平成13年特(わ)第5761号等児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律等に関する法律違反被告事件 主文 被告人を懲役1年6か月に処する。 この裁判確定の日から5年間その刑の執行を猶予する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (犯罪事実)被告人は,第1 平成13年8月10日ころ,東京都豊島区内のホテル「甲」において,A子(当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童に対し,現金4万円の対償を供与して,同児童と性交し,もって児童買春をした。 第2 同月21日ころ,東京都新宿区内のホテル「乙」において, 1 B子(当時17歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童に対し,現金1万円の対償の供与を約束して,自己の性的好奇心を満たす目的で,同児童に自己の陰茎を手淫させ,もって児童買春をした。 2 C子(当時17歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童に対し,現金1万円の対償の供与を約束して,自己の性的好奇心を満たす目的で,同児童に自己の陰茎を手淫させ,もって児童買春をした。 第3 同年9月7日ころ,横浜市中区内のホテル「丙」において,D子(当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童に対し,現金4万円の対償を供与して,同児童と性交し,もって児童買春をした。 (量刑の事情)本件は,当時,現職の警察官であった被告人が,3回にわたり,現金を供与するなどして,携帯電話のいわゆる出会い系サイトを通じて知り合った4名の18歳に満たない少女と性交し又は手淫させるなどした児童買春の事案である。被告 の警察官であった被告人が,3回にわたり,現金を供与するなどして,携帯電話のいわゆる出会い系サイトを通じて知り合った4名の18歳に満たない少女と性交し又は手淫させるなどした児童買春の事案である。被告人は,児童らの保護に当たることが求められる警察官の地位にあったにもかかわらず,児童買春の違法性や同種事件が報道されて社会的非難を受けていることを十分に認識しながら,児童に対する自己の性的欲望を押さえきれないという理由で本件各犯行を重ねており,その動機に酌量の余地のない,極めて反社会性の強い犯行である。 犯行の発覚を防ぐためにプリペイド式の携帯電話を利用するなどしていたこと,本件以外にも多数回の同種行為がうかがわれること,被告人の本件犯行が国民の警察官全体に対する信頼に与えた影響も軽視できないことなどの事情を合わせ考慮すると,被告人の規範意識の欠如は顕著で,本件刑事責任は重いといわざるを得ない。 他方,被告人は,捜査・公判を通じて本件を深く反省する態度を示していること,高校卒業と同時に警察官に奉職し,その後10年以上にわたって一貫して警察官として勤務しており,もとよりその間前科前歴等一切ないこと,自ら播いた種とはいえ本件により懲戒免職処分を受けるなど一定の社会的制裁を受けたと評価できることなど,被告人に有利ないし同情すべき事情もある。 裁判所は,これらの事情を総合考慮し,被告人を懲役1年6か月に処した上,特に今回に限りその刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑懲役1年6か月)平成14年2月21日東京地方裁判所刑事第11部裁判官秋吉淳一郎 1部裁判官秋吉淳一郎
▼ クリックして全文を表示