平成26(行コ)418 所得税更正請求に対する通知処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(行ウ)第672号)

裁判年月日・裁判所
平成27年3月19日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文2,650 文字)

- 1 - 平成27年3月19日判決言渡平成26年(行コ)第418号所得税更正請求に対する通知処分取消請求控訴事件主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は,控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 東村山税務署長が控訴人の平成22年分所得税の更正の請求に対して平成24年7月31日付けでした更正をすべき理由がない旨の通知処分(平成24年10月30日付けでした減額更正処分後のもの)を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,不動産貸付業を営む控訴人が,賃貸の用に供している建物の建設資金に係る住宅金融公庫(現在の名称は,独立行政法人住宅金融支援機構。以下「金融公庫」という。)からの融資金について,東京都が実施する東京都優良民間賃貸住宅制度(現在の名称は,東京都優良民間賃貸住宅等利子補給助成制度。以下「本件利子補給制度」という。)に基づく利子補給金の交付を受けていたところ,平成22年4月30日,東京都が実施する都民住宅経営安定化促進助成制度(以下「本件助成制度」という。)に基づき,交付予定の利子補給金の一括交付を受け,この一括交付金(以下「本件一括交付金」という。)を雑所得に係る総収入金額に算入して平成22年分の所得税の確定申告をした後,本件一括交付金は一時所得の総収入金額に算入されるべきであるとして更正の請求(以下「本件更正請求」という。)を行ったところ,処分行政庁が,更正をすべき理由がない旨の通知処分を行い,更にその後,本件一括交付金は不動産所得に該当するとして減額更正処分(以下「本件減額更正処分」といい,本件減額更正処分後の上記通知処分を「本件通知処分」という。)を行ったこと- 2 - から,控訴人が,本件一括交付金は不動産所得に該当せず,一時 て減額更正処分(以下「本件減額更正処分」といい,本件減額更正処分後の上記通知処分を「本件通知処分」という。)を行ったこと- 2 - から,控訴人が,本件一括交付金は不動産所得に該当せず,一時所得に該当するとして,処分行政庁が所属する被控訴人に対し,本件通知処分の取消しを求める事案である。 原審が控訴人の請求を棄却したところ,控訴人が控訴した。 2 本件の関係法令の定め,前提事実,税額等に関する当事者の主張,争点及び争点に関する当事者の主張は,原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の1から5までに記載されたとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決9頁1行目の「乙」の次に「11,」を加え,11頁7行目の「本件」を削り,16頁17行目の「及び船」を「及び舟」に,同行の「端船」を「端舟」に,18行目の「船」を「舟」にそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の本件請求は,理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は,後記2のとおり当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」に記載されたとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決19頁15行目の「本件各利子補給金」を「本件利子補給金」に,20頁7行目の「本件利子補給金」を「本件各利子補給金」に,18行目の「について,」を「を行なう居住者が受ける」に,21頁16行目の「及び船」を「及び舟」にそれぞれ改める。 2 当審における控訴人の主張について (1) 控訴人は,所得税法26条1項の「貸付けによる所得」とは,借主から貸主に移転される経済的利益のうち目的物を使用収益する対価としての性質を有するものをいい,利子補給金は,文言上「貸付けによる所得」に当たらない旨主 税法26条1項の「貸付けによる所得」とは,借主から貸主に移転される経済的利益のうち目的物を使用収益する対価としての性質を有するものをいい,利子補給金は,文言上「貸付けによる所得」に当たらない旨主張する。 しかし,所得税法26条1項の「貸付け(中略)による所得」の「よる」は,因果関係を表す用語であり,「貸付けによる所得」は,文言上,貸付け- 3 - の対価に限定されないし,貸付けの相手方から得られるものに限定されることもない。本件利子補給制度は,東京都が賃貸住宅供給に係る政策目的を実現するため,家賃の額の制限など所定の要件に適合する場合に,融資金の利子補給をし,これに違反したときは利子補給交付決定を取り消すことができることなどを内容とするものであり,その制度の仕組みからすると,利子補給金は,当該賃貸住宅の貸付けをしなければ得ることができないものであるから,その貸付けと因果関係のある収入ということができ,それが上記の制度による制約の下で当該賃貸住宅を賃貸することにより,必要経費である借入金の利子を軽減するものとして支払われることに照らせば,その所得は不動産の貸付けによる所得に当たるというべきである。 (2) 控訴人は,本件利子補給制度に基づく利子補給は,不動産貸付け以前の段階の場面であって,不動産貸付けと当該不動産を建設するための資金援助はあくまで別個のものであり,また,そもそも「業務」とは,事業・商売等に関して日常継続して行う仕事,なすべきわざと定義されるところ,本件利子補給は,交付を受けるものであって「業務」ではなく,したがって,所得税法施行令94条1項にいう「不動産所得を生ずべき業務」には含まれない旨主張する。 しかし,上記のとおり,本件利子補給制度に基づく利子補給は,賃貸住宅が所定の条件で賃貸さ したがって,所得税法施行令94条1項にいう「不動産所得を生ずべき業務」には含まれない旨主張する。 しかし,上記のとおり,本件利子補給制度に基づく利子補給は,賃貸住宅が所定の条件で賃貸されることを前提に行われるもので,不動産の貸付けがされない場合に利子補給をすることは制度上予定されていないし,原判決が,利子補給を所得税法施行令94条1項にいう不動産所得を生ずべき業務であるとしているとの主張は,原判決説示の趣旨を正解しないものであり,採用できない。そして,当審における控訴人のその余の主張を検討しても,前記1の判断を左右しない。 第4 結論 よって,原判決は相当であって,本件控訴は理由がない。 - 4 - 東京高等裁判所第24民事部 裁判長裁判官髙野 伸 裁判官瀬戸口 壯 夫 裁判官田辺暁志

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