昭和41(く)13 保釈保証金没取の裁判の執行に対する異議認容の裁判に対する即時抗告事件

裁判年月日・裁判所
昭和42年2月4日 札幌高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  本件即時抗告申立の理由は、札幌地方検察庁検察官検事佐藤哲雄名義の即時抗告 申立書記載のとおりで、要するに、現に裁判所に保

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判決文本文1,291 文字)

主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  本件即時抗告申立の理由は、札幌地方検察庁検察官検事佐藤哲雄名義の即時抗告 申立書記載のとおりで、要するに、現に裁判所に保管中の保釈保証金の没取につい ては、あらためて、民事訴訟法の準用による強制執行を必要としないから、裁判所 又は裁判官の指揮によつて、国の歳入に編入する例外的取扱いをしているが(刑事 訴訟法四七二条一項但書)、本件のように、没取の裁判後保釈保証金が提出者(申 立人)に還付されて、裁判所の保管を離脱した場合には、右法条一項本文の本則に もどり、検察官の指揮によつて、右裁判の執行をするのが<要旨>当然である、とい うのである。しかしながら、裁判所で保管中の保釈保証金については、、これに 対</要旨>する没取の裁判が告知によつてその内容を実現するための効力(広義の執 行力)を生ずる(同法四二四条)と同時に、特段の執行行為を要せずして、右裁判 内容に即した法律関係が形成される(すなわち、当該保証金の所有が国庫に帰属す る。)ものと解するのが相当であつて(爾後の裁判所職員による国の歳入に編入す るための手続は、没取金のいわば処分行為であつて、裁判の執行そのものではな い。)、ひとたびかかる法律効果を生じた以上、その後においてたまたま何らかの 事情により当該保証金が裁判所の保管を離脱した場合であつても、別途に新たな債 務名義を得てするは格別、すでにその内容が実現されている右没取の裁判によつて 再度執行を図ることは許されないというべきである。記録によれば、本件におい て、A(被告人)は、札幌高等裁判所の控訴棄却の判決後昭和四〇年四月二三日保 釈保証金八万円で保釈を許可されたが、同年一〇月一九日上告棄却の判決があつ て、同月二三日第一審の懲役六月の有罪判決が確定したところ、逃亡し、検察当局 の捜 判所の控訴棄却の判決後昭和四〇年四月二三日保 釈保証金八万円で保釈を許可されたが、同年一〇月一九日上告棄却の判決があつ て、同月二三日第一審の懲役六月の有罪判決が確定したところ、逃亡し、検察当局 の捜査にもかかわらず所在不明で、刑の執行が不能となつたのである。そして、昭 和四一年四月一四日札幌地方裁判所が、検察官の請求により、刑事訴訟法九六条三 項に従つて、保釈保証金没取の決定をなしたところ、たまたま、同日午後九時頃A の所在が判明して収監、翌一五日から刑に服したので、同月一七日同人に対し右裁 判の告知を了したのであるから、右金員の所在を追求して、再度没取の裁判の執行 をすることは許されないと解される。従つて、原決定が、札幌地方検察庁検察官佐 藤哲雄が申立人に対し昭和四一年七月一九日付納付告知書を以てなした保釈保証金 の没取金八万円の納付命令による執行は許さないとしたのは結局正当で、抗告は理 由がない。  よつて、刑事訴訟法四二六条第一項後段によつて、本件即時抗告を棄却して、主 文のとおり決定する。  (裁判長裁判官 斎藤勝雄 裁判官 中村義正 裁判官 半谷恭一)

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