平成23年11月8日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成21年第220号貸金請求事件(以下「甲事件」という。)平成21年第306号不法行為による損害賠償請求事件(以下「乙事件」という。)平成21年第334号不法行為による損害賠償請求事件(以下「丙事件」という。)口頭弁論終結日平成23年8月9日判決 主文 1 甲事件被告らは,甲事件原告に対し,連帯して1億3048万4080円及びこれに対する平成21年4月1日から支払済みまで年14パーセントの割合(年365日の日割計算)による金員を支払え。 2 乙事件及び丙事件原告らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,全事件を通じ,甲事件被告・乙事件原告及び甲事件被告・丙事件原告らの負担とする。 4 この判決は,第1項及び第3項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由(以下では,甲事件原告・乙及び丙事件被告株式会社A銀行を「原告」,甲事件被告・乙事件原告株式会社B研究所を「被告会社」,甲事件被告・丙事件原告Cを「被告C」,甲事件被告・丙事件原告Dを「被告D」,甲事件被告Eを「被告E」という。)第1 請求 1 甲事件主文第1項に同旨 2 乙事件原告は,被告会社に対し,8億0680万7294円及びこれに対する平成21年4月25日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 3 丙事件 原告は,被告Cに対し,1億1844万0617円及びうち1億0744万0 627円に対する平成21年5月9日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 原告は,被告Dに対し,1億2322万5894円及びうち1億1222万5 44万0 627円に対する平成21年5月9日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 原告は,被告Dに対し,1億2322万5894円及びうち1億1222万5894円に対する平成21年5月9日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要原告は,被告会社に対し,手形貸付等の方法で金銭を融資していたところ,被告会社がその融資の返済原資となる取引先からの入金を債務の返済に充当せず,従業員への給料の支払等に充当しようとしたことから,原告は,被告会社の普通預金口座について支払停止の措置を採った(以下「本件口座凍結」という。)。 甲事件は,原告が被告会社に対して,消費貸借契約に基づく貸金のうち1億3048万4080円の返還及びこれに対する担保権実行による充当の翌日である平成21年4月1日から支払済みまで約定の年14パーセントの割合による遅延損害金の支払を,被告C,被告D及び被告Eに対して,保証契約に基づく保証債務の履行として同額の支払を求めた事案である。 乙事件は,本件口座凍結が債務不履行及び不法行為に該当するとして,被告会社が原告に対し,債務不履行ないし不法行為に基づき,8億0680万7294円の損害賠償及びこれに対する催告の翌日である同月25日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 丙事件は,本件口座凍結が不法行為に該当するとして,被告C及び被告Dが原告に対し,不法行為に基づき,被告Cにつき,1億1844万0617円の損害賠償及びうち1億0744万0627円に対する催告の翌日である同年5月9日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を,被告Dにつき,1億2322万5894 617円の損害賠償及びうち1億0744万0627円に対する催告の翌日である同年5月9日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を,被告Dにつき,1億2322万5894円の損害賠償及びうち1億1222万5894円に対する同日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。 1 前提となる事実(証拠を記載したもの以外は争いがない。) 当事者原告は,預金または定期積金の受入れ,資金の貸付け,手形の割引,為替取引及び銀行業務に付随する業務等を目的とする株式会社である。 被告会社は,音響機器の技術開発,各種音響諸設備の設計及び製造等を目的とする株式会社である。 被告D及び被告Eは,いずれも被告会社の取締役であった。(弁論の全趣旨) 原告と被告会社との銀行取引原告と被告会社は,平成17年5月31日,以下の内容を含む銀行取引約定を締結した。 ア第1条第1項本約定書の各条項は,原告・被告会社間の手形貸付,手形割引,証書貸付,当座貸越,支払承諾(保証委託取引等),外国為替,その他一切の銀行取引に関して共通に適用されるものとする。 イ第3条第3項被告会社は,原告に対する債務を履行しなかった場合には,その支払うべき金額に対し,年14パーセントの割合の損害金を支払うものとする。ただし,利息,割引料,保証料については,損害金を付さないものとする。この場合の計算方法は年365日の日割計算とする。 ウ第5条第2項被告会社について次の各号の事由が一つでも生じた場合には,原告からの請求によって,被告会社は原告に対する一切の債務について期限の利益を失い,直ちに 計算とする。 ウ第5条第2項被告会社について次の各号の事由が一つでも生じた場合には,原告からの請求によって,被告会社は原告に対する一切の債務について期限の利益を失い,直ちに債務を弁済するものとする。 1号被告会社が原告に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき。 2号担保の目的物について差押,または競売手続の開始があったとき。 3号被告会社が原告との取引約定に違反したとき,あるいは第16条に基づ く原告への報告または原告へ提出する財務状況を示す書類に重大な虚偽の内容がある等の事由が生じたとき。 4号原告に対する被告会社の保証人が前項または本項の各号の一つにでも該当したとき。 5号前各号に準じるような原告の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき。 エ第16条第2項被告会社の財産,経営,業況等について原告から請求があったときは,被告会社は,遅滞なく報告し,また調査に必要な便益を提供するものとする。 被告C,被告D及び被告Eによる保証被告C,被告D及び被告Eは,原告との間で,平成19年4月23日,原告・被告会社間の銀行取引約定第1条に規定する取引によって,被告会社が原告に対して現在及び将来負担する一切の債務について,極度額を3億6000万円,元本確定期日を平成21年4月23日として,被告会社と連帯して保証する旨を約した。 原告の被告会社に対する貸付原告は,被告会社に対し,手形貸付の方法により,以下のとおり金員を貸し付けた(以下,これらをまとめて「本件手形貸付」という)。 ア手形貸付64421 貸付金額 2500万円 貸付実行日平成20年5月1日 金員を貸し付けた(以下,これらをまとめて「本件手形貸付」という)。 ア手形貸付64421 貸付金額 2500万円 貸付実行日平成20年5月1日 返済期限同年8月29日 利息年4パーセントの割合で前払イ手形貸付64422 貸付金額 2500万円 貸付実行日同年5月1日 返済期限同年9月30日 利息年4パーセントの割合で前払ウ手形貸付64448 貸付金額 2000万円 貸付実行日同年5月30日 返済期限同年8月29日 利息年4パーセントの割合で前払エ手形貸付64449 貸付金額 2000万円 貸付実行日同年5月30日 返済期限同年9月30日 利息年4パーセントの割合で前払なお,手形貸付64449の手形の支払期日は同年8月28日とされていた(甲16)。 オ手形貸付64459 貸付金額 3000万円 貸付実行日同年6月13日 返済期限同年9月10日 利息年4パーセントの割合で前払カ手形貸付64476 貸付金額 3000万円 貸付実行日同年6月27日 返済期限同年8月29日 利息年4パーセントの割合で前払 本件口座凍結原告は,平成20年9月22日,被告会社の普通預金口座について,支払停止 の措置を採った。 2 争点及び争点に関す 利息年4パーセントの割合で前払 本件口座凍結原告は,平成20年9月22日,被告会社の普通預金口座について,支払停止 の措置を採った。 2 争点及び争点に関する当事者の主張 本件口座凍結の違法性(原告の主張)原告の被告会社に対する手形貸付は,いずれも,被告会社の取引先からの特定の売掛金及び販売代金の入金をもって,各手形貸付の返済に充てる旨の受注見合いの合意がなされていた。それにもかかわらず,被告会社は,手形貸付64421,64448,64476及び64459について,取引先からの入金を返済に充てることなく運転資金に流用した。 また,被告会社は,平成18年12月期及び平成19年12月期において,債務超過の状態であり,平成20年7月期においても,試算損益計算書では利益の計上がなされていたが,実態は,依然として債務超過の状態であった。 加えて,被告会社は,支払期限の経過した手形貸付について,期限の延長等を求めるだけで返済せず,同年9月17日までに提出すると述べていた中期の経営計画(以下「再建計画書」という。)も提出しなかった上,原告からの追加担保の要請にも応じなかった。 原告は,同月22日,被告会社の預金口座に,手形貸付64449の返済原資であるF株式会社(以下「F」という。)からの入金を確認したことから,被告会社に対して,当該手形貸付の返済に充てるよう求めたところ,被告会社は,同月25日支払の従業員の給料及び同月末支払の従業員の退職金の支払に充てることを要請した。 以上のような状況から,原告は,貸付債権を保全する相当の理由があるとして,本件口座凍結を実行したのであって,本件口座凍結は,銀行取引約定5条2項5号に基づく適法な措置であるから,何ら違法とされる理由はない。 うな状況から,原告は,貸付債権を保全する相当の理由があるとして,本件口座凍結を実行したのであって,本件口座凍結は,銀行取引約定5条2項5号に基づく適法な措置であるから,何ら違法とされる理由はない。 (被告らの主張)本件各手形貸付が被告会社の各取引先からの入金を基礎として融資されたも のであることは認めるが,各見合件名の入金を返済に充当する合意はなされておらず,各取引先からの入金を被告会社の運転資金に利用することが否定されるものではない。 また,被告会社は,経理上は債務超過であったが,役員からの借入金は自己資本に近い性質を有するから,役員からの借入金の計上によって債務超過となっている場合は,債務超過とは評価しないのが通例である。 再建計画書の提出については,平成20年12月までその完成版を提出できないことを原告も了解しており,追加担保の要請についても,具体的に担保がどの程度不足しているかについて原告から説明されたことはないなど,原告の主張は,いずれも債権を保全する相当の理由にはあたらない。 原告は,被告会社が平成19年9月21日に内入返済した5000万円の折返融資をしない旨を同月27日に通告し,貸し剥がしを行った。そして,原告は,信用保証協会に対して保証付融資の増額依頼を行い,保証承諾を取り付け,同月28日に保証付融資を実行した。これは,貸し剥がしを信用保証協会の保証付融資の増額で覆い隠したものであり,違法な旧債振替に該当する。 加えて,原告は,本件口座凍結の後,平成20年10月15日に被告会社の普通預金口座の支払停止を一旦解除して241万1249円を引き落とし,再度支払停止の措置を採った。 これらの事実に照らすと,原告は,被告会社を倒産させる意図で本件口座凍結の措置を採ったと言わざる 普通預金口座の支払停止を一旦解除して241万1249円を引き落とし,再度支払停止の措置を採った。 これらの事実に照らすと,原告は,被告会社を倒産させる意図で本件口座凍結の措置を採ったと言わざるを得ず,本件口座凍結は違法である。 損害額(被告会社の主張)本件口座凍結により,従業員を計15名退職させることとなり,1億0450万4923円の退職金を支払う必要が生じた。 また,本件口座凍結以降,支払のために在庫商品を安価で代物弁済せざるを得なくなり,その損害額は1282万5071円となったほか,役員,株主からも 借入をせざるを得なくなり,合計2700万円を借り入れた。 さらに,被告Cが資金繰りの対応に追われて通常の営業活動ができないことで5668万円の売上減少が生じ,さらに口座凍結で輸入代理業務ができなくなり,5億3729万7300円の営業損益が生じた。 以上の損害に,弁護士費用7300万円を加えた8億0680万7294円が被告会社の損害である。 (被告Cの主張)本件口座凍結により,被告Cは平成22年1月以降の役員報酬及び退職金の支払を受けることができなくなり,70歳になるまでの15年3か月分の役員報酬8096万1660円及び退職金2112万5000円の損害を被った。 また,被告Cは,原告によって不当に預金を相殺され,35万3957円の損害を被った。 被告Cは精神的苦痛も被っており,これを慰謝するに足りる慰謝料額は500万円である。 以上の損害に,弁護士費用1100万円を加えた1億1844万0617円が被告Cの損害である。 (被告Dの主張)被告Dは,本件口座凍結により,G株式会社の取締役に就任することができなくなり,役員 ,弁護士費用1100万円を加えた1億1844万0617円が被告Cの損害である。 (被告Dの主張)被告Dは,本件口座凍結により,G株式会社の取締役に就任することができなくなり,役員報酬9129万3600万円の損害を被った。 また,被告Dは,原告によって不当に預金を相殺され,6万2624円の損害を被ったほか,原告に担保提供していたH株式会社株式1073株を一方的に処分され,株式時価相当額1586万9670円の損害を被った。 被告Dは精神的苦痛も被っており,これを慰謝するに足りる慰謝料額は500万円である。 以上の損害に,弁護士費用1100万円を加えた1億2322万5894円が被告Dの損害である。 (原告の主張)いずれも否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 前記前提となる事実に下記証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 受注見合融資本件手形貸付の返済原資として予定されていた被告会社の取引先からの入金は,以下のとおりであった(甲9~20,56の1~66,証人N)。 ア手形貸付64421株式会社Iからの入金2431万8000円及び株式会社J(以下「J」という。)からの入金(サンシャイン分)450万5596円イ手形貸付64422Fからの入金(真如苑東京別院分)2653万9800円ウ手形貸付64448株式会社Kからの入金1774万5000円及びJからの入金(長崎ハウステンボス分)263万3400円エ手形貸付64449Fからの入金(新国立劇場中劇場改修分)2394万円オ手形貸付64459Jからの入金(自社用分)1585 ボス分)263万3400円エ手形貸付64449Fからの入金(新国立劇場中劇場改修分)2394万円オ手形貸付64459Jからの入金(自社用分)1585万0096円,L株式会社からの入金1291万5000円及び有限会社Mからの入金384万3000円カ手形貸付64476Jからの入金(自社用分)3971万7000円 被告会社の資産状況ア被告会社が原告に提出した平成18年12月期における決算報告書においては,貸借対照表上,純資産が4676万1525円であり,損益計算書上, 純利益が409万3084円であった。 しかし,被告会社は売上げを前倒しで計上しており,同期における実態は,Jの査定によれば,貸借対照表上,974万0755円の債務超過の状態にあり,損益計算書上も5240万9196円の損失を計上していた。(甲42,44,45,84,証人N)イまた,被告会社が原告に提出した平成19年12月期における決算報告書においては,貸借対照表上,純資産が5236万6885円であり,損益計算書上,純利益が560万5360円であった。 しかし,実態は,Jの査定によれば,貸借対照表上,3643万2380円の債務超過の状態にあり,損益計算書上も2669万1625円の損失を計上していた。(甲43,46,47,84,証人N)ウ被告会社が原告に提出した平成20年7月31日時点での試算損益計算書では,877万0232円の利益の記載がなされており,試算貸借対照表では,1233万7852円の純資産が計上されていた。しかし,これは実施されていない役員からの借入金の債務免除益5000万円を計上したものであり,実態は,当期損失4122万9768円が生 貸借対照表では,1233万7852円の純資産が計上されていた。しかし,これは実施されていない役員からの借入金の債務免除益5000万円を計上したものであり,実態は,当期損失4122万9768円が生じていた。(甲48,49,53,54の1~54の5,証人N) 再建計画書の提出ア Jは,平成20年7月17日,被告会社とともに原告を訪問し,被告会社への支援の一つとして,被告会社の資産,収益状況を精査すること,9月中に再建計画書を提出すること,計画の方向として在庫の見直し,減資,役員借入金の免除,Jによる増資などを検討することを伝えた。 イ被告会社は,同年8月14日,原告を訪問し,Jが査定した平成18年12月期及び平成19年12月期の実態の貸借対照表及び損益計算書,平成20年1月から同年7月における試算表を提出した。これにより,原告は,前記のとおり,被告会社が債務超過に陥っていたことを初めて認識した(甲72の6, 84,証人O)。 ウ被告会社は,同月21日,原告に対して,再建計画書のドラフトを提出した。 これを受け,原告は被告会社に対し,再建計画書に平成20年12月期の予想貸借対照表及び予想損益計算書を盛り込むこと,資金計画を提示すること及び役員借入金の放棄を明確にすることなどを要請した(甲70,72の9,75,84,証人N)。 エ Jは,同年9月1日,原告を訪問し,同月17日ころまでには再建計画書を提出すると述べた(甲73の7,78,84,証人N)。また,被告会社も同月4日,再建計画書の提出は同月17日の予定だが,前倒しして同月11日までに提出することを検討していると述べた(甲72の14,84,証人N)。 しかし,被告会社は,同月17日になっても再建計画書を提出せず,結局,再建 17日の予定だが,前倒しして同月11日までに提出することを検討していると述べた(甲72の14,84,証人N)。 しかし,被告会社は,同月17日になっても再建計画書を提出せず,結局,再建計画書が提出されることはなかった。 被告会社の債務の担保状況等ア被告会社は,平成17年7月15日,銀行取引約定1条に規定する取引によって原告に対して現在及び将来負担する一切の債務の担保として,株式会社P(以下「P」という。)株式33株を提供した。 また,被告Dは原告に対し,平成18年8月21日,銀行取引約定1条に規定する取引によって被告会社が原告に対して現在及び将来負担する一切の債務の担保として,P株式240株を提供した。 被告会社及び被告Dが原告に提出した有価証券担保差入証には,「借主が表記債務を履行しなかった場合には,貴行は設定者に事前に通知することなく,表記有価証券を一般に適当と認められる方法・時期・価格等により処分のうえ,その取得金から諸費用を差引いた残額を法定の順序にかかわらず,債務の弁済に充当することができます。」という条項が設けられていた(1条1項)。 なお,Pの株式は,合併に伴う上場廃止及び株式割当により,H株式会社株式へと変更され,株式数も変更された。(甲31~34) イ被告会社は,Q信用金庫との間で,昭和62年9月30日,被担保債権の範囲を信用金庫取引による債権等として,所有する不動産(以下「被告会社不動産」という。)に根抵当権を設定した。Q信用金庫は,平成17年7月15日,被担保債権の範囲を銀行取引による債権等と変更した上,当該根抵当権を原告に譲渡した。 また,被告Dは,原告との間で,同日,被担保債権の範囲を銀行取引によって被告会社が原告に対して負担する債務等として,所有する不動 を銀行取引による債権等と変更した上,当該根抵当権を原告に譲渡した。 また,被告Dは,原告との間で,同日,被担保債権の範囲を銀行取引によって被告会社が原告に対して負担する債務等として,所有する不動産(以下「被告D不動産」という。)に根抵当権を設定した。(甲35~38)ウ平成20年4月30日の時点で,原告の被告会社に対する貸付けは,本件手形貸付1億5000万円,その他の手形貸付2000万円,証書貸付1億2994万3000円,商業手形割引2336万1000円であった。そのうち,後者の手形貸付2000万円と証書貸付1億1144万3000円には,R信用保証協会による保証がなされており,証書貸付1850万円には,S株式会社による保証がなされていた。 同日時点における被告会社不動産の評価額は,6404万6000円であり,被告D不動産の評価額は,1575万9000円であった。 また,同日の取引終了時におけるP株式の価格は1株当たり15万5000円であった。(甲39の1~39の4)エ同年7月31日の時点で,原告の被告会社に対する貸付けは,本件手形貸付1億5000万円,その他の手形貸付2000万円,証書貸付1億2401万8000円,商業手形割引928万3000円であった。そのうち,後者の手形貸付2000万円と証書貸付1億0701万8000円には,R信用保証協会による保証がなされており,証書貸付1700万円には,S株式会社による保証がなされていた。 同日時点における被告会社不動産の評価額は,6330万6000円であり,被告D不動産の評価額は,1589万4000円であった。 また,同日の取引終了時におけるP株式の価格は1株当たり10万4000円であった。(甲40の1~40の4) 円であり,被告D不動産の評価額は,1589万4000円であった。 また,同日の取引終了時におけるP株式の価格は1株当たり10万4000円であった。(甲40の1~40の4)オ同年8月31日の時点で,原告の被告会社に対する貸付けは,本件手形貸付1億5000万円,その他の手形貸付2000万円,証書貸付1億2204万3000円,商業手形割引637万7000円であった。そのうち,後者の手形貸付2000万円と証書貸付1億0554万3000円には,R信用保証協会による保証がなされており,証書貸付1650万円には,S株式会社による保証がなされていた。 同日時点における被告会社不動産の評価額は,5822万3000円であり,被告D不動産の評価額は,1644万5000円であった。 また,同月29日の金曜日においてはP株式の取引が成立せず,売り気配値が10万円,買い気配値が9万4000円であった。(甲41の1~41の4)カ原告は被告会社に対し,同年7月25日から同年8月21日にかけて,追加担保を提供するよう要請した。 被告会社は,同年8月21日,原告に対し,取締役の保有する投資信託を担保として提供することを検討していること,被告Cの所有する不動産は住宅ローンが設定されており,担保余力がないことなどを説明した。これに対し,原告は,担保は預金又は株式が基本であり,投資信託は担保として不適格であることを伝えた。(甲72の2,72の6,72の9,73の5,75,84,証人N)キ被告会社は,同月22日,原告に対し,被告会社の借入について,Jが法人保証や預金を担保に入れる意向を示していると説明した(甲72の10,73の6,77,84,証人N)。 しかし,Jは,同年9月1日,同社を訪問した原告 日,原告に対し,被告会社の借入について,Jが法人保証や預金を担保に入れる意向を示していると説明した(甲72の10,73の6,77,84,証人N)。 しかし,Jは,同年9月1日,同社を訪問した原告に対し,収益力向上に資する支援が基本であり,経済的合理性の観点からは被告会社を支援する必要性が低いので,債務保証や担保提供に応ずることは一切考えていないこと,原告 が残高維持に応じないのであれば,被告会社への支援を中止することを説明した(甲73の7,78,84,証人N)。 その後,被告会社から追加担保が提供されることはなかった(弁論の全趣旨)。 本件口座凍結に至る経緯ア被告会社は,同年8月13日ころから同月21日にかけて,原告に対し,本件手形貸付のうち4口について期限の延長を要請した。すなわち,受注した取引先の一部について,工事現場の遅れのために機材の納入が遅れたり,取引先が購入自体を先送りした等の事情が生じ,代金の入金が遅れるので,それぞれの事情に応じ,同年8月29日が返済期限の手形貸付64421及び同64448については同年10月末と,同年9月10日が返済期限の手形貸付64422については平成21年1月ころと,手形貸付64459については時期を明らかにしないまま,それぞれの期限の延長を申し入れた。 また,手形貸付64476については,同年8月29日の決済後,折り返し同額である3000万円を融資して欲しい旨を要請した。(甲67,74,75)イ原告は,同年8月22日,被告会社に対し,前記支払期限の延長及び新規の融資には応じられないことを伝えるとともに,他方で,Jの支援があり,再建計画も策定中であることから,直ちに期限の利益を喪失させる予定ではないこと,再建計画の内容を精査して今後の対応を検討するこ 規の融資には応じられないことを伝えるとともに,他方で,Jの支援があり,再建計画も策定中であることから,直ちに期限の利益を喪失させる予定ではないこと,再建計画の内容を精査して今後の対応を検討することなどを伝えた(甲76,77)。 ウ原告はさらに同年9月4日,被告会社に対し,同月10日までに返済期限が到来する本件手形貸付のうち,対象とした取引についての代金が既に入金し,あるいは入金する見込みのあるJ(サンシャイン分)約450万5000円,J(長崎ハウステンボス分)約263万3000円,M384万3000円及びJ(自社用分)3971万7000円の合計5069万8000円については返済に充当するよう要請することとし,被告会社に対し,同年8月末までに 入金があった分及び同年9月10日までに入金が予定されている分のうちから5000万円を,同月10日までに支払うよう要請した(甲67,72の14,73の9,80,84,証人N)。 しかし,被告会社はこの要請に従わず,これらの入金を会社の運転資金に使用してしまった。 エ原告は,同月22日,被告会社の預金口座にFから1358万1000円の入金があったことから,被告会社に連絡し,この入金が手形貸付64449の返済原資である新国立劇場の案件に関する工事代金の一部であることを確認した。 そこで,原告は被告会社に対し,当該入金を手形貸付64449の返済に充当するよう要請したが,被告会社は,同月25日の従業員の給料及び同月末の退職金の支払に充当したいと述べた。原告は,被告会社の要請には応じられないと判断し,資金確保を図るため,支払停止の措置をとることとして,前記前提となる事実のとおり,本件口座凍結の措置を採った。 そして,原告は被告会社に対し,入金された金銭は手形貸付64449の返済に と判断し,資金確保を図るため,支払停止の措置をとることとして,前記前提となる事実のとおり,本件口座凍結の措置を採った。 そして,原告は被告会社に対し,入金された金銭は手形貸付64449の返済に充当する約束になっていたこと,再建計画書が9月17日に提出されなかったこと,追加担保の要請に応じなかったこと,5000万円の支払要請について何らの回答がなされていないこと等により,本件口座凍結に至った旨を説明した。(甲72の21,73の13,81,82の2,84,証人N) 本件口座凍結の解除の提案ア被告Cは,同月24日,原告を訪問し,従業員への給料支払に応じて欲しいこと,支払停止となった口座は被告会社の支払口座であり,各種引き落とし等の決済機能が停止してしまうことから,支払停止の措置を解除してほしいことなどを要請した。これに対し,原告は,現状では前記要請に応じられないことを説明するとともに,Fからの入金を返済に充当するか,一時的な取扱いとして別途新規口座を作成し,Fからの入金分を当該口座に移して返済に充当すれ ば,支払停止となっている預金口座を従来どおり使用できるようにすることを提案した。 イ被告Cは原告に対し,同日,従業員の給料を役員借入によって調達したが,なお200万円不足しているため,入金分から200万円使用させて欲しい旨要請した。そして,被告Cは,新預金口座の作成及び金銭の移動に必要な預金通帳,伝票等を原告に預け,被告Dの了解があり次第,新預金口座の作成と金銭の移動を実行するよう要請した。 しかし,同月25日,原告が被告Dに対して,Fからの入金のうち,200万円を控除した分を手形貸付64449の返済に充当するとの回答がない限り,従業員への給料の支払には応じられない旨を説明したにもかかわらず,被告 5日,原告が被告Dに対して,Fからの入金のうち,200万円を控除した分を手形貸付64449の返済に充当するとの回答がない限り,従業員への給料の支払には応じられない旨を説明したにもかかわらず,被告Dは,社内の対応,従業員の給料を支払うことが先である,銀行はその後である旨を述べ,新預金口座の作成を了承しなかった。(甲72の22,72の23,73の14,81,84,証人O) 証書貸付の引き落とし被告会社の代表取締役に就任したTは,同年10月14日,原告を訪問し,代表取締役に就任した経緯及びJの支援状況等について説明した。 原告はTに対し,Fからの入金を手形貸付64449の返済に充当すること,原告が提案した新預金口座作成の件について回答することなどを要請するとともに,毎月15日が証書貸付の約定返済日となっており,同月15日に4本分の返済が予定されていることから,これに対する資金手当をするよう求めた。これに対し,Tは,手形貸付64449の返済要請について本日は回答できないこと,Fからの入金分を含む現在の預金残高から証書貸付の返済に充当してもらいたいことなどを述べた(甲72の31,73の14,81,83の5,84,証人N)。 そこで,原告は,同月15日,Tに対し,証書貸付については約定どおり引き落としを行う旨を伝え,被告会社の預金口座の支払停止措置を一旦解除し,証書 貸付約定返済分241万1249円を引き落とした上,再度,支払停止の措置を採った(甲73の19,81,84,乙A1の2,証人N)。 期限の利益の喪失原告は,同年12月24日,被告会社に対し,各手形貸付の返済を催告するとともに,催告書の到達をもって期限の利益を喪失させる旨の意思表示をし,その催告書は,同月25日に被告会社に到達し 喪失原告は,同年12月24日,被告会社に対し,各手形貸付の返済を催告するとともに,催告書の到達をもって期限の利益を喪失させる旨の意思表示をし,その催告書は,同月25日に被告会社に到達した。なお,上記催告書には,手形貸付64449の支払期日が同年8月28日と記載されていた。(甲21の1,21の2) R信用保証協会に対する代位弁済請求等原告は,同年9月30日,R信用保証協会に対し,取引約定に基づき,被告会社への貸付けについて売上及び受注の減少並びに金融困難との事故報告をした。 その際,原告は金融機関所見として,督促を強化し,推移を見たうえで方針を決めたいとする「静観」の意向を表明していた。(乙A31)原告は,同年12月29日,R信用保証協会に対し,同協会が保証している被告会社の借入れについて代位弁済をするよう請求した。その際,原告は,事故原因として売上及び受注の減少と説明し,「金融困難」及び「経営管理の怠慢」の項目については,一度選択をした後訂正していた。(乙A26の1~29の2) 相殺の実行及び株式の処分ア原告は,平成21年1月24日,被告Cに対し,保証契約に基づく保証債務履行請求権(手形貸付64449分)と同人の預金債権35万3957円を対当額で相殺するとの意思表示をした(甲26の1,26の2)。 イ原告は,同日,被告Dに対し,保証契約に基づく保証債務履行請求権(手形貸付64449分)と同人の預金債権6万2632円を対当額で相殺するとの意思表示をした(甲27の1,27の2)。 ウ原告は,同日,被告Eに対し,保証契約に基づく保証債務履行請求権(手形貸付64449分)と同人の預金債権544円を対当額で相殺するとの意思表 示をした(甲28の1,28の2)。 ウ原告は,同日,被告Eに対し,保証契約に基づく保証債務履行請求権(手形貸付64449分)と同人の預金債権544円を対当額で相殺するとの意思表 示をした(甲28の1,28の2)。 エ原告は,同月26日,被告会社に対し,下記債権と同社の預金債権1716万3778円を対当額で相殺するとの意思表示をした(甲25の1,25の2)。 47万8253円手形貸付64421の平成20年8月30日から平成21年1月23日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金 37万4143円手形貸付64422の平成20年10月1日から平成21年1月23日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金 38万2602円手形貸付64448の平成20年8月30日から平成21年1月23日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金 38万5205円手形貸付64449の平成20年8月29日から平成21年1月23日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金 52万7054円手形貸付64459の平成20年9月11日から平成21年1月23日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金 57万3904円手形貸付64476の平成20年8月30日から平成21年1月23日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金 1444万2617円手形貸付64449の元金オ原告は,同年3月31日,被告会社が担保に供していたH株式会社株式141株を78万3960円で売却し,証券会社手数料及び消費税を控除した77万7221円を手形貸付64421,64422,64 オ原告は,同年3月31日,被告会社が担保に供していたH株式会社株式141株を78万3960円で売却し,証券会社手数料及び消費税を控除した77万7221円を手形貸付64421,64422,64448,64449及 び64459の同年1月24日から同年3月31日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金にそれぞれ充当した上,同年4月1日,被告会社にその旨を通知した(甲29の1,29の2)。 カ原告は,同年3月31日,被告Dが担保に供していたH株式会社株式1073株を510万1070円で売却した。そして,証券会社手数料及び消費税を控除した505万7258円を被告Dの保証債務に下記割合で充当した上,同年4月1日,同人にその旨を通知した。(甲30の1,30の2) 40万1088円手形貸付64459及び64476の同年1月24日から同年3月31日まで年4.75パーセントの割合による遅延損害金52万3150円のうち,上記金額 465万6170円手形貸付64449の元金 2 争点(本件口座凍結の違法性)について 前記1認定のとおり,本件手形貸付はいずれも受注見合融資であり,その返済は,被告会社が受注した特定の取引についての取引先からの入金を原資とすることが予定されていた。しかし被告会社は,前記1ウのとおり,平成20年9月4日の原告の要請に応えず,同年8月29日及び同年9月10日に返済期限が到来した手形貸付64421,64448,64476及び64459について,いずれもその取引先からの入金を返済に充当することなく,運転資金に流用した上,その後もそれらの手形貸付について支払猶予を要請するのみで一向に返済しなかった。 また,前記1ウないしオのとおり,原告の被告会 先からの入金を返済に充当することなく,運転資金に流用した上,その後もそれらの手形貸付について支払猶予を要請するのみで一向に返済しなかった。 また,前記1ウないしオのとおり,原告の被告会社に対する貸付けのうち,本件手形貸付とは別の手形貸付2000万円及び証書貸付は,R信用保証協会ないしS株式会社による保証がなされており,商業手形割引は割り引いた商業手形が保全として取り扱われるため,被告会社及び被告Dが担保提供した不動産及び P株式は,合計1億5000万円にのぼる本件手形貸付を担保する機能を果たしていたということができる。 平成20年4月30日時点における上記担保の評価額は,不動産が7980万5000円,P株式が4231万5000円であることから,本件手形貸付について,同日時点で2788万円の保全不足が生じていたと認められる。 また,同年7月31日時点における上記担保の評価額は,不動産が7920万円,P株式が2839万2000円であることから,本件手形貸付について,同日時点で4240万8000円の保全不足が生じていたと認められる。 さらに,同年8月31日時点における上記担保の評価額は,不動産が7466万8000円,P株式が,売り気配値で評価しても2730万円であることから,同日時点で4803万2000円の保全不足が生じていたと認められる。 このように,原告の被告会社に対する手形貸付は保全不足の状況に陥っており,担保の評価額も下がる一方であったことから,原告が,前記1カ及びキのとおり,被告会社に対して複数回,追加担保を提供するよう要請したのは合理的な行動であるということができる。 しかしながら,被告会社は,Jが法人保証の意向を示しているなどといった不実の説明をするのみで何ら適切な追加 に対して複数回,追加担保を提供するよう要請したのは合理的な行動であるということができる。 しかしながら,被告会社は,Jが法人保証の意向を示しているなどといった不実の説明をするのみで何ら適切な追加担保を提供せず,そのうえ,前記1及びのとおり,平成18年12月期,平成19年12月期及び平成20年7月期のいずれにおいても債務超過の状態であったにもかかわらず,貸借対照表等において債務超過ではないように装っていた。原告は,同年8月14日に,被告会社から,Jの査定による平成18年以降の被告会社の貸借対照表,損益計算書等を示されて,被告会社が債務超過の状態に陥っていたことを初めて認識するに至ったのである。 以上のような事実関係の下で,前記1及びのとおり,被告会社は,平成20年9月10日までに返済するよう求められた5000万円を支払わず,同月17日までに提出するとされていた再建計画書も提出しないどころか,同月22日, 手形貸付64449の返済原資であるFからの入金を従業員の給料等に当てたいと原告に要請して返済に向けた積極的姿勢を示さなかったのであるから,同日の時点において,原告には,被告会社に対する債権を保全する必要性が客観的に存在し,そのための緊急やむを得ない措置として,被告会社の普通預金口座を凍結する相当な理由があったということができる。 これに対し,被告らは,前記1のとおり,原告がR信用保証協会に対して提出した事故報告書における金融機関所見が「静観」となっていること,代位弁済請求書における事故原因から「金融困難」及び「経営管理の怠慢」が削除されていることからすれば,本件口座凍結の段階で債権保全の必要性がなかったことは明らかであるなどと主張するが,これらは,原告の認識の一つを示すものにすぎず,その一事をもって債権 営管理の怠慢」が削除されていることからすれば,本件口座凍結の段階で債権保全の必要性がなかったことは明らかであるなどと主張するが,これらは,原告の認識の一つを示すものにすぎず,その一事をもって債権保全の必要性が直ちに否定されるわけではない。 また,被告らは,原告が本件口座凍結を一時解除したのは,本件口座凍結が不法行為であることを認識していたためであるなどとも主張する。 しかしながら,前記1のとおり,原告は,平成20年10月14日に,被告会社の新代表Tの要請を受けて,同月15日に予定されていた証書貸付の返済を預金残高をもって充てることにし,その手続のために口座凍結を一時解除したに過ぎないのであって,この一時解除が口座凍結の違法性を原告自ら認識していたためであるなどと考えることは到底できない。 さらに,前記1のとおり,原告は,本件口座凍結の約3か月後である同年12月25日に至って各手形貸付の期限の利益を喪失させる旨の意思表示をしているが,前記1ないしのとおり,原告において債権を保全するための緊急性があったこと及び本件口座凍結後も被告会社に本件口座凍結の理由を説明して各手形貸付を返済するよう交渉していたことなどに照らすと,本件口座凍結の直前ないし直後に期限の利益喪失の意思表示がなされていないことをもって,本件口座凍結の相当性が否定されるものではない。 なお,被告らの主張する貸し剥がし及び違法な旧債振替については,被告らの 主張の趣旨は必ずしも明らかではないが,原告の措置には,被告会社を倒産させる意図を推認させる何らの事情も認められない。 以上によると,原告の行った本件口座凍結は合理的な措置であり,違法であるとは認められない。 3 したがって,争点について判断するまでもなく,被告らの請求には せる何らの事情も認められない。 以上によると,原告の行った本件口座凍結は合理的な措置であり,違法であるとは認められない。 3 したがって,争点について判断するまでもなく,被告らの請求にはいずれも理由がない。 原告の被告会社に対する本件手形貸付のうち,手形貸付64421,64422,64448,64459及び64476については全く返済がなされておらず,手形貸付64449については,前記1のとおり,相殺等により,残元金は48万4080円となっている。 よって,原告は被告会社に対し,1億3048万4080円の貸金返還請求権及びこれに対する前記1カの担保権実行の翌日である平成21年4月1日から年14パーセントの割合による遅延損害金並びに被告C,被告D及び被告Eに対し,同額の保証債務履行請求権を有する。 4 結論以上によれば,原告の請求にはいずれも理由があるからこれを認容するとともに,被告らの請求にはいずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 甲府地方裁判所民事部 裁判長裁判官林 正宏 裁判官岡田紀彦 裁判官小川惠輔
▼ クリックして全文を表示