主文 1 鹿児島税務署長が,原告に対して,平成19年12月25日付けでした, 原告の平成16年11月1日から平成17年10月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る更正処分のうち,消費税の還付すべき税額981万7737円を超え1629万3177円を超えない部分及び地方消費税の還付すべき譲渡割額245万4434円を超え407万3294円を超えない部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分のうち13万1000円を超える部分を取り消す。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを10分し,その1を原告の負担とし,その余を被告 の負担とする。 事実 及び理由第1 請求鹿児島税務署長が,原告に対して,平成19年12月25日付けでした,原告の平成16年11月1日から平成17年10月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)の消費税及び地方消費税に係る更正処分のうち,消費税の還付すべき税額981万7737円を超え1713万0701円を超えない部分及び地方消費税の還付すべき譲渡割額245万4434円を超え428万2675円を超えない部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,内航海運業等を営む原告が,新たな船舶を建造するに当たり,A連合会(以下「A」という。)に納付すべき建造等納付金の免除を受けるために必要となる「留保対象トン数使用承諾書」を取得する取引(以下「本件承諾書取引」という。)及び「預託金預り証書」(以下「預託金証書」という。)を取得する取引(以下「本件預託金証書取引」という。)を行い,各取引に係る 取得費用は,いずれも建造する船舶の営業権に該当するもので,消費税の課税仕入れに該当するとして,当該取 書」という。)を取得する取引(以下「本件預託金証書取引」という。)を行い,各取引に係る 取得費用は,いずれも建造する船舶の営業権に該当するもので,消費税の課税仕入れに該当するとして,当該取得費用に係る消費税相当額を課税仕入れに係る消費税額に含めて消費税等の申告を行ったところ,鹿児島税務署長が,上記各取引は消費税法(以下「法」という。)上の課税資産の譲渡等(課税取引)に当たらず,課税仕入れには該当しないとして,請求記載の更正処分等を行ったため,原告が,これらの処分は違法であると主張して請求記載の部分の取消しを求めた事案である。 2 前提事実(証拠は各文中又は項目末尾記載のとおり。記載のない部分は争いのない事実。)(1) 原告及びAについてAは,内航海運組合法56条に基づき,昭和40年12月4日,全国組織の5海運組合を構成組合として設立認可された法人である。 原告は,内航海運業等を営む株式会社であり,Aの構成組合傘下の組合の組合員である。 原告は,平成元年9月30日付けで,鹿児島税務署長に対し,法57条1項1号の規定に基づき,消費税課税事業者届出書を提出した。 (2) Aの事業ア船腹調整事業Aは,昭和41年以降,中小零細の事業者が多い内航海運業における船腹需要の適正化を図るため,運輸大臣の認可を受けて船腹調整事業(以下「旧事業」という。)を開始した。 旧事業は,船舶の建造,改造及び内航海運業以外の用途からの転用(以下「建造等」という。)を行う際に,一定の引当率(建造等船舶の重量トン数と解撤等船舶の重量トン数との割合)による既存船舶の解体及び撤去等を義務付けるスクラップ・アンド・ビルド方式による船舶建造方式である。 旧事業によって,事業者は,新たに船舶の建造等を行うためには,引当 資格を保有していること による既存船舶の解体及び撤去等を義務付けるスクラップ・アンド・ビルド方式による船舶建造方式である。 旧事業によって,事業者は,新たに船舶の建造等を行うためには,引当 資格を保有していることが必要となり,これを保有していなければ,引当資格を他の組合員から取得する必要があったことから,引当資格が一種の営業権として内航海運事業者間において取引されるようになり,また,企業会計上資産として評価され,税務上も相続等の際の課税対象として評価されるようになったが,旧事業は,競争制限的であるとして,見直しの要請が高まり,解消されることとなった。 イ暫定措置事業Aは,平成10年5月15日から,引当資格の財産的価値の消滅による影響を緩和するため,暫定措置事業を開始した。 同事業は,Aの構成組合及びその傘下の組合の組合員(以下「本件組合員」という。)の経済的地位を改善し,内航海運業の円滑な運営により国民経済の健全な発展に寄与することを目的として,内航海運組合法12条に基づき運輸大臣(平成13年1月6日以降は国土交通大臣)が認可した内航海運暫定措置事業規程(以下「本件規程」という。乙14の21頁以下)及び同実施細則(以下「本件細則」という。乙14の35頁以下)に基づいてAが実施している事業であり,その内容は,概要以下のとおりである。 (ア) 建造等納付金(本件規程3条5項)の納付本件組合員が,平成10年4月1日以降,本件規程の対象となる船舶を新たに建造等しようとするときは,Aにその認定申請をし,その認定を得るとともに,建造等を行おうとする船舶の対象トン数等に応じて算出される建造等納付金を納付するものとする(本件規程7条)。 (イ) 建造等納付金の免除(本件規程9条)新たに調整対象船舶を建造等する本件組合員において,Aから建造等納付 対象トン数等に応じて算出される建造等納付金を納付するものとする(本件規程7条)。 (イ) 建造等納付金の免除(本件規程9条)新たに調整対象船舶を建造等する本件組合員において,Aから建造等納付金免除の認定を受けた上で,本件規程に定める要件に従って建造等を行う船舶に相当する船種の納付金免除船舶を解撤,海難沈没及び海外 売船(以下「解撤等」という。)するときは,当該納付金免除船舶の引当資格に係る解撤等交付金相当額の建造等納付金が免除される(本件規程3条4項,同9条1項)。 建造等納付金の免除の対象となる船舶(納付金免除船舶)は,平成10年3月31日までに,保有船舶調整規程(暫定措置事業の以前に実施されていた旧事業における規程。以下「旧規程」という。)に基づいて建造等の承認がされ,かつ,平成11年9月30日までに船舶原簿登録を行った船舶であって,旧規程に基づきAが管理する引当資格台帳に記載され,建造等納付金の免除資格を有する船舶である(本件規程3条7項)。 (ウ) 解撤等交付金(本件規程3条6項)の交付本件組合員が,自己の所有する船舶を解撤等し,解撤等交付金の交付を受けようとするときは,Aに申請をし,その受給資格の認定を得て,申請に係る船舶の解撤等を完了したときに,解撤等船舶の対象トン数に応じた解撤等交付金が交付される(本件規程10条1項及び同条4項)。 解撤等交付金の交付対象となる船舶(交付金対象船舶)は,平成10年3月31日までに旧規程に基づいて建造等の承認がされ,かつ,平成11年9月30日までに船舶原簿登録を行った船舶であって,旧規程に基づきAが管理する引当資格台帳に記載され,解撤等交付金の受給資格を有する船舶である(本件規程3条8項)。 (エ) 解撤等交付金の額は,年々漸減され(本件規程10条3項),建造等納付 て,旧規程に基づきAが管理する引当資格台帳に記載され,解撤等交付金の受給資格を有する船舶である(本件規程3条8項)。 (エ) 解撤等交付金の額は,年々漸減され(本件規程10条3項),建造等納付金は解撤等交付金の額以上の額とされ(本件規程8条,同10条),新たに建造等された船舶には,引当資格は与えないとされ(本件規程16条),平成15年4月1日以降は,交付金対象船舶を船齢15年以下のものに限るとされ(本件規程10条2項),暫定措置事業は同事業に係る収支が相償ったときに終了する(本件規程30条)とされていた。 ウ暫定措置事業の追加的措置暫定措置事業は,その後,不況の長期化に伴う運賃・用船料の低迷が続く中で,新造船舶又は代替船舶の建造等が予想したほど進まなかったことから,解撤等交付金の原資となる建造等納付金が不足し,解撤等交付金を直ちに交付できない状態に陥った。なお,平成16年当時,解撤等交付金は3年程度の交付待ちの状態であった。 そこで,Aは,平成16年3月31日,前項の暫定措置事業についての本件細則27条3項を改正し,運用の細目として「対象トン数の留保に係る取扱い要領」(以下「本件要領」という。乙14の76頁以下)を定め,本件細則27条3項により留保されたトン数(以下「留保対象トン数」という。)を第三者である他の本件組合員の納付金免除船舶として使用すること(以下「留保対象トン数の第三者使用」という。)を認め,解撤等交付金の認定額の一部をAに預託することとする暫定措置事業の追加的措置(以下「追加的措置」という。)を実施することとした。 追加的措置の概要は以下のとおりである。 (ア) 留保対象トン数の第三者使用についてa暫定措置事業においては,旧規程の下で引当資格の対象となる船舶を有していた本件組合員は,これを とした。 追加的措置の概要は以下のとおりである。 (ア) 留保対象トン数の第三者使用についてa暫定措置事業においては,旧規程の下で引当資格の対象となる船舶を有していた本件組合員は,これを交付金対象船舶として解撤等交付金の交付を受ける(本件規程10条)か,納付金免除船舶として新造船舶の建造等納付金の免除を受ける(本件規程9条)かの選択が可能であった。暫定措置事業の実施当初は,納付金免除船舶により新造船舶に係る建造等納付金の免除を受ける場合,当該納付金免除船舶の解撤等交付金相当額が新造船舶の対象トン数を超えている場合,その余剰トン数(以下「余剰トン数」という。)を留保し,自己の次の新造船舶の納付金免除船舶として使用することのみが認められていた(改正前の本件細則27条3項)。 b追加的措置において,本件細則27条3項の改正により,上記余剰トン数の留保以外にも,交付金対象船舶として認定を受けている船舶を納付金免除船舶に振り替えたり,解撤等を完了した船舶についてそのトン数が留保できるようになり,留保対象トン数の範囲が拡大された。そして,Aへの留保申請により,認定された留保対象トン数について,自己の新造船舶の納付金免除船舶として使用すること以外に,他の本件組合員の納付金免除船舶としても使用させることができるようになった(本件要領2条,3条,6条2号)。 c留保対象トン数の第三者使用を行うに当たっては,留保対象トン数を有する本件組合員(以下「留保者」という。)が,「留保対象トン数使用承諾書」を使用承諾を受けようとする本件組合員(以下「取得者」という。)に対して発行し,取得者が当該使用承諾書と誓約書(発行者及び使用者の誓約書)を建造等認定申請に際して,Aに提出することにより,新造船舶の建造等納付金の免除が受けることが 員(以下「取得者」という。)に対して発行し,取得者が当該使用承諾書と誓約書(発行者及び使用者の誓約書)を建造等認定申請に際して,Aに提出することにより,新造船舶の建造等納付金の免除が受けることができる(本件要領6条2号,7条,8条)。 留保対象トン数使用承諾書の発行者は,留保者に限られ(本件要領7条1号),取得者は,当該使用承諾書による免除申請を辞退する場合には,当該使用承諾書を発行者に返却しなければならず(本件要領11条1項),取得者はさらに第三者である本件組合員へ再発行することはできない。 (イ) 解撤等交付金の預託について平成16年度解撤等交付金に関する理事会決定(以下「本件理事会決定」という。乙14の131頁)により,解撤等交付金の交付を受けようとする本件組合員は,解撤等交付金の認定額の20%相当額をAに預託するものとし,当該預託金を解撤等交付金の資金に充てることとされた。 このため,解撤等交付金の預託措置の導入時に解撤等交付金の認定を受けている本件組合員は,原則として,交付金認定額の20%相当額を平成16年6月21日までにAに預託した上で,解撤等交付金の交付を受けることとされた(本件理事会決定2条)。 預託金の返済は,建造等納付金を原資として行われ,返済期限としては金融機関等へ返済された後とされ(本件理事会決定8条①),平成25年3月31日とされた。 また,Aから預託金証書の発行を受けた本件組合員は,Aが同意した場合に限り,当該預託金に係る債権を他の本件組合員に譲渡することができるとされた(本件理事会決定8条③)。 (3) 本件各取引について原告は,一般貨物船のB(総トン数499GT,対象トン数1550DW)及びC(総トン数499GT,対象トン数1550DW)を新たに建造し,自己の内航海運業の 条③)。 (3) 本件各取引について原告は,一般貨物船のB(総トン数499GT,対象トン数1550DW)及びC(総トン数499GT,対象トン数1550DW)を新たに建造し,自己の内航海運業の用に供するため,Aに船舶建造に必要な認定申請を行い,平成17年2月8日付けでB,同年3月17日付けでCの建造等の認定をそれぞれ受けた(乙17,同18)。 原告が,上記認定に必要な建造等納付金の納付及びその一部の免除に関連して行った取引は,次のとおりである。 ア本件承諾書取引(ア) D有限会社(以下「D」という。)との取引原告は,平成16年11月2日付け「船舶留保登録権利売買契約書」により,Dとの間で,同社が有していた船舶(E)に係る一般貨物権利を7075万5300円(うち消費税336万9300円)で譲り受ける契約をした(以下「D取引」という。乙1)。 そして,原告はDから留保対象トン数1021対象トンの「留保対象トン数使用承諾書」の発行を受けた(乙19)。 (イ) 株式会社F(以下「F」という。)との取引原告は,平成16年12月17日付け「内航船舶建造引当権売買契約書」により,Fとの間で,同社が保有していた船舶(G)の内航船舶代替建造引当資格の留保トン数を9922万5000円(うち消費税472万5000円)で譲り受ける契約をした(以下「F取引」という。乙2)。 そして,原告は,Fから,使用留保対象トン数1500対象トンの「留保対象トン数使用承諾書」の発行を受けた(乙20)。 イ本件預託金証書取引(ア) 破産者H株式会社及び破産者I株式会社の破産管財人J(以下「J管財人」という。)との取引原告は,平成16年11月15日付け「預託金預り証書の譲渡契約書」により,J管財人との間で,破産財団が保有する預託金証書を1 及び破産者I株式会社の破産管財人J(以下「J管財人」という。)との取引原告は,平成16年11月15日付け「預託金預り証書の譲渡契約書」により,J管財人との間で,破産財団が保有する預託金証書を1300万円(消費税相当額等の記載はない。)で譲り受けることを約する契約をした(以下「管財人取引」という。乙3)。 そして,原告は,J管財人から,Aが発行した次の預託金証書2通の交付を受けた(乙16の1及び2)。 a○預第066号平成16年6月21日付け預託金額 934万4000円b○預第067号平成16年6月21日付け預託金額 1060万円(イ) K有限会社(以下「K」という。)との取引原告は,平成16年11月17日付け「預託金預り証書の譲渡契約書」により,Kが保有する預託金証書を930万円(消費税相当額等の記載はない。)で譲り受けることを約する契約をした(以下「K取引」という。乙4)。 そして,原告は,Kから,Aが発行した次の預託金証書の交付を受けた(乙16の3)。 ○預第057号平成16年6月21日付け預託金額 1257万8000円ウ建造等納付金の免除等原告は,新たに建造するB及びCの建造等申請に伴う建造等納付金の免除に必要な書類として,D取引及びF取引によって取得した各留保対象トン数使用承諾書,管財人取引及びK取引によって取得した各預託金証書をAに提出し,平成17年2月8日付け「内航海運暫定措置事業による建造等納付金免除船舶認定通知書」によりBに係る建造等納付金の免除の認定を,平成17年3月17日付け「内航海運暫定措置事業による建造等納付金免除船舶認定通知書」によりCの建造等納付金の免除の認定を次のとおり受けた(乙21,同22)。 (ア) Bの免除額合計1億25 成17年3月17日付け「内航海運暫定措置事業による建造等納付金免除船舶認定通知書」によりCの建造等納付金の免除の認定を次のとおり受けた(乙21,同22)。 (ア) Bの免除額合計1億2555万円a8270万1000円D取引でDから使用の承諾を受けた留保対象トン数1021対象トン数に係る解撤等交付金相当額(留保対象トン数1021に平成16年度の解撤等交付金単価8万1000円を乗じた額)b1994万4000円管財人取引で譲り受けた各預託金証書に係る預託金合計額c1078万3000円K取引で譲り受けた預託金証書に係る預託金相当額1257万8000円の一部d1212万2000円原告が以前より保有していた預託金証書に係る預託金相当額(イ) Cの免除額合計1億2555万円 a1億2150万円F取引でFから使用の承諾を受けた留保対象トン数1500対象トン数に係る解撤等交付金相当額(留保対象トン数1500に平成16年度の解撤等交付金単価8万1000円を乗じた額)b129万6000円K取引で譲り受けた預託金証書に係る預託金相当額1257万8000円の一部c275万4000円原告の保有していた船舶(L)の留保対象トン数34対象トン数に係る解撤等交付金相当額(留保対象トン数34に平成16年度の解撤等交付金単価8万1000円を乗じた額)(4) 課税の経緯等ア原告は,D取引で支払った留保対象トン数の取得費用6738万6000円,管財人取引で支払った預託金証書の取得費用1238万0952円(譲渡価格には消費税等の額が含まれるとして,1300万円から1300万円に105分の5を乗じて算出した61万9048円を差し引いた額)及びKとの取引 払った預託金証書の取得費用1238万0952円(譲渡価格には消費税等の額が含まれるとして,1300万円から1300万円に105分の5を乗じて算出した61万9048円を差し引いた額)及びKとの取引で支払った預託金証書の取得費用のうち885万7143円(譲渡価格には消費税等の額が含まれるとして,930万円から930万円に105分の5を乗じて算出した44万2857円を差し引いた額)をBの営業権としてそれぞれ計上するとともに,それぞれの金額に5%を乗じた額を仮払消費税として計上した。 イ原告は,F取引で支払った留保対象トン数の取得費用9450万円をCの営業権として計上するとともに,9450万円に5%を乗じて算出した額を仮払消費税として計上した。 ウ原告は,上記ア及びイにより営業権として計上した取得費用を課税仕入れ(法2条1項12号)に含め,鹿児島税務署長に対し,別紙1の「確定 申告」欄記載のとおりの内容で本件課税期間の消費税等の確定申告書を法定申告期限までに提出した(乙5)。 エ鹿児島税務署長は,原告の本件課税期間に係る消費税等の調査を行い,平成19年12月25日付けで,別紙1の「更正処分等」欄記載のとおり,本件課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件各処分」という。)をした(乙6)。被告が主張する本件各処分の根拠は別紙2のとおりである。 オ原告は,平成20年2月22日,鹿児島税務署長に対し,本件各処分を不服として,国税通則法(以下「通則法」という。)75条1項に基づく異議申立てをしたが,鹿児島税務署長は,同年5月19日,原告の異議申立てを棄却する旨の決定をした(乙7,同8)。 カ原告は,平成20年6月12日,国税不服審判所長に対し,前項の決定を不服とし,通則法75条3項に基づく審査 税務署長は,同年5月19日,原告の異議申立てを棄却する旨の決定をした(乙7,同8)。 カ原告は,平成20年6月12日,国税不服審判所長に対し,前項の決定を不服とし,通則法75条3項に基づく審査請求をしたが,同所長は,平成21年6月5日,原告の審査請求を棄却する旨の裁決をした(乙9,同10)。 3 争点及び当事者の主張(1) 本件承諾書取引が「対価を得て行われる資産の譲渡」(法2条1項8号)に当たるか(争点1)ア原告の主張(ア) 本件承諾書取引の対象が「資産」に該当すること「資産」とは,棚卸資産,固定資産等の有形資産から商標権,特許権等の無形資産まで,およそ取引の対象となる全ての資産を含み,法律上保護の対象とならない権利又は経済的価値であっても,それが財産的価値を有するもので取引の対象となるものであれば,法においては「資産」に該当する。 本件承諾書取引の対象は,内航船舶の新船建造に係る一種の権利,す なわち,納付金免除船舶として使用することができる権利,地位であるから,当然に「資産」に当たる。 (イ) 本件承諾書取引が「対価を得て行われる譲渡」に当たること本件承諾書取引の各契約条項からすれば,同取引が,解撤等交付金対象船舶を納付金免除対象船舶に振り替えてその建造等納付金の免除を受ける地位を金銭的価値を有する資産として取引の対象としていることは明らかであり,新造船舶の建造等納付金に代えて使用することができる地位ないし資格として財産的価値を有するものの取引といえる。 また,D取引においては,その対価である6738万6000円に対して,消費税5%の336万9300円が付されることが契約書に明記されており,F取引においては,その対価である9450万円に対して消費税5%の472万5000円が付されることが契約 万6000円に対して,消費税5%の336万9300円が付されることが契約書に明記されており,F取引においては,その対価である9450万円に対して消費税5%の472万5000円が付されることが契約書に明記されていることからしても,これらの取引において,両当事者間において新船建造に係る一種の権利(資産)の譲渡であるとの認識で,これが課税資産の譲渡として認識されていたことは明らかである。 (ウ) 本件承諾書取引で支払われた金銭(以下「本件金銭」という。)は補償金的な性格を有するものとはいえないこと暫定措置事業の下においてAが支払う解撤等交付金が補償金としての性格を有するとしても,原告は暫定措置事業を行う者ではなく,直接利害関係を有する者でもないから,原告が補償金を支払う根拠はないし,暫定措置事業全体を通じて,取得者がAに代わって留保者に補償金を支払う旨の規定は存在しない。原告は,D,Fに対し,納付金免除引当資格という権利,地位の有する経済的価値に対してその譲渡の対価を支払ったものである。 また,その対価は,取引ごとに異なっており,その価額は当事者間の経済的状況や市場の需給関係によって定まるものであって,年度によっ て一定額が定められている解撤等交付金とは異なる。 したがって,本件金銭が補償金として評価されるということはできない。 (エ) 仮に本件金銭に補償金的な性格があったとしても,「資産の譲渡」に該当すること法に規定する「資産の譲渡」に当たるかについては,取引の目的物の経済的実態に照らして判断すべきであり,法規の規定が内航船舶の留保対象トン数の第三者使用を承諾するための補償金の立替払いを想定していたとしても,取引当事者間において,譲渡する側が「船舶登録権利」や「内航船舶建造引当権」として認識し,譲渡を受ける側がこ 船舶の留保対象トン数の第三者使用を承諾するための補償金の立替払いを想定していたとしても,取引当事者間において,譲渡する側が「船舶登録権利」や「内航船舶建造引当権」として認識し,譲渡を受ける側がこの権利を実質的,経済的見地から新船建造のための必要不可欠な権利であると認識してその権利に経済的な価値を認めてその対価を支払った場合には,その時点でその対価の意義は,「およそ取引の対象となる全ての資産」という実質的な権利に変換していると考えるべきである。したがって,内航船舶の留保対象トン数の譲渡に係る取引は,たとえAが補償的な性格のものであると定めたとしても,法上は,「資産の譲渡」に該当するというべきである。 (オ) 結論以上より,本件承諾書取引は,「資産の譲渡等」(法2条1項8号)に当たるから,「課税資産の譲渡等」(法2条1項9号)に該当し,これと裏腹の関係にある「課税仕入れ」(法2条1項12号)に該当するから,前記2(4)エの課税の経緯に係る鹿児島税務署長の判断は誤っている。 イ被告の主張(ア) 本件承諾書取引の対象が「資産」に該当しないことa法における「資産」と観念できる無形資産は,商標権や特許権等の 権利と同様に一般的に権利と認知され,取引の対象となり得る無形資産をいうと解するべきであり,無制限に「およそ取引の対象となる全ての資産」をいうと解することはできない。 b留保対象トン数の第三者使用が許されるようになった経緯は,旧事業の下で一種の営業権として取引されるに至っていた引当資格について,同事業の廃止に伴い経済的価値が無価値になることから,その激変緩和措置として旧事業の下において有していた引当資格について,船舶を解撤等することにより解撤等交付金の交付を受けるか,あるいは船舶を新造するに当たって支払わ 済的価値が無価値になることから,その激変緩和措置として旧事業の下において有していた引当資格について,船舶を解撤等することにより解撤等交付金の交付を受けるか,あるいは船舶を新造するに当たって支払わなければならない建造等交付金の免除に利用する暫定措置事業を創設したことに端を発している。このように,暫定措置事業は,飽くまでも旧事業の廃止に伴う補償的・暫定的な制度として実施されたものにすぎず,建造等納付金の免除を受けられる制度や解撤等交付金の交付を受けられる制度は,消滅する引当資格の補償的な措置として設けられたものにすぎないのであって,引当資格に代わる独自の経済的な価値を有する資格を認めたものではない。 また,旧事業の下では,代替船の建造等をするための引当資格が,いわゆる建造引当権という営業権として取引の対象となっていたことから,法人税基本通達の昭和55年改正において,営業権の一種として例示されるに至っていたが,平成10年3月31日に旧事業が廃止され,その後に実施された暫定措置事業においては,船舶の建造等のための引当資格が必要であるとの規制がなくなり,これに伴っていわゆる建造引当権という営業権も消滅したことから,例示から削除されることとなった。また,消費税法基本通達においても,平成7年12月の制定時から同様の規定が置かれていたが,同様の理由で,平成12年5月の改正で削除された。 このことからも,船舶の建造等について何ら規制がない暫定措置事業の下においては,もはや営業権などの権利を認識し得ないことは明らかであるから,留保対象トン数は「資産」に該当しない。 cそもそも,本件承諾書取引は,飽くまでもAが行う追加的措置として,本件組合員相互間において認められた留保対象トン数を第三者である他の本件組合員が建造等納付金の免除とし 「資産」に該当しない。 cそもそも,本件承諾書取引は,飽くまでもAが行う追加的措置として,本件組合員相互間において認められた留保対象トン数を第三者である他の本件組合員が建造等納付金の免除として利用する制度の中で行われたものであって,留保対象トン数の第三者使用が許容されているにすぎず,留保対象トン数が第三者に譲渡されることは想定されていない。 すなわち,本件では,D及びFが,Aの認定を受けた留保対象トン数について,原告において建造等納付金の免除を受けるために使用することを承諾するとともに,本件要領7条の定めにより留保対象トン数使用承諾書を原告に対して発行し,かつ,D及びFが留保対象トン数について解撤等交付金を受けること及び納付金免除船舶として使用することを放棄あるいは辞退したことの対価として謝礼的ないし補償的な性質の金銭が支払われたものであって,本件要領の下で行われた留保対象トン数の第三者使用をさせるための取引であることは明らかである。 以上のような留保対象トン数の第三者使用をさせるための取引内容に鑑みれば,譲渡又は移転の対象となる「資産」が存在するとはいえない。 (イ) 資産の「譲渡」に当たらないことa課税の対象となっている資産の「譲渡」とは,資産の同一性を保持しつつ,それを他人に移転することであり(消費税法基本通達5-2-1),経済的にみた場合には,資産の譲渡の対価を収受したと同様の実態にあるときであっても,その同一性を保持しつつ他人に移転す るという事実がないときは,譲渡があったこととはならず,消費税の課税の対象としての「資産の譲渡」に当たらない。すなわち,収用等による補償金や損害賠償金については,その補償金や損害賠償の金額がその支払の対象となった資産を譲渡した場合の金額(時価)と同額であったとし の対象としての「資産の譲渡」に当たらない。すなわち,収用等による補償金や損害賠償金については,その補償金や損害賠償の金額がその支払の対象となった資産を譲渡した場合の金額(時価)と同額であったとしても,その補償金又は損害賠償金が支払われることとなった行為が「譲渡」に該当しない以上,消費税の課税の対象とはならない。 b前記のとおり,暫定措置事業の下で,建造等納付金の免除を受けられる制度や解撤等交付金の交付を受けられる制度は,消滅する引当資格の補償的な措置として設けられたものにすぎないところ,その後予想外に解撤等交付金の申請が多くなり,Aにおいて解撤等交付金の支払に充てる資金に不足するようになったため,追加的措置が採られることとなり,留保対象トン数の第三者使用が認められるようになったのであり,このような経緯に照らせば,留保対象トン数の第三者使用を認めることにより,本来Aから支払を受ける解撤等交付金の代わりに,留保対象トン数の第三者使用によって使用承諾を受ける第三者が謝礼的に支払う金銭を受領する機会を与えるようにしたというものであり,経済的実質としては補償金としての性質を有するものである。 したがって,本件金銭は,本来Aが支払うべき補償金を本件組合員である原告が代わりに支払ったにすぎず,取引の代償として支払われる金銭は補償金と評価されるものであるから,建物の取得者が借家人に対して支払った立退料が補償金としての性格を有するため立退料の支払と引換えに建物を明け渡す取引が「資産の譲渡」に該当しないのと同様,本件承諾書取引は,「資産の譲渡」に当たらない。 また,解撤等交付金の交付も建造等納付金の納付も反対給付が存しないから不課税取引に当たるところ,解撤等交付金に代わる金銭の交 付を受けた場合に,課税取引とされる理由は見いだせない らない。 また,解撤等交付金の交付も建造等納付金の納付も反対給付が存しないから不課税取引に当たるところ,解撤等交付金に代わる金銭の交 付を受けた場合に,課税取引とされる理由は見いだせない。 c追加的措置によって留保対象トン数の第三者使用が認められているものの,留保対象トン数の使用承諾書の発行者は留保者に限られており,取得者は,当該使用承諾書による免除申請を辞退するなど留保対象トン数を使用しない場合には,当該使用承諾書を発行者に返却しなければならないとされているように,その使用目的及び範囲並びに使用者が限定されているのであって,そこに何らかの権利,財産,法律上の地位等が同一性を保持しつつ他人に移転されているとみることもできない。 したがって,留保対象トン数の第三者使用は,「資産の譲渡」に該当しない。 d消費税は,最終的には全て消費者に転嫁される税金であるところ,暫定措置事業事業において,物品やサービスの移転はなく,最終的に消費者に転嫁すべき取引は存在しないから,資産の譲渡等は存在しない。 (ウ) 小括以上より,本件承諾書取引は,「資産の譲渡」(法2条1項8号)に当たらないから,「課税資産の譲渡等」(法2条1項9号)に該当せず,これと裏腹の関係にある「課税仕入れ」(法2条1項12号)に該当しない。 (2) 本件預託金証書取引が「金銭債権」(法6条1項,法別表1の2号及び消費税法施行令9条1項6号)の譲渡に当たるか(争点2)ア原告の主張(ア) 本件預託金証書取引の実態は,内航船舶建造に係る権利の取得であることa本件預託金証書取引において,契約書には預託金証書がAの新船建 造に使用できることを条件とする旨記載されており,預託金証書が取引当事者間においては譲渡を受けた者が新船建造に係るA とa本件預託金証書取引において,契約書には預託金証書がAの新船建 造に使用できることを条件とする旨記載されており,預託金証書が取引当事者間においては譲渡を受けた者が新船建造に係るAの建造申請に使用できることを認識し,かつ,それを目的として売買していることを表している。また,預託金に係る債権を分割して,異なる本件組合員に譲渡したり,預託金の譲渡を受けた本件組合員は,さらに他の本件組合員に譲渡することができる。 したがって,本件預託金証書取引の経済的実態は,第三者に対して譲渡されたとき,その性質が変換し,Aの新船建造に係る実質的な権利の売買であったということができる。 bこれは,ゴルフ会員権について会員権発行段階においては,出資金又は預り金であるから資産の譲渡等に該当せず課税対象とならないが,一旦会員権を取得した者がそれを他に転売する場合や会員権業者が販売する場合は,預託形式のものであっても金銭債権の譲渡とされず,ゴルフ会員権としてその全額が課税の対象となることと類似し,預託金証書においても,第三者に転売されるときにその性格を実質的な新船建造権に変換させているといえるのである。 (イ) 本件預託金証書取引は,金銭債権の譲渡とはみられないことa預託金証書を購入する内航海運事業を行う者の目的は,本来の目的である交付金を受け取ることであって,金銭債権を購入する目的でないことは明らかである。 bまた,預託金証書が第三者に対して譲渡された場合,譲渡を受けた事業者は,そのほとんどが新船建造に使用し,Aから預託金額の返還を受けたものはごく一部の例外を除いてないものと推測される。すなわち,譲渡を受けた事業者は,実質的に新船建造に係る権利として使用するのであって,単なる金銭債権として使用するわけではない。 cさ を受けたものはごく一部の例外を除いてないものと推測される。すなわち,譲渡を受けた事業者は,実質的に新船建造に係る権利として使用するのであって,単なる金銭債権として使用するわけではない。 cさらに,原告は,J管財人及びKとの取引において,前者において は預託金額の65.1%の金額で預託金証書を買い受け,後者においては預託金額の77.9%の金額で預託金証書を買い受けている。仮に預託金証書が金銭債権を表象した証書であるとすればその取引価格は将来支払を受ける金額の現在価値や回収に対する危険などによって決定されるはずで,債務者が唯一Aであることを勘案するとその流通価格は管財人取引及びK取引において債権額の一定割合として同様になるはずであるところ,上記各取引において割合が異なるということは,金銭債権としての通常の取引ではなく,実質的な新船建造権に係る取引であるといえる。 (ウ) したがって,本件預託金証書取引は,法6条1項,法別表1の2号及び消費税法施行令(平成18年政令第129号による改正前のもの。以下同じ。以下「施行令」という。)9条1項6号に規定する「金銭債権」の譲渡に該当しない課税取引である。 イ被告の主張原告が管財人取引及びK取引において交わした契約書においては,預託金証書自体を譲渡の対象としている外形となっているが,同契約は,内航海運の建造申請に使用できることを条件とし,Aの承諾が認められない場合には,契約を解消し,譲渡価格を払い戻すものとされていた。 また,本件理事会決定8条③によれば,預託金に係る債権は,Aが同意した場合に限り,本件組合員に譲渡することができるとされており,本件預託金証書取引は,本件理事会決定の下で行われた預託金債権に係る債権の譲渡であることは明らかである。 さらに,Aが発行する預託金証 した場合に限り,本件組合員に譲渡することができるとされており,本件預託金証書取引は,本件理事会決定の下で行われた預託金債権に係る債権の譲渡であることは明らかである。 さらに,Aが発行する預託金証書にも,預託金額が表示されており,明確に預託金の預託を受けたこと及び預託金の返還期限も記載されている。 また,暫定措置事業の下においては,新船の建造認定は建造等納付金の納付によって行われており(本件規程7条,同8条),建造等納付金を納 付すれば建造できるのであって,預託金はその一部に充当できるものではあるが,預託金証書がなければ建造の認定を受けることができないというものではないから,新船建造に係る実質的な権利ということはできない。 そして,管財人取引及びK取引では,いずれも消費税額が別掲されておらず,このことは取引当事者間であるJ管財人及びKにおいても金銭債権の譲渡が行われており,非課税であるという認識があったことを基礎付ける。 そうすると,預託金証書は,預託者である本件組合員が受託者であるAに対して預託金債権を有していることを表象する証書であるといえ,本件預託金証書取引は,暫定措置事業の追加的措置に係る本件理事会決定の下で行われた預託金という金銭債権の譲渡である。 したがって,本件預託金証書取引は,法6条1項,法別表1の2号及び施行令9条1項6号に規定する「金銭債権」の譲渡に該当する非課税取引である。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実証拠(各項目末尾掲記のもの)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる。 (1) 本件承諾書取引の契約書の定めア D取引についてD取引に係る契約書は,表題を「船舶留保登録権利売買契約書」とし,売主の所有に係る内航船舶の一般貨物権利の売買契約を締結すること,売買する一 ) 本件承諾書取引の契約書の定めア D取引についてD取引に係る契約書は,表題を「船舶留保登録権利売買契約書」とし,売主の所有に係る内航船舶の一般貨物権利の売買契約を締結すること,売買する一般貨物船舶留保引当船の明細を「留保対象引当トン数 1,021対象トン」とすること,Dの売り渡す代替権利船はAの規定により,代替建造引当できることを条件に原告が買い受けるものであり,万一使用不能の場合は無償解約とし,原告がDに支払済金額の全額を無利子のまま返 済すること,Dの売り渡す代替権利が正当なものであり,原告側の責任においてAの建造等の不承認が発生した場合はDには一切責任がないものとすることを定め,売買価格を6738万6000円とし,これに対する消費税5%336万9300円を支払うこと,Dは原告に対し,代金支払と同時に引当資格使用承諾書等必要な書類を交付することを定めていた(乙1)。 イ F取引についてF取引に係る契約書は,「内航船舶建造引当権売買契約書」との表題の下に,売主が所有する汽船Gの内航船舶代替建造引当資格の留保対象トン数の売買契約を締結すること,「引当権・貨物船1850トンのうち1500トン」を契約の目的物とすること,同契約は売主の売却する引当権が,Aの規定の平成17年1月申請として使用できることを条件とすること,買主は本引当権の全部を第三者に分割して売り渡す事ができること,この時売主は無償で建造申請に必要な書類の作成に協力することを定め,引当権の売買価格を9450万円,消費税を472万5000円として,合計9922万5000円とすることを定めていた(乙2)。 (2) 本件承諾書取引ほかの取引実態本件承諾書取引に関与した業者及び船舶の売買の取引業者の間では,本件承諾書取引の当時,取引の対象となるのは,新船建 5000円とすることを定めていた(乙2)。 (2) 本件承諾書取引ほかの取引実態本件承諾書取引に関与した業者及び船舶の売買の取引業者の間では,本件承諾書取引の当時,取引の対象となるのは,新船建造の際に必要な権利である留保対象トン数であって,通常はこれを目的として売買契約を締結し,同権利の対価として代金を支払うものと認識され,これに沿う取引が行われており,また,取得者から第三者への留保対象トン数の転売も行われていた。 (甲5,同9ないし11)(3) 留保対象トン数による建造等納付金の免除暫定措置事業において追加的措置が実施されるようになった平成16年度(平成16年4月1日から平成17年3月31日)及び平成17年度(平成 17年4月1日から平成18年3月31日)における貨物船及び油送船の建造船隻数はそれぞれ73隻(貨物船51隻,油送船22隻)及び78隻(貨物船61隻,油送船17隻)であった。そして,そのうち平成16年度は26隻,平成17年度は27隻の船舶について,他の本件組合員からの留保対象トン数の使用承諾を受けて,建造等納付金の免除が行われた。 (乙11,同30)(4) 本件承諾書取引の相手方の課税状況D取引について,Dは,消費税の確定申告において,本件承諾書取引による収入を課税売上高に算入して申告したが,所轄税務署からこれは課税売上高に該当しないとして消費税の還付を受けたことはない。 (甲7,同8の1ないし6,同11)(5) 解撤等交付金,建造等納付金及び留保対象トン数の第三者使用に係る消費税の取扱いについてAは,平成10年5月頃,国税庁に対し,解撤等交付金及び建造等納付金の法上の取扱いについて照会したところ,いずれも資産の譲渡等の対価に該当せず,消費税の課税の対象とならない旨の回答を得て,その内容を Aは,平成10年5月頃,国税庁に対し,解撤等交付金及び建造等納付金の法上の取扱いについて照会したところ,いずれも資産の譲渡等の対価に該当せず,消費税の課税の対象とならない旨の回答を得て,その内容を本件組合員に周知した。 また,Aは,平成17年9月頃に,東京国税局に対し,解撤等交付金(余剰対象トン数)の第三者使用に係る消費税の取扱いについて照会したところ,留保対象トン数の第三者使用について消費税の課税対象とはならない旨の回答を得たことから,平成17年11月9日頃,これを本件組合員に周知した。 (乙10,同15,同26,同27)(6) 本件預託金証書取引についてア管財人取引について管財人取引の契約書には,預託金証書の譲渡契約を締結すること,譲渡価格を1300万円とすること,同契約は,Aの建造申請に使用できるこ とを条件とし,Aの承諾が認められない場合には,同契約を解消して,譲渡価格の払戻しを行うこと等の約定が記載されていた(乙3)。 イ K取引についてK取引の契約書には,預託金証書の譲渡契約を締結すること,譲渡価格を930万円とすること,同契約は,Aの建造申請に使用できることを条件とし,Aの承諾が認められない場合には,同契約を解消して,譲渡価格の払戻しを行うこと等の約定が記載されていた(乙4)。 ウ預託金証書について本件預託金証書取引において譲渡されたAが発行する預託金証書には,いずれも預託金額が表示されており,「受託者は,預託者の預託承諾書に基づき上記金額の預託を受け,これを受領した証として,本証書を発行します。」と記載され,また,預託金の返還期限について,平成25年3月31日とし,Aの理事会が返還期限の変更を決議した場合には変更後の返還期限による旨,さらに,特約として,「本件預託金債権は,受託者が同 。」と記載され,また,預託金の返還期限について,平成25年3月31日とし,Aの理事会が返還期限の変更を決議した場合には変更後の返還期限による旨,さらに,特約として,「本件預託金債権は,受託者が同意した場合に限り,本件組合員である事業者に対してのみ譲渡することができます。」と記載されている(乙16の1ないし5)。 エ預託金証書による建造等納付金の免除預託金証書によって,建造等納付金の免除が行われた船舶は,平成16年度は12隻,平成17年度は21隻であるが,これらの預託金証書の使用は,預託者自身が行ったのか,他の本件組合員から譲渡を受けた者が行ったのかは明らかではない(乙11,同30)。 2 争点1(本件承諾書取引が「対価を得て行われる資産の譲渡」に当たるか)について(1) 本件承諾書取引の対象が「資産」に該当するかについてア 「資産」の意義法は,「国内において事業者が行つた資産の譲渡等には,この法律によ り,消費税を課する」と規定し(法4条1項),「資産の譲渡等」とは,事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいい(法2条1項8号),消費税法基本通達5-1-3(甲1,乙24)は,法2条1項8号及び12号に規定する「資産」とは,取引の対象となる一切の資産をいうから,棚卸資産又は固定資産のような有形資産のほか,権利その他の無形資産が含まれることに留意する旨定めている。 その上で,法は,「資産の譲渡等」のうち,その性質上消費税になじまないものや,特別の政策的配慮により課税対象として適当でないものについて非課税取引として限定列挙方式により課税対象から除外している(法6条)。 上記のほか,法の規定を総合すれば,消費税は,物品やサービスの個人の消費に担税力を見出して課税を行うものであるところ,法 いて非課税取引として限定列挙方式により課税対象から除外している(法6条)。 上記のほか,法の規定を総合すれば,消費税は,物品やサービスの個人の消費に担税力を見出して課税を行うものであるところ,法は,消費税を最終的な消費行為よりも前の各取引段階で物品やサービスに対する課税が行われ,税負担が物品やサービスのコストに含められて最終的に消費者に転嫁することが予定されている間接消費税として位置付け,各取引段階で課税する多段階消費税の制度をとった上,税負担の累積を防止するため,各取引段階で移転,付与される附加価値を課税標準として課税する附加価値税の制度を採るものであり,このように多段階一般消費税である我が国の消費税は,生産,流通過程のあらゆる段階において発生する附加価値に対して課税を行うものとして,原則として広くあらゆる物品,サービスを課税の対象とするものというべきである。 イ当てはめそこで,本件承諾書取引の対象が,上記の「資産」に該当するかどうかについてみると,前記認定のとおり,本件要領等の下で,留保者は,自己の有する留保対象トン数を使用して,Aに対して納付すべき新造船舶の建造等納付金の免除を受けることができる(留保対象トン数の第三者使用) ところ,そのためにはAに対する申請及び認定の手続を要するものではあるが,本件要領等の趣旨からすれば,Aは恣意的に認定の可否を決することは許されず,要件を満たす申請があった場合にはこれを認定する義務を負うものと解されるから,留保者の有する上記のような権能は,Aに対する債権ないし債権類似の権利であると解される(以下「本件権利」という。)。 そうすると,原告は,本件承諾書取引により,本件権利を取得し,これをAに対し行使したものにほかならず,同取引の対象は,本件権利であるというべきである。 と解される(以下「本件権利」という。)。 そうすると,原告は,本件承諾書取引により,本件権利を取得し,これをAに対し行使したものにほかならず,同取引の対象は,本件権利であるというべきである。 また,他の取引事例をみても,前記認定のとおり,本件承諾書取引の当時,本件組合員が船舶の建造等に当たり,他の本件組合員から留保対象トン数の使用承諾を受けて建造等納付金の免除を受けた例が年に20件以上あり,前記認定の取引関係者の認識等によれば,少なくともそのうちの相当数は売買契約その他の有償契約によって本件権利を取引したものと考えられ,本件権利が,本件のみならず,本件組合員間で取引の対象になっていたことも明らかである。 そうすると,本件承諾書取引の対象は,「取引の対象となる権利」にほかならず,法2条1項8号にいう「資産」に該当するというべきである。 ウ被告の主張について(ア) 「資産」の限定的解釈の主張について被告は,法における「資産」と観念できる無形資産は,商標権や特許権等の権利と同様に一般的に権利と認知され,取引の対象となり得る無形資産をいうと解するべきであり,無制限に「およそ取引の対象となる全ての資産」をいうと解することはできない等と主張する。 しかしながら,前記のような法の文理に照らしても,そのような限定をすべき根拠は見当たらないし,前記通達自体が取引の対象となる「一切の」資産をいうとしているのであって,被告主張のような解釈は,同 通達に反するものであって,採用できない。 (イ) 暫定措置事業の趣旨に関する主張についてまた,被告は,前記第2の3(1)イ(ア)bのとおり,旧事業の下では引当資格が営業権として認められていたが,暫定措置事業は,これを廃止し,暫定的,補償的な制度として実施されたもので,追加的措置において ,被告は,前記第2の3(1)イ(ア)bのとおり,旧事業の下では引当資格が営業権として認められていたが,暫定措置事業は,これを廃止し,暫定的,補償的な制度として実施されたもので,追加的措置においても引当資格に代わる資格を認めたものではない等と主張し,確かに,前記認定の各事実によれば,暫定措置事業の下では,旧事業の下での引当資格はもはや営業権とは認められなくなったものであり,暫定措置事業が暫定的,補償的な性格を有することも明らかである。 しかしながら,本件における「資産」該当性の問題は,留保対象トン数により建造等納付金の免除を受け得る留保者及び取得者の権能を取引対象の権利とみることができるかという問題であり,旧事業下での引当資格が暫定措置事業の下でも残存していたといえるかではないし,前記のとおり,旧事業下での引当資格は本件権利とはその内容において異なるものであるから,その廃止をもって本件権利の権利性を否定することはできない。 また,「資産」該当性は,一定の制度を前提とする権利関係の場合,当該制度における具体的な規定や約定に基づく権利義務関係に照らして判断されるべきものであって,これを離れて制度を創設し,又は規定等を設けた者の主観や意図に左右されるものではない。Aは,熊本国税局長に対し,承諾書取引について売買の対象となるものとは考えていない旨の回答をしており(乙15),追加的措置において,本件権利が発生することを認識ないし意図していなかったとも考えられるが,本件要領等の具体的規定の下で,留保対象トン数に係る権能が有償で取得者に移転することが予定されていたことは明らかであり,Aが,これが売買の対象にならないと考えていたとしても,必ずしも合理的な想定とはいえ ず,そのようなAの主観によって,その権利性が左右されるものともいえな 予定されていたことは明らかであり,Aが,これが売買の対象にならないと考えていたとしても,必ずしも合理的な想定とはいえ ず,そのようなAの主観によって,その権利性が左右されるものともいえない。 さらに,暫定措置事業は,その名称のとおり,暫定的なものであったことは疑いがないが,暫定的な権利について「資産」該当性を否定すべき根拠は,法令,通達上も何ら見当たらず,本件課税期間において,本件権利の行使が可能であり,実際にも行使されたものであることからすれば,事業の暫定性をもって,本件権利の権利性を否定することもできない。 (ウ) 取引の形態等に関する主張について被告は,前記第2の3(1)イ(ア)cのとおり,暫定措置事業の下で留保対象トン数が第三者に譲渡されることは想定されておらず,本件承諾書取引は,留保対象トン数を原告が使用することの承諾と,D又はFがこれを使用すること及び解撤等交付金放棄又は辞退したことに対して金員の支払がなされたものにすぎず,譲渡又は移転の対象となる「資産」が存在するとみることはできない等と主張する。 しかしながら,被告主張の上記の点は,本件権利の移転の法律形式に係るものであるから,後に述べるように,「譲渡」に該当するかどうかの問題であって,本件権利の権利性を否定し得る内容とはいえない。 なお,被告は,上記のほか,納付金免除引当資格は,暫定措置事業の反射的効果にすぎず,取引の対象となるような財産的権利ではない等と主張し,大阪高裁平成21年4月23日判決(平成○年(ネ)第○号)に言及するが,資産該当性について,法令,通達が権利が本来的に発生するものか,反射的効果によって発生するものかによって区別しているとする根拠は見当たらないし,上記判決は,追加的措置の実施前の事案であり,また,解撤等交付金と納付金免除船 ,通達が権利が本来的に発生するものか,反射的効果によって発生するものかによって区別しているとする根拠は見当たらないし,上記判決は,追加的措置の実施前の事案であり,また,解撤等交付金と納付金免除船舶引当資格について,抵当権の目的物である船舶と客観的にみて経済的に一体をなすものとして抵 当権の効力が及ぶかという点について船舶と一体性がある権利と認めることができない旨判示したにとどまるものであって,追加的措置の下で,「資産」に該当するかどうかの問題の先例性を有するものとはいえない。 (2) 本件承諾書取引が,資産の「対価を得て行われる資産の譲渡」に当たるかについてア資産の「譲渡」の意義法2条1項8号にいう資産の「譲渡」とは,資産についてその同一性を保持しつつ他人に移転させることをいう(消費税法基本通達5-2-1)。 すなわち,経済的にみた場合には,資産の譲渡の対価を収受したのと同様の実態にある時であっても,その同一性を保持しつつ他人に移転するという事実がないときは,譲渡があったこととはならず,消費税の対象とはならない。 また,収用等による補償金や損害賠償金の金額がその支払の対象となった資産の譲渡をした場合の金額(時価)と同額であったとしても,その補償金又は損害賠償金が支払われることとなった行為が「譲渡」に該当しない以上,消費税の課税の対象とはならない。 そして,法は,経済取引において附加価値の移転等がある場合は課税対象とするものであり,これらについては私法によって規律されているのであるから,課税要件該当性を判断する際にも,まず私法に基づいて検討するのが原則であり,第1次的には,当事者が選択した法律形式,契約内容等を踏まえ,その取引の実態に即して判断すべきである。もっとも,当事者が租税回避等の目的で,真に意図する法律 ず私法に基づいて検討するのが原則であり,第1次的には,当事者が選択した法律形式,契約内容等を踏まえ,その取引の実態に即して判断すべきである。もっとも,当事者が租税回避等の目的で,真に意図する法律形式を回避して殊更別の形式を採用して法律行為を行ったような場合には,この限りでないというべきである。 イ当てはめこれを本件についてみると,前記認定の各事実によれば,本件承諾書取 引は,いずれも売買契約の形式を取っており,原告は,D,Fからそれぞれ留保対象トン数を使用して,建造等納付金の免除を受ける権利(本件権利)の移転を受け,その対価として売買代金を支払ったものと認められ,原告はその上で本件権利を使用して建造等納付金の免除を受けたものと認められる。 そうすると,本件権利は,本件承諾書取引によって消滅したり,減少したりすることはなく,本件承諾書取引は,売買契約によって,資産の同一性を保持しつつ他人に資産を移転したものであるから,資産の「譲渡」に該当するというべきである。 ウ被告の主張について(ア) 本件金銭が補償金としての性格を有するとの主張について被告は,前記第2の3(1)イ(イ)bのとおり,本件金銭は,Aが支払うべき補償金を原告が代わりに支払ったものにすぎない等と主張し,また,解撤等交付金の交付も建造等納付金の納付も反対給付が存しないから不課税取引に当たるところ,解撤等交付金に代わる金銭の交付を受けた場合に,課税取引とされる理由は見いだせない等と主張し,確かに,追加的措置において留保対象トン数の第三者使用が認められた経緯に照らし,留保者がAから補償金の性格を有する解撤等交付金の支払を受ける代わりに,取得者から留保対象トン数の第三者使用に係る対価の支払を受けることが認められたという面があることは否定できない。 に照らし,留保者がAから補償金の性格を有する解撤等交付金の支払を受ける代わりに,取得者から留保対象トン数の第三者使用に係る対価の支払を受けることが認められたという面があることは否定できない。 しかしながら,解撤等交付金ないし本件権利に補償金的性格があるかどうかという問題と,本件権利の取引によって支払われた金銭に補償金的性格があるかどうかという問題は,別個の問題であり,前者が肯定されれば,後者が肯定されるとはいえない。 また,前記のとおり,本件承諾書取引の各当事者が,同取引を売買契約の形式を選択して行ったことは明らかであり,これによれば,本件金 銭の性質は売買代金であって,補償金ないしその立替金ではない。 そして,その法的構成を否認できるかどうかについてみても,本件においては,関係当事者は,本件権利を売買する意思で,売買契約の形式を採用して取引し,売買代金を支払って,最終的には,原告において本件権利をAに対し行使しており,その過程にも契約条項にも,租税回避の場合に見られるような不自然な点や契約条項は見当たらず,原告においては消費税の還付を受ける目的があったとしても,D及びFにおいては,逆に消費税を課せられる取引になり,少なくとも前者はその旨の税務申告をしているのであるから,租税回避の目的で真意に反して,売買契約の形式を選択したものとみることもできないのであって,契約の解釈上,売買契約であることを否認することもできないというべきである。 そうすると,本件承諾書取引が,被告が主張するような原告が留保対象トン数を使用することの承諾とDらの使用の放棄・辞退というような法的性格の取引であったとはいえず,本件金銭に補償金としての性格があったとも認められないから,被告の上記主張は採用できない。 (イ) 同一性に関する主張について らの使用の放棄・辞退というような法的性格の取引であったとはいえず,本件金銭に補償金としての性格があったとも認められないから,被告の上記主張は採用できない。 (イ) 同一性に関する主張について被告は,前記第2の3(1)イ(イ)cのとおり,追加的措置において,留保対象トン数の使用承諾書の発行者は留保者に限られており,取得者は,留保対象トン数を使用しない場合には,当該使用承諾書を発行者に返却しなければならないとされているように,同事業の下においてその使用目的,範囲,使用者が限定されているのであって,そこに何らかの権利等が同一性を保持しつつ他人に移転されているとみることもできない等と主張する。 しかしながら,本件権利を取得者から第三者に譲渡できるかについてみると,本件要領には,本件権利を第三者に転売することを禁止する規定は存在しない(乙14)し,本件権利を転売する場合には,あらかじ め,留保者と取得者との間で,留保者が第三者あてに留保対象トン数使用承諾書を発行することを約するなどして,転売を行うことが可能であり,実際にも,F取引における契約書には,その旨の約定があり,他の取引事例においても取得者から第三者への転売取引は行われることがあったと認められるのであるから,第三者への譲渡可能性を理由に,本件権利が取得者の下で同一性を失うということはできない。 なお,留保者は,取得者に本件権利を移転すると,解撤等交付金請求権を失うものと考えられ,これが取得者に移転するものではないが,そもそもこの権利は,本件承諾書取引の対象となっていないものであって,本件権利が本件承諾書取引によってその内容が変化したというものではなく,このことをもって,本件権利が同一性を失ったといえるものでもない。 そうすると,結局,本件権利自体は,本件承諾書取引に って,本件権利が本件承諾書取引によってその内容が変化したというものではなく,このことをもって,本件権利が同一性を失ったといえるものでもない。 そうすると,結局,本件権利自体は,本件承諾書取引によって,消滅したり減少したりしたものではないから,同一性を保持しつつ移転したものというべきであり,被告の前記主張は採用できない。 (ウ) その他の被告の主張についてまた,被告は,前記第2の3(1)イ(イ)dのとおり,本件承諾書取引において,物品やサービスの移転はなく,最終的に消費者に転嫁すべき取引は存在しない等と主張するが,そもそも被告主張のような点において「資産」ないし「譲渡」の該当性を限定すべきであるという根拠は,法規及び通達上も見受けられないし,前記のような本件承諾書取引の実態に照らし,物品やサービスの移転がなく,最終的に消費者に転嫁すべき取引が存在しないといえるものでもない。 エ課税の経緯等についてなお,前記のとおり,本件権利の取引について,国税当局は,消費税の課税対象ではないとの見解を明らかにしており,平成17年11月9日以 降,Aにおいて,本件組合員にその旨を周知しており,その後は,これについて消費税の課税はなされていないものと考えられ,本件においても,課税庁側が課税要件を限定的に解釈して,本件承諾書取引は課税対象でないと主張している。 しかしながら,租税法律主義の観点からすれば,課税庁が課税要件を限定的に解釈すべきであるという見解を公にしていたからといって,これが裁判規範となるものではないし,これまで本件権利の取引に課税されていなかったことによって不都合が生じたとしても,それはやむを得ないことである。 (3) 小括以上によれば,本件承諾書取引は,「資産の譲渡等」(法2条1項8号)に当たり,「課税資産 に課税されていなかったことによって不都合が生じたとしても,それはやむを得ないことである。 (3) 小括以上によれば,本件承諾書取引は,「資産の譲渡等」(法2条1項8号)に当たり,「課税資産の譲渡」(法2条1項9号)に該当するから,これと裏腹の関係にある「課税仕入れ」(法2条1項12号)に該当するというべきである。 3 争点2(本件預託金証書取引が「金銭債権」の譲渡に当たるか)について(1) 判断ア法6条1項は,「国内において行われる資産の譲渡等のうち,別表第1に掲げるものには,消費税を課さない。」と規定し,別表第1(平成19年法律第6号による改正前のもの。以下同じ。)の2号は,証券取引法2条1項に規定する有価証券その他これに類するものとして政令で定めるものの譲渡を掲げており,この規定を受けた施行令9条1項6号には,有価証券に類するものとして,「貸付金,預金,売掛金その他の金銭債権」を掲げている。したがって,一般的に金銭債権の譲渡は,非課税取引に該当し,「課税資産の譲渡等」に該当しない。 イこれを本件についてみると,前記認定のとおり,本件預託金証書取引に係る各契約書には,預託金証書を譲渡する旨記載されている。そして,預 託金証書には,預託金額が表示され,預託金の預託を受けたこと及び預託金の返還期限が記載されているところ,かかる預託金は,Aにおいて,解撤等交付金の資金が不足する事態となったことから,本件理事会決定に基づき,その対応策として,解撤等交付金を申請し交付を受けようとする本件組合員から,その交付予定である解撤等交付金の一部の金額の預託を受け,解撤等交付金の原資に充てることとして実施したものであり,本件理事会決定8条③には,預託金に係る債権はAが同意した場合に限って本件組合員に譲渡することができる旨定 等交付金の一部の金額の預託を受け,解撤等交付金の原資に充てることとして実施したものであり,本件理事会決定8条③には,預託金に係る債権はAが同意した場合に限って本件組合員に譲渡することができる旨定められている。そうすると,預託金証書は,本件組合員がAに対して預託した預託金返還請求権を表象したものであることが認められる。 このように本件預託金証書取引は,預託金返還請求権についての取引であると解されるから,「金銭債権」の譲渡として非課税取引に当たり,「課税仕入れ」(法2条1項12号)には該当しないというべきである。 (2) 原告の主張についてア原告は,前記第2の3(2)ア(ア)aのとおり,本件預託金証書取引の経済的実態は,留保対象トン数の譲渡と同様に,第三者に対して譲渡されたとき,その性質が変換し,内航海運の新船建造に係る実質的な権利の売買であったということができ,単なる金銭債権の売買ではないとして,本件預託金証書取引は,非課税取引たる金銭債権の譲渡ではなく,課税資産の譲渡に該当すると主張する。 しかしながら,原告の上記主張によっても,何ら本件預託金証書取引の対象が金銭債権であることを否定するものではなく,単に,その取得の目的が当該金銭債権を取立て等の通常の方法により行使する以外の点にあったというにすぎず,そのような目的をもって譲渡した場合に「金銭債権」に該当しないとする法令上,通達上の根拠も何ら見当たらないことからすれば,原告の上記主張は採用できない。 イまた,原告は,前記第2の3(2)ア(ア)bのとおり,本件預託金証書取引についても,ゴルフ会員権と同様,船舶建造に必要な納付金が免除されるという経済的価値が付加され,これを目的として取引がされているから,ゴルフ会員権と同様に課税取引の対象となると主張する。 しか 引についても,ゴルフ会員権と同様,船舶建造に必要な納付金が免除されるという経済的価値が付加され,これを目的として取引がされているから,ゴルフ会員権と同様に課税取引の対象となると主張する。 しかしながら,法は,明文の規定により,非課税取引から,ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利に係るものとして政令で定めるものを除くことを定めているのであり(法別表第1の2号,施行令9条2項),これと異なる本件預託金証書取引についても課税対象であるとはいえない。 また,実質的に見ても,預託金会員制のゴルフクラブ会員権の法的性格は,①ゴルフ場施設の優先的利用権,②預託金返還請求権,③会費納入義務の権利義務関係が一体となった契約上の地位であり(最高裁第一小法廷昭和61年9月11日判決・裁判集民事148号482ページ),預託金会員制のゴルフクラブ会員権を所有している会員がゴルフクラブ会員権を売買する場合,金銭債権たる預託金返還請求権と年会費納入等の義務と併せ,ゴルフ場施設の優先的利用権とが一体不可分となって売買されることになるのである。このように,非課税取引となる金銭債権たる預託金返還請求権の譲渡と「資産の譲渡」に該当するゴルフ場施設の優先的利用権の譲渡とが一体としてなされることから,ゴルフ場の優先利用権の譲渡に対して消費税を課税するため,非課税取引とされる金銭債権の譲渡から,「ゴルフ場施設を一般の利用者より有利な条件で継続的に利用する権利を有する者となるための要件とされている場合における当該預託に係る金銭債権」(施行令9条2項)を除く規定が定められているのである。 これに対し,預託金証書は,前記のとおり,単に預託金返還請求権という金銭債権を表象するものにすぎず,建造等納付金の免除についても,いわば,この金銭債権の使い道であるにすぎず,金銭債権とは別 ある。 これに対し,預託金証書は,前記のとおり,単に預託金返還請求権という金銭債権を表象するものにすぎず,建造等納付金の免除についても,いわば,この金銭債権の使い道であるにすぎず,金銭債権とは別に,ゴルフ会員権におけるゴルフ場利用権等のようなA等に対する権利義務が観念で きるものではない。 ウさらに,原告は,前記第2の3(2)ア(イ)のとおり,本件預託金証書取引について,預託金証書を購入する者は,金銭債権として購入するのではなく,新船建造に係る権利として使用する目的で購入していると主張し,その根拠として①預託金証書を購入した者でAから預託金額の返還を受けたものはごく一部の例外を除いてないものと推測されること,②預託金証書が金銭債権であるならば,その流通価格は,おのずと債権額の何%という一定の範囲に収斂されるはずであると主張する。 しかしながら,①の主張は,金銭債権購入の目的に関するものであって,これが金銭債権性を否定する根拠とはなり得ないのは前記アのとおりである。 また,②の主張についてみても,金銭債権であっても,その価格は様々な要因によって変動するのであり,本件において,取引価格の差異が大きかったとしても,それは預託金証書が市場で流通する性質のものではなく,相対で取引されるものであり,その価格は取引当事者の当時の経済的状況等によって左右されるためであると考えられるから,預託金証書の取得価格が一定でないことは,本件預託金証書取引が「金銭債権」に当たらないことの根拠とはならないというべきである。 以上のとおり,本件預託金証書取引は,預託金返還請求権という金銭債権の譲渡であって,これに反する原告の主張は採用できない。 4 税額計算等以上を前提に本件課税期間における消費税の控除不足還付税額,地方税の譲渡割額及び過少 取引は,預託金返還請求権という金銭債権の譲渡であって,これに反する原告の主張は採用できない。 4 税額計算等以上を前提に本件課税期間における消費税の控除不足還付税額,地方税の譲渡割額及び過少申告加算税の額を算定すると次のとおりとなる。 (1) 課税標準額 22億2856万6000円次のアからイを控除した金額である。 なお,課税標準額は,課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び 地方消費税額を含まない金額(いわゆる「税抜き金額」)である(法28条1条括弧書)。 ア申告額 22億2886万6000円イ課税標準額に含まれない金額 30万円原告は,他に譲渡した預託金証書の譲渡代金額を課税標準額に含めて申告しているが,これは,法上の課税資産の譲渡等に該当しないから,30万円(原告の申告額31万5000円に105分の100を乗じて算出した金額)を減額する。 (2) 課税標準に対する消費税額 8914万2640円上記(1)の金額に,法29条に基づく税率100分の4を乗じて算出した金額である。 (3) 控除対象仕入税額 1億0543万5817円次のアからイを控除した金額である。 なお,控除対象仕入税額(課税仕入れに係る消費税額)は,課税仕入れに係る支払対価の額に105分の4を乗じて算出した金額である(法30条1項括弧書)。 ア申告額 1億0628万5341円イ控除対象仕入税額に該当しない金額 84万9524円本件預託金証書取引は,法6条1項に規定する課税資産の譲渡等から除外される取引(非課税取引)に当たり,課税仕入れに 341円イ控除対象仕入税額に該当しない金額 84万9524円本件預託金証書取引は,法6条1項に規定する課税資産の譲渡等から除外される取引(非課税取引)に当たり,課税仕入れに該当しないから,原告が,課税仕入れの支払対価の額に含めて申告した金額に,法30条1項に規定する105分の4を乗じて算出した額である。 (計算式)13,000,000円+9,300,000円=22,300,000円22,300,000円÷105×4=849,524円(4) 控除不足還付税額(消費税の還付すべき税額) 1629万3177円 上記(2)から(3)を控除した金額である。 (計算式)89,142,640円-105,435,817円=-16,293,177円(5) 差引納付すべき消費税額 83万7500円上記(4)で算出した還付すべき税額1629万3177円と本件消費税等確定申告書における還付すべき税額1713万0701円との差額83万7500円が差引納付すべき税額(ただし,通則法119条1項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。)となる。 (計算式)△16,293,177円-(△17,130,701円)(端数処理)=837,500円(6) 地方消費税の課税標準となる消費税額(控除不足還付税額) 1629万3177円地方税法72条の77第2号及び同法72条の82に基づき,上記(4)の金額となる。 (7) 譲渡割額(還付額)(地方消費税の還付すべき譲渡割額) 407万3294円地方税法72条の83に基づき,上記(6)に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (計算式)16,293,177円÷100×25=4,073,29 407万3294円地方税法72条の83に基づき,上記(6)に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (計算式)16,293,177円÷100×25=4,073,294円(8) 差引納付すべき譲渡割額 20万9300円上記(7)で算出した還付すべき譲渡割額407万3294円と本件消費税等確定申告書における還付すべき譲渡割額428万2675円との差額20万9300円が差引納付すべき譲渡割額(ただし,地方税法20条の4の2第3項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。)となる。 (計算式) △4,073,294円-(△4,282,675円)(端数処理)=209,300円(9) 差引納付すべき消費税等の税額 104万6800円上記(5)と(8)の合計額であり,本件消費税等確定申告書との差引納付すべき消費税と地方消費税の譲渡割額の合計額である。 (計算式)837,500円+209,300円=1,046,800円(10) 過少申告加算税の額 13万1000円過少申告加算税の額は,通則法65条1項の規定に基づき,上記1(9)の差引納付すべき消費税等の税額104万円(通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)に100分の10の割合を乗じて算出した10万4000円及び同法65条2項の規定に基づき,上記1(9)の差引納付すべき消費税等の税額104万6800円から,同条3項2号の規定により計算される,期限内申告税額△2141万3376円と50万円とのいずれか多い金額である50万円を控除した54万円(通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)に 定により計算される,期限内申告税額△2141万3376円と50万円とのいずれか多い金額である50万円を控除した54万円(通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)に100分の5の割合を乗じて算出した2万7000円の合計13万1000円となる。 5 結論以上によれば,原告の請求は主文1項の限度で理由があるからその限度でこれを認容し,その余は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担については,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条本文を適用して,主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所第3民事部 裁判長裁判官増田隆久 裁判官長谷川秀治 裁判官渡部みどり 別紙2 1 本件課税期間の消費税等の更正処分の根拠(1) 課税標準額 22億2856万6000円次のアからイを控除した金額である。 なお,課税標準額は,課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び地方消費税額を含まない金額(いわゆる「税抜き金額」)である(法28条1条括弧書)。 ア申告額 22億2886万6000円原告の本件課税期間の消費税等の確定申告書(以下「本件確定申告書」という。)の課税標準額の金額(別紙1「確定申告」欄の①の金額)である。 イ課税標準額に含まれない金額 30万円原告が,他に譲渡した預託金証書の譲渡は,法上の課税資産の譲渡等に該当しないから,原告が,課税標準額に含めて申告した金額30万円(31万5000円に105分の100を乗じて算出した金額)を減額した。 (2) 課税 した預託金証書の譲渡は,法上の課税資産の譲渡等に該当しないから,原告が,課税標準額に含めて申告した金額30万円(31万5000円に105分の100を乗じて算出した金額)を減額した。 (2) 課税標準に対する消費税額 8914万2640円上記(1)の金額に,法29条に基づく税率100分の4を乗じて算出した金額である。 (3) 控除対象仕入税額 9896万0377円次のアからイを控除した金額である。 なお,控除対象仕入税額(課税仕入れに係る消費税額)は,課税仕入れに係る支払対価の額に105分の4を乗じて算出した金額である(法30条1項括弧書)。 ア申告額 1億0628万5341円本件確定申告書の控除対象仕入税額の金額(別紙1「確定申告」欄の③ の金額)である。 イ控除対象仕入税額に該当しない金額 732万4964円次の(ア)と(イ)の合計金額に法30条1項に基づき105分の4を乗じて算出した金額である。 (計算式)(169,980,300円+22,300,000円)÷105×4=7,324,964円(ア) 本件承諾書取引に係る支払対価の額1億6998万0300円本件承諾書取引は,法上の課税の対象となる取引に当たらず,課税仕入れに該当しないから,原告が,課税仕入れの支払対価の額に含めて申告した金額を減額した。 (計算式)(67,386,000円+3,369,300円)+(94,500,000円+4,725,000円)=169,980,300円(イ) 本件預託金証書の取得に係る取引の支払対価2230万円本件預託金証書取引は,法6条1項に規定する課税資産の譲渡等から除外される取引(非課税取引) 円)=169,980,300円(イ) 本件預託金証書の取得に係る取引の支払対価2230万円本件預託金証書取引は,法6条1項に規定する課税資産の譲渡等から除外される取引(非課税取引)に当たり,課税仕入れに該当しないから,原告が,課税仕入れの支払対価の額に含めて申告した金額を減額した。 (計算式)13,000,000円+9,300,000円=22,300,000円(4) 控除不足還付税額(消費税の還付すべき税額) 981万7737円上記(2)から(3)を控除した金額である。 (計算式)89,142,640円-98,960,377円=-9,817,737円(5) 差引納付すべき消費税額 731万2900円 上記(4)で算出した還付すべき税額981万7737円と原告が申告した還付すべき税額1713万0701円との差額731万2900円が差引納付すべき税額(ただし,国税通則法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)119条1項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。)となる。 (計算式)△9,817,737円-(△17,130,701円)(端数処理)=7,312,900円(6) 地方消費税の課税標準となる消費税額(控除不足還付税額)981万7737円地方税法72条の77第2号及び同法72条の82に基づき,上記(4)の金額となる。 (7) 譲渡割額(還付額)(地方消費税の還付すべき譲渡割額)245万4434円地方税法72条の83に基づき,上記(6)に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (計算式)9,817,737円÷100×25=2,454,434円(8) 差引納付すべき譲渡割額 182万82 6)に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (計算式)9,817,737円÷100×25=2,454,434円(8) 差引納付すべき譲渡割額 182万8200円上記(7)で算出した還付すべき譲渡割額245万4434円と原告が申告した還付すべき譲渡割額428万2675円との差額182万8200円が差引納付すべき譲渡割額(ただし,地方税法20条の4の2第3項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。)となる。 (計算式)△2,454,434円-(△4,282,675円)(端数処理)=1,828,200円(9) 差引納付すべき消費税等の税額 914万1100円上記(5)と(8)の合計額であり,本件更正処分により新たに納付すべき消費 税と地方消費税の譲渡割額の合計額である。 (計算式)7,312,900円+1,828,200円=9,141,100円 2 本件課税期間の過少申告加算税の賦課決定処分の根拠過少申告加算税の額 134万6000円過少申告加算税の額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,上記1(9)の差引納付すべき消費税等の税額914万円(国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)に100分の10の割合を乗じて算出した91万4000円及び同法65条2項の規定に基づき,上記1(9)の差引納付すべき消費税等の税額914万1100円から,同条3項2号の規定により計算される,期限内申告税額△2141万3376円と50万円とのいずれか多い金額である50万円を控除した864万円(国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)に100分の5の割合を乗じて算出し 41万3376円と50万円とのいずれか多い金額である50万円を控除した864万円(国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)に100分の5の割合を乗じて算出した43万2000円の合計134万6000円となる。
▼ クリックして全文を表示