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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人松井元一、同長野法夫の上告理由について。原判決によれば、本件当時D大学において、物品購入の権限を有していたのは支出負担行為担当官として任命されていた総務部長訴外Eであり、同人の決裁により物品購入の衝にあたり、業者と折衝し、契約書の文案を作成するのは総務部会計課調達係の職務であった。訴外Fは、会計課予算係長であって、事務分掌規程上分担していたのは、(1)予算の編成、配分、支出負担行為計画等に関すること、(2)支出負負担為担当官の事務および官印の保管管守に関する事務等であり、そのほか、支出負担行為担当官の命令あるときに限り、事実上その職印を押捺する事務を執っていたにとどまり、物品購入の職務権限は、職制上はもとより、事実上も有していなかった。また、訴外Gは、同大学管理課武器係員で、事務分掌規程上では、車輛の維持、管理および配車に関する事務を司っていたので、D大学内部の関係で自動車の購入を申し入れたり、購入にあたって、管理課用度係から申出があれば、専門の立場から検査をして意見を述べ、事実上自動車買入の際バスを除いて検収に立ち会っていたが、購入する自動車を自ら受領する権限はなかったというのである。これによれば、Fが、D大学の名で本件自動車の売買について業者と折衝し、かつ契約書を作成してこれを業者に交付し、また、Gが、同大学の名で本件自動車の引渡を受ける行為は、同人らの正規の職務の範囲内でないことは明らかであり、同大学の業務の実際においても、同人らの職務の範囲に属する行為と認むべきものはないといわなければならない。しからば、FおよびGがした原判示行為は、D大学の事業と関係なく、共謀して本件自動車を騙取したものというほ の実際においても、同人らの職務の範囲に属する行為と認むべきものはないといわなければならない。しからば、FおよびGがした原判示行為は、D大学の事業と関係なく、共謀して本件自動車を騙取したものというほかなく、したがって、- 1 -FおよびGの該行為に帰因して上告会社が損害を被ったとしても、これを同人らがD大学の事業の執行に付き上告会社に加えた損害ということはできない。 本件自動車を騙取したものというほ の実際においても、同人らの職務の範囲に属する行為と認むべきものはないといわなければならない。しからば、FおよびGがした原判示行為は、D大学の事業と関係なく、共謀して本件自動車を騙取したものというほかなく、したがって、- 1 -FおよびGの該行為に帰因して上告会社が損害を被ったとしても、これを同人らがD大学の事業の執行に付き上告会社に加えた損害ということはできない。結局これと同趣旨に出た原審の判断は正当であり、論旨は採用できなない(所論引用の判例は本件と事案を異にし、本件に適切でない。)。よって、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 2 -
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