平成28年4月20日判決言渡平成25年(行ウ)第744号江戸川スーパー堤防事業仮換地処分取消請求事件 主文 1 原告Aの訴えを却下する。 2 その余の原告らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告B,原告C及び原告A処分行政庁が原告B及び原告Cに対し平成25年7月16日付けでした,別紙1-1「物件目録」記載1の土地について仮換地を指定する処分を取り消す。 2 原告D処分行政庁が原告Dに対し平成25年7月16日付けでした,別紙1-1「物件目録」記載2の土地について仮換地を指定する処分を取り消す。 3 原告E処分行政庁が原告Eに対し平成25年7月16日付けでした,別紙1-1「物件目録」記載3及び4の各土地について仮換地を指定する処分を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,東京都市計画事業α東部土地区画整理事業(以下「本件区画整理事業」という。)に関し,施行者である処分行政庁において,土地区画整理法98条1項に基づき,施行地区内の宅地について仮換地を指定する処分をしたところ,同宅地又はその上に存する建物の所有者であった原告らが,上記処分は,国による高規格堤防の整備(盛土工事)の実現を目的とするものであって,従前とその目的を異にするに至ったのに事業計画の変更手続を経ないでされ,又は同法が定めた目的以外の目的若しくは不当な動機でされた違法なものであるなどと主張して,上記処分のうち自己を相手方とするもの(原告Aを除く原告 ら)又は上記建物の敷地を従前地とするもの(原告A)の取消しを求めている抗告訴訟(処分の取消しの訴え)である。 2 関係法令の定め関係する法令の定めは,別紙2「関係法令の定め」のとおりである。 ら)又は上記建物の敷地を従前地とするもの(原告A)の取消しを求めている抗告訴訟(処分の取消しの訴え)である。 2 関係法令の定め関係する法令の定めは,別紙2「関係法令の定め」のとおりである。以下では,法令及び用語の表記及び略称は,同別紙の定めに従う。なお,特別区は,法令により都が処理することとされているものを除き,市が処理することとされているものを処理する(地方自治法281条2項参照)。 3 前提事実以下に掲げる事実は,当事者間に争いのない事実,顕著な事実又は証拠等により容易に認めることのできる事実である。なお,認定に用いた証拠等は,その旨又はその番号(特に断らない限り枝番を含む。)を各事実の末尾に括弧を付して掲げる。 (1) 当事者ア原告B及び原告Cは,別紙1-1「物件目録」記載1の土地(以下「本件土地1」という。)の共有者(持分各2分の1)である。(争いのない事実,甲14の1,乙12,13)イ原告Dは,別紙1-1「物件目録」記載2の土地(以下「本件土地2」という。)の所有者である。(争いのない事実,甲14の2,乙14)ウ原告Eは,別紙1-1「物件目録」記載3の土地(以下「本件土地3」という。)及び同記載4の土地(以下「本件土地4」という。)の所有者である。(争いのない事実,甲13)エ原告Aは,平成25年7月30日当時,別紙1-1「物件目録」記載5の建物(以下「本件建物」という。)の所有者であった。(甲16の2,甲17の5)オ被告兼処分行政庁(江戸川区。以下単に「被告」という。)は,本件区画整理事業(東京都市計画事業α東部土地区画整理事業)の施行者である。 (争いのない事実)(2) 本件区画整理事業の施行地区ア本件区画整理事業の施行地区(以下「本件施行地区」という。)は,東京都 (東京都市計画事業α東部土地区画整理事業)の施行者である。 (争いのない事実)(2) 本件区画整理事業の施行地区ア本件区画整理事業の施行地区(以下「本件施行地区」という。)は,東京都江戸川区α及び同区βの各一部であり,江戸川区の北部に位置する。 (甲8の3)イ本件施行地区は,都市計画道路放射○号線,補助○号線,F○線,江戸川により囲まれた面積約1.4ha の地区(別紙1-2「区域図」の施行地区界内)である。平成23年3月30日当時の本件施行地区内の現況は,別紙1-3「現況図(イ)」のとおりであった。(甲8の3)ウ本件土地1から4までは本件施行地区内に存する。すなわち,本件土地1は別紙1-2「区域図」の「×-6」の土地,本件土地2は同図面の「×-1」の土地,本件土地3は同図面の「×-9」の土地,本件土地4は同図面の「×-11」の土地である。(争いのない事実,甲8の3)エ平成25年7月16日当時,本件建物は本件土地1上に存した。(甲8の3,甲16の2,甲17の5)(3) 高規格堤防の概要高規格堤防(河川法6条2項)は,「スーパー堤防」と通称され,一般的には,幅が広く(幅が高さの約30倍),緩やかな台地のような形状で盛土がされている堤防のことをいう。そのため,一般的には,高規格堤防が設置されている場合には,計画高水流量を上回る超過洪水が生じたときであっても,越流が斜面を緩やかに流れ,破堤による甚大な被害の発生を免れることができるといわれている。 高規格堤防は,一般の堤防とは異なり,堤防の裏法部が平坦な土地である。 そのため,高規格堤防の敷地である土地の区域内の大部分は,住宅,道路又は公園の敷地等として,通常の利用に供されることが予定されている。(争いのない事実,甲1,2,34,36,37) (4 。 そのため,高規格堤防の敷地である土地の区域内の大部分は,住宅,道路又は公園の敷地等として,通常の利用に供されることが予定されている。(争いのない事実,甲1,2,34,36,37) (4) 国と被告における高規格堤防及び市街地の整備に向けた検討等の状況ア江戸川の概要江戸川は,利根川から分かれ東京湾に注ぐ,延長約60㎞,流域面積約200㎢の河川である。江戸川は,利根川水系に属する一級河川であり,国土交通大臣(以下「国交大臣」という。)が河川管理者である。この国交大臣の権限のうち,河川管理施設の設置に関するものは,河川法98条,河川令53条に基づき,関東地方整備局長(以下では同局を「整備局」といい,同局長を「整備局長」という。)に委任されている。(甲2,弁論の全趣旨)イ工事実施基本計画の改定建設省河川局は,昭和63年3月,利根川水系工事実施基本計画を改定し,江戸川につき高規格堤防の整備を図ることとし,さらに,平成4年4月,同計画を改定し,江戸川について高規格堤防を整備する区間等を定めた。(乙28,30)ウ江戸川区街づくり基本プランの策定江戸川区は,平成11年2月,江戸川区街づくり基本プラン(都市マスタープラン)を策定し,○線沿線等の早くから発展した地域では,狭あいな道路基盤の上に木造密集住宅地が連坦し,防災上の危険性や土地利用の非効率性等の都市問題が顕在化していることから,既成市街地のうち木造密集度の高い地区を「木造住宅密集地域等」に指定し,とりわけ密集度の高い地区から区民と区の協働により整備に取り組むなどとした上で,本件施行地区を木造住宅密集地域等に指定した。(乙25)エ江戸川沿川整備基本構想の策定国土交通省(以下「国交省」という。)整備局,東京都及び被告等の設置した「江戸川沿川整備 どとした上で,本件施行地区を木造住宅密集地域等に指定した。(乙25)エ江戸川沿川整備基本構想の策定国土交通省(以下「国交省」という。)整備局,東京都及び被告等の設置した「江戸川沿川整備基本構想策定委員会」は,平成13年3月,江戸川沿川整備基本構想を策定した。同基本構想は,江戸川(利根川から分流 する地点から河口部等)における高規格堤防及び市街地の整備の指針として,市街地整備等の機会を捉えて高規格堤防の整備を推進する,高規格堤防の整備に当たっては土地利用の状況や自然環境の保全等を考慮するなどの基本的考え方を示した上,整備を推進する地区として10地区,整備の計画づくりを進める地区として3地区,調査・検討を進める地区として30地区を選定した。(乙31)オ江戸川区長期計画の策定被告は,平成14年7月,江戸川区長期計画を策定した。同長期計画は,木造住宅密集地区では,区民と区の協働によるまちづくりを推進し,防災性及び居住環境の向上を図るため,密集住宅市街地整備促進事業(道路や公園等の公共施設等の整備や老朽木造住宅の建替え等を促進する事業)等により細街路の整備を進めるとともに,○線沿線の早くから市街地を形成した地域や木造密集市街地等においては,地域の安全性や快適な住環境づくりをするため,建築物の建替え等の機会を捉え細街路の拡幅整備を図るなどとしたものであり,一層の防災性と水辺環境の向上を図るため,市街地整備に併せ,江戸川等の高規格堤防の整備促進に努める,国や東京都に対し高規格堤防の整備等を要請することとした。(乙26)カ利根川水系河川整備基本方針の策定等国交省河川局は,平成18年2月14日,利根川水系河川整備基本方針を策定し,人口資産が稠密な首都圏を氾濫域に抱えており,氾濫した場合の壊滅的な被害が予想される区 根川水系河川整備基本方針の策定等国交省河川局は,平成18年2月14日,利根川水系河川整備基本方針を策定し,人口資産が稠密な首都圏を氾濫域に抱えており,氾濫した場合の壊滅的な被害が予想される区間について高規格堤防を整備する,首都圏の壊滅的な被害を防止するため江戸川等において高規格堤防を整備することとした。(乙32)他方,被告は,同年12月20日,「江戸川区スーパー堤防整備方針」を策定し,水害対策として,江戸川,荒川及び中川等の沿川に高規格堤防を整備する必要があるとした。(争いのない事実,甲2)。 キ住民に対する説明等被告(土木部沿川まちづくり課推進第一係)は,平成18年6月頃から,本件施行地区を含めたγ地区の住民らに対し,高規格堤防の整備及びまちづくりの必要性又は具体的内容等を記載した「まちづくりニュース」と題する書面を配布するとともに,上記住民らの意見聴取を目的とする意見交換会及び個別懇談会,既に完成した他の地区の高規格堤防及び土地区画整理事業の現場を見学する「スーパー堤防とまちづくり見学会」を実施するなどした。(甲38~54,58)(5) 本件区画整理事業に係る都市計画の決定ア被告は,平成21年7月5日,都市計画法16条1項に基づき,本件区画整理事業の都市計画(以下「本件都市計画」という。)の案につき,都市計画素案説明会を実施した。(争いのない事実)イ被告は,平成21年7月31日,都市計画法19条3項に基づき,本件都市計画につき,東京都知事に協議した。東京都知事は,同年8月19日,これに同意した。(争いのない事実)ウ被告は,都市計画法17条1項に基づき,平成21年9月1日,本件都市計画を決定しようとする旨を公告した上,同日から同月15日までの間,本件都市計画の案を公衆の縦覧に供した。(争 いのない事実)ウ被告は,都市計画法17条1項に基づき,平成21年9月1日,本件都市計画を決定しようとする旨を公告した上,同日から同月15日までの間,本件都市計画の案を公衆の縦覧に供した。(争いのない事実,甲3の4)エ被告は,平成21年10月21日,都市計画法19条1項に基づき,江戸川区都市計画審議会に本件都市計画の案を諮問した。同案には,「事業の実施については,国土交通省の高規格堤防事業と共同で行う予定である」と記載されていた。(争いのない事実,甲3の5)オ江戸川区都市計画審議会は,平成21年11月12日,上記エの案を了承した。(争いのない事実)カ被告は,平成21年11月24日,都市計画法19条1項に基づき,要旨,別紙3-1「本件都市計画の概要」のとおり,本件都市計画を決定し た(以下「本件都市計画決定」という。)。本件都市計画決定には,「密集市街地を改善し,生活環境が向上した安全な市街地を形成するため,上記のとおり土地区画整理事業を決定する。なお,事業の実施については,国土交通省の高規格堤防事業と共同で行う予定である」と記載されていた(別紙3-1の6参照)。(争いのない事実,甲3の1,2)キ被告は,平成21年11月24日,都市計画法20条1項に基づき,本件都市計画決定をした旨を告示した(平成21年江戸川区告示第435号)。 江戸川区長は,同条2項及び都市計画法施行規則12条に基づき,同日から本件都市計画の図書を公衆の縦覧に供した。(争いのない事実,甲3の1)(6) 高規格堤防事業の見直しア内閣府の行政刷新会議ワーキンググループは,平成22年10月28日,社会資本整備事業特別会計に関する事業仕分けを行い,高規格堤防を整備する事業(以下「高規格堤防事業」という。)をいったん廃止するとの意見を取りま 新会議ワーキンググループは,平成22年10月28日,社会資本整備事業特別会計に関する事業仕分けを行い,高規格堤防を整備する事業(以下「高規格堤防事業」という。)をいったん廃止するとの意見を取りまとめた。(争いのない事実,甲5,乙29)イ国交省河川局は,平成22年12月,上記アの事業仕分けを受け,平成23年度においては,中止した場合に住民等の社会経済活動に重大な支障を及ぼすものを除き,高規格堤防事業に予算措置を講じないことを決定した。(争いのない事実,甲6,7)。 ウ被告(土木部沿川まちづくり課推進第一係)は,平成22年11月1日付け「α東部地区まちづくりニュース」(№76)において,次のとおり記載した。(甲39の20)「10月28日に国が行った「事業仕分け」において,「スーパー堤防事業が一旦廃止」と決まったことについて,…様々なご不安の声をいただきました。今まで皆さまにお話ししてきたとおり,この地区は道路が狭く,階段道路や行き止まり道路が存在するなど緊急車両のアクセスも困難なこ と,車両の出入りは市川橋を渡り千葉県から戻ってこなければ地区内に入れないこと,更には昭和56年以前の耐震基準で建てられた住宅(地震時に倒壊する危険性が高い住宅)が密集しているなど多くの課題をかかえています。これらの課題を解消するためにまちづくりを進めてきました。本区は,今後も今までと変わらず地区の皆さまと一緒に…土地区画整理事業を進めてまいります」エ江戸川区長は,平成23年2月17日,江戸川区議会第1回定例会(第2日)において,上記アの事業仕分けに関し次のような答弁をした。(甲52)「かねがね申しておりますように,国土交通省と組んで,とにかく一方では私たちが通常行っている区画整理を事業として進め,そこにこのスーパー堤防事業をか 分けに関し次のような答弁をした。(甲52)「かねがね申しておりますように,国土交通省と組んで,とにかく一方では私たちが通常行っている区画整理を事業として進め,そこにこのスーパー堤防事業をかぶせてやっていきましょうと,こういうことで進めてきたわけでございます」,「国土交通省に,これまで進めてきた延長線上で,とにかく一緒になってやってくれということをいっております」,「スーパー堤防については,私は今まで自らやるということを一回も言ったことはありません。しかも私たちは国のお話を信用していろいろ進めてきたわけでありますから,国がやめると言ったら国の義務違反になると。こういうことでありますから,別に私どもの負うべき責任ではない。つまり国が考え方をきちっと踏襲してもらわなければ困るということを再々強く要請しているわけで,そのことについてもうやめたよということは向こうも言っておりませんから,私たちは粘り強くそれを要求していくと,こういうことになるわけであります」オ国交省の設置した「高規格堤防の見直しに関する検討会」は,平成23年8月11日,高規格堤防事業について,人命を守るということを最重要視し,「人口が集中した区域で,堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」(例えば,海面下地帯や密集した市街地で浸水深 の大きい地域を防護する区間)に大幅に絞り込んで整備することなどを提案した。(乙27)カ国交省水管理・国土保全局(以下「水管理局」という。)は,平成23年12月,平成24年度においては,「人口が集中した区域で,堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」(約120㎞)の高規格堤防事業について,予算措置を講じることを決定した。(乙35)(7) 本件区画整理事業に係る事業計画の決定ア江戸川 決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」(約120㎞)の高規格堤防事業について,予算措置を講じることを決定した。(乙35)(7) 本件区画整理事業に係る事業計画の決定ア江戸川区長は,平成22年5月10日,区整法55条1項に基づき,同日から同月24日までの間,本件区画整理事業の事業計画(以下「本件事業計画」という。)を公衆の縦覧に供した。東京都知事は,上記期間中,同条2項に基づく意見書884通の提出を受けた。なお,本件事業計画の設計の概要には,本件区画整理事業の目的が以下のとおり記載されており,高規格堤防の整備に関する直接の言及はなかった。(争いのない事実,甲8の4~6)「本地区は江戸川沿いの密集市街地であり,道路の幅員は狭小で,かつ行き止まり道路も多く,緊急時の消防車等の進入路や災害時の避難経路を確保する上で課題を抱えているため,生活環境や安全性の面から市街地整備の改善が急がれる地区である。 また,江戸川区街づくり基本プランにおいても,δ地域の将来像は「魅力ある商店と閑静な住宅街が織り成すふれあいの街」とされており,その中で本地区は密集市街地の改善を図り,必要な基盤施設を整備し,一般住宅地を形成するエリアに位置付けられている。 これらの背景のもと,本事業は,都市基盤と住環境の改善を図り,安全・安心で快適なまちづくりを行うことを目的とする」イ江戸川区長は,平成22年11月16日,東京都(都市整備局市街地整備部長)に対し,上記アの意見書について,施行者の見解を示した。同区 長は,この中で,「本地区は,三方を盛土により囲まれた地形条件がまちの課題の要因となっていることから,高規格堤防事業の有無に関わらず,土地区画整理事業の施行にあたっては盛土造成を行い,隣接地との高低差を解消することが必要であ 三方を盛土により囲まれた地形条件がまちの課題の要因となっていることから,高規格堤防事業の有無に関わらず,土地区画整理事業の施行にあたっては盛土造成を行い,隣接地との高低差を解消することが必要である」との見解を示した。(甲8の6,乙34,弁論の全趣旨)ウ東京都は,平成22年12月15日,16日及び19日,区整法55条5項,行政不服審査法25条に基づき,52名について,口頭での意見陳述を実施した。(争いのない事実,弁論の全趣旨)エ江戸川区長は,平成23年1月11日,東京都(都市整備局市街地整備部長)に対し,上記ウの口頭での意見陳述について,施行者の見解を示した。(弁論の全趣旨)オ東京都は,平成23年2月21日,区整法55条5項,行政不服審査法27条に基づき,参考人の陳述を実施した。(争いのない事実)カ東京都知事は,平成23年3月14日,区整法55条3項に基づき,上記アの意見書を東京都都市計画審議会に付議した。同審議会は,同日,上記アの意見書を全て不採択とした。(争いのない事実)キ東京都知事は,平成23年3月30日,区整法52条1項に基づき,本件事業計画において定める設計の概要を認可した。(争いのない事実,甲8の7)ク被告は,平成23年5月17日,区整法52条1項に基づき,要旨,別紙4-1「本件事業計画の概要」のとおり,本件事業計画を決定した(以下「本件事業計画決定」という。)。(争いのない事実,甲8の1,3)ケ被告は,平成23年5月17日,区整法55条9項に基づき,本件事業計画に関する所定の事項を公告する(平成23年江戸川区告示第177号)とともに,同条10項に基づき,本件事業計画の施行地区(本件施行地区)及び設計の概要を表示する図書を公衆の縦覧に供した(同第178号)。 (争いのない事実,甲 成23年江戸川区告示第177号)とともに,同条10項に基づき,本件事業計画の施行地区(本件施行地区)及び設計の概要を表示する図書を公衆の縦覧に供した(同第178号)。 (争いのない事実,甲8の1~3)コ本件事業計画決定の取消しの訴え原告ら外3名は,平成23年11月11日,東京地方裁判所に,本件事業計画決定の取消しを求める訴えを提起した(平成23年(行ウ)第655号江戸川区スーパー堤防事業取消請求事件)。(乙18,顕著な事実)同裁判所は,平成25年12月12日,この請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡し,原告ら(原告Dを除く。)は,東京高等裁判所に控訴を提起した(平成26年(行コ)第5号江戸川区スーパー堤防事業取消請求控訴事件)が,同裁判所は,平成26年10月2日,この控訴をいずれも棄却する旨の判決を言い渡した。原告ら(原告Dを除く。)は,最高裁判所に上告の提起及び上告受理の申立てをした(平成27年(行ツ)第12号,同年(行ヒ)第13号)が,同裁判所は,平成27年11月18日,この上告を棄却するとともに,上記事件を上告審として受理しない旨の決定をした。(乙18~20,顕著な事実,弁論の全趣旨)(8) 高規格堤防事業の見直し後の整備区間の選定ア水管理局治水課長は,平成24年9月3日付けで,関東地方整備局・近畿地方整備局河川部長あて「高規格堤防の整備区間について」(平成24年国水治第71号通知)を発出した。同通知は,「人命を守る」ということを最重視し,そのために必要な区間として,「人口が集中した区域で,堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」とすることにし,その他の区間については高規格堤防の整備は実施せず,必要な堤防強化対策を積極的に実施するものとした。本件施行地区は,上記区間に含まれる ると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」とすることにし,その他の区間については高規格堤防の整備は実施せず,必要な堤防強化対策を積極的に実施するものとした。本件施行地区は,上記区間に含まれるものであった。(乙36)イ整備局は,平成25年1月29日,利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(原案)を公表した上,合計4回の有識者会議を開催し,当該原案について意見を聴いた。また,上記原案について住民から意見募集を行い, 157通の意見書の提出を受けた。そして,同年2月,4会場において前記原案に対する公聴会を開催し,32名から意見を聴いた。その後,同年4月,利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(案)を公表し,関係都知事の意見を聴く手続を実施した。(乙4~9,18)ウ整備局は,平成25年5月15日,利根川水系利根川・江戸川河川整備計画を策定し,江戸川下流部については,堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間について,まちづくり構想や都市計画との調整を図りつつ,高規格堤防の整備を行うこととした。本件施行地区は,上記区間に含まれるものであった。(乙3,18,38)(9) 被告と国による協定の締結ア整備局長と江戸川区長は,平成25年5月30日付けで,「α地区高規格堤防整備事業及びα東部土地区画整理事業に関する基本協定書」(以下「本件基本協定書」という。)を作成し,前者が施行するα地区高規格堤防整備事業(以下「本件堤防事業」という。)と後者が施行する本件区画整理事業及び緑地広場整備事業(以下「本件区画整理事業等」という。)との一体整備(以下「本件共同事業」という。)に関する基本的事項について,協定を締結した(以下「本件基本協定」という。)。本件基本協定書の要旨は,① 協定の範囲は本件施行地区に河川区域を加えた 。)との一体整備(以下「本件共同事業」という。)に関する基本的事項について,協定を締結した(以下「本件基本協定」という。)。本件基本協定書の要旨は,① 協定の範囲は本件施行地区に河川区域を加えた区域とすること(3条),② 協定の範囲のうち盛土に係る施行を国が行い(4条),共同事業に係わる費用負担のうち盛土に要する費用は国がその全額を負担すること(6条),③ 国は,盛土完了後速やかに河川法6条2項の規定に基づく高規格堤防特別区域の指定を行い,河川区域及び高規格堤防特別区域に係わる登記の嘱託を行うこと(11条),④ 換地処分を行うときは,本件協定上の財産区分及び管理区分に基づく権利義務の承継を行うこと(12条)などである。(争いのない事実,甲10)。 イ整備局長と江戸川区長は,平成25年8月8日付けで,「α地区高規格 堤防整備事業及びα東部土地区画整理事業との建物等の移転補償等の費用負担に関する細目協定書」を作成し,本件基本協定書6条に規定する補償に関する費用負担について,細目を定める協定を締結した。(乙40)ウ整備局長と江戸川区長は,平成25年12月6日付けで,「α地区高規格堤防整備事業及びα東部土地区画整理事業に関する施工協定書」を作成し,本件基本協定書4条,6条に規定する本件共同事業に係わる施行区分,費用負担及び工程等について,基本的な事項を定める協定を締結した。同協定4条は,共同事業に関する費用(概算総額13億1535万7000円)のうち,整備局長は10億0539万7000円,江戸川区長は3億0996万円を負担すると定めた。(乙41)(10) 本件区画整理事業に係る仮換地の指定等ア被告は,平成25年7月16日,区整法98条1項に基づき,本件施行地区内の宅地のうち,別紙5「仮換地指定(整理前)」の「仮換地に た。(乙41)(10) 本件区画整理事業に係る仮換地の指定等ア被告は,平成25年7月16日,区整法98条1項に基づき,本件施行地区内の宅地のうち,別紙5「仮換地指定(整理前)」の「仮換地について使用又は収益を開始することができる日別に定めて通知する」土地とされているもの(薄い緑色部分。以下「対象地」という。)について,仮換地を指定した。本件土地1から4までは,対象地に含まれていた(以下では,上記仮換地の指定のうち,本件土地1から4までに係るものを「本件仮換地指定」という。)。(争いのない事実,甲13,乙12~14,18,22)イ被告は,平成25年7月16日,区整法98条5項,99条2項に基づき,対象地の所有者ら(原告B,原告C,原告D及び原告Eがこれに含まれる。)に対し,① 仮換地の位置及び地積,② 従前の宅地について使用し又は収益することができなくなる日(平成25年12月16日であること),③ 仮換地について使用又は収益を開始することができる日(別に定めて通知すること)を通知した。(争いのない事実,甲13,乙12~14,18,22) ウ被告は,平成25年7月23日から同年8月27日までの間,区整法77条2項に基づき,本件施行地区内の建築物等の所有者に対し,所定の期限の後にこれらを除却する旨を通知するとともに,同期限までに自ら除却する意思があるか否かを照会した。被告は,本件建物の所有者である原告Aに対しては,平成25年7月30日に,同年12月16日までにこれらを除却する旨を通知するとともに,同日までに自ら除却する意思があるか否かを照会した。(争いのない事実,甲16,乙18,弁論の全趣旨)エ本件仮換地指定の取消しの訴え原告らは,平成25年11月26日,当裁判所に,本件仮換地指定の取消しを求める本 意思があるか否かを照会した。(争いのない事実,甲16,乙18,弁論の全趣旨)エ本件仮換地指定の取消しの訴え原告らは,平成25年11月26日,当裁判所に,本件仮換地指定の取消しを求める本件訴えを提起した。(顕著な事実)オ被告は,区整法90条に基づき,本件施行地区内の宅地のうち,別紙5「仮換地指定(整理前)」の「使用し,収益を停止する」土地とされているもの(水色部分)について,換地を定めないこととした。そして,被告は,平成26年12月10日までに,区整法100条1項に基づき,上記宅地の所有者に対し,当該宅地について使用し又は収益することを停止させた。(乙18,22,弁論の全趣旨)カ被告は,平成26年12月10日までに,区整法77条7項に基づき,本件施行地区内の全ての建築物等(本件建物を含む。)の除却を完了した。 (争いのない事実,乙10,11,17,18,弁論の全趣旨)(11) 本件区画整理事業に係る事業計画の変更ア被告は,平成26年1月24日,区整法55条13項,1項に基づき,同日から同年2月7日までの間,別紙4-3「本件事業計画の変更の概要」のとおり変更した本件事業計画(以下「本件変更後事業計画」という。)を公衆の縦覧に供した。東京都知事は,上記期間中,同条13項,2項に基づく意見書23通の提出を受けた。なお,上記の変更の理由として,「国土交通省の高規格堤防整備事業と共同事業に関する基本協定を締結した。 よって本事業の実施にあたっては,高規格堤防整備事業との共同事業として行うため,設計の方針及び資金計画の変更を行う」ことなどが挙げられ,「造成計画」の欄に,上記整備事業と共同実施となったことなどの記載が追加された。(争いのない事実,乙15,18)イ東京都知事は,平成27年2月16日,区整法55条1 を行う」ことなどが挙げられ,「造成計画」の欄に,上記整備事業と共同実施となったことなどの記載が追加された。(争いのない事実,乙15,18)イ東京都知事は,平成27年2月16日,区整法55条13項,3項に基づき,上記アの意見書を東京都都市計画審議会に付議した。同審議会は,同日,上記アの意見書を全て不採択とした。(争いのない事実,乙18)ウ東京都知事は,平成27年2月24日,区整法55条12項に基づき,本件変更後事業計画において定める設計の概要を認可した。(乙15,18,弁論の全趣旨)エ被告は,平成27年2月27日,区整法55条12項に基づき,本件変更後事業計画を決定した(以下「本件計画変更決定」という。)。(乙18,弁論の全趣旨)オ被告は,平成27年2月27日,区整法55条13項,9項に基づき,本件変更後事業計画に関する所定の事項を公告するとともに,同条13項,10項に基づき,本件変更後事業計画の施行地区(本件施行地区)及び設計の概要を表示する図書を公衆の縦覧に供した(平成27年江戸川区告示第74号)。(弁論の全趣旨)(12) 盛土工事の実施等ア整備局(江戸川河川事務所)は,平成26年12月頃,本件施行地区において,盛土をする工事(以下「本件盛土工事」という。)を開始した。 (乙17,18,弁論の全趣旨)イ原告らは,平成26年11月12日,東京地方裁判所に,国及び江戸川区を被告として,人格権又は所有権に基づく本件堤防事業に係る工事の差止め,及び国家賠償法1条1項に基づく損害賠償等を求める訴えを提起した(平成26年(ワ)第29852号江戸川区スーパー堤防差止等請求事 件。以下「別件民事訴訟」という。)。(乙18,21,顕著な事実,弁論の全趣旨) 4 主たる争点(1) 本案前の争点(請求1関係 6年(ワ)第29852号江戸川区スーパー堤防差止等請求事 件。以下「別件民事訴訟」という。)。(乙18,21,顕著な事実,弁論の全趣旨) 4 主たる争点(1) 本案前の争点(請求1関係)原告Aは,本件仮換地指定のうち本件土地1に係る部分(以下「本件仮換地指定1」という。)の取消しを求めるにつき「法律上の利益」(行政事件訴訟法9条1項)を有しているか否か。(争点1)(2) 本案の争点(全請求関係)ア本件仮換地指定は,事業計画の変更の手続を経ずにされたことを理由に,違法なものとなるか否か。(争点2)イ本件仮換地指定は,区整法が定めた目的以外の目的又は不当な動機でされたという行政権の濫用を理由に,違法なものとなるか否か。(争点3)第3 主たる争点についての当事者の主張の要旨 1 争点1(原告Aの「法律上の利益」の有無)について(1) 被告の主張原告Aは,そもそも,本件仮換地指定1の相手方(名宛人)ではなく,本件土地1上に存する建築物(本件建物)の所有者にすぎないから,同指定の直接的な効力を受ける者ではない。また,仮に原告Aが本件仮換地指定1より本件建物の除却を受忍すべき地位に置かれるとしても,同除却は既に完了している。 したがって,原告Aは,本件仮換地指定1の取消しを求めるにつき「法律上の利益」を有していない。 (2) 原告Aの主張原告Aは,本件土地1上に存する本件建物を所有していたところ,本件仮換地指定1により本件建物の除却を受忍すべき地位に置かれる(区整法77条参照)から,その取消しを求めるにつき「法律上の利益」を有する。 2 争点2(事業計画の変更手続を欠くという違法の有無)について(1) 原告らの主張本件仮換地指定は,本件事業計画の変更の手続を経ずにされており,違法 つき「法律上の利益」を有する。 2 争点2(事業計画の変更手続を欠くという違法の有無)について(1) 原告らの主張本件仮換地指定は,本件事業計画の変更の手続を経ずにされており,違法である。 ア本件事業計画の変更の必要性があること(ア) 本件堤防事業が本件区画整理事業の目的となることが明らかになったこと土地区画整理事業の事業計画においては,設計の概要を定め(設計説明書を作成し),その中に当該事業の目的を記載しなければならない(区整法6条1項,区整規則6条1項,2項1号)。 本件区画整理事業は,そもそも事業計画を策定する当初から,高規格堤防の整備と市街地整備とを一体的に推進すべく,本件堤防事業と共同して実施することを前提としていたところ,国において高規格堤防事業を廃止するとの判断がいったんは下されたが,再度実施することとされ,本件基本協定の締結により,実質的にも形式的にもこの点が明確となった(同(9)参照)。 本件区画整理事業は,上記のとおり,国における高規格堤防事業の廃止から再度の実施決定まで進行せず,本件基本協定において国が本件施行地区における盛土費用の全額を負担するとされていることからも明らかなように,本件堤防事業との共同実施に基づく国の負担がなければ実施することができないものである。さらに,本件事業計画において施行者の負担とされている費用も,最終的には,全て国又は都の補助金又は交付金により賄われ,被告が独自に負担する部分がない。 本件区画整理事業の「都市基盤と住環境の完全を図り,安全で快適な活力あるまちづくり」という目的(別紙4-1第3の1(1)参照)と,本件堤防事業の治水目的との間に関連性はなく,両事業を共同して実施す ることが本件区画整理事業の目的を達成する手段ではあり得ない。本 るまちづくり」という目的(別紙4-1第3の1(1)参照)と,本件堤防事業の治水目的との間に関連性はなく,両事業を共同して実施す ることが本件区画整理事業の目的を達成する手段ではあり得ない。本件区画整理事業を実施するために盛土が必要であるならば,被告が自ら行うべきであって,国において全面的に行う必要はない。したがって,本件堤防事業の実施は,本件区画整理事業の主要な目的の一つとなったというべきである。 以上によれば,本件事業計画の設計の概要には,本件区画整理事業の目的として,本件堤防事業と共同で実施されることが明記されなければならないが,本件仮換地指定の当時,その旨が記載されていなかった。 (イ) 本件堤防事業により地権者らの土地に重大な権利利益の制約が発生すること本件区画整理事業と本件堤防事業が共同で実施される場合には,本件施行地区内の宅地は,河川区域となる(河川法6条1項2号参照)上,高規格堤防特別区域に指定される(同条2項参照)。この場合には,原則として,工作物の新築等及び土地の掘削等につき河川管理者の許可を得なければならなくなる(同法26条,27条等参照)など,当該宅地に重大な制約が発生する。しかも,この許可は河川管理者においてどのように運用することもでき,当該宅地に対するマイナスイメージになるから,その実勢価格が下落する。 したがって,両事業が共同で実施されるか否かは,当該宅地の所有者らにとって重大な関心事項であり,このことは,事業計画の中に明記されなければならない。 なお,高規格堤防事業と共同実施とされた他の土地区画整理事業(例えばε地区北部土地区画整理事業)においては,いずれも,事業の目的として,共同実施である旨が明記されている。 (ウ) 盛土の実施主体が変更されたこと本件区画整理事業は,被 土地区画整理事業(例えばε地区北部土地区画整理事業)においては,いずれも,事業の目的として,共同実施である旨が明記されている。 (ウ) 盛土の実施主体が変更されたこと本件区画整理事業は,被告が単独で,本件施行地区の全域にわたって 盛土を行うというものであった(別紙4-1第3の1(3)エ参照)。しかし,本件基本協定の締結により,同事業は本件堤防事業と共同して実施され,本件施行地区内における盛土は,第三者である国が行うこととなった。 この点,盛土は,① 人工地盤であるため,固い地盤にするのが難しく,② 材料として残土が使われることが多いため,品質の確保が難しく,③ 元々存在していた地盤との間に大きな性格の違いがある。これらのことから,盛土がされた土地では,地盤の不連続に起因して,不同沈下(構造物の基礎地盤が荷重によって沈下する際に場所により沈下量が異なる現象),斜面崩壊,液状化(地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象)等の様々な災害が発生するおそれがある。しかも,本件施行地区内においては,砂質土による盛土をした場合,その基礎地盤の特質(もっとも,本件区画整理事業において十分に調査が実施されていない。)と相まって,地震が発生したときに盛土層が液状化するリスクがある。加えて,高規格堤防は,排水機能を十分に有していない上,豪雨の際に堤防下に局地的な水害をもたらすなどの問題点がある。 上記のとおり,本件施行地区内における盛土を行う主体が第三者に変更され,これにより同地区内の住民の生命及び身体に被害が生じるおそれがある以上,権利保障及び手続保障の観点から,上記住民は,本件事業計画の変更手続を通じ,上記盛土の安全性を検討し議論する機会を与えられるべきであった。 イ本件事業計画の変更が仮換地の指定までにされるべきこ ,権利保障及び手続保障の観点から,上記住民は,本件事業計画の変更手続を通じ,上記盛土の安全性を検討し議論する機会を与えられるべきであった。 イ本件事業計画の変更が仮換地の指定までにされるべきこと(ア) 仮換地の性質が大きく変わり,不利益が甚大であること本件区画整理事業が,本件堤防事業と共同して実施されるものに変更されれば,盛土造成部分は国の管理する堤防となり,その敷地は河川区域に該当し,また,高規格堤防特別区域に指定されることにより,純粋 な民有地から権利の性質を変え,前述のとおり,従前地にはなかった河川法等により様々な制約が課された土地に変わることとなる。被告による単独事業を前提にされた本件仮換地指定は,原告らに従前地と同様の完全な民有地としての所有権を保障するものであるが,本件堤防事業との共同実施への変更が認可されれば,そのような仮換地の指定は実行不可能となる。 このように,事業計画決定の段階で想定されていない事業の設計の概要に変更が生じた場合には,区整法の規定する変更手続を経た上で,変更後の事業計画に基づき改めて換地計画を立て直してから,仮換地を指定することが必要である。土地区画整理事業の施行地区内の住民にとって,換地処分により従前の宅地に代えてどのような換地が与えられるかは,その財産権及び居住権を保障する観点から,本質的に重要な問題である。 また,仮換地の指定は,仮換地の使用又は収益を可能にする代わりに,従前の宅地の使用又は収益を禁止する(区整法99条1項参照)とともに,施行者に対し,同宅地上に存する建築物の移転又は除却をする権限を与える(同法77条1項参照)という重大な法的効果を有するものであって,地権者らに生じる不利益は甚大であり,また原状を回復することは困難になる。 以上のとおりであるか の移転又は除却をする権限を与える(同法77条1項参照)という重大な法的効果を有するものであって,地権者らに生じる不利益は甚大であり,また原状を回復することは困難になる。 以上のとおりであるから,仮換地が指定される前に事業計画の内容に変更が生じ,本件のようにその変更の有無により住民らの権利に重大な影響を与える場合には,事業計画の変更の手続を経なければ,仮換地を指定することは許されないというべきである。 (イ) 住民参加手続が欠如していること法は,土地区画整理事業が施行地区内の住民の生活及び財産に根本的な変化をもたらすことから,住民の意見を事業計画に反映させるため, 事業計画の決定に至る過程において,計画案を事前に縦覧に供し,住民又は利害関係人に意見書の提出の機会を付与し,これを都市計画審議会で審議するという手厚い住民参加の手続を設けており,事業計画を変更する場合においても,同様の手続を行う旨を定めている(都市計画法17条以下,区整法55条,85条参照)。このような法の趣旨からすれば,事業計画の決定の後,その内容につき,施行地区内の住民の生活又は財産に根本的な変化をもたらし得る変更があった場合には,改めて住民参加の手続を行うため,区整法55条13項に基づき,事業計画の変更を行う必要がある。 しかるに,本件においては,仮換地処分という地権者の権利利益に重大な変更を及ぼす行為の前に,事業計画の変更の場合にとられるべき,上記のような住民参加手続を経ていないという違法がある。 なお,たとえ本件堤防事業に係る河川法上の手続において住民参加の機会が設けられていたとしても,事業計画に反映される手続的な保障は全くなく,土地区画整理法上の各手続等に代替できるものとはいえない。 (ウ) 事業計画の変更が事後的にされても瑕疵が治癒さ 住民参加の機会が設けられていたとしても,事業計画に反映される手続的な保障は全くなく,土地区画整理法上の各手続等に代替できるものとはいえない。 (ウ) 事業計画の変更が事後的にされても瑕疵が治癒されないこと本件区画整理事業においては,本件仮換地指定がされた後,本件計画変更決定がされている。しかし,上記のとおり,仮換地の指定には建築物の除却又は移転等という重大な法的効果が認められており,それに基づき事業を進めるならば,施行地区内の住民の多くが転居を余儀なくされ,その後に事業計画の変更の手続を経たとしても,住民が意見を表明することは困難で,法の定めた住民参加の手続は形骸化する。しかも,違法な仮換地の指定を前提に当該事業が進捗してしまうと,住民の権利救済は著しく制限される。 したがって,本件仮換地指定の上記瑕疵は,本件計画変更決定がされたことによっても,治癒されない。 (エ) 小括以上のとおり,本件区画整理事業においては,遅くとも本件基本協定が締結された時点では,本件事業計画に含まれていなかった内容の変更が生じたから,その変更手続を経なければ,仮換地を指定することは許されない。しかるに,本件仮換地指定は,本件事業計画の変更の手続を経ていないものであるから,違法なものである。 (2) 被告の主張ア本件事業計画の変更の必要性について(ア) 本件区画整理事業の目的について本件区画整理事業が本件堤防事業を実現するために計画されてきた事実はなく,本件基本協定によって高規格堤防事業が本件区画整理事業の「主要な目的」になった事実はない。本件区画整理事業の目的は,「都市基盤と住環境の改善を図り,安全・安心で快適なまちづくりを行うこと」であり,本件基本協定の締結の前後を通じて何ら変わっていない。 被告が,本件区画整 た事実はない。本件区画整理事業の目的は,「都市基盤と住環境の改善を図り,安全・安心で快適なまちづくりを行うこと」であり,本件基本協定の締結の前後を通じて何ら変わっていない。 被告が,本件区画整理事業の実施に当たり,高規格堤防事業との共同実施を目指してきたことについては,争うものではない。共同実施を目指してきたのは,本件施行地区には街づくりの課題があることを前提として,高規格堤防事業と共同して実施すれば,江戸川区にとっての経済的効率性が増す(単独で実施する場合に比べて負担すべき費用が軽減する。)とともに,同区全体の防災力の向上にもつながると考えられたためである。 そして,本件施行地区は,生活環境及び安全性の面で課題を抱えた密集市街地であることから,土地区画整理事業を行う必要のある地区であり,また,三方を盛土に囲まれ,地区外からの車両の進入に支障があることなどから,被告は,土地区画整理事業において盛土が必要であると判断したのであり,上記事業(盛土を含む。)の必要性それ自体は,高 規格堤防事業と共同して実施するか否かによって左右されるものではない。 また,確かに,本件仮換地指定がされた後,国が本件施行地区において本件盛土工事を行っているが,それは,上記のとおり本件区画整理事業の実現には盛土が必要不可欠であることから,被告は,その盛土を国において行うことに合意した結果にすぎない。したがって,本件仮換地指定は,国が当該地で盛土工事を行うことを目的としてなされたのではなく,本件区画整理事業の施行を目的とするものであることに変わりはない。 なお,他の土地区画整理事業の事業計画の記載は,本件事業計画の変更の要否の問題と関係ない。この点,ε地区北部土地区画整理事業は,「都市基盤と住環境の改善を図り,安全で快適な活力ある街づくり い。 なお,他の土地区画整理事業の事業計画の記載は,本件事業計画の変更の要否の問題と関係ない。この点,ε地区北部土地区画整理事業は,「都市基盤と住環境の改善を図り,安全で快適な活力ある街づくり」を目的とするものであり,その効果を高める手段の一つとして,高規格堤防の整備と同時に実施するとしているにすぎず,高規格堤防事業と共同して実施することそれ自体を目的とはしていない。 (イ) 権利利益の制約について本件施行地区内の宅地は,本件堤防事業の実施により,河川区域(河川法6条1項)になるとともに,高規格堤防特別区域(同条2項)に指定されることが想定される。 しかし,高規格堤防特別区域においては,他の河川区域とは異なり,宅地として利用する上で支障となるような制限は生じない(河川法26条1項,3項,27条2項,河川令15条の2,15条の3,15条の5等参照)上,同区域に指定されることにより,同区域内の宅地の価格が下落するともいえない。なお,国は,これまで,江戸川沿川の高規格堤防特別区域について,河川法26条1項に基づく申請を不許可としたことはない。 仮に本件施行地区が高規格堤防特別区域に指定されることによって同地区内の宅地につき権利の制約が生じたとしても,その制約は,あくまで本件堤防事業によって生じるものである。そして,そもそも,同事業の実施主体は国であるから,本件事業計画に本件堤防事業と共同して実施する旨を付加する変更の手続をしたとしても,本件堤防事業の是非を問う実質的な意見表明の機会とはなり得ない。 (ウ) 盛土の実施主体について原告らは,土の実施主体が変更することに伴って,盛土の安全性について改めて住民参加による検討議論が必要であると主張するが,そもそも,区整法は,事業計画において,施行地区内において行 体について原告らは,土の実施主体が変更することに伴って,盛土の安全性について改めて住民参加による検討議論が必要であると主張するが,そもそも,区整法は,事業計画において,施行地区内において行う盛土の具体的な工法等を定めなければならないとはしていない。 また,本件基本協定の締結により,本件施行地区内における盛土(本件盛土工事)は,本件区画整理事業とは別個の本件堤防事業として行われることになったが,被告は,国の担当者から,本件盛土工事に関し,宅地を造成するにつき必要な安全性が確保されると説明を受けていたことから,これを踏まえて,本件基本協定を締結し,本件計画変更決定をしたのである。 イ事業計画の変更と仮換地の指定との関係について(ア) 区整法55条13項は,事業計画の変更は仮換地の指定の前にしなければならないとは定めておらず,他にその旨を定めた規定もないから,仮換地の指定より前に事業計画の変更がされなかったからといって,仮換地の指定が違法になることはない。 (イ) 仮換地の性質の変更について本件区画整理事業における盛土の内容は,本件基本協定の締結前は,被告が単独で周囲との高低差を解消するというものであり(別紙4-1第3の1(3)エ参照),同締結後は,国が高規格堤防を整備するための盛 土をした後,被告がその上を宅地として造成するというものであって,その前後で盛土の形状は全く変わらず,仮換地の位置及び地積にも影響はない。 したがって,本件基本協定が締結され,本件区画整理事業と本件堤防事業を共同して実施するとされたことは,本件仮換地指定に何らの影響を及ぼすものではない。 (ウ) 住民参加の機会について本件施行地区が高規格堤防事業の対象地区となることについては,同事業に係る河川法上の手続において,住民参加 は,本件仮換地指定に何らの影響を及ぼすものではない。 (ウ) 住民参加の機会について本件施行地区が高規格堤防事業の対象地区となることについては,同事業に係る河川法上の手続において,住民参加の手続が設けられていた。 すなわち,本件施行地区に高規格堤防を整備する旨の利根川水系利根川・江戸川河川整備計画の策定に当たっては,河川法16条の2の規定に基づき,有識者会議,関係都道府県会議,住民意見の募集,公聴会の開催を経たものであり,住民等から意見を述べる機会が与えられていた。 ウ小括以上のとおり,本件仮換地指定は,本件事業計画の変更の手続を経ずにされたものであるとしても,適法なものである。 3 争点3(行政権の濫用による取消しの可否)について(1) 原告らの主張本件仮換地指定は,区整法が定めた目的以外の目的又は不当な動機により,行政権を濫用してされた違法なものである。 ア法律が定めた目的以外の目的ないし不当な動機で行われた処分は違法であること法治主義(法律による行政の原理)の帰結として,行政権は,これを授権する法律の趣旨,目的に沿って行使されなければならない。したがって,行政処分が,法律が定めた目的以外の目的又は不当な動機でされた場合には,たとえ客観的に要件を満たしていたとしても,行政権を濫用したもの として違法であり,取り消されるべきである(最高裁昭和53年5月26日第二小法廷判決,最高裁昭和53年6月16日第二小法廷判決等参照)。 そして,上記の目的又は動機は,行政過程全体を通じて観察される実質的なものでなければならず,単に処分時に理由とされた事情のみを考慮すれば足りるものではない。 イ高規格堤防事業について(ア) 高規格堤防事業には地権者の同意が必要であること高規格堤防事業は,その完成 ければならず,単に処分時に理由とされた事情のみを考慮すれば足りるものではない。 イ高規格堤防事業について(ア) 高規格堤防事業には地権者の同意が必要であること高規格堤防事業は,その完成により,対象区域内の宅地の所有者らの権利利益に重大な制限を加えることとなるが,河川法その他の法令上,このような制限を正当化する権限又は行政処分が設けられておらず,上記所有者らに対する補償を定めた規定もない。 また,高規格堤防事業は,河川工事(河川法8条)に当たるため,河川管理者がこれを実施するためには,対象区域の土地の使用権原を取得する必要があり,河川法は,当該土地の所有者らの同意を得ることなく,上記事業を施行することができるとは定めていない。 したがって,高規格堤防事業は,あくまで,対象区域内の宅地の所有者らの同意がある場合にのみ,実施することができるというべきである。 実際にも,これまでに実施された高規格堤防事業は,いずれも,対象区域内の宅地の所有者の同意を得ている。 (イ) 国が本件堤防事業のための工事をする権原がないこと被告は,国による本件盛土工事は,区整法100条の2に基づく被告の管理権限に基づき,国との間で行うことを合意した結果であると主張する。 しかし,区整法100条の2は,仮換地の指定によって使用又は収益をすることができる者のなくなった従前の宅地については,施行者がこれを「管理」すると定めているところ,「管理」とは,一般に「変更」 「処分」と対比される概念であり,その性質を変更しないで利用又は改良する行為を指すにとどまる上,法律の構造からしても,区整法80条が従前の宅地(区整法100条の2と同一の対象)の「工事」に関する権限を定めていることからすれば,区整法100条の2にいう「管理」には,「工事」に相当 とどまる上,法律の構造からしても,区整法80条が従前の宅地(区整法100条の2と同一の対象)の「工事」に関する権限を定めていることからすれば,区整法100条の2にいう「管理」には,「工事」に相当する行為は含まれないと解するべきである。このことは,区整法100条の2が,従前は管理権の所在が明確でなかった公共施設予定地(将来公共施設の用に供される予定の土地)又は保留地予定地(換地処分後に保留地として処分される予定の土地)等の仮換地が指定されない土地について,施行者がその管理を行う(具体的には,事業の目的に沿って維持管理し,又は事業施行のために第三者に使用収益させる)旨を明確化するために設けられ,区整法80条が,専ら土地区画整理事業の工事の施行に関する規定に改められたという立法経緯(昭和34年3月24日衆議院建設委員会第21号)からも裏付けられる。 そうすると,そもそも,区整法100条の2にいう「管理」には,「工事」に相当する行為,すなわち,従前の宅地の形質の変更を伴う行為は含まれないのであって,施行者は,同条に基づき,そのような行為を第三者に行わせることはできない。 しかるところ,本件盛土工事は,本件施行地区内において最大7mの大規模な盛土を行い,宅地の形質を大幅に変更する行為であるから,上記「管理」に当たらず,国は,同条に基づく管理権を根拠に,同工事を実施することはできない。 ウ本件仮換地指定が違法であること(ア) 高規格堤防事業との共同実施事業においては任意の同意なくして仮換地指定を行うことができないこと土地区画整理事業が,単体として行われるのではなく,高規格堤防事 業と共同して実施される場合,土地区画整理事業に基づく仮換地の指定は,区画整理のための手段であると同時に,高規格堤防整備のための工事実現のた 業が,単体として行われるのではなく,高規格堤防事 業と共同して実施される場合,土地区画整理事業に基づく仮換地の指定は,区画整理のための手段であると同時に,高規格堤防整備のための工事実現のために必要な住民立退きのための手段としての実質を有することになる。しかるに,高規格堤防事業は,地権者の同意に基づき任意に実施されなければならないことは上記のとおりである。 また,区整法上,仮換地の指定は,あくまで土地区画整理事業を実現するための手段として位置付けられている。仮換地の指定とこれに基づく建物の除却が行われたとしても,これによって生じた空地上において地権者らの同意なく工事が可能なのは,施行者による土地区画整理事業の工事にすぎず(区整法80条),高規格堤防事業のための工事を河川管理者が行うことはできない。 したがって,土地区画整理事業が高規格堤防事業と共同で実施される場合においては,地権者らが高規格堤防事業の実施について同意していない限り,土地区画整理事業の施行者は仮換地を指定してはならない。 同意なく行われた仮換地の指定は,法令の目的に反する不法な動機による処分であり,違法なものとして取消しを免れない。 (イ) 仮換地処分は重大な権利利益の侵害を伴うこと仮換地の指定は,地権者による従前地の使用及び収益を停止し(区整法99条1項),施行者に対して従前の宅地上に存する建築物等を除却する権限を付与する強制力を持った処分である(区整法77条1項)。 しかも,本件仮換地指定は,居住又は営業等の場所が従前の宅地から仮換地へ直接移転するという原則的な形態(直接移転型)ではなく,特別の事情があることを理由に,仮換地の使用又は収益の開始日を別に定めるとして,従前の宅地と仮換地の両方を使用できない期間(中断期間)を作出し,同期間に建築物等を除 的な形態(直接移転型)ではなく,特別の事情があることを理由に,仮換地の使用又は収益の開始日を別に定めるとして,従前の宅地と仮換地の両方を使用できない期間(中断期間)を作出し,同期間に建築物等を除却し,仮換地を使用できるようになった時点で建築物等を再築するという例外的な形態(中断移転型)のもの である(区整法99条2項)。その結果,本件施行地区内の宅地の所有者らは,長く住み慣れた住宅を取り壊した上,当面の間,地区外への移転を強いられるという著しい不利益を被る。このような重大な権利利益の制約を伴う本件仮換地指定については,処分が法律の趣旨,目的に適合して行われたか否かを慎重に判断すべきである。 (ウ) 被告の認識上記の問題点については,国交省と関連の深い公益財団法人が研究論文において指摘しており,被告が本件区画整理事業を本件堤防事業とはあえて別の事業としていることなどからすれば,被告も認識していたというべきである。 被告は,国による高規格堤防整備のための盛土工事を実現するために,仮換地の指定を活用するという,区整法が定めた目的以外の目的又は不当な動機に基づいて,本件仮換地指定をしたのであり,国による違法行為に加担したといえる。 エ小括以上のとおり,本件仮換地指定は,区整法が定めた目的以外の目的又は不当な動機により,行政権を濫用してされた著しく違法なものであって,取り消されるべきである。 (2) 被告の主張ア高規格堤防事業について(ア) 地権者の同意について上記の点に関する国の見解は,おおむね以下のとおりである。 河川管理施設は,河川管理者の認定等の行為を必要とせず,河川法3条2項により当然に定まり,河川管理者が「堤防…その他河川の流水によって生ずる公利を増進し,又は公害を除却し,若しくは軽減 である。 河川管理施設は,河川管理者の認定等の行為を必要とせず,河川法3条2項により当然に定まり,河川管理者が「堤防…その他河川の流水によって生ずる公利を増進し,又は公害を除却し,若しくは軽減する効用を有する施設」を設置すれば,当該施設は,特段の認定行為を介さず,当然に 河川管理施設に該当する。また,その敷地は,特段の指定行為を介さず,当然に河川区域に該当し(6条1項2号参照),権利の制約を受ける(26条,27条等参照)。そして,河川管理施設及び河川区域に該当するための要件として,その敷地となる土地の所有者等の同意を得ることは求められていない。 したがって,河川管理者は,高規格堤防を整備するに当たっては,盛土を行う土地を使用する権原を取得すれば足り,当該土地の所有権を取得すること又は高規格堤防を設置することそれ自体について,当該土地の所有者の同意を得る必要はない。 (イ) 国が高規格堤防整備のための工事をすることができること被告は,本件施行地区内の宅地について,区整法100条の2に基づく広範な管理権を有するから,本件区画整理事業の施行のために必要な範囲内において,第三者に使用収益させることができる。 区整法100条の2は,使用収益することができる者がなくなった従前の宅地を管理権の対象としているが,その範囲を限定していないから,仮換地の使用収益の開始日を別に定めた従前の宅地(区整法99条2項参照)についても,その対象となる。 区整法100条の2にいう「管理」は,区整法独自の概念であり,土地区画整理事業の目的に沿ってその施行に必要な範囲内において行うという広い意味を持つから,土地の維持運営にとどまらず,その形状を変更する行為も含むと解される。そして,区整法80条は,土地区画整理事業に含まれない工事を行う権限に の施行に必要な範囲内において行うという広い意味を持つから,土地の維持運営にとどまらず,その形状を変更する行為も含むと解される。そして,区整法80条は,土地区画整理事業に含まれない工事を行う権限に言及していないから,施行者は,そのような工事をおよそ行えないとはいえない。そうすると,施行者は,土地区画整理事業それ自体には含まれない工事であっても,それが土地区画整理事業の目的に沿ってその施行に必要な範囲内において行われるものである限り,区整法100条の2所定の管理権に基づき,これを自 ら行い又は第三者に行わせることができる。 しかるところ,本件区画整理事業の目的及び内容が,一貫して,周囲との高低差を解消するため,本件施行地区の形状を変更して傾斜地とすることにあるから,本件施行地区に盛土をする本件盛土工事は,同事業の内容を実現するために必要不可欠なものである上,その目的に沿った合理的なものということができる。そうすると,被告は,区整法100条の2所定の管理権に基づき,本件盛土工事を第三者である国に行わせることができる。 したがって,国は,本件堤防事業(本件盛土工事)を実施するに当たり,本件施行地区内の宅地につき,区整法100条の2所定の管理権を有する被告との本件基本協定(前提事実(9)ア参照)に基づき,これを使用する権原を有する。 イ本件仮換地指定が適法であること(ア) そもそも,土地区画整理事業の施行者は,同事業と高規格堤防事業が共同して実施される場合において,施行地区内の宅地の所有者の同意を得なければ仮換地の指定をすることができないと解すべき法令上の根拠はない。 しかも,本件仮換地指定は,高規格堤防の整備を目的とするものではなく,本件区画整理事業の実現を目的とするものである。また,上記のとおり,国は,本件堤防 ができないと解すべき法令上の根拠はない。 しかも,本件仮換地指定は,高規格堤防の整備を目的とするものではなく,本件区画整理事業の実現を目的とするものである。また,上記のとおり,国は,本件堤防事業の対象区域である本件施行地区内の土地を使用する権原を取得しており,本件盛土工事を適法に実施している。 したがって,本件仮換地指定は,国による違法な本件堤防事業(本件盛土工事)を可能ならしめるという目的又は動機によりされたものではない。 (イ) 被告は,都市計画法13条1項柱書に基づき,河川に関する国の計画(具体的には,利根川水系工事実施基本計画,利根川水系河川整備基 本方針)に適合するよう本件都市計画決定をし,これに基づいて本件事業計画決定及び本件仮換地指定をした。 しかも,被告は,本件堤防事業が適法に実施されているという前提で,これと本件区画整理事業とを共同して実施することが同項の趣旨に沿うと判断したことから,本件基本協定を締結した上,本件仮換地指定をした。 したがって,本件仮換地指定は,国の違法行為に加担する目的又は動機でされたものでないのみならず,本件堤防事業の実現に寄与するところがあるとしても,違法又は不当な目的又は動機でされたと評価することもできない。 (ウ) 以上のとおり,本件仮換地指定は,区整法の目的以外の目的又は不法な動機によりされたものではない。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(原告Aの「法律上の利益」の有無)について前提事実(10)イのとおり,原告Aは,本件仮換地指定1の相手方(名宛人)とはされていない。 もっとも,前提事実(1)エのとおり,原告Aは,本件仮換地指定1がされた平成25年7月16日当時,本件土地1(従前の宅地)上に存する本件建物(建築物等)の所有者であったことが認められる いない。 もっとも,前提事実(1)エのとおり,原告Aは,本件仮換地指定1がされた平成25年7月16日当時,本件土地1(従前の宅地)上に存する本件建物(建築物等)の所有者であったことが認められる。そして,本件仮換地指定1は,本件区画整理事業の施行者である被告に対し,必要がある場合において,本件建物を移転し又は除却する権限を付与するという法的効果を有する(区整法77条1項参照)。したがって,原告Aは,本件仮換地指定1がされた当時においては,これにより自己の所有権を必然的に侵害されるおそれのある者として,その取消しを求めるにつき「法律上の利益」(行政事件訴訟法9条1項参照)を有していたということができる。 しかし,前提事実(10)オのとおり,本件建物は,遅くとも平成26年12月 10日までに除却され,その所有権が不可逆的に消滅したものと認められる。 そうすると,原告Aは,現時点では,本件仮換地指定1を取り消しても,最早,本件建物の所有権を保全し又は回復することができない。 したがって,原告Aは,現時点では,本件仮換地指定1の取消しを求めるにつき「法律上の利益」を失っているというほかはない。 2 争点2(事業計画の変更手続を欠くという違法の有無)について(1) 原告らは,土地区画整理事業において,仮換地が指定される前に事業計画の内容に変更が生じた場合には,事業計画の変更の手続を経なければ,仮換地を指定することは許されない旨を主張する。 (2) 事業計画(設計の概要)の変更の必要性についてア区整法等の定め施行者(市町村である場合。以下同じ。)は,土地区画整理事業を施行しようとする場合においては,施行規程及び事業計画を定め,その事業計画において定める設計の概要について都道府県知事の認可を受けなければならない(区整法5 場合。以下同じ。)は,土地区画整理事業を施行しようとする場合においては,施行規程及び事業計画を定め,その事業計画において定める設計の概要について都道府県知事の認可を受けなければならない(区整法52条1項)。この設計の概要は,当該事業の目的,施行地区内の宅地の減歩率(当該事業の施行後における宅地(保留地を除く。)の地積の合計の施行前における宅地の地積の合計に対する割合)等を記載した設計説明書及び設計図(縮尺1200分の1以上)を作成して定めなければならない(区整法54条,6条1項,区整規則6条)。 また,施行者は,事業計画において定めた設計の概要を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)においては,その変更について,都道府県知事の認可を受けなければならない(区整法55条12項)。区整令4条の2は,上記の軽微な変更として,区整令4条1項各号(設計の概要には含まれない4号及び9号に係る事項を除く。)に掲げるものとしている。 そして,施行者が事業計画を定め又はこれを変更しようとする場合にお いては,市町村長は,あらかじめ事業計画(変更に係るものを含む。以下同じ。)を都道府県知事に送付した上,その事業計画を2週間公衆の縦覧に付しなければならない(区整法55条1項,13項。ただし,政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除くとされ,区整令4条1項は,事業施行期間や資金計画の変更が軽微な変更に当たるものとしている。)。 他方,利害関係者は,その事業計画に意見がある場合においては,所定の期間内に都道府県知事に意見書を提出することができ(区整法55条2項,13項),都道府県知事は,意見書の提出があった場合においては,これを都道府県都市計画審議会に付議しなければならない(同条3項,13項)。 イ河 に意見書を提出することができ(区整法55条2項,13項),都道府県知事は,意見書の提出があった場合においては,これを都道府県都市計画審議会に付議しなければならない(同条3項,13項)。 イ河川法等の定め河川管理施設である堤防の敷地である土地の区域は,河川区域に当たる(河川法3条2項,6条1項2号)が,河川管理者は,高規格堤防の敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域を高規格堤防特別区域として指定するものとされている(同条2項)。 河川区域内の土地については,これを占用しようとする者は,河川管理者の許可を受けなければならず(河川法24条),また,河川区域内の土地において,土石を採取し,工作物を新築し,改築し,若しくは除却し,又は土地の掘削,盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為若しくは竹木の植栽若しくは伐採をしようとする者は,原則として,河川管理者の許可を受けなければならない(河川法25条,26条1項,27条1項)。 これに対し,(ア) 高規格堤防特別区域内の土地は,通常の利用に供されることとされており(河川法6条2項),河川管理者以外の者がその権原に基づいて管理する土地に当たるから,これを占用しようとする者は,河川管理者の許可を受けることを要しない(河川法24条かっこ書)。 そして,(イ) 高規格堤防特別区域内の土地においては,① 基礎ぐい,電柱その他棒状の工作物で地下に設けられることとなる部分以外の土地の掘削を伴わずに鉛直方向に設置されるものであって,高規格堤防の水の浸透に対する機能を減殺するおそれのないものの新築又は改築,② 上記①の工作物並びに用排水路その他の通水施設及び池その他の貯水施設で漏水のおそれのあるもの以外の工作物の地上又は地表から1m以内の地下における る機能を減殺するおそれのないものの新築又は改築,② 上記①の工作物並びに用排水路その他の通水施設及び池その他の貯水施設で漏水のおそれのあるもの以外の工作物の地上又は地表から1m以内の地下における新築又は改築,③ 工作物の地上における除却又は工作物の地表から1m以内の地下における除却で当該工作物が設けられていた土地を直ちに埋め戻すものについては,河川管理者の許可を受けることを要しない(河川法26条2項,河川令15条の2,15条の3)。さらに,河川管理者は,高規格堤防特別区域内の土地における工作物の新築,改築又は除却(上記①から③まで以外のもの)について許可の申請があった場合においては,その申請に係る工作物の新築,改築又は除却が高規格堤防としての効用を確保する上で支障を及ぼすおそれのあるものでない限り,これを許可しなければならない(河川法26条3項)。 また,(ウ) 高規格堤防特別区域内の土地においては,① 上記(イ)①の行為のためにする土地の掘削又は地表から1.5m以内の土地の掘削で当該掘削をした土地を直ちに埋め戻すもの,② 盛土,③ 土地の掘削,盛土及び切土以外の土地の形状を変更する行為,④ 竹木の栽植又は伐採については,河川管理者の許可を受けることを要しない(河川法27条2項,15条の5)。 ウ検討上記アのような事業計画(設計の概要)の変更に関する区整法等の定めは,変更を予定している事業計画の内容が,事業の完成に伴い,従前の宅地に係る所有権者等の権利に軽微とはいえない影響を与えることになる場合には,事業計画を新たに定める場合と同様の縦覧等の手続を経るととも に,設計の概要については,再度,都道府県知事の認可を経ることとして,その保護を図る趣旨で設けられたものと解される。このような趣旨に照らせば,施行者は,予定 と同様の縦覧等の手続を経るととも に,設計の概要については,再度,都道府県知事の認可を経ることとして,その保護を図る趣旨で設けられたものと解される。このような趣旨に照らせば,施行者は,予定している設計の概要の変更が,事業の完成に伴い,従前の宅地に係る所有権者等の権利に軽微とはいえない影響を与えることになる場合においては,事業計画において定めた設計の概要を変更し,上記の手続を経る必要があるものと解される。 これを本件についてみると,平成23年3月30日に認可された本件事業計画における設計の概要においては,本件区画整理事業における盛土造成が高規格堤防事業と共同して実施されるものである旨の記載は存在していなかったが,平成25年5月30日付けで締結された本件基本協定により,本件区画整理事業と高規格堤防事業との一体整備(共同事業)が行われることが明らかにされ(前提事実(7)ア,(9)ア),これに伴い,本件区画整理事業の完成に伴い,高規格堤防が完成した場合には,換地処分後の換地が河川区域となり,河川法上の高規格堤防特別区域の指定がされることが現実的に予定される状況となった。しかるところ,上記イによれば,高規格堤防が完成し,その敷地が高規格堤防特別区域に指定されると,当該敷地においては,河川法により,その使用及び収益等(工作物の新築等,土地の掘削等)につき一定の制約を受けるが,その制約は,河川区域内の土地一般に生じる制約に比べれば重大であるとまではいえないが,一概に軽微なものともいえないと解される。 そうすると,本件区画整理事業に関して本件基本協定が締結されたという点は,事業の完成に伴い,従前の宅地の所有者等の権利に軽微とはいえない影響を与えることとなるから,被告は,上記の点について,本件事業計画における設計の概要を変更する必要が 基本協定が締結されたという点は,事業の完成に伴い,従前の宅地の所有者等の権利に軽微とはいえない影響を与えることとなるから,被告は,上記の点について,本件事業計画における設計の概要を変更する必要があるというべきである。 しかるに,被告は,所定の縦覧,認可等の手続を経て,平成27年2月27日,本件事業計画の変更を決定したところ(前提事実(11)),本件変 更後事業計画の内容は,「土地区画整理事業の目的」欄には変更がないものの,「造成計画」欄において,本件堤防事業との共同実施となった旨の変更記載がある。これは,土地区画整理事業として公共施設(河川)たる堤防の築造を行うことまではせず,本件区画整理事業と本件堤防事業とは別個の事業であることを前提として,これらの事業を共同して実施し,一体整備を行うという趣旨のものと解されるところ,本件区画整理事業に関する上記のような変更の必要性を踏まえたものということができる(なお,ε北部土地区画整理事業の事業計画(甲12)においては,「土地区画整理事業の目的」欄に高規格堤防整備事業に関する言及がされているが,土地区画整理事業と同時に実施するとの記載があることからすると,本件変更後事業計画と同様,別個の事業であることを前提としつつ,共同して実施する趣旨であると解される。)。 原告らの主張のうち,以上と異なる部分は,採用することができない。 (3) 事業計画(設計の概要)の変更と仮換地指定処分との関係についてア区整法の定め等施行者は,換地処分を行う前において,土地区画整理事業に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合において,施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる(区整法98条1項)。そして,仮換地が指定された場合においては,従前の がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合において,施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる(区整法98条1項)。そして,仮換地が指定された場合においては,従前の宅地について権原に基づき使用し又は収益することができる者は,仮換地の指定の効力発生の日(仮換地の使用又は収益を開始することができる日(以下「使用収益開始日」という。)を別に定めた場合においては,その日)から換地処分の公告がある日まで,仮換地について,従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができ,従前の宅地については,使用し又は収益することができない(区整法99条,103条4項)。この場合において,施行者又はその命 じた者若しくは委任した者は,使用し又は収益することができる者のなくなった従前の宅地について,その宅地の所有者及び占有者の同意を得ることなく,土地区画整理事業の工事を行うことができる(区整法80条)。 なお,仮換地の指定のうち土地区画整理事業に係る工事のため必要があるとしてされるもの(以下「工事目的の仮換地指定」という。)には,純粋に工事のための必要に基づくもので当該仮換地を将来換地とすることを予定しないで指定するものと,当該仮換地を換地の予定地として指定するものとがあるが,後者は,換地処分で予定された法的効果を仮に実現するという性格を有するということができる(最高裁昭和59年(行ツ)第70号同61年2月24日第二小法廷判決・民集40巻1号69頁参照)。 もっとも,工事目的の仮換地指定は,換地予定地的なものであっても,換地計画に基づくことを要しないと解される(最高裁昭和57年(行ツ)第128号同60年12月17日第三小法廷判決・民集39巻8号1821頁参照)。 イ検討上記の 予定地的なものであっても,換地計画に基づくことを要しないと解される(最高裁昭和57年(行ツ)第128号同60年12月17日第三小法廷判決・民集39巻8号1821頁参照)。 イ検討上記のとおり,仮換地の指定は,土地区画整理事業に係る工事のため必要がある場合(工事目的の仮換地指定)又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合に当たることを要件として行われ,また,その直接の効果は,権原に基づいて従前の宅地を使用し又は収益することができる者に対し,従前の宅地の使用又は収益を禁止するとともに,換地処分の公告がある日までの間,一時的に,仮換地を使用し又は収益することを許容するというもの(使用収益開始日を別に定めるものについては,その日までの間,仮換地の使用を禁止するというもの)であるところ,事業計画(設計の概要)の変更に伴い,上記の要件の充足性を欠くことになる場合や,当該変更と整合するように仮換地の具体的内容を変更することが必要となる場合には,従前の仮換地の指定をそのまま維持することはできず, 事業計画と整合的に変更する必要があると解される。 これを本件についてみると,前提事実(10)によれば,本件仮換地指定は,換地計画に基づかずにされたものであり,使用収益開始日を別に定めて本件施行地区内の全ての建築物を除却したことなどに照らすと,工事目的の仮換地指定であると認められる。そして,本件基本協定の締結により,本件区画整理事業における盛土造成が高規格堤防事業と共同して実施されることに変更されたとしても,本件区画整理事業における盛土造成工事のため必要があるという工事目的の仮換地指定の要件に欠けることにはならないし,上記の変更と整合するように本件仮換地指定における仮換地の具体的内容(位置や地積)を変更することが必要となるとも 造成工事のため必要があるという工事目的の仮換地指定の要件に欠けることにはならないし,上記の変更と整合するように本件仮換地指定における仮換地の具体的内容(位置や地積)を変更することが必要となるとも認められない。 そうすると,上記(2)のとおり,本件基本協定の締結により,本件事業計画(設計の概要)を変更する必要が生じていたとしても,その変更を経ない段階でされた本件仮換地指定が違法であるということはできない。これと異なる原告らの主張は採用することができない。 (4) 小括以上のとおりであるから,本件仮換地指定は,本件事業計画の変更の手続を経ずにされたことを理由に,違法であるということはできない。 3 争点3(行政権の濫用による取消しの可否)について(1) 原告らは,① 国は本件施行地区において高規格堤防整備のための工事をする権原がなく,従前の宅地の所有者らの同意が必要であると主張した上で,② 本件仮換地指定は,①の点で違法な本件堤防事業(本件盛土工事)を実施しようとする国に加担し,これを可能ならしめるための手段であり,区整法の目的以外の目的又は不法な動機により,行政権を濫用してされた違法なものであって,取り消されるべきである旨を主張する。 これに対し,被告は,河川管理者は高規格堤防の整備に当たり敷地となる土地の使用権原を取得すれば足りるところ,江戸川の河川管理者である国は 上記宅地につき管理権(区整法100条の2)を有する被告との本件基本協定に基づき,本件堤防事業を実施するに当たり上記宅地を使用する権原を有する旨を主張する。 (2) 国の本件堤防事業に係る土地使用権原の存否についてア区整法の定めと改正の経緯等区整法100条の2は,「第98条第1項の規定により仮換地…を指定した場合…において,それらの処分に (2) 国の本件堤防事業に係る土地使用権原の存否についてア区整法の定めと改正の経緯等区整法100条の2は,「第98条第1項の規定により仮換地…を指定した場合…において,それらの処分に因り使用し,又は収益することができる者のなくなった従前の宅地…については,当該処分に因り当該宅地…を使用し,又は収益することができる者のなくなった時から第103条第4項の公告がある日までは,施行者がこれを管理するものとする」と定める。 区整法100条の2は,昭和34年法律第90号により追加された規定である。すなわち,同法律による改正前の区整法80条は,「第98条第1項の規定により仮換地…を指定した場合…において,それらの処分に因り使用し,又は収益することができる者のなくなった従前の宅地…については,…施行者又はその命じた者若しくは委任した者は,その宅地の所有者及び占有者の同意を得ることなく,土地区画整理事業の施行に必要な範囲内において,…その土地区画整理事業の施行のためにこれを使用することができる」と定めていたが,将来公共施設となる予定の土地又は換地処分後に保留地として処分される土地等について,施行者がこれを管理する権限を有することが法文上は不明確であった。そのため,施行者がこれらの土地等を事業の目的に沿って維持管理し,又は事業施行のために第三者に使用収益させることができる旨を明確にする目的で,区整法100条の2が追加された(甲57参照)。 イ検討原告らは,上記の改正経緯に照らし,区整法100条の2にいう「管理」 には,「工事」(区整法80条参照)に相当する行為,すなわち,土地の形質の変更を伴う行為は含まれないと主張する。 しかし,上記の改正経緯からしても,区整法100条の2にいう「管理」には,上記改正前の区整法80 (区整法80条参照)に相当する行為,すなわち,土地の形質の変更を伴う行為は含まれないと主張する。 しかし,上記の改正経緯からしても,区整法100条の2にいう「管理」には,上記改正前の区整法80条の「使用」を超える意味を与えられたことは明らかであるものの,それ以上に,区整法100条の2にいう「管理」の内容に「工事」に相当する行為が含まれないこととされたことが明らかであるとまではいえない。 かえって,① 区整法106条は,区整法100条の2の「管理」が終了した後における公共施設の管理について定めているところ,区整法106条3項が,公共施設に関する「工事」が完了した場合において,施行者から当該公共施設を管理すべき者に「管理」が引き継がれる旨を定めていることに鑑みると,区整法100条の2に基づいて施行者が行う「管理」は,上記「工事」に相当する行為を含むことを当然の前提としていることがうかがわれる。しかも,② 上記「公共施設」には道路,公園,河川等が含まれる(区整法2条5項)ところ,道路の「管理」には道路の新築,改築及び修繕に関する工事が含まれると解され(道路法第三章「道路の管理」の下に置かれた12条,13条1項,20条1項参照),公園のうち都市公園の「管理」には都市公園施設に関する工事が含まれると解され(都市公園法第二章「都市公園の設置及び管理」の下に置かれた2条の3,5条の2第1項参照),河川の「管理」には河川工事が含まれると解される(河川法第二章「河川の管理」の下に置かれた16条参照)。これらの区整法及びそれに関連する規定を全体として整合的に解釈しようとするならば,区整法100条の2にいう「管理」は,「工事」に相当する行為を含む概念であると解すべきである。 そして,上記のように解することは,最高裁昭和58年(オ)第583号 合的に解釈しようとするならば,区整法100条の2にいう「管理」は,「工事」に相当する行為を含む概念であると解すべきである。 そして,上記のように解することは,最高裁昭和58年(オ)第583号同年10月28日第二小法廷判決・裁判集民事140号249頁が,区 整法100条の2の規定により施行者が管理する土地については,施行者は,所有権に準ずる一種の物権的支配権を取得し,土地区画整理事業の目的に沿って維持管理し,又は事業施行のために必要な範囲内において第三者に使用収益をさせることができる旨判示していることとも整合するということができる。 以上と異なる原告らの主張は,採用することができない。 なお,区整法100条の2に基づく「管理」の範囲は,無制限なものではなく,土地区画整理事業の施行者が行うものである以上は,区整法に基づいて適法に決定された事業計画において施行が予定されている事業に係る工事であることを要すると解されるところ,前提事実(11)のとおり,本件計画変更決定により,本件区画整理事業と本件堤防事業(高規格堤防事業)とが共同して実施されることとなったのであるから,本件区画整理事業の施行者である被告において,同事業と本件堤防事業の性格を併有する本件盛土工事を行うことは,上記「管理」として許容される範囲内のものであるということができる。 ウ小括以上によれば,本件区画整理事業の施行者である被告は,本件変更後事業計画の下において,区整法100条の2に基づく管理として,本件堤防事業としての性格をも併有する本件盛土工事を行わせることができるから,国は,施行者である被告との関係において,本件盛土工事を行う権原を有すると解することができる。 (3) 本件仮換地指定に関する行政権の濫用の有無アもっとも,上記2(3)イの ことができるから,国は,施行者である被告との関係において,本件盛土工事を行う権原を有すると解することができる。 (3) 本件仮換地指定に関する行政権の濫用の有無アもっとも,上記2(3)イのとおり,仮換地の指定は,一時的に施行者が従前の宅地を使用し又は収益し,また,管理を行うことを許容するものにすぎないのであって,仮に,施行者の管理に伴う行為が,後に換地処分を受けることになる従前の宅地の所有者等に対し,土地区画整理事業自体が もたらす本来的な権利の変動を超える権利の制約をもたらすような場合,そのことを可能にする仮換地の指定が,従前の宅地の所有者等との関係において,行政権の濫用に当たらないかどうかについては,さらに検討を要する問題である。 イこの点,本件において,国が,河川管理者としての立場で,本件区画整理事業と共同して実施される本件堤防事業として本件盛土工事を行い,高規格堤防を設置するものであると解するとすれば,当該施設は,河川管理者が他の者(本件区画整理事業の施行者)と共同して設置した河川管理施設であるということになって,差し当たり,「権原に基づき当該施設を管理する者の同意」(河川法3条2項ただし書)を得る必要はないことにはなる。 もっとも,その後,本件基本協定に基づく本件共同事業が終了し,河川管理施設として高規格堤防が完成し,その敷地である本件施行地区内の宅地が高規格堤防特別区域に指定されると,河川法上,上記宅地における工作物の新築等については許可が必要となる点で所有権等の制約が生じるところ(上記2(2)イ参照),本件区画整理事業の換地処分によって土地の使用収益権能を回復した従前の宅地の所有者等において負担することになる上記のような権利の制約は,本件区画整理事業自体がもたらすものとはいえないから,上記の問題 件区画整理事業の換地処分によって土地の使用収益権能を回復した従前の宅地の所有者等において負担することになる上記のような権利の制約は,本件区画整理事業自体がもたらすものとはいえないから,上記の問題を生じる。 ウそこで検討するに,行政庁の処分は,その根拠法令の定める要件を満たすものであったとしても,当該処分が当該法令の趣旨,目的とはいえない他の行為を実現することを主たる動機,目的として行われ,国民の権利利益に重大な不利益を与えるなどの事情があり,実質的にみて当該法令の趣旨,目的に反する不法な動機に基づくものであると認められる場合には,行政権の濫用に相当する違法性があり,これにより不利益を受ける者との関係で,効力を有しないと解することができる(最高裁昭和50年(あ) 第24号同53年6月16日第二小法廷判決・刑集32巻4号605頁参照)。そして,当該処分自体が上記の不利益を受ける者に対して直接的な法的効果を及ぼすものであるときは,これを取り消し得ると解する余地がある。 エこれを本件についてみると,土地区画整理事業は,健全な市街地の造成を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とするものであり(区整法1条),土地区画整理事業とは,都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため,同法の定めるところに従って行われる土地の区画形質の変更又は公共施設の新設又は変更に関する事業をいうとされ(同法2条1項),同法における「公共施設」とは,道路,公園,広場,河川その他政令で定める公共の用に供する施設をいうとされている(同条5項)。このように,土地区画整理事業は,一般に,施行地区内の宅地の利用の増進のみならず公共施設の整備等をも目的として行うことができるものであり,公共施設(河川)である堤防の整備を土 れている(同条5項)。このように,土地区画整理事業は,一般に,施行地区内の宅地の利用の増進のみならず公共施設の整備等をも目的として行うことができるものであり,公共施設(河川)である堤防の整備を土地区画整理事業として行うことも不可能ではないことに照らすと,本件区画整理事業における仮換地の指定(本件仮換地指定)が,堤防の整備のための工事を行うための手段としてされるとしても,必ずしも区整法の趣旨,目的外のものとまではいえない。また,本件仮換地指定の前提となる本件区画整理事業は,河川に関する国の計画である利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(前提事実(8)ウ参照)に適合するように行われるべきものであり(都市計画法13条1項柱書参照),本来,同計画における堤防の整備と無関係なものではない。加えて,本件施行地区については,市街地としての改善の必要性が認められ,本件仮換地指定の前提となる本件区画整理事業の事業計画自体には瑕疵がない(前提事実(7)ア,コ参照)。そして,上記2(2)イで判示したとおり,本件施行地区内の宅地が高規格堤防特別区域に指定された場合に生じる河川法上の制約は,軽微なものとはいえない が,必ずしも重大なものとまではいえない。 以上の点に鑑みると,本件仮換地指定が区整法の趣旨,目的に反する不法な動機により,行政権を濫用してされた違法なものであるとの評価は,当を得ないというべきであり,原告らとの関係において本件仮換地指定の取消事由を構成するような違法があるとはいえないと解することが相当である。 (4) 小括以上のとおりであるから,本件仮換地指定は,行政権を濫用した違法なものということはできない。 4 結論以上によれば,原告Aの請求は,不適法であるからこれを却下し,その余の原告らの請求は,いずれも理由がないか るから,本件仮換地指定は,行政権を濫用した違法なものということはできない。 4 結論以上によれば,原告Aの請求は,不適法であるからこれを却下し,その余の原告らの請求は,いずれも理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民訴法61条,65条1項本文を適用の上,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口豊 裁判官工藤哲郎 裁判官和久一彦 裁判官和久一彦は転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官谷口豊 (別紙2)関係法令等の定め第1 土地区画整理事業に関する法令 1 都市計画法(定義)4条7項この法律において「市街地開発事業」とは,第12条第1項各号に掲げる事業をいう。 (市街地開発事業)12条1項都市計画区域については,都市計画に,次に掲げる事業を定めることができる。 一土地区画整理法(昭和29年法律第119号)による土地区画整理事業2項市街地開発事業については,都市計画に,市街地開発事業の種類,名称及び施行区域を定めるものとするとともに,施行区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。 (都市計画基準)13条1項都市計画区域について定められる都市計画…は,国土形成計画,首都圏整備計画…その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画…及び道路,河川…等の施設に関する国の計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,次に掲げるところに従って,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序あ び道路,河川…等の施設に関する国の計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,次に掲げるところに従って,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない。(以下略) 2 土地区画整理法(以下「区整法」という。)(この法律の目的)1条この法律は,土地区画整理事業に関し,その施行者,施行方法,費用の負担等必要な事項を規定することにより,健全な市街地の造成を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。 (定義)2条1項この法律において「土地区画整理事業」とは,都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため,この法律で定めるところに従って行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいう。 2項前項の事業の施行のため若しくはその事業の施行に係る土地の利用の促進のため必要な工作物その他の物件の設置,管理及び処分に関する事業…が前項の事業にあわせて行われる場合においては,これらの事業は,土地区画整理事業に含まれるものとする。 4項この法律において「施行地区」とは,土地区画整理事業を施行する土地の区域をいう。 5項この法律において「公共施設」とは,道路,公園,広場,河川その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。 6項この法律において「宅地」とは,公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地をいう。 8項この法律において「施行区域」とは,都市計画法(昭和43年法律第100号)第12条第2項の規定により土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域をいう。 (土地区画整理事業の施行)3条 おいて「施行区域」とは,都市計画法(昭和43年法律第100号)第12条第2項の規定により土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域をいう。 (土地区画整理事業の施行)3条 4項 …市町村は,施行区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。 5項国土交通大臣は,施行区域の土地について,国の利害に重大な関係がある土地区画整理事業で災害の発生その他特別の事情により急施を要すると認められるもののうち,国土交通大臣が施行する公共施設に関する工事と併せて施行することが必要であると認められるもの又は…市町村が施行することが著しく困難若しくは不適当であると認められるものについては自ら施行し,その他のものについては…市町村に施行すべきことを指示することができる。 (都市計画事業として施行する土地区画整理事業)3条の41項施行区域の土地についての土地区画整理事業は,都市計画事業として施行する。 (事業計画)6条1項第4条第1項の事業計画においては,国土交通省令で定めるところにより,施行地区…,設計の概要,事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。 10項事業計画は,公共施設その他の施設又は土地区画整理事業に関する都市計画が定められている場合においては,その都市計画に適合して定めなければならない。 (施行規程及び事業計画の決定)52条1項 …市町村は,第3条第4項の規定により土地区画整理事業を施行しようとする場合においては,施行規程及び事業計画を定めなければならない。この場合において,その事業計画において定める設計の概要につい て,国土交通省令で定めるところにより,…市町村にあっては都道府県知事の認可を受けなければならない。 (事業計画)54条第6条の規定は, て,その事業計画において定める設計の概要につい て,国土交通省令で定めるところにより,…市町村にあっては都道府県知事の認可を受けなければならない。 (事業計画)54条第6条の規定は,第52条第1項の事業計画について準用する。 (事業計画の決定及び変更)55条1項 …市町村が第52条第1項の事業計画を定めようとする場合においては,…市町村長は,政令で定めるところにより,事業計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合においては,市町村長は,あらかじめ,その事業計画を都道府県知事に送付しなければならない。 2項利害関係者(注)は,前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見がある場合においては,縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに,都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし,都市計画において定められた事項については,この限りでない。 (注)「利害関係者」とは,当該土地区画整理事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件について権利を有する者をいう(20条2項参照)。 3項都道府県知事は,前項の規定により意見書の提出があった場合においては,これを都道府県都市計画審議会に付議しなければならない。 4項都道府県知事は,都道府県都市計画審議会が前項の意見書の内容を審査し,その意見書に係る意見を採択すべきであると議決した場合においては,都道府県が定めようとする事業計画については自ら必要な修正を加え,市町村が定めようとする事業計画についてはその市町村に対し必要な修正を加えるべきことを求め,都道府県都市計画審議会がその意見書に係る意見を採択すべきでないと議決した場合においては,その旨を 意見書を提出した者に通知しなければならない。 5項前項の規定による意見書 べきことを求め,都道府県都市計画審議会がその意見書に係る意見を採択すべきでないと議決した場合においては,その旨を 意見書を提出した者に通知しなければならない。 5項前項の規定による意見書の内容の審査については,行政不服審査法中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。 9項 …市町村が第52条第1項の事業計画を定めた場合においては,…市町村長は,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,施行者の名称,事業施行期間,施行地区その他国土交通省令で定める事項を公告しなければならない。 12項 …市町村は,第52条第1項の事業計画において定めた設計の概要の変更をしようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)においては,その変更について,…市町村にあっては都道府県知事の認可を受けなければならない。 13項第1項から第7項までの規定は,第52条第1項の事業計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)について…準用する。(以下略)(建築物等の移転及び除却)77条1項施行者は,第98条第1項の規定により仮換地…を指定した場合,第100条第1項の規定により従前の宅地…について使用し,若しくは収益することを停止させた場合又は公共施設の変更若しくは廃止に関する工事を施行する場合において,従前の宅地又は公共施設の用に供する土地に存する建築物その他の工作物又は竹木土石等(以下これらをこの条及び次条において「建築物等」と総称する。)を移転し,又は除却することが必要となったときは,これらの建築物等を移転し,又は除却することができる。 2項施行者は,前項の規定により建築物等を移転し,又は除却しようとする場合においては,相当の期限を定め,その期限後においてはこれを移 ときは,これらの建築物等を移転し,又は除却することができる。 2項施行者は,前項の規定により建築物等を移転し,又は除却しようとする場合においては,相当の期限を定め,その期限後においてはこれを移 転し,又は除却する旨をその建築物等の所有者及び占有者に対し通知するとともに,その期限までに自ら移転し,又は除却する意思の有無をその所有者に対し照会しなければならない。 7項施行者は,第2項の規定により建築物等の所有者に通知した期限後…においては,いつでも自ら建築物等を移転し,若しくは除却し,又はその命じた者若しくは委任した者に建築物等を移転させ,若しくは除却させることができる。(以下略)(土地の使用等)80条第98条第1項の規定により仮換地…を指定した場合又は第100条第1項の規定により従前の宅地…について使用し,若しくは収益することを停止させた場合において,それらの処分に因り使用し,又は収益することができる者のなくなった従前の宅地…については,施行者又はその命じた者若しくは委任した者は,その宅地の所有者及び占有者の同意を得ることなく,土地区画整理事業の工事を行うことができる。 (仮換地の指定)98条1項施行者は,換地処分を行う前において,土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては,施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。(以下略)5項第1項の規定による仮換地の指定は,その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し,仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してするものとする。 (仮換地の指定の効果)99条1項前条第1項の規定により仮換地が指定された 有者及び従前の宅地の所有者に対し,仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してするものとする。 (仮換地の指定の効果)99条1項前条第1項の規定により仮換地が指定された場合においては,従前の 宅地について権原に基づき使用し,又は収益することができる者は,仮換地の指定の効力発生の日から第103条第4項の公告がある日まで,仮換地…について,従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができるものとし,従前の宅地については,使用し,又は収益することができないものとする。 2項施行者は,前条第1項の規定により仮換地を指定した場合において,その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは,その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を同条第5項に規定する日と別に定めることができる。この場合においては,同項及び同条第6項の規定による通知に併せてその旨を通知しなければならない。 3項前2項の場合においては,仮換地について権原に基づき使用し,又は収益することができる者は,前条第5項に規定する日(前項前段の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定めた場合においては,その日)から第103条第4項の公告がある日まで,当該仮換地を使用し,又は収益することができない。 (使用収益の停止)100条1項施行者は,換地処分を行う前において,土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基き換地処分を行うため必要がある場合においては,換地計画において換地を定めないこととされる宅地の所有者…に対して,期日を定めて,その期日からその宅地…について使用し,又は収 ある場合又は換地計画に基き換地処分を行うため必要がある場合においては,換地計画において換地を定めないこととされる宅地の所有者…に対して,期日を定めて,その期日からその宅地…について使用し,又は収益することを停止させることができる。この場合においては,その期日の相当期間前に,その旨をこれらの者に通知しなければならない。 2項前項の規定により宅地…について使用し,又は収益することが停止さ れた場合においては,当該宅地…について権原に基き使用し,又は収益することができる者は,同項の期日から第103条第4項の公告がある日まで,当該宅地…について使用し,又は収益することができない。 (仮換地に指定されない土地の管理)100条の2 第98条第1項の規定により仮換地…を指定した場合…において,それらの処分に因り使用し,又は収益することができる者のなくなった従前の宅地…については,当該処分に因り当該宅地…を使用し,又は収益することができる者のなくなった時から第103条第4項の公告がある日までは,施行者がこれを管理するものとする。 (土地区画整理事業の施行により設置された公共施設の管理)106条1項土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては,その公共施設は,第103条第4項の公告があつた日の翌日において,その公共施設の所在する市町村の管理に属するものとする。ただし,管理すべき者について,他の法律又は規準,規約,定款若しくは施行規程に別段の定めがある場合においては,この限りでない。 2項施行者は,第103条第4項の公告がある日以前においても,公共施設に関する工事が完了した場合においては,前項の規定にかかわらず,その公共施設を管理する者となるべき者にその管理を引き継ぐことができる。 3項施行者は,第10 公告がある日以前においても,公共施設に関する工事が完了した場合においては,前項の規定にかかわらず,その公共施設を管理する者となるべき者にその管理を引き継ぐことができる。 3項施行者は,第103条第4項の公告があつた日の翌日において,公共施設に関する工事を完了していない場合においては,第1項の規定にかかわらず,その工事が完了したときにおいて,その公共施設を管理すべき者にその管理を引き継ぐことができる。但し,当該公共施設のうち工事を完了した部分についてその管理を引き継ぐことができると認められる場合においては,この限りでない。 3 土地区画整理法施行令(昭和30年政令第47号。以下「区整令」という。)(縦覧手続等を省略することができる事業計画又は規準若しくは施行規程の修正又は変更)4条1項事業計画の修正又は変更のうち法…第55条第13項…に規定する政令で定める軽微な修正又は変更は,次に掲げるものとする。 一都市計画において定められた都市施設その他の事項で当該都市計画の変更に伴うもの二都市計画において定められた都市施設に関する都市計画事業の認可若しくは承認又はその変更に伴うもの三施行地区の変更に伴う設計の概要の変更で,施行地区から除外される区域についての設計を廃止したにとどまると認められるもの四事業施行期間の修正又は変更五幅員4メートル以下の道路の廃止又は当該道路に代わるべき道路で幅員4メートル以下のものの新設六道路又は水路の起点又は終点の修正又は変更を伴わない位置の修正又は変更で,修正又は変更後の道路又は水路の中心線の当初事業計画において定めようとし,又は定めた中心線からの振れが当該道路又は水路の幅員以下のもの七道路の幅員の縮小で,縮小後の道路の幅員が4メートル未満とならず,か 後の道路又は水路の中心線の当初事業計画において定めようとし,又は定めた中心線からの振れが当該道路又は水路の幅員以下のもの七道路の幅員の縮小で,縮小後の道路の幅員が4メートル未満とならず,かつ,当初事業計画において定めようとし,又は定めた幅員から2メートル以下を減ずることとなるもの八公園,広場又は緑地の区域の縮小で,縮小された区域の面積の合計が当該施設の当初事業計画において定めようとし,又は定めた面積からその10分の1を減ずることとならないもの九資金計画の修正又は変更 (国土交通大臣又は都道府県知事の認可を要しない設計の概要の変更)4条の2 法第55条第12項に規定する政令で定める軽微な設計の概要の変更は,前条第1項各号(第4号及び第9号を除く。)に掲げるものとする。 4 土地区画整理法施行規則(昭和30年建設省令第5号。以下「区整規則」という。)(地方公共団体施行及び国土交通大臣施行に関する公告事項)4条1項法第55条第9項…に規定する国土交通省令で定める事項は,次の各号に掲げるものとする。 一土地区画整理事業の名称二事務所の所在地三事業計画の決定の年月日2項法第55条第13項において準用する同条第9項…に規定する国土交通省令で定める事項は,次の各号に掲げるものとする。 一土地区画整理事業の名称及び事務所の所在地…並びに事業計画の決定の年月日二前項各号(第三号を除く。)に掲げる事項に関して変更がなされた場合においては,その変更の内容三変更の年月日(設計の概要に関する図書)6条1項法第6条第1項(注)に規定する設計の概要…は,設計説明書及び設計図を作成して定めなければならない。 (注)法第54条において準用する場合も含む(区整規則5条1項参照)。 図書)6条1項法第6条第1項(注)に規定する設計の概要…は,設計説明書及び設計図を作成して定めなければならない。 (注)法第54条において準用する場合も含む(区整規則5条1項参照)。 2項前項の設計説明書には,次に掲げる事項を記載しなければならない。 一当該土地区画整理事業の目的 二施行地区内の土地の現況三土地区画整理事業の施行後における施行地区内の宅地の地積(保留地の予定地積を除く。)の合計の土地区画整理事業の施行前における施行地区内の宅地の地積の合計に対する割合四保留地の予定地積五公共施設の整備改善の方針六法第2条第2項に規定する工作物その他の物件の設置,管理及び処分に関する事業又は埋立て若しくは干拓に関する事業が行われる場合においては,その事業の概要3項第1項の設計図は,縮尺1200分の1以上とし,土地区画整理事業の施行後における施行地区内の公共施設並びに鉄道,軌道,官公署,学校及び墓地の用に供する宅地の位置及び形状を,土地区画整理事業の施行により新設し,又は変更される部分と既設のもので変更されない部分とに区別して表示したものでなければならない。 第2 河川に関する法令 1 河川法(目的)1条この法律は,河川について,洪水,津波,高潮等による災害の発生が防止され,河川が適正に利用され,流水の正常な機能が維持され,及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより,国土の保全と開発に寄与し,もって公共の安全を保持し,かつ,公共の福祉を増進することを目的とする。 (河川及び河川管理施設)3条1項この法律において「河川」とは,一級河川及び二級河川をいい,これらの河川に係る河川管理施設を含むものとする。 2項この法律において「河川 する。 (河川及び河川管理施設)3条1項この法律において「河川」とは,一級河川及び二級河川をいい,これらの河川に係る河川管理施設を含むものとする。 2項この法律において「河川管理施設」とは,ダム,堰,水門,堤防,護岸,床止め,樹林帯…その他河川の流水によって生ずる公利を増進し,又は公害を除却し,若しくは軽減する効用を有する施設をいう。ただし,河川管理者以外の者が設置した施設については,当該施設を河川管理施設とすることについて河川管理者が権原に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限る。 (一級河川)4条1項この法律において「一級河川」とは,国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣が指定したものをいう。 (河川区域)6条1項この法律において「河川区域」とは,次の各号に掲げる区域をいう。 一河川の流水が継続して存する土地及び地形,草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水に継続して存する土地に類する状況を呈している土地…の区域二河川管理施設の敷地である土地の区域三堤外の土地…の区域のうち,第1号に掲げる区域と一体して管理を行う必要があるものとして河川管理者が指定した区域2項河川管理者は,その管理する河川管理施設である堤防のうち,その敷地である土地の区域内の大部分の土地が通常の利用に供されても計画高水流量を超える流量の洪水の作用に対して耐えることができる規格構造を有する堤防(以下「高規格堤防」という。)については,その敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域を高規格堤防特別区域として指定するものとする。 4項河川管理者は,第1項第3号の区域,高規格堤防特別 )については,その敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域を高規格堤防特別区域として指定するものとする。 4項河川管理者は,第1項第3号の区域,高規格堤防特別区域…を指定するときは,国土交通省令で定めるところにより,その旨を公示しなければならない。(以下略)(河川管理者)7条この法律において「河川管理者」とは,第9条第1項又は第10条第1項若しくは第2項の規定により河川を管理する者をいう。 (河川工事)8条この法律において「河川工事」とは,河川の流水によって生ずる公利を増進し,又は公害を除却し,若しくは軽減するために河川について行なう工事をいう。 (一級河川の管理)9条1項一級河川の管理は,国土交通大臣が行なう。 (河川整備基本方針)16条1項河川管理者は,その管理する河川について,計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持(次条において「河川の整備」という。)についての基本となるべき方針に関する事項(以下「河川整備基本方針」という。)を定めておかなければならない。 2項河川整備基本方針は,水害発生の状況,水資源の利用の現況及び開発並びに河川環境の状況を考慮し,かつ,国土形成計画及び環境基本計画との調整を図って,政令で定めるところにより,水系ごとに,その水系に係る河川の総合的管理が確保できるように定められなければならない。 3項国土交通大臣は,河川整備基本方針を定めようとするときは,あらかじめ,社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。 4項都道府県知事は,河川整備基本方針を定めようとする場合において, 当該都道府県知事が統括する都道府県に都道府県河川審議会が置かれているときは,あらかじめ,当該都道府県河川審議会の意見を聴かなけれ 府県知事は,河川整備基本方針を定めようとする場合において, 当該都道府県知事が統括する都道府県に都道府県河川審議会が置かれているときは,あらかじめ,当該都道府県河川審議会の意見を聴かなければならない。 5項河川管理者は,河川整備基本方針を定めたときは,遅滞なく,これを公表しなければならない。 6項前3項の規定は,河川整備基本方針の変更について準用する。 (河川整備計画)16条の21項河川管理者は,河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について,当該河川の整備に関する計画(以下「河川整備計画」という。)を定めておかなければならない。 2項河川整備計画は,河川整備基本方針に即し,かつ,公害防止計画が定められている地域に存する河川にあっては当該公害防止計画との調整を図って,政令で定めるところにより,当該河川の総合的な管理が確保できるように定められなければならない。この場合において,河川管理者は,降雨量,地形,地質その他の事情によりしばしば洪水による災害が発生している区域につき,災害の発生を防止し,又は災害を軽減するために必要な措置を講ずるように特に配慮しなければならない。 3項河川管理者は,河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。 4項河川管理者は,前項に規定する場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。 5項河川管理者は,河川整備計画を定めようとするときは,あらかじめ,政令で定めるところにより,関係都道府県知事又は関係市町村長の意見 を聴かなければならない。 6項河川管理者は,河川整備計画を定めたときは,遅滞 整備計画を定めようとするときは,あらかじめ,政令で定めるところにより,関係都道府県知事又は関係市町村長の意見 を聴かなければならない。 6項河川管理者は,河川整備計画を定めたときは,遅滞なく,これを公表しなければならない。 7項第3項から前項までの規定は,河川整備計画の変更について準用する。 (土地の占用の許可)24条河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,河川管理者の許可を受けなければならない。 (土石等の採取の許可)25条河川区域内の土地において土石(砂を含む。以下同じ。)を採取しようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,河川管理者の許可を受けなければならない。(以下略)(工作物の新築等の許可)26条1項河川区域内の土地において工作物を新築し,改築し,又は除却しようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,河川管理者の許可を受けなければならない。(以下略)2項高規格堤防特別区域内の土地においては,前項の規定にかかわらず,次に掲げる行為については,同項の許可を受けることを要しない。 一基礎ぐいその他の高規格堤防の水の浸透に対する機能を減殺するおそれのないものとして政令で定める工作物の新築又は改築二前号の工作物並びに用排水路その他の通水施設及び池その他の貯水施設で漏水のおそれのあるもの以外の工作物の地上又は地表から政令で定める深さ以内の地下における新築又は改築三工作物の地上における除却又は工作物の地表から前号の政令で定め る深さ以内の地下における除却で当該工作物が設けられていた土地を直ちに埋め戻すもの3項河川管理者は,高規格堤防特別区域内の 工作物の地上における除却又は工作物の地表から前号の政令で定め る深さ以内の地下における除却で当該工作物が設けられていた土地を直ちに埋め戻すもの3項河川管理者は,高規格堤防特別区域内の土地における工作物の新築,改築又は除却について第1項の許可の申請又は第37条の2,第58条の12,第95条若しくは第99条第2項の規定による協議があった場合において,その申請又は協議に係る工作物の新築,改築又は除却が高規格堤防としての効用を確保する上で支障を及ぼすおそれのあるものでない限り,これを許可し,又はその協議を成立させなければならない。 (土地の掘削等の許可)27条1項河川区域内の土地において土地の掘削,盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為(前条第1項の許可に係る行為のためにするものを除く。)又は竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,河川管理者の許可を受けなければならない。 ただし,政令で定める軽易な行為については,この限りでない。 2項高規格堤防特別区域内の土地においては,前項の規定にかかわらず,次に掲げる行為については,同項の許可を受けることを要しない。 一前条第2項第1号の行為のためにする土地の掘削又は地表から政令で定める深さ以内の土地の掘削で当該掘削した土地を直ちに埋め戻すもの二盛土三土地の掘削,盛土及び切土以外の土地の形状を変更する行為四竹木の栽植又は伐採(権限の委任)98条この法律に規定する国土交通大臣の権限は,政令で定めるところにより,その一部を地方整備局長…に委任することができる。 2 河川法施行令(昭和40年政令第14号。以下「河川令」という。)(河川整備計画に定める事項)10条の3 河川整備計画には,次に掲げる事項 部を地方整備局長…に委任することができる。 2 河川法施行令(昭和40年政令第14号。以下「河川令」という。)(河川整備計画に定める事項)10条の3 河川整備計画には,次に掲げる事項を定めなければならない。 一河川整備計画の目標に関する事項二河川の整備の実施に関する事項イ河川工事の目的,種類及び施行の場所並びに当該河川工事の施行により設置される河川管理施設の機能の概要ロ河川の維持の目的,種類及び施行の場所(関係都道府県知事等の意見の聴取等)10条の41項河川管理者は,河川整備計画を定め,又は変更しようとするときは,あらかじめ,国土交通大臣である場合にあっては関係都道府県知事の意見を…聴かなければならない。 2項前項の場合において,関係都道府県知事が意見を述べようとするときは,あらかじめ,関係市町村長の意見を聴かなければならない。 3項河川管理者は,河川整備計画に高規格堤防の設置に係る河川工事の施行の場所を定めたときは,速やかに,その場所を関係都道府県知事に通知するものとする。 (高規格堤防特別区域における新築等について許可を要しない工作物)15条の2 法第26条第2項第1号の政令で定める工作物は,基礎ぐい,電柱その他棒状の工作物で地下に設けられることとなる部分以外の土地の掘削を伴わずに鉛直方向に設置されるものとする。 (高規格堤防特別区域における工作物の地下における新築等について許可を要しない場合の深さ)15条の3 法第26条第2項第2号の政令で定める深さは,1メートルとする。 (高規格堤防特別区域における土地の掘削について許可を要しない場合の深さ)15条の5 法第27条第2項第1号の政令で定める深さは,1・5メートルとする。 (権限の委任)53条1項法 (高規格堤防特別区域における土地の掘削について許可を要しない場合の深さ)15条の5 法第27条第2項第1号の政令で定める深さは,1・5メートルとする。 (権限の委任)53条1項法及びこの政令に規定する河川管理者である国土交通大臣の権限のうち,次に掲げるもの以外のものは,地方整備局長…に委任する。(以下略) 3 河川法第4条第1項の水系を指定する政令(昭和40年政令第43号)河川法第4条第1項の水系は,次の各号に掲げるものとする。 二十八利根川水系 4 河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号)(構造の原則)18条1項堤防は,護岸,水制その他これらに類する施設と一体として,計画高水位(高潮区間にあっては,計画高潮位)以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。 2項高規格堤防にあっては,前項の規定によるほか,高規格堤防特別区域内の土地が通常の利用に供されても,高規格堤防及びその地盤が,護岸,水制その他これらに類する施設と一体として,高規格堤防設計水位以下の水位の流水の作用に対して耐えることができるものとするものとする。 3項高規格堤防は,予想される荷重によって洗掘破壊,滑り破壊又は浸透破壊が生じない構造とするものとし,かつ,その地盤は,予想される荷重によって滑り破壊,浸透破壊又は液状化破壊が生じないものとするものとする。 (材質及び構造) 19条堤防は,盛土により築造するものとする。(以下略) (別紙3-1)本件都市計画の概要 1 名称α東部土地区画整理事業 2 面積約1.4ha 3 公共施設の配置(1) 道路種別名称幅員延長幹線街路放射第○号線5m約150m補助線街路第○号線 土地区画整理事業 2 面積約1.4ha 3 公共施設の配置(1) 道路種別名称幅員延長幹線街路放射第○号線5m約150m補助線街路第○号線8m約90m区画道路については,土地利用を考慮し,幅員4ないし6mで適宜配置する。 (2) 公園及び緑地地区に隣接して公園・広場としての機能を持つ施設を配置する計画であるため,施行区域内に公園及び緑地の新設は行わない。 4 宅地の整備土地利用計画,街区の規模等については,住宅地としての土地利用を考慮の上,これに適応して定めるものとする。 5 施行区域別紙3-2「計画図」のとおり 6 理由密集市街地を改善し,生活環境が向上した安全な市街地を形成するため,上記のとおり土地区画整理事業を決定する。なお,事業の実施については,国土交通省の高規格堤防事業と共同で行う予定である。 (別紙4-1)本件事業計画の概要第1 土地区画整理事業の名称等 1 土地区画整理事業の名称東京都市計画事業 α東部土地区画整理事業 2 施行者の名称東京都江戸川区第2 施行地区 1 施行地区の位置本地区は,東京都区部東端の江戸川区の北部に位置し,F○線G駅より東へ約1.5km,H○線I駅より南へ300mの地域で,都市計画道路放射○号線,補助○号線,F○線,一級河川江戸川により囲まれた面積約1.4ha(東西約140m,南北約100m)の地区である。 2 施行地区の区域本地区に含まれる土地の名称は次のとおりである。 江戸川区α,βの各一部 3 施行地区の区域図別紙1-2「区域図」のとおり第3 設計の概要 1 設計説明書(1) 土地区画整理事業の目的本地区は江戸川沿いの密集市街地であり 江戸川区α,βの各一部 3 施行地区の区域図別紙1-2「区域図」のとおり第3 設計の概要 1 設計説明書(1) 土地区画整理事業の目的本地区は江戸川沿いの密集市街地であり,道路の幅員は狭小で,かつ行き止まり道路も多く,緊急時の消防車等の進入路や災害時の避難経路を確保する上で課題を抱えているため,生活環境や安全性の面から市街地整備の改善が急がれる地区である。 また,江戸川区街づくり基本プランにおいても,δ地域の将来像は「魅力 ある商店と閑静な住宅街が織り成すふれあいの街」とされており,その中で本地区は密集市街地の改善を図り,必要な基盤施設を整備し,一般住宅地を形成するエリアに位置付けられている。 これらの背景のもと,本事業は,都市基盤と住環境の改善を図り,安全・安心で快適なまちづくりを行うことを目的とする。 (2) 施行地区内の土地の現況ア地区の性格及び発展状況本地区は,三方(都市計画道路放射○号線,一級河川江戸川の右岸堤防,F○線)を盛土に囲まれた窪地状の地形であり,小規模な建物が密集した地域である。未接道宅地や小宅地が多くあり,かつ地区内道路が狭小で行き止まりや階段状の段差があるため,緊急時における車両の通行が困難であり,避難経路が寸断される恐れがある。 このように生活環境や安全性の面から市街地整備上の課題を多く内包する状況であるため,早急な改善が求められている。 なお,本地区は国の治水事業である高規格堤防事業の対象河川の江戸川沿川に位置し,本地区のほとんどが高規格堤防の施行範囲内に位置する。 イ地区内の人口及びその密度現在,本地区には約255人が居住しており,その密度は182人/haとなっている。 ウ道路及び宅地の状況① 道路地区北側に幅員27~34.5 置する。 イ地区内の人口及びその密度現在,本地区には約255人が居住しており,その密度は182人/haとなっている。 ウ道路及び宅地の状況① 道路地区北側に幅員27~34.5mの都市計画道路放射○号線が東西に走り,西側には幅員12mの都市計画道路補助○号線が走る。補助○号線においては,幅員16mへの拡幅が都市計画決定されている。 本地区の区画道路は,ほとんどが幅員4m未満の狭隘道路であり,一部では私道も見られる。さらに,地区内の区画道路に車両で入ることが できるのは地区北側からだけであり,かつ左折での出入りしかできないため,緊急車両の通行にも支障をきたしている。 ② 宅地本地区は都市計画道路放射○号線及び補助○号線の沿道に位置するが,店舗,工業施設等は少なく,概ね全域が住宅地である。地区の中央より西側には比較的大きな建物等も見られるが,地区東側には50㎡前後の小宅地群が存在しており建物が密集している。 また,平均の築年数が約30年と建物の老朽化が進んでおり,また,地区内の建物の約8割が木造住宅であるため,火災時における延焼や,地震時における倒壊等が危惧される。 エ地勢本地区の住宅地は,標高約3.0m~1.7mで緩やかに北から南へ傾斜している。また,三方(都市計画道路放射○号線,一級河川江戸川の右岸堤防,F○線)を盛土に囲まれた窪地状の地形であり,地区外との接続部の多くが階段や急勾配な斜路となる要因となっている。 オ地価平成20年4月の時点での平均地価は288,000円/㎡である。 (3) 設計の方針ア土地利用計画現在の用途地域を基本とし,戸建住宅を中心とした良好な住環境を確保する。 イ人口計画東京都により取りまとめている東京都区市町村別の将来人口予測に基づ 3) 設計の方針ア土地利用計画現在の用途地域を基本とし,戸建住宅を中心とした良好な住環境を確保する。 イ人口計画東京都により取りまとめている東京都区市町村別の将来人口予測に基づき,計画人口約260人,平均人口密度186人/haとする。 ウ公共施設計画幹線道路は,都市計画道路放射○号線(幅員27~34.5m)につい ては歩道の整備を行い,補助○号線(幅員16m)については現況道路の中心から地区内側8mを拡幅整備する。 区画道路は幅員4~6m,特殊道路(自転車・歩行者専用道路)は幅員4~5mで適宜配置する。 エ造成計画本地区周辺部との高低差を解消し,防災機能の向上や宅地の利用増進を図るため,盛土整備を行う。 2 設計図別紙4-2「設計図」のとおり。 第4 事業施行期間自平成23年5月17日至平成28年3月31日第5 資金計画書 1 収入区分金額適要国庫補助2億3800万円社会資本整備総合交付金補助率1/2都補助金 4億9700万円 社会資本整備総合交付金負担 1億1900万円都市計画道路放射○号線及び補助○号線3億7800万円区費 35億9300万円 社会資本整備総合交付金負担 1億1900万円区単独費 34億7400万円合計43億2800万円 2 支出事項金額公共施設整備費計30億7500万円法2条2項該当事業費計1億3300万円整地費3億4600万円工事雑費1億0700万円調査設計費3億0000万円損失補償費300万円減価補償費2億6300万円事務費1億0 費計1億3300万円整地費3億4600万円工事雑費1億0700万円調査設計費3億0000万円損失補償費300万円減価補償費2億6300万円事務費1億0100万円合計43億2800万円 (別紙4-3)本件事業計画の変更の概要本件事業計画(別紙4-1)を,要旨,以下のように変更する(下線部が変更後の事業計画である。)。 第1 造成計画(別紙4-1第3の1(3)エ参照)本地区周辺部との高低差を解消し,防災機能の向上や宅地の利用増進を図れるよう,盛土整備を行う。 なお,国土交通省が施行する高規格堤防整備事業との共同実施となったことを受け,高規格堤防整備事業の施行範囲については,同事業により造成した高規格堤防上に本事業による造成を行う。 第2 事業施行期間(別紙4-1第4参照)自平成23年5月17日至平成29年3月31日第3 資金計画書(別紙4-1第5参照) 1 収入区分金額適要国庫補助2億3800万円都市再生区画整理事業補助率1/2都補助金 3億5600万円 都市再生区画整理事業負担 1億1900万円都市計画道路放射○号線及び補助○号線2億3700万円区費 15億4900万円 都市再生区画整理事業負担 1億1900万円区単独費 14億3000万円国土交通省負担金19億6200万円α地区高規格堤防整備事業 合計41億0500万円 2 支出事項金額公共施設整備費計30億6000万円法2条2項該当事業費計1億3300万円整地費1億0000万円工事雑費1億45 億0500万円 2 支出事項金額公共施設整備費計30億6000万円法2条2項該当事業費計1億3300万円整地費1億0000万円工事雑費1億4500万円調査設計費3億0000万円損失補償費300万円減価補償費2億6300万円事務費1億0100万円合計41億0500万円
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