、他の発明は、被測定体を載置した載置台を駆動手段によりX軸、Y軸またはθ 軸方向へ移動させ位置合せを行い、かつ、前記載置台を、Z軸方向へ移動させてプローブカードに設けられたプローブ針を前記被測定体に接触させて前記被測定体の電気的特性を測定する ようにしたプローブ方法において、前記被測定体の電気的特性を測定する前に、前記載置台を、前記駆動手段により、前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態で、X軸、Y軸またはθ 軸方向に微移動させ、前記プローブ針と前記被測定体の電気的導通を確保してから前記被測定体の電気的特性を測定することを特徴とするプローブ方法、 を採用する。 b 作用本発明は、プローブ装置において、載置台を微移動させて測定するように構成したので、プローブ針で被測定体を測定する際にオーバドライブをかけた状態でX軸、Y軸またはθ 軸方向に数μm単位の微 移動を行ない、被測定体の自然酸化膜を突き破って測定部に接触した後に移動を停止させると、接触抵抗の低下を可能とした測定を実施することができる。 c 実施例本発明を半導体ウエハのプローブ装置に適用した一実施例を図面に 基づいて説明する。 第1図及び第2図におけるウエハプローバは、被測定体例えば半導体ウエハ11 上に設けられた電極パッド12 にプローブ針13 を接触させ、このプローブ針13 を設けたプローブカードにテスタ(図示しない)をそれぞれ接続して各素子の電気的特性を測定するように構成し ていることは周知の通りである。 また、第1図におけるプローブカードは基板14 に固定リング15 を取付け、この固定リング15 に多数のプローブ針13 を固着した構造であり、第4図に示す ことは周知の通りである。 また、第1図におけるプローブカードは基板14 に固定リング15 を取付け、この固定リング15 に多数のプローブ針13 を固着した構造であり、第4図に示す垂直プローブは、本体16a に設けた支持部材16に垂直状態でプローブ針17 を設けたものである。 そして、実際には、チャック18(載置台)上に吸着固定された半 導体ウエハ11 の電極パッドにプローブ針13、17 の先端を接触させる。 この接触位置を検知する。 このチャック18 は、半導体ウエハ11 の電極パッドにプローブ針を接触させる際に、X軸ステージ及びY軸ステージを介してX軸、Y軸に数μm単位の微移動を可能としており、また、チャック18 は、上 記のようにθ 軸方向に微回転を可能としている。 そして、この接触を検知したとき、上記振動子19、20 を動作させてプローブ針を微振動させる。即ち、基板14 或は支持部材16 に振動子19、例えば圧電振動子LiNbO3、LiTaO3 等を設け、この振動子19 に高周波、例えば超音波電圧を印加して基板14 或は支持部材16 を振動 させることにより、基板14 や支持部材16 に設けたプローブ針を振動させて、ウエハ表面の酸化膜をプローブ針の微振動により破損させ電極パッドにプローブ針を接触させるようにしている。 勿論、基板又は支持部材16 を振動させたくない場合は、プローブ針に直接振動が印加されるようにしてもよい。この振動期間はパルス 的に実行しウエハに長期間かけたいようにする。 また、半導体ウエハの載ったチャックは、X軸、Y軸、θ 軸方向に動くようにモータがついているため、そのモータによりチャックをX軸、Y軸、θ 軸方向何れか又はともに微移動しても構わない。 する。 また、半導体ウエハの載ったチャックは、X軸、Y軸、θ 軸方向に動くようにモータがついているため、そのモータによりチャックをX軸、Y軸、θ 軸方向何れか又はともに微移動しても構わない。 なお、この振動回数は、各ウエハの種類によって予め設定しておけ ば、電極パッド自身の破損は生じることはない。 次に、上記実施例の作用を説明する。 基板14 や支持部材16 を設けた振動子19、20 を介してプローブ針を微振動させ、或いはチャック18 に設けたX、YステージをX軸又はY軸に数μm単位で微移動させて測定するように構成したもので、プローブ針でウエハ11 を測定する際にオーバードライブをかけた状 態でX軸、Y軸またはθ 軸方向に微振動若しくは数μm単位の移動を行なうことにより、半導体ウエハ11 の自然酸化膜を突き破って電極パッド12 に接触させて測定し、ウエハ11 の種類に応じて接触抵抗の低下を可能とする。 上記実施例ではウエハプローバに適用した例について説明したが、 デバイスプローバ、LCD プローバ等、プローバ針を用いる測定装置であれば何れに適用してもよい。 発明の効果以上のことから明らかなように、本発明によると、次のような優れた効果を有する。 即ち、プローブ針の先端の接触抵抗の低下を図るのに載置台をX軸、Y軸またはθ 軸方向に、微移動させるので、高精度な接触状態を得て測定精度の向上と製品の歩留まりの向上を図ることができる等の効果がある。 図面の簡単な説明 第1図は本発明におけるプローブ装置の一実施例を示した部分平面説明図、第2図は本発明におけるプローブ装置の他例を示した部分平面説明図であり、第3図及び第4図は従来例を示した部分平面説明図であ 第1図は本発明におけるプローブ装置の一実施例を示した部分平面説明図、第2図は本発明におけるプローブ装置の他例を示した部分平面説明図であり、第3図及び第4図は従来例を示した部分平面説明図である。 11……被測定体(ウエハ)、12……電極パッド、13、17……プローブ針、【第1図】 【第2図】 【第3図】 【第4図】 18……載置台(チャック)、19、20……振動子イ本件発明1の技術的意義本件明細書によれば、本件発明1の技術的意義は、次のとおりであると認められる。 本件発明1は、プローブ装置に関するものである。 通常、この種のプローブ装置、例えば半導体ウエハのプローブ装置は、ウエハ上の多数の素子の電気的特性を測定する測定部を設け、この測定部には、プローブ針を有するプローブカードを設け、このプローブカードにテスタを接続して各素子の電気的特性を順次測定するようにし ている。このプローブカードは、第3図に示すような構造や、第4図に示すようなものが知られていた。そして、実際には、半導体ウエハの電極パッドにプローブ針の先端を接触させる際に、チャックを介して半導体ウエハを上昇させてウエハにオーバドライブ(プローブ針の先端がウエハ表面に接触した後、ウエハ表面をZ軸方向に上昇させることをい う。)を与えるようにしている。これは、ウエハの表面が自然酸化膜で覆われるため、ウエハを上昇させて酸化膜をプローブ針の先端で突き破るためのものである。(前記アb) しかし、上記した従来のプローブ装置には、次のような課題があった。 第3図の構造の場合は、プローブ針3の先端が横ずれをしながら酸化膜に食い込み、電極パッドに接触した後にも横ずれをして しかし、上記した従来のプローブ装置には、次のような課題があった。 第3図の構造の場合は、プローブ針3の先端が横ずれをしながら酸化膜に食い込み、電極パッドに接触した後にも横ずれをして電極パッドに掻き傷を残すので、配線不良になり、歩留まりの低下をきたす問題があ る。この問題は、高集積化されればされる程、配線が細く薄くなるため生じやすい。第4図の垂直プローブ針の場合も、プローブ針5の先端が酸化膜を突き破った後にも電極パッドに突き刺さることが多いので、製品の歩留まりの低下をきたしている。 本件発明1は、上記の問題点に鑑みて開発したものであり、被測定体 表面の酸化膜を突き破る際に、配線不良の発生が減少する接触法を実行することにより高精度な接触状態を得て測定精度の向上と製品の歩留まりの向上を図ることを目的としたものである。(前記アc)ウ構成要件1E、1Fについて構成要件1E、1Fは、「前記プローブ針と前記被測定体とが接触 した状態で」(構成要件1E)、「X軸、Y軸またはθ軸方向に微移動させ」(構成要件1F)というものであるところ、ここには、X軸、Y軸又はθ軸方向の微移動についての記載はあるが、Z軸方向への移動についての明示的な記載はない。 本件明細書には、「本発明は…、被測定体表面の酸化膜を突き破る際 に、配線不良の発生が減少する接触法を実行することにより高精度な接触状態を得て測定精度の向上と製品の歩留まりの向上を図ることを目的としたものである」と記載(前記⑶アc)され、その目的を達成するための具体的な接触法として、「…基板14 や支持部材16 に設けたプローブ針を振動させて、ウエハ表面の酸化膜をプローブ針の微振動により 破損させ電極パッドにプローブ針を接触させるようにしている めの具体的な接触法として、「…基板14 や支持部材16 に設けたプローブ針を振動させて、ウエハ表面の酸化膜をプローブ針の微振動により 破損させ電極パッドにプローブ針を接触させるようにしている。…」、 「…プローブ針でウエハ11 を測定する際にオーバドライブをかけた状態でX軸、Y軸またはθ軸方向に微振動若しくは数μm単位の移動を行なうことにより、半導体ウエハ11 の自然酸化膜を突き破って電極パッド12 に接触させて測定し、…」などの記載(いずれも同c)がある。 これらは、Z軸方向の移動ではなく、X軸、Y軸又はθ軸方向の微振動 により酸化膜を破損させ電極パッドにプローブ針を接触させる接触法についての記載である。 本件明細書の上記各記載や従来技術についての記載(前記⑶ア)に照らせば、本件発明1は、ウエハ表面の酸化膜を突き破り電極パッドにプローブ針を接触させる構成についての発明である。従来技術では、ウエ ハ表面に接触した後、ウエハ表面をZ軸方向に上昇させてプローブ針がウエハ表面の酸化膜を突き破っていところ、このような従来技術には電極パッドに掻き傷を残したり、プローブ針の先端が電極パッドに突き刺ささったりする等により、製品の歩留まりの低下をきたすといった課題があったことから、本件発明1では、「X軸、Y軸またはθ軸方向の数 μm単位の移動(微移動)により酸化膜を破損させ、電極パッドにプローブ針を接触させる接触法」を採用したものと認められる。そして、そのような構成をとることによって、ウエハ表面に接触した後、ウエハ表面をZ軸方向に上昇させてプローブ針がウエハ表面の酸化膜を突き破っていた従来技術における課題を解決したものと認められる。本件明細書 には、プローブ針でウエハ11 を測定する際にオーバドライブをか をZ軸方向に上昇させてプローブ針がウエハ表面の酸化膜を突き破っていた従来技術における課題を解決したものと認められる。本件明細書 には、プローブ針でウエハ11 を測定する際にオーバドライブをかけた状態で「X軸、Y軸またはθ軸方向に微振動若しくは数μm単位の移動を行なう」ことが記載されているところ、本件発明1の上記技術的意義からも、本件明細書において「オーバドライブをかけた状態」とは、プローブ針の先端がウエハ表面に接触した後、従来技術のような「酸化膜 を突き破るようにZ軸方向へ上昇させた状態」ではなく、酸化膜を突き 破らない程度に極僅かにZ軸方向へ上昇させた状態であると解される。 そして、本件発明1は、そのようなプローブ針の先端が酸化膜に圧力を有して接触しているが、酸化膜を突き破らない状態で、プローブ針の先端をX軸、Y軸又はθ軸方向にのみ微移動させることにより、プローブ針の先端により酸化膜を破損させるものであると解釈するのが相当であ る。 上記に基づき上記各構成要件について検討すると、構成要件1Eの「前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態」とは、Z軸方向への移動により、プローブ針の先端がウエハ表面の酸化膜に圧力を有して接触しているが、酸化膜を突き破らない状態であり、本件発明1は、Z 軸方向への移動が完了したそのような状態において、Z軸方向への移動をせずに、「X軸、Y軸またはθ軸方向に微移動させ」(構成要件1F)ることによって、酸化膜を破損させ、ウエハ表面の電気的特性を測定するものであると解される。 次に、別件発明1及び別件発明2について検討する。 ア別件特許1に係る明細書の記載別件特許1に係る明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 発明の属する技術分野本発明 次に、別件発明1及び別件発明2について検討する。 ア別件特許1に係る明細書の記載別件特許1に係る明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 発明の属する技術分野本発明は、プローブ方法及びプローブ装置に関し、更に詳しくはプローブカードのプローブ端子が被検査体の電極から位置ずれすることなく 確実に接触し、検査の信頼性を高めたプローブ方法及びプローブ装置に関する。【0001】従来の技術プローブ装置10は、例えば図6に示すように、カセットC内に収納されたウエハWを1枚ずつ取り出して搬送するローダ室11と、このロ ーダ室11に隣接しローダ室11から搬送されたウエハWを検査するプ ローバ室12と、このプローバ室12及びローダ室11を制御するコントローラ13と、このコントローラ13を操作する操作パネルを兼ねる表示装置14とを備えている。【0002】上記ローダ室11にはウエハWの搬送機構としてピンセット15が回転軸を介して立設され、このピンセット15が水平方向で進退動すると 共に正逆回転することによりカセットC内のウエハWを1枚ずつ取り出してプローバ室12へ搬送するようにしてある。また、ピンセット15の近傍にはウエハWのプリアライメントを行うサブチャック16が配設され、このサブチャック16がピンセット15からウエハWを受け取った後、θ 方向に正逆回転し、その間にウエハWのオリエンテーション フラット(以下、単に「オリフラ」と称す。)を光学的に検出し、オリフラを基準にしてウエハWをプリアライメントするようにしてある。 【0003】上記ローダ室11に隣接するプローバ室12にはウエハWを載置するメインチャック17が配設され、このメインチャック17はX、Yステ ージ1 プリアライメントするようにしてある。 【0003】上記ローダ室11に隣接するプローバ室12にはウエハWを載置するメインチャック17が配設され、このメインチャック17はX、Yステ ージ18、19を介してX、Y方向に移動すると共に内蔵の駆動機構を介してZ、θ 方向に移動するようになっている。また、プローバ室12内にはアライメント手段20が配設され、このアライメント手段20を介してウエハWのアライメントを行うようにしてある。このアライメント手段20はウエハWを撮像するCCDカメラ等からなる第1撮像手 段21を有するアライメントブリッジ22と、このアライメントブリッジ22のY方向への往復移動を案内する一対のガイドレール23、23と、メインチャック17に付設されたCCDカメラ等からなる第2撮像手段(図示せず)とを備えている。また、プローバ室12の上面には図示しないプローブカードが配設され、このプローブカードの上面には図 示しないテストヘッドが接続リング(図示せず)を介して電気的に接続 されている。そして、テスタからのテスト信号をテストヘッド及び接続リングを介してプローブカードにおいて受信し、プローブ針と接触したウエハWについて電気的特性検査を行うようにしてある。【0004】ウエハWの検査を行う場合には、まず、ローダ室11内でピンセット15が駆動してカセットC内から1枚のウエハWを取り出し、ピンセッ ト15を介してウエハWをプローバ室12へ搬送する間にサブチャック16においてウエハWのプリアライメントを行い、その後、ピンセット15からプローバ室12内のメインチャック17へウエハWを引き渡す。 その後、アライメントブリッジ22がプローブセンタへ移動すると共に、アライメントブリッジ22の第1撮像手段21の下 の後、ピンセット15からプローバ室12内のメインチャック17へウエハWを引き渡す。 その後、アライメントブリッジ22がプローブセンタへ移動すると共に、アライメントブリッジ22の第1撮像手段21の下方へ移動し、第1撮 像手段21とメインチャック17側の第2撮像手段とが協働してメインチャック17上のウエハWのアライメントを行う。その後、メインチャック17がX、Y方向に移動してウエハWをインデックス送りすると共にメインチャック17がZ方向に上昇し、ウエハWとプローブ針とが接触した後、メインチャック17がオーバドライブしてウエハWの各IC チップとプローブ針とが電気的に接触し、各ICチップについて電気的特性検査を行う。【0005】ウエハサイズが例えば8インチまでのウエハWの場合には、図7の(a)で示すようにメインチャック17のオーバドライブにより、載置されたウエハWが一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで上昇して も、ウエハWは同図の実線で示すように殆ど傾くことなく水平状態のままZ方向に上昇する。この際、プローブカード24のプローブ針24Aは同図(a)の一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで弾力的に持ち上げられ針先が太い線の始点Sから終点Eまで移動する。この状態を平面的に観ると、針先の始点Sから終点Eに至る移動距離は同図(b) の斜線の矢印で示すようにICチップの電極パッドP内にあり、プロー ブ針24Aと電極パッドPが電気的に接触し、ICチップの検査を行う。 【0006】発明が解決しようとする課題しかしながら、ウエハサイズが例えば12インチの時代になると、ウエハサイズが大きくなるばかりでなく、ICチップが超微細化して電極 パッド間のピッチが狭くなる。これに伴ってプローブカードが多ピン しかしながら、ウエハサイズが例えば12インチの時代になると、ウエハサイズが大きくなるばかりでなく、ICチップが超微細化して電極 パッド間のピッチが狭くなる。これに伴ってプローブカードが多ピン化してピン数が例えば約2000ピンにも達すると、オーバドライブ時に全プローブ針24Aからメインチャック17に働く荷重が例えば10数Kg~20Kgにもなるため、ウエハWが図8(a)の一点鎖線で示す位置からオーバドライブしてプローブ針24Aと電気的に接触すると、 この時の偏荷重でメインチャック17の回転軸(図示せず)が撓み、ウエハWが同図の実線で示すように例えば20~30μm程度傾いて本来の上昇位置よりも外側へ偏倚する。この時、プローブ針24Aは、その針先が同図(a)の一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで弾力的に持ち上げられて図7に示す場合よりも長い針跡を図8(b)の太い線 で示すように残す。この時の針先の始点Sは図7で示す場合と同じ位置でも終点Eが図8の(b)に斜線の矢印で示すように電極パッドPからはみ出した位置に達し、検査時には針先が電極パッドPから外れる虞があり、ひいてはプローブ針24Aから電極パッドPにテスト信号を送れず、検査の信頼性を損なう虞がある。【0008】 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、オーバドライブ時に載置台が傾斜してもプローブ端子が確実に被検査体の電極と接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ方法及びプローブ装置を提供することを目的としている。【0009】課題を解決するための手段 本発明の請求項4に記載のプローブ装置は、被検査体の電気的特性検 査を行うプローバ室上面に固定されたプローブカードと、このプローブカードの下方に配置され且つ上記被検査 めの手段 本発明の請求項4に記載のプローブ装置は、被検査体の電気的特性検 査を行うプローバ室上面に固定されたプローブカードと、このプローブカードの下方に配置され且つ上記被検査体を載置するX、Y、Z及びθ 方向に移動可能な載置台と、この載置台の移動を制御するコントローラとを備え、上記載置台を移動させて上記被検査体と上記プローブカードのプローブ端子とを接触させた後更にオーバドライブさせて上記被 検査体の電気的検査を行うプローブ装置において、上記コントローラは、上記載置台の情報、上記被検査体の情報及び上記プローブカードの情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段で記憶された上記各情報に基づいて上記オーバドライブ時の上記載置台のX、Y及びZ方向への移動補正量を求める第1演算手段と、この第1演算手段により求められた上記X、 Y及びZ方向の移動補正量に基づいてX、Y及びZ方向の移動量を求める第2演算手段とを備え、上記第2演算手段により求められた上記X、Y及びZ方向の移動量に基づいて上記載置台をオーバドライブさせることを特徴とするものである。【0010】発明の実施の形態 以下、図1~図5に示す実施形態に基づいて従来と同一または相当部分には同一符号を附して本発明を説明する。本実施形態のプローブ装置は、コントローラ13を除き従来のプローブ装置に準じて構成されている。即ち、本実施形態のプローブ装置10は、図6に示すように、ローダ室11及びプローバ室12を備えている。ローダ室11内にはピンセ ット15及びサブチャック16がそれぞれ配設され、カセットC内のウエハWをピンセット15を介して1枚ずつ搬送し、この間にサブチャック16を介してプリアライメントするようにしてある。また、プローバ室12内にはZ、θ ャック16がそれぞれ配設され、カセットC内のウエハWをピンセット15を介して1枚ずつ搬送し、この間にサブチャック16を介してプリアライメントするようにしてある。また、プローバ室12内にはZ、θ 方向に移動可能なメインチャック17、Xステージ18、Yステージ19及びアライメント手段20がそれぞれ配設され、 コントローラ13の制御下でメインチャック17がX、Y、Z、θ 方 向に移動し、アライメント手段20と協働してメインチャック17上のウエハWをアライメントした後、図示しないプローブカードを介してウエハWの電気的特性検査を行うようにしてある。【0013】ところで、本実施形態のコントローラ13は、図1に示すように、ウエハWのパラメータ(以下、「ウエハ情報」と称す。)及びプローブカ ード24のパラメータ(以下、単に「カード情報」と称す。)等のデータを記憶する例えばRAMからなる第1記憶手段131と、プローブ装置の制御用のプログラム及びメインチャック17のパラメータ(以下、「メインチャック情報」と称す。)等のデータを記憶する例えばROMからなる第2記憶手段132と、第1、第2記憶手段131、132で 記憶された各情報を読み出して所定の演算を行い、演算結果に基づいた指令信号を送信する中央演算処理装置(以下、「CPU」と称す)133とを備えている。第1記憶手段131は、ウエハ情報を記憶するウエハ情報記憶部131Aと、カード情報を記憶するカード情報記憶部131Bを有している。第2記憶手段132は、メインチャック情報を記憶 するメインチャック情報記憶部132Aと、本発明のプローブ方法に関するプログラムや制御用プログラム等のプログラム情報を記憶するプログラム記憶部132Bとを有している。また、CPU133は、第1 するメインチャック情報記憶部132Aと、本発明のプローブ方法に関するプログラムや制御用プログラム等のプログラム情報を記憶するプログラム記憶部132Bとを有している。また、CPU133は、第1記憶手段131のメインチャック情報、ウエハ情報及びカード情報に基づいてオーバドライブ時の各チップでのメインチャック17のX、Y及び Z方向の移動補正量をそれぞれ算出する第1演算手段133Aと、この演算手段133Aの演算結果に基づいてオーバドライブ量を算出する第2演算手段133Bと、この演算手段133Bの演算結果に基づいてオーバドライブ量の適否を判定する判定手段133Cと、制御手段133Dとを有し、制御手段133Dの制御下で第1、第2演算手段133A、 133B及び判定手段133Cが作動するようにしてある。【0014】 更に、上記コントローラ13には図1に示すように入力手段(例えば、キーボード等)25及び表示装置14がそれぞれ接続され、入力手段25からウエハ情報、カード情報及びメインチャック情報等の各種の検査に必要なデータを入力し、入力データは表示装置14によって確認できるようにしてある。このコントローラ13にはメインチャック17を駆 動させる駆動機構26が接続され、この駆動機構26を介してメインチャック17やアライメント手段20等を駆動するようにしてある。【0015】上記ウエハ情報としては、例えば、チップの配置、チップサイズ、その重心位置、電極パッド数、電極パッドの面積、電極パッド間のピッチ 等のパラメータがあり、また、カード情報としては、例えば、プローブ針の本数(ピン数)及びその配置、プローブ針の材質及び物性、その針圧等のパラメータがある。また、メインチャック情報としては、例えば、メインチャッ タがあり、また、カード情報としては、例えば、プローブ針の本数(ピン数)及びその配置、プローブ針の材質及び物性、その針圧等のパラメータがある。また、メインチャック情報としては、例えば、メインチャック17の回転軸の機械的強度、メインチャック17の外径等のパラメータがある。【0016】 次に、本発明のプローブ方法の原理について図2、図3を参照しながら説明する。プローブ時にメインチャック17がZ方向に上昇すると、ウエハWは図2の一点鎖線位置でプローブ針24Aと接触し、一点鎖線位置から実線位置までオーバドライブする。この時、ウエハW上でプローブ針24Aから掛かる偏荷重が発生し、この偏荷重によりメインチャ ック17の回転軸が傾いてウエハWが本来の上昇位置よりも外側へ偏倚して傾斜し、プローブ針24Aの針先の始点Sが同図の矢印Aで示す方向へ移動しようとする。この際、本発明のプローブ方法の場合にはコントローラ13においてメインチャック17のX、Y及びZ方向への移動補正量を求め、図2に示すようにこの移動補正量に基づいてメインチャ ック17を介してウエハWを同図の矢印A方向への移動量に見合った量 だけ同図の矢印B方向へ移動させて移動方向を矯正するため、あたかもウエハWが水平を保持したまま上昇するかのようにプローブ針24Aの針先が同図の矢印Cで示すように垂直上方に持ち上げられる。この結果、針先は図3の(a)で太い線で示すようにウエハWが水平に持ち上げられた場合(図7参照)と殆ど変わらない軌道を描いて移動し、同図の (b)で示すように針先の終点Eが電極パッドP内に留まり、検査時にプローブ針24Aが電極パッドPと確実に接触し、チップの検査を確実に行うことができる。【0017】上記メインチャック17の移動量を補正する すように針先の終点Eが電極パッドP内に留まり、検査時にプローブ針24Aが電極パッドPと確実に接触し、チップの検査を確実に行うことができる。【0017】上記メインチャック17の移動量を補正する際に、X、Yステージ18、19間の重量の違いやプローブ針24Aとの接触毎の移動距離の違 い、更にX、Y方向とZ方向の移動分解能の違い等があるため、メインチャック17をX、Y及びZ方向へ同時に始動させ、あるいは同時に停止させることができず、X、Y及びZ方向の移動開始に時間的な遅れが生じ、メインチャック17を補正量後の理想軌道に従って正確に移動させることができない。そして、各方向での移動時の時間的なずれが大き いほどメインチャック17の理想軌道からのずれも大きく、メインチャック17の正確な動作を実現できなくなる。【0018】そこで、本発明のプローブ方法では、メインチャック17の正確な動作を実現するために、メインチャック17のオーバドライブ量を複数回(N回)に分割し、分割回数に即してメインチャック17を段階的に移 動させるようにしてある。例えばメインチャック17の補正後のX、Y方向の理想軌道が図4に示した矢印であると仮定し、X、Yステージ18、19を制御して理想軌道に沿ってメインチャック17を移動させる場合について考える。図4の(a)に示すようにメインチャック17が始点Sから終点Eまで1回で移動する場合には、理想軌道から外れた場 合に通り得るメインチャック17の軌道は同図の斜線領域である。しか し、同図の(b)に示すように始点Sから終点Eまでの移動距離を2等分した場合には、理想軌道から外れた場合に通り得るメインチャック17の軌道は同図の斜線領域になって1回で移動する場合の半分の領域になる。更に、同図の(c すように始点Sから終点Eまでの移動距離を2等分した場合には、理想軌道から外れた場合に通り得るメインチャック17の軌道は同図の斜線領域になって1回で移動する場合の半分の領域になる。更に、同図の(c)に示すように始点Sから終点Eまでの移動距離を4等分した場合には、理想軌道から外れた場合に通り得るメインチ ャック17の軌道は2回で移動する場合の更に半分の領域になる。【0019】従って、オーバドライブ時のメインチャック17の移動量をX、Y及びZ方向へ補正しても、上述したようにメインチャック17は必ずしも補正軌道(理想軌道)に沿って移動するとは限らないため、本発明のプ ローブ方法ではメインチャック17を複数回に分けて移動させ、メインチャック17の軌道を理想軌道に近づけるようにしている。これによりメインチャック17はオーバドライブ時に理想軌道に近づいて移動し、プローブ針24Aが確実に電極パッド内で移動し、より信頼性の高い検査を行うことができる。尚、現実にはメインチャック17を例えば4回 程度に分けてオーバドライブさせる。【0020】次に、本発明のプローブ方法をプローブ装置の動作と共に説明する。 まず、ウエハWの検査を行う前に、入力手段25を介してウエハ情報及びカード情報を入力し、入力データを表示画面で確認する。入力データに間違いがなければ、入力データを第1記憶手段131へ登録して記憶 させる。尚、メインチャック情報は固定データであるため、予め第2記憶手段132に登録し、記憶されている。次いで、そのウエハWをプローブ装置10内へカセット単位で供給する。そして、プローブ装置10を始動させると、ローダ室内でプリアライメントされたウエハWがプローバ室内のメインチャック17上へ供給され、プローバ室内でアライメ ン 10内へカセット単位で供給する。そして、プローブ装置10を始動させると、ローダ室内でプリアライメントされたウエハWがプローバ室内のメインチャック17上へ供給され、プローバ室内でアライメ ント手段を介してウエハWのアライメントが行われる。その後、ウエハ Wの各チップについて順次電気的特性検査を行う。【0021】各チップについて検査を行う場合には、CPU133により第2記憶手段132から本発明のプローブ方法に関するプログラムを順次読み出し、図5のフローチャートに従ってメインチャック17のオーバドライブ量を補正する。まず、検査すべきウエハW内のチップの位置、即ちプ ローブ針24Aが最初に接触するコンタクト位置を決める(S1)。このコンタクト位置は例えばインデックス送りの順序に従ってCPU133において順次決定する。次いで、CPU133により第1記憶手段131からウエハ情報及びカード情報をそれぞれ読み出し、第1演算手段133Aにおいてコンタクト位置とウエハW及びプローブ針24Aのサ イズに基づいてコンタクト面積を計算した後(S2)、第1演算手段133Aにおいてこれらのデータに基づいてプローブ針24Aがコンタクトする時に発生する荷重を計算する(S3)。荷重計算後、CPU133により第2記憶手段132からメインチャック情報を読み出し、第1演算手段133Aにおいて計算荷重に基づいてオーバドライブ量に対す るX、Y及びZ方向の補正量を計算する(S4)。その後、第2演算手段133Bにおいてメインチャック17の移動量を計算して求める(S5)。メインチャック17の移動量を求めたら判定手段133CにおいてX、Y及びZ方向の移動量が安全圏にあるか否かを判定する(S6)。 安全圏になければS4に戻り、移動量が安全圏内になる して求める(S5)。メインチャック17の移動量を求めたら判定手段133CにおいてX、Y及びZ方向の移動量が安全圏にあるか否かを判定する(S6)。 安全圏になければS4に戻り、移動量が安全圏内になるまでS4~S6 を繰り返す。尚、これらS1~S6の一連の処理は瞬時に行われる。 【0022】移動量が安全圏内にあれば、コントローラ13の制御下でメインチャック17がX及びY方向へ移動し(S7)、コンタクト位置の真下へウエハWが移動した後、メインチャック17がZ方向に上昇し、ウエハW とプローブ針24Aが接触した後、オーバドライブ時に予め決められた 回数(例えば4回)に分けてメインチャック17を段階的にX、Y、及びZ方向へ移動させてチップの各電極パッドPと各電極パッドPに対応するプローブ針24Aとを電気的に接触させる。このようにしてメインチャック17を4回に分けてオーバドライブすると、如何なる場所に配置されたチップであっても電極パッドPとプローブ針24Aが図3に示 すように電極パッドP内で確実に接触し、各チップについて確実に検査を行うことができる。【0023】以上説明したように本実施形態によれば、ウエハWが大口径化し、プローブカード24が多ピン化してオーバドライブ時の荷重によりメインチャック17が傾斜する時には、第1、第2記憶手段131、132で 記憶されたウエハ情報、カード情報及びメインチャック情報に基づいてCPU133の第1演算手段133Aを介してオーバドライブ時のメインチャックのX、Y及びZ方向の移動補正量を求め、これらの移動補正量に基づいて第2演算手段133Bを介してメインチャック17のX、Y及びZ方向の移動量を補正してメインチャック17をオーバドライブ させるため、ウエハWの如何なる 正量を求め、これらの移動補正量に基づいて第2演算手段133Bを介してメインチャック17のX、Y及びZ方向の移動量を補正してメインチャック17をオーバドライブ させるため、ウエハWの如何なる場所のチップであってもそれぞれの各電極パッドPとこれらに対応するプローブ針24Aとが確実に電気的に接触し、信頼性の高い検査を行うことができる。【0024】また、本実施形態によれば、オーバドライブ量を4分割し、メインチャック17を4回に分けて段階的に移動させるため、メインチャック1 7を理想軌道に近づけて移動させることができ、ひいてはウエハWのチップ内の電極パッドとこれに対応するプローブ針24Aとをより確実に電気的に接触させることができる。また、メインチャック17をX、Y及びZ方向へオーバドライブさせる時に、メインチャック17の移動方向をそれぞれの方向に分解し、メインチャック17をそれぞれの分解方 向へ順次移動させるため、X、Y方向とZ方向の移動分解能等に違いが あっても、メインチャック17を円滑にオーバドライブさせることができる。【0025】尚、本発明は上記実施形態に何等制限されるものではない。要は、ウエハWのプロービング検査時にメインチャック17が傾斜する場合には、メインチャック17を単にZ方向にオーバドライブさせるのではなく、 メインチャック17の傾斜に応じて移動量をZ方向のみならずX、Y方向についても補正しながらオーバドライブさせるプロービング方法であれば、本発明のプローブ方法に包含される。また、本発明のプローブ方法を実施できるプローブ装置も本願発明の包含される。【0026】発明の効果 本発明の請求項1~請求項4に記載の発明によれば、オーバドライブ時に載置台が傾斜してもプローブ端子 ローブ方法を実施できるプローブ装置も本願発明の包含される。【0026】発明の効果 本発明の請求項1~請求項4に記載の発明によれば、オーバドライブ時に載置台が傾斜してもプローブ端子が確実に被検査体の電極と接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ方法及びプローブ装置を提供することができる。【0027】 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8イ別件発明1の技術的意義 前記アによれば、別件発明1の技術的意義は、次のとおりであると認められる。 ウエハサイズが例えば12インチの時代になると、ウエハサイズが大きくなるばかりでなく、ICチップが超微細化して電極パッド間のピッチが狭くなる。これに伴ってプローブカードが多ピン化してピン数が例え ば約2000ピンにも達すると、オーバドライブ時に全プローブ針からメインチャックに働く荷重が例えば10数Kg~20Kgにもなり、ウエハがオーバドライブしてプローブ針と電気的に接触すると、この時の偏荷重でメインチャックの回転軸がたわみ、ウエハが傾いて本来の上昇 位置よりも外側へ偏倚し、検査時には、針先が電極パッドから外れるおそれがあり、ひいてはプローブ針から電極パッドにテスト信号を送れず、検査の信頼性を損なうおそれがあった。(【0008】)別件発明1は、上記課題を解決するためになされたもので、オーバドライブ時に載置台が傾斜してもプローブ端子が確実に被検査体の電極と 接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ装置を提供することを目的としている。(【0009】)ウ別件発明1の構成要件1iについて別件発明1の構成要件1iは「上記 検査体の電極と 接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ装置を提供することを目的としている。(【0009】)ウ別件発明1の構成要件1iについて別件発明1の構成要件1iは「上記第2演算手段により求められた上記X、Y及びZ方向への移動量に基づいて上記載置台をオーバドライブ させる」というものである。 前記イのとおり、別件発明1は、オーバドライブ時に載置台が傾斜してもプローブ端子が確実に被検査体の電極と接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ装置を提供することを目的とするものである。 そして、別件発明1は、特許請求の範囲の記載からも、オーバドライブ 時の載置台のX,Y及びZ方向への移動補正量を求める第1演算手段と、それの移動補正量に基づきX,Y及びZ方向の移動量を求める第2演算手段とを有し、その移動量に基づき、載置台をオーバドライブさせるものであり、この記載からは、上記の目的を達成するために、演算により求めた必要な補正量に応じて、載置台をX,Y方向のみならずZ方向を も含めて移動させることを前提としているといえる。明細書においても、「…メインチャック17がZ方向に上昇し、ウエハWとプローブ針24Aが接触した後、オーバドライブ時に予め決められた回数(例えば4回)に分けてメインチャック17を段階的にX、Y、及びZ方向へ移動させてチップの各電極パッドPと各電極パッドPに対応するプローブ針24 Aとを電気的に接触させる」(【0023】)との記載があり、ウエハとプローブ針が接触した後、Z方向に移動させることが記載されている。 これらによれば、別件発明1の構成要件1iの「X、Y及びZ方向への移動量に基づいて上記載置台をオーバドライブさせる」とは、「上記被検査体と上記プローブカードのプ に移動させることが記載されている。 これらによれば、別件発明1の構成要件1iの「X、Y及びZ方向への移動量に基づいて上記載置台をオーバドライブさせる」とは、「上記被検査体と上記プローブカードのプローブ端子とを接触させた後」(構 成要件1d)、第2演算手段により求められた移動量に基づいて載置台をオーバドライブさせるものであり、その際、X方向及びY方向だけでなく、Z方向に移動させることを前提としているものと解される。 エ別件特許2に係る明細書の記載別件特許2に係る明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 発明の属する技術分野本発明は、プローブ方法及びプローブシステムに関し、更に詳しくはスループットを高めることができるプローブ方法及びプローブシステムに関する。【0001】従来の技術 プローブ装置10は、例えば図6に示すように、カセットC内に収納されたウエハWを1枚ずつ取り出して搬送するローダ室11と、このローダ室11に隣接しローダ室11から搬送されたウエハWを検査するプローバ室12と、このプローバ室12及びローダ室11を制御するコントローラ13と、このコントローラ13を操作する操作パネルを兼ねる 表示装置14とを備えている。【0002】上記ローダ室11にはウエハWの搬送機構としてピンセット15が回転軸を介して立設され、このピンセット15が水平方向で進退動すると共に正逆回転することによりカセットC内のウエハWを1枚ずつ取り出してプローバ室12へ搬送する。また、ピンセット15の近傍にはウエ ハWのプリアライメントを行うサブチャック16が配設され、このサブ チャック16がピンセット15からウエハWを受け取った後、θ方向に正逆回転し、その間にウエハWのオリエンテーシ エ ハWのプリアライメントを行うサブチャック16が配設され、このサブ チャック16がピンセット15からウエハWを受け取った後、θ方向に正逆回転し、その間にウエハWのオリエンテーションフラット(以下、単に「オリフラ」と称す。)を光学的に検出し、オリフラを基準にしてウエハWをプリアライメントする。【0003】上記ローダ室11に隣接するプローバ室12にはウエハWを載置する メインチャック17が配設され、このメインチャック17はX、Yステージ18、19を介してX、Y方向に移動すると共に内蔵の駆動機構を介してZ、θ方向に移動するようになっている。また、プローバ室12内にはアライメント手段20が配設され、このアライメント手段20を介してウエハWのアライメントを行う。このアライメント手段20はウ エハWを撮像するCCDカメラ等からなる第1撮像手段21を有するアライメントブリッジ22と、このアライメントブリッジ22のY方向への往復移動を案内する一対のガイドレール23、23と、メインチャック17に付設されたCCDカメラ等からなる第2撮像手段(図示せず)とを備えている。また、プローバ室12の上面には図示しないプローブ カードが配設され、このプローブカードの上面には図示しないテストヘッドが接続リング(図示せず)を介して電気的に接続されている。そして、テスタからのテスト信号をテストヘッド及び接続リングを介してプローブカードにおいて受信し、プローブと接触したウエハWについて電気的特性検査を行う。【0004】 ウエハWの検査を行う場合には、まず、ローダ室11内でピンセット15が駆動してカセットC内から1枚のウエハWを取り出し、ピンセット15を介してウエハWをプローバ室12へ搬送する間にサブチャック16におい Wの検査を行う場合には、まず、ローダ室11内でピンセット15が駆動してカセットC内から1枚のウエハWを取り出し、ピンセット15を介してウエハWをプローバ室12へ搬送する間にサブチャック16においてウエハWのプリアライメントを行い、その後、ピンセット15からプローバ室12内のメインチャック17へウエハWを引き渡す。 その後、アライメントブリッジ22がプローブセンタへ移動すると共に、 アライメントブリッジ22の第1撮像手段21の下方へ移動し、第1撮像手段21とメインチャック17側の第2撮像手段とが協働してメインチャック17上のウエハWのアライメントを行う。その後、メインチャック17がX、Y方向に移動してウエハWをインデックス送りすると共にメインチャック17がZ方向に上昇し、ウエハWとプローブとが接触 した後、メインチャック17がオーバドライブしてウエハWの各ICチップとプローブとが電気的に接触し、各ICチップについて電気的特性検査を行う。【0005】ウエハサイズが例えば200mmまでのウエハWの場合には、図7の(a)で示すようにメインチャック17のオーバドライブにより、載置 されたウエハWが一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで上昇しても、ウエハWは同図の実線で示すように殆ど傾くことなく水平状態のままZ方向に上昇する。この際、プローブカード24のプローブ24Aは同図(a)の一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで弾力的に持ち上げられ針先が太い線の始点Sから終点Eまで移動する。この状態を平 面的に観ると、針先の始点Sから終点Eに至る移動距離は同図(b)の斜線の矢印で示すようにICチップの電極パッドP内にあり、プローブ24Aと電極パッドPが電気的に接触し、ICチップの検査を行う。 【0006】 針先の始点Sから終点Eに至る移動距離は同図(b)の斜線の矢印で示すようにICチップの電極パッドP内にあり、プローブ24Aと電極パッドPが電気的に接触し、ICチップの検査を行う。 【0006】ところで、ウエハサイズが例えば300mmの時代になると、ウエハ サイズが大きくなるばかりでなく、ICチップが超微細化して電極パッド間のピッチが狭くなる。これに伴ってプローブカードが多ピン化してピン数が例えば約2000ピンにも達すると、オーバドライブ時に全プローブ24Aからメインチャック17に働く荷重が例えば10数Kg~20Kgにもなるため、ウエハWが図8(a)の一点鎖線で示す位置か らオーバドライブしてプローブ24Aと電気的に接触すると、この時の 偏荷重でメインチャック17の回転軸(図示せず)が撓み、ウエハWが同図の実線で示すように例えば20~30μm程度傾いて本来の上昇位置よりも外側へ偏倚する。この時、プローブ24Aは、その針先が同図(a)の一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで弾力的に持ち上げられて図7に示す場合よりも長い針跡を図8(a)の太い線で示すよう に残す。この時の針先の始点Sは図7で示す場合と同じ位置でも終点Eが図8の(b)に斜線の矢印で示すように電極パッドPからはみ出した位置に達し、検査時には針先が電極パッドPから外れる虞があり、ひいてはプローブ24Aから電極パッドPにテスト信号を送れず、検査の信頼性を損なう虞がある。【0007】 そこで、本出願人は特願平9-202476号明細書においてオーバドライブ時に偏荷重を受けてもプローブが確実にウエハの電極パッドと接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ方法及びプローブ装置を提案した。このプローブ方法では、オーバドライブ時の荷重によ ドライブ時に偏荷重を受けてもプローブが確実にウエハの電極パッドと接触し信頼性の高い検査を行うことができるプローブ方法及びプローブ装置を提案した。このプローブ方法では、オーバドライブ時の荷重によりウエハチャックが傾斜する時には、ウエハチャックの情報、ウエハの 情報及びプローブカードの情報に基づいてオーバドライブ時の載置台のX、Y及びZ方向の移動補正量を求め、これらの移動補正量に基づいてX、Y及びZ方向への移動量を補正して載置台をオーバドライブさせるようにしている。【0008】発明が解決しようとする課題 しかしながら、図9に示すようにウエハチャック17をX、Y方向へ移動させる駆動機構にはサーボモータ31、32が使用され、Z方向へ移動させる駆動機構にはサーボモータ31、32とは動作特性が異なるステッピングモータ33が使用されているため、サーボモータ31、32とステッピングモータ33を同時に駆動させ、同時に停止させること は実質的に不可能で、各モータ31、32、33はばらばらに駆動し、 停止する。尚、以下の説明では、サーボモータ31、32及びステッピングモータ33をそれぞれX軸モータ31、Y軸モータ32及びZ軸モータ33と称す。そこで、本出願人は上述したプローブ方法においては、ホストコンピュータ40からの指令により作動するドライバー31A、32A及びステッピングドライバー33Aからの信号に基づいてX軸モ ータ31、Y軸モータ32とZ軸モータ33がそれぞれの交互に駆動して斜め上方へ移動し、しかも各モータは交互に複数段階に分けて駆動することで図10、図11に示すようにプローブ24Aが略補正軌道に従って電極パッドP上をジグザクに移動して目標位置(終点E)に達する。 しかし、この方法ではプローブ24Aと 交互に複数段階に分けて駆動することで図10、図11に示すようにプローブ24Aが略補正軌道に従って電極パッドP上をジグザクに移動して目標位置(終点E)に達する。 しかし、この方法ではプローブ24Aと電極パッドとを確実に接触させ ることができるが、各モータを複数回に渡って駆動、停止を繰り返し、ジグザク移動するため、スループットが低下するという課題があった。 【0009】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、動作特性が相違する駆動機構が混在していても各駆動機構を分割して駆動させる必要 がなく、スループットを高めることができるプローブ方法及びプローブシステムを提供することを目的としている。【0010】課題を解決するための手段本発明の請求項6に記載のプローブシステムは、被検査体を載置する載置台と、この載置台をX方向、Y方向及びZ方向へそれぞれ移動させ るX軸駆動機構、Y軸駆動機構及びZ軸駆動機構と、上記載置台の上方に配置され且つ上記被検査体に電気的に接触する複数のプローブを有するプローブカードとを備え、且つ、上記載置台がオーバドライブする時に上記プローブの先端が上記被検査体の電極パッド内に留まるように上記載置台を上記プローブカードの方向へオーバドライブさせるために、 上記各駆動機構それぞれと信号回線で接続され且つ上記各駆動機構それ ぞれを、同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えたことを特徴とするものである。【0014】発明の実施の形態以下、図1~図5に示す実施形態に基づいて従来と同一または相当部 分には同一符号を附して本発明を説明する。 本実施形態のプローブ方法は図1に示すプローブシステム100を用いて の形態以下、図1~図5に示す実施形態に基づいて従来と同一または相当部 分には同一符号を附して本発明を説明する。 本実施形態のプローブ方法は図1に示すプローブシステム100を用いて実施する。このプローブシステム100は、同図に示すように、プローブ装置10と、プローブ装置10に各種の指令信号を授受するホストコンピュータ40と、これら両者10、40を互いに接続するネット ワーク回線(フィールドバス)50と、プローブ装置10のX軸モータ31、Y軸モータ32及びZ軸モータ33を一括制御するためにソフト的に設定された単一の仮想コントローラ34とを備え、単一の仮想コントローラ34によってX軸モータ31、Y軸モータ32及びZ軸モータ33を同時に一括制御するようになっている。【0015】 そして、仮想コントローラ34(実際には各モータのドライバー31A、32A、33A)はホストコンピュータ40から受信した指令信号に基づいて各モータ31、32、33を補間制御するようにしてある。 即ち、メインチャックのオーバードライブ時に、仮想コントローラ34は、ホストコンピュータ40からウエハの電極パッド上のプローブに関 する始点及び終点(目標位置)の位置情報(三次元アドレス)及び各モータ31、32、33に関する速度情報を受信すると、図2に示すようにプローブがウエハの電極パッド上の始点及び終点(目標位置)間にある時にもこれらの位置情報及び速度情報に基づいて常にプローブのウエハ上での現在位置を把握、監視し、結果的にプローブが始点から終点 (目標位置)まで最短距離(後述する理想軌道)を通って移動する。 【0016】上記各モータ31、32、33はそれぞれ独自のドライバー31A、32A、33A(図9参照)を具備して (目標位置)まで最短距離(後述する理想軌道)を通って移動する。 【0016】上記各モータ31、32、33はそれぞれ独自のドライバー31A、32A、33A(図9参照)を具備しているものの、仮想コントローラ34が設定されているため、これらのドライバー31A、32A、33Aはホストコンピュータ40から単一の仮想コントローラ34があたか も指令信号を受信したかのように振る舞って各モータ31、32、33を駆動させてメインチャックを移動させ、ひいてはプローブが電極パッド上の始点から終点(目標位置)まで最短距離を通って移動する。従って、ホストコンピュータ40から仮想コントローラ34に対してオーバドライブのウエハ上の始点Sと終点Eの三次元アドレスを与え、更に、 各モータ31、32、33の速度情報を与えれば、これらの情報に基づいてメインチャックが移動しプローブが電極パッドP上の始点Sから終点Eまで最短距離を通って移動し(図3参照)、電極パッドPと確実に接触する。【0017】従って、各モータ31、32、33の動作特性によりプローブの現在 位置が所定の理想軌道から外れれば、そのずれ量を自動的且つ瞬時に補正する。この補正は極めて短時間で実行されるため、仮想コントローラ34と各モータのアンプ部31B、32B、33B間が高速応答可能なバス51によって接続されている。その結果、プローブは図2に示すようにウエハW上の始点Sから終点Eまで最短距離を移動し、短時間でオ ーバドライブを終了する。この際、ウエハの電極パッドPにはプローブの移動軌跡が図3に示す直線状の針跡Tとして残る。【0018】ところで、プローブからウエハに偏荷重がかかるとメインチャックが傾斜し、図8に示したようにプローブが電極パッドPから外れること ローブの移動軌跡が図3に示す直線状の針跡Tとして残る。【0018】ところで、プローブからウエハに偏荷重がかかるとメインチャックが傾斜し、図8に示したようにプローブが電極パッドPから外れることがある。そのため、本実施形態の前提として本出願人が提案したプローブ 方法によってプローブの位置補正を行う。即ち、検査時にメインチャッ クがZ方向に上昇すると、ウエハWは図4の一点鎖線位置でプローブ24Aと接触し、一点鎖線位置から実線位置までオーバドライブする。この時、ウエハW上でプローブ24Aから掛かる偏荷重が発生し、この偏荷重によりメインチャック17の回転軸が傾いてウエハWが本来の上昇位置よりも外側へ偏倚して傾斜し、プローブ24Aの針先の始点Sが同 図の矢印Aで示す方向へ移動しようとする。【0019】この際、コントローラ13(図6参照)においてメインチャック17のX、Y及びZ方向への移動補正量を求め、図4に示すようにこの移動補正量に基づいてメインチャック17を介してウエハWを同図の矢印A方向への移動量に見合った量だけ同図の矢印B方向へ移動させて移動方 向を矯正するため、あたかもウエハWが水平を保持したまま上昇するかのようにプローブ24Aの針先が同図の矢印Cで示すように垂直上方に持ち上げられる。この結果、針先は図5の(a)で太い線で示すようにウエハWが水平に持ち上げられた場合(図7参照)と殆ど変わらない軌道を描いて移動し、同図の(b)で示すように針先の終点Eが電極パッ ドP内に留まり、検査時にプローブ24Aが電極パッドPと確実に接触し、チップの検査を確実に行うことができる。【0020】上記メインチャック17の移動量を補正する際に、X、Yステージ18、19間の重量の違いやプローブ24Aとの接触毎の移 極パッドPと確実に接触し、チップの検査を確実に行うことができる。【0020】上記メインチャック17の移動量を補正する際に、X、Yステージ18、19間の重量の違いやプローブ24Aとの接触毎の移動距離の違い、更にX、Y方向とZ方向の移動分解能の違い等があるため、メインチャ ック17をX、Y及びZ方向へ同時に始動させ、あるいは同時に停止させることができず、X、Y及びZ方向の移動開始に時間的な遅れが生じ、メインチャック17を補正後の理想軌道に従って正確に移動させることができない。そして、各方向での移動時の時間的なずれが大きいほどメインチャック17の理想軌道からのずれも大きく、メインチャック17 の正確な動作を実現できなくなる。しかしながら、本実施形態では各モ ータ31、32、33があたかも単一の仮想コントローラ34の制御下で単一制御され、各モータがあたかも同期駆動しているかの如くに見え、プローブは補正後の理想軌道に倣って移動する。【0021】以上説明したように本実施形態によれば、X軸モータ31、Y軸モータ32及びZ軸モータ33を一括制御する単一の仮想コントローラ34 をソフト的に設定し、単一の仮想コントローラ34により各モータ31、32、33を、同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号で補間制御すると共に各モータ31、32、33によるプローブの移動軌跡を監視するようにしたため、プローブは電極パッドP上を理想軌道に補正しながら始点Sから終点Eまで移動することができ、検査のスループ ットを高めることができる。【0022】また、本実施形態によれば、ホストコンピュータ40から仮想コントローラ34へプローブの始点S、終点Eの三次元アドレス及び各モータ31、32、33の速度情報を与えるだけで、 きる。【0022】また、本実施形態によれば、ホストコンピュータ40から仮想コントローラ34へプローブの始点S、終点Eの三次元アドレス及び各モータ31、32、33の速度情報を与えるだけで、電極パッドP上でプローブを理想軌道(偏荷重による補正軌道) に則って移動することができる。【0023】尚、本発明は上記実施形態に何等制限されるものではない。要は、X軸モータ31、Y軸モータ32及びZ軸モータ33の各ドライバーに代えて単一の仮想コントローラ34の制御下に各モータ31、32、33を駆動するようにしたものであれば、本発明に包含される。【0024】 発明の効果本発明によれば、動作特性が相違する駆動機構が混在していても、同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号で各駆動機構を同時に駆動させることにより、複数回の指令信号で各駆動機構を段階的に分割して駆動制御する必要がなく、検査のスループットを高めることができ るプローブ方法及びプローブシステムを提供することができる。【00 25】 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 図9 図10 図11オ別件発明2の技術的意義 上記エによれば、別件発明2の技術的意義は、次のとおりであると認められる。 従来の技術では、ウエハチャックをZ方向へ移動させる駆動機構には、ウエハチャックをX、Y方向に駆動させるサーボモータとは動作特性が異なるステッピングモータが使用されているため、そのサーボモータとステ ッピングモータを同時に駆動させ、同時に停止させることは実質的に不可能であった。この課題を解決するために、プローブ 特性が異なるステッピングモータが使用されているため、そのサーボモータとステ ッピングモータを同時に駆動させ、同時に停止させることは実質的に不可能であった。この課題を解決するために、プローブ方法において、ホストコンピュータからの指令により作動するドライバー及びステッピングドラ イバーからの信号に基づいてX軸モータ、Y軸モータとZ軸モータがそれぞれ、交互に駆動して斜め上方へ移動し、しかも各モータは交互に複数段階に分けて駆動することでプローブが略補正軌道に従って電極パッド上をジグザクに移動して目標位置に達する技術が開発された。しかし、この方法では、各モータを複数回に渡って駆動、停止を繰り返し、ジグザク移動 するため、スループットが低下するという課題があった。(【0009】)別件発明2は、上記課題を解決するためになされたもので、動作特性が相違する駆動機構が混在していても、X方向、Y方向及びZ方向の各駆動機構のそれぞれを一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えることで、スループットを高めることができるプローブシ ステムを提供することを目的としている。(【0010】)カ別件発明2の「同一の位置情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えた」(構成要件2d)について別件発明2の構成要件2dは「同一の位置情報及び速度情報を含む一回 の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えた」ものとされている。 前記オの別件発明2の技術的意義からすると、別件発明2は、X方向、Y方向、Z方向について動作特性が相違する駆動機構が混在していても、各駆動機構のそれぞれを一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制 御する制御機構を 意義からすると、別件発明2は、X方向、Y方向、Z方向について動作特性が相違する駆動機構が混在していても、各駆動機構のそれぞれを一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制 御する制御機構を備え、スループットを高めることができるというものである。そして、別件発明2は、特許請求の範囲の記載からも、「オーバードライブさせるために」(構成要件2c)、一回の指令信号に基づいて、X方向、Y方向への移動を行う駆動機構だけでなく、Z方向への移動を行うZ軸駆動機構をも制御することが記載され(構成要件2b、d)、指令 信号により、載置台をX,Y方向のみならずZ方向をも含めて移動させる ことを前提としていることが明らかである。明細書にも、「同時に一括して補間制御する制御機構」は「…単一の仮想コントローラ34によってX軸モータ31、Y軸モータ32及びZ軸モータ33を同時に一括制御する…」(【0015】)ことが記載されている。 これらによれば、別件発明2の構成要件2dの「同一の位置情報及び速 度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えた」とは、「上記載置台を上記プローブカードの方向にオーバドライブさせるために」(構成要件2c)、一回の指令信号に基づいて載置台を制御する制御する機構を備えることをいうところ、その一括してされる制御には、X方向及びY方向とともに、Z方向に移動させることを前 提としているものと解される。 以上を前提として、検討する。 原告は、MMI8番を実装した被告のプローブ装置が、別件発明1の構成を備え、別件発明1は、本件発明1の改良発明であることから、上記装置の販売が、本件発明1の実施に当たると主張する。本件発明1の構成要件1E の「前記プローブ針と前記被測定体 、別件発明1の構成を備え、別件発明1は、本件発明1の改良発明であることから、上記装置の販売が、本件発明1の実施に当たると主張する。本件発明1の構成要件1E の「前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状態」は、Z軸方向への移動により、プローブ針の先端がウエハ表面の酸化膜に圧力を有して接触しているが、酸化膜を突き破らない状態であり、本件発明1は、Z軸方向への移動が完了したそのような状態において、Z軸方向への移動をせずに、「X軸、Y軸またはθ軸方向に微移動させ」(構成要件1F)るものである(前記⑶ ウ)。これに対し、別件発明1の構成を備える装置は、「上記被検査体と上記プローブカードのプローブ端子とを接触させた後」(構成要件1d)、第2演算手段により求められた移動量に基づいて載置台をオーバドライブさせるものであり、その際、X方向及びY方向だけでなく、Z方向に移動させることを前提としている(前記⑷ウ)。そうすると、仮に、原告が主張する 被告のプローブ装置が、別件発明1の構成を備えていたとしても、その装置 が、本件発明1の技術的範囲に属すると認めるには足りない。 また、原告は、SPO87番を実装した被告のプローブ装置が、別件発明2の構成を備え、別件発明2は、本件発明1の改良発明であることから、上記装置の販売が、本件発明1の実施に当たると主張する。上記のとおり、本件発明1の構成要件1Eの「前記プローブ針と前記被測定体とが接触した状 態」は、Z軸方向への移動により、プローブ針の先端がウエハ表面の酸化膜に圧力を有して接触しているが、酸化膜を突き破らない状態であり、本件各発明は、Z軸方向への移動が完了したそのような状態において、Z軸方向への移動をせずに、「X軸、Y軸またはθ軸方向に微移動させ」(構成要件1F)るも しているが、酸化膜を突き破らない状態であり、本件各発明は、Z軸方向への移動が完了したそのような状態において、Z軸方向への移動をせずに、「X軸、Y軸またはθ軸方向に微移動させ」(構成要件1F)るものである。これに対し、別件発明2の構成要件2dの「同一の位置 情報及び速度情報を含む一回の指令信号に基づいて同時に一括して補間制御する制御機構を備えた」とは、「上記載置台を上記プローブカードの方向にオーバドライブさせるために」(構成要件2c)、一回の指令信号に基づいて載置台を制御する制御する機構を備えることをいい、その一括してされる制御には、X方向及びY方向とともに、Z方向に移動させることを前提とし ている(前記⑷カ)。そうすると、仮に、原告が主張する被告のプローブ装置が、別件発明2の構成を備えていたとしても、その装置が、本件発明1の技術的範囲に属すると認めるには足りない。 以上によれば、MMI8番のソウトウェアが実装された装置及びSPO87番のソフトウェアが実装された装置が本件発明1の技術的範囲に属すると 認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はないから、これらの装置が本件発明1の技術的範囲に属するとの原告の主張には、理由がない。 ア原告は、各国内C社プローブ装置は、SPO162番のソフトウェアが実装されているところ、それらは、本件各発明の技術的範囲に属するから、被告は、本件各発明を実施し、各国内C社プローブ装置の被告の売上げは、 相当の対価の算定の基礎とすべきである旨主張する。 イ国内C社プローブ装置1は、国内C社に対して、平成7年10月頃及び平成12年1月頃に販売して納入していたプローブ装置について、その後SPO162番のソフトウェアをインストールしたものであって、販売時点でSPO1 ブ装置1は、国内C社に対して、平成7年10月頃及び平成12年1月頃に販売して納入していたプローブ装置について、その後SPO162番のソフトウェアをインストールしたものであって、販売時点でSPO162番が実装されたものではない。したがって、同プローブ装置の売上げが、直ちに本件における、職務発明の承継における相当の対 価の算定の基礎となるとは認められない。また、上記ソフトウェアのインストールによって、被告が国内C社から何らかの対価等を得たとは認められず、国内C社プローブ装置1に関して、被告が本件発明1の実施を独占することにより得られるべき独占の利益を得たことを認めるに足りない。 国内C社プローブ装置2についてみると、SPO162番等のスペシャ ルオプションは、仮に被告による上記プローブ装置の販売当時からこれが実装されていたとしても、顧客から別途個別に依頼を受けて、当該SPOのソフトウェアをアクティブ化することで初めてプログラム的な指令が実行され機能を奏する仕組みとなっているものであり、販売時点においては、SPO162番が機能する状態のプローブ装置ではなかった。そして、顧 客である国内C社がアクティブ化されていないプロブラムによる機能にも着目したことによって当該プローブ装置を購入したという事情を認めるには足りない。このような事実関係の下では、国内C社プローブ装置2の販売により、被告が本件発明1の実施を独占することにより得られるべき独占の利益を得たと認めるには足りない。なお、原告は、国内C社プローブ 装置2に関係し、旧バージョンのプローブ装置におけるスペシャルオプションは、顧客から別途個別に依頼を受けて当該SPOのソフトウェアをアクティブ化することで初めてプログラム的な指令が実行され機能を奏する仕組みになってい ージョンのプローブ装置におけるスペシャルオプションは、顧客から別途個別に依頼を受けて当該SPOのソフトウェアをアクティブ化することで初めてプログラム的な指令が実行され機能を奏する仕組みになっていないことなどを主張するが、本件でSPO160番が使用可能な状態のプローブ装置が販売されたことを認めるに足りる証拠はな い。 国内C社プローブ装置3については、販売時点においてSPO162番がアクティブ化され、機能する状態で販売されていなかったと推認できることは前記第2の1⑼ウのとおりである。その後、SPO162番がアクティブ化されたと認められるが、このことによって、被告が国内C社から何らかの対価等を得たことを認めるに足りず、国内C社プローブ装置3に 関して、被告が本件発明1の実施を独占することにより得られるべき独占の利益を得たことを認めるに足りない。 ウ以上によれば、仮にSPO182番のソフトウェアが実装され、又はそれが機能するプローブ装置が本件各発明の技術的範囲に属するとしても、各国内C社プローブ装置を販売した売上げについて、「相当の対価」の算 定の基礎とすべきものがあるとはいえない。 ⑺ 以上によれば、本件においては、本件各発明について、「相当の対価」の算定の基礎とすべき売上げがあるとは認められず、その売上げがあることを前提として「相当の対価」を主張する原告の請求には理由がない。 第4 結論 以上によれば、原告の主位的請求は、本件各発明が職務発明であるから認められず(前記第3の1)、原告の予備的請求は、原告が主張の前提とする事実が認められない(前記第3の2)から、原告の各請求をいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用し、主文のとおり判決する。 的請求は、原告が主張の前提とする事実が認められない(前記第3の2)から、原告の各請求をいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用し、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官杉田時基 裁判官仲田憲史 別紙特許権目録 登録番号特許第3208734号出願番号特願平2-216982号 発明の名称プローブ装置出願年月日平成2年8月20日登録年月日平成13年7月13日以上 別紙 相当の対価計算書 「相当の対価」は,自社実施の場合,以下の式により算出される。 ①「使用者等の実施品売上額」×②「超過利益率(仮想売上率)」×③「想定実施料率」×④「発明者貢献度」そうすると、本件における相当の対価は,以下のとおり算出される。 1 ① 本件特許の日本出願に対する「使用者等の実施品売上額」本件特許の有効期間は,平成13(2001)年から平成22(2010)年 の10年間であるところ,原告の推定によれば,同10年間における被告による新式プローブ装置の世界市場への売上額は少なくとも以下の表記載の金額を下回らない。 事業年度2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010売上額(億円) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010売上額(億円) 2001年及び2010年については,本件特許の有効期間が1年分に満たないことを考慮して2分の1を乗じることとし,新式プローブ装置の売上額は以下 のように見積もることができる。 333× 2+101+211+281+364+345+407+480+370+420× =2935.5億円したがって,本件特許の有効期間における本件特許の実施品である新式プロー ブ装置の被告による売上額(「使用者等の実施品売上額」)は,2935億5000万円を下回らない。 ② 本件特許の米国出願に対する「使用者等の実施品売上額」 本件特許の有効期間は,米国では平成7(1995)年から平成24(2012)年の18年間であるところ,原告の推定によれば,本件特許が消滅した後における米国での新式プローブ装置の売上額は,少なくとも以下の表記載の金額を下回らない。 事業年度199920002001201020112012売上額(億円)48.7985.55125.32 80.52001年,2010年については①の有効期間を除く期間として,そして, 2012年については米国特許の有効期間が1年分に満たないことを考慮して,それぞれ2分の1を乗じることとし,新式プローブ装置の売上額は以下のように見積もることができる。 48.79+85.55+125.32× 2+64× 2+69+80.5× =338.25億円 したがって,本件特許の米国での有効期 は以下のように見積もることができる。 48.79+85.55+125.32× 2+64× 2+69+80.5× =338.25億円 したがって,本件特許の米国での有効期間における本件特許の実施品である新式プローブ装置の被告による売上額(「使用者等の実施品売上額」)は,338億2500万円を下回らない。 ③ 本件特許の韓国出願に対する「使用者等の実施品売上額」本件特許の有効期間は,韓国では平成11(1999)年から平成23(20 11)年の13年間であるところ,原告の推定によれば,本件特許が登録前及び消滅した後における韓国での新式プローブ装置の売上額は,少なくとも以下の表記載の金額を下回らない。 事業年度19992000200120102011売上額(億円) 28.17 41.27 2001年及び2010年については,①の有効期間を除く期間として,そして,1999年及び2011年については,韓国特許の有効期間が1年分に満たないことを考慮して,それぞれ2分の1,3分の1を乗じることとし,新式プローブ装置の売上額は以下のように見積もることができる。 16× 2+28.17+41.27× 2+84× 2+72× =122.805億円したがって,本件特許の有効期間における本件特許の実施品である新式プローブ装置の被告による売上額(「使用者等の実施品売上額」)は,122億8050万円を下回らない。 2 超過利益率(仮想売上率)本件各発明は,プローブ装置による半導体の測定精度及び製品歩留まりを向上させる優れた効果を有する。本件特許の有効期間中,被告による新式プローブ装置の売上げも年々上昇し,また,本 益率(仮想売上率)本件各発明は,プローブ装置による半導体の測定精度及び製品歩留まりを向上させる優れた効果を有する。本件特許の有効期間中,被告による新式プローブ装置の売上げも年々上昇し,また,本件特許の有効期間満了後は,被告の競合他社も新式プローブ装置の製造を行っており,新式プローブ装置の市場におけるシェアは増加 し続けている。したがって,被告が,本件特許を保有していなければ,被告のシェアは,新式プローブ装置を製作する技術力及び設備を有していた株式会社東京精密(以下,「TSK」という。)に,少なくともその一部が奪われていた可能性が高い。 そして,本件特許の機能を有しない従来式プローブ装置と新式プローブ装置を合 わせたプローブ装置全体の売上額でいえば,本件特許有効期間中の被告とTSKの売上額の比率はほぼ同じであることから,仮に被告が本件特許を実施許諾したとする場合,TSKは,被告の新式プローバ(本件特許の実施品)に関する被告のシェアの50%程度を製造販売できていたと考えることができる。 よって,超過利益率(仮想売上率)は50%である。 3 想定実施料率国内の実施料率は,半導体製造装置製造技術を含む特殊産業用機械の分野での実施許諾料率の最頻値が売上の5%程度である(甲16)。しかし,本件特許は代替技術が実質ないこと,本件特許を実施しない限り半導体の質の高い測定ができなくなること,本件特許を競合他社が保有していたら,被告の売上はほとんど期待でき なかったことなどを考慮すれば,実施料率は,売上げの10%を下回るとはいえない。また米国,韓国における実施料率は国内に比べさらに高くなり,日本を10%とすると,韓国では12%,米国では19%程度が最低限の実施料率と推定する(甲17)。 下回るとはいえない。また米国,韓国における実施料率は国内に比べさらに高くなり,日本を10%とすると,韓国では12%,米国では19%程度が最低限の実施料率と推定する(甲17)。 4 発明者貢献度本件各発明は,被告の施設,設備や資源を利用してなされたものではなく,専ら,原告一人の発想と知験を頼りになされている。 よって,発明者貢献度は,低く見積もっても20%である。 5 以上を踏まえた計算① 本件特許の日本出願に対する相当の対価使用者等の実施品売上額 × 超過利益率(仮想売上率) × 想定実施料率 ×従業者貢献度= 2935億5000万円 × 0.5 × 0.1 × 0.2 = 29億3550万円 ② 本件特許の米国出願に対する相当の対価使用者等の実施品売上額 × 超過利益率(仮想売上率) × 想定実施料率 ×従業者貢献度 = 338億2500万円 × 0.5 × 0.19 × 0.2 = 6億4268万円 ③ 本件特許の韓国出願に対する相当の対価使用者等の実施品売上額 × 超過利益率(仮想売上率) × 想定実施料率 ×従業者貢献度 = 122億8050万円 × 0.5 × 0.12 × 0.2= 1億4737万円 ④ 相当の対価の合計額①+②+③=37億2555万円 以上より,本件特許に関する「相当の対価」は,37億2555万円を下回るものでないと解される。 以上

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