- 1 -令和3年(オ)第293号の2 原状回復等請求事件令和4年6月17日 第二小法廷判決主 文1 原判決中、被上告人らの上告人に対する損害賠償請求に関する部分を破棄し、同部分につき第1審判決を取り消す。 2 前項の部分に関する被上告人らの訴えをいずれも却下する。 3 訴訟の総費用は被上告人らの負担とする。 理 由第1 事案の概要本件は、被上告人らが、上告人に対し、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う上告人の福島第一原子力発電所の事故(以下「本件事故」という。)により放出された放射性物質によって被上告人らの当時の居住地が汚染されたなどと主張して、主位的には民法709条に基づき、予備的には原子力損害の賠償に関する法律3条1項に基づき、損害賠償等を求める事案である。 第2 上告代理人岩渕正紀ほかの上告理由について民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告の理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、上記各項に規定する事由に該当しない。 第3 職権による検討記録によれば、被上告人らは、平成25年、上告人に対し、民法709条又は原子力損害の賠償に関する法律3条1項に基づき、本件事故による損害賠償を求める訴え(以下「別件訴訟」という。)を新潟地方裁判所に提起しており、別件訴訟は、被上告人らが本件訴えを提起した時点において既に上記裁判所に係属してい- 2 -て、本件訴えのうち被上告人らの上告人に対する損害賠償請求に係る部分は、別件訴訟と重複するものであることが認められる。そうすると、上記請求に係る被上 時点において既に上記裁判所に係属してい- 2 -て、本件訴えのうち被上告人らの上告人に対する損害賠償請求に係る部分は、別件訴訟と重複するものであることが認められる。そうすると、上記請求に係る被上告人らの訴えは、不適法であって(民訴法142条)、却下すべきである。これと異なり上記請求につき本案の判断をした原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。 したがって、原判決中、上記請求に関する部分は破棄を免れず、同部分につき第1審判決を取り消し、同部分に関する被上告人らの訴えを却下することとする。 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官 菅野博之 裁判官 三浦 守 裁判官 草野耕一 裁判官岡村和美)
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