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主文 本件上告を棄却する。当審における訴訟費用は被告人の負担とする。理由 弁護人佐々野虎一の上告趣意(一)について。所論は、刑法一九八条の規定は憲法二九条一項に違反する旨主張する。しかしながら、記録に徴すれば、本件第一審判決は右刑法の条項を適用して被告人を有罪としたのに対し、被告人は控訴趣意書において右刑罰規定自体の合憲性を争う主張を全くせず、従つて原判決もこの点になんら触れるところなく、右控訴を棄却したものであることが明らかである。このように原審で主張判断を経なかつた事項に関し、当審において新たに違憲をいう主張は、適法な上告理由に当らないものといわなければならない。けだし、元来、上告は、控訴審の判決に対する上訴であるから、控訴審で審判の対象とならなかつた事項を上告理由として主張することは許されないものと解すべきであり、また控訴審では、控訴趣意書に包含されている事項を調査すれば足り、これに包含されていない事項については、たとえそれが第一審判決の適用法条の合憲性の有無に関するものであつても、職権調査の義務を当然には負うものではなく、この点に関し判断をしなかつたからといつて、上告を以て攻撃されるべき違法とは言い難いからである。同上告趣意(二)は量刑不当の主張であり、同(三)は憲法七六条三項違反をいうが、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、いずれも上告適法の理由とならない。 よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。昭和三九年一一月一八日最高裁判所大法廷- 1 -裁判長裁判官横田喜三郎裁判官入江俊 。昭和三九年一一月一八日最高裁判所大法廷- 1 -裁判長裁判官横田喜三郎裁判官入江俊郎裁判官奥野健一裁判官石坂修一裁判官山田作之助裁判官五鬼上堅磐裁判官横田正俊裁判官草鹿浅之介裁判官長部謹吾裁判官城戸芳彦裁判官石田和外裁判官柏原語六裁判官田中二郎裁判官松田二郎裁判官岩田誠- 2 -
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