平成13(行ケ)472 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成14年10月25日 東京高等裁判所 その他
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判決文本文14,575 文字)

主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告(1) 被告が,原告に対する公正取引委員会平成11年(判)第6号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)違反事件につき,平成13年9月20日付けでした審決(以下「本件審決」という。)を取り消す。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 2 被告主文と同旨。 第2 事案の概要 1 原告は,肩書地に本店を置き,千葉市の区域において地質調査業を営む者である。 2 本件審決が引用する審決案(以下「本件審決案」という。)別紙1「目録」記載の26社(以下「26社」という。)は,千葉市内に本店を置き,同市の区域において地質調査業を営む者である。 3 千葉市及び同市水道局(以下「千葉市等」という。)は,地質調査業務のほとんどすべてを指名競争入札又は見積り合わせ(以下「指名競争入札等」という。)の方法により発注しており,指名競争入札等に当たっては,同市が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者の中から参加者を指名している。 4 千葉市等は,地質調査業務の指名競争入札等における参加者の指名に当たっては,同市内に本店又は主たる事務所を有する者(以下「市内業者」という。)の育成を図るとの観点から,市内業者を優先して選定するものとし,同市内に本店又は主たる事務所を有しない者(以下「市外業者」という。)については,技術的難度が高いため市内業者では困難な業務について選定するとの基準に基づいて指名する業者を選定しており,市内業者が市外業者とともに指名される業務は少ない状況にある(査第3号証,第4号証の1ないし5及び第42号証)。 5 原告は,千葉市等が指名競争入札等の方法で発注する地質調査業 る業者を選定しており,市内業者が市外業者とともに指名される業務は少ない状況にある(査第3号証,第4号証の1ないし5及び第42号証)。 5 原告は,千葉市等が指名競争入札等の方法で発注する地質調査業務(市内業者のみが指名業者として選定される業務に限る。以下「千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務」という。)について,平成7年11月16日から平成10年9月10日までの間に,22物件について指名を受け,1物件を除く21物件について入札に参加し,うち13物件について受注者になっているが,この22物件の物件名,指名通知年月日,入札年月日,受注者,落札金額,相指名業者等は,本件審決案別紙2「指名物件一覧表」記載のとおりである(この「指名物件一覧表」記載の個々の物件を同表記載の番号に応じ以下「1番物件」等という。)(査第37,第39,第43及び第65ないし第84号証)。 第3 本件審決の事実認定及び法令の適用 1 原告及び26社は,遅くとも平成7年4月1日以降(原告にあっては同年11月16日ころ以降,株式会社アイ・アール・エスにあっては同年6月9日ころ以降,株式会社テクノアースにあっては同年11月8日ころ以降,株式会社システムサーベイ及び三和技建株式会社にあっては平成10年8月20日ころ以降),千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,受注機会の均等化及び受注価格の低落防止を図るため(1) 千葉市等から指名競争入札等の参加の指名を受けた場合には,次の方法により,当該業務を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定するア当該業務について受注を希望する者(以下「受注希望者」という。)が1名のときは,その者を受注予定者とするイ受注希望者が複数のときは,持ち点(指名実績を基に指名1回を1点とするなどして算出した点数)を勘案して,受 受注を希望する者(以下「受注希望者」という。)が1名のときは,その者を受注予定者とするイ受注希望者が複数のときは,持ち点(指名実績を基に指名1回を1点とするなどして算出した点数)を勘案して,受注希望者の間の話合いにより受注予定者を決定するウ受注希望者がいないときは,指名を受けた者の間の話合いにより受注予定者を決定する(2) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する旨の合意(以下「本件合意」という。)の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。 2 原告及び26社は,上記1により,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務のほとんどすべてを受注していた。 3 平成10年9月10日,本事案について,公正取引委員会が独禁法の規定に基づき審査を開始したところ,原告及び26社は,同月11日以降,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,本件合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為(以下「本件行為」という。)を取りやめている。 4 原告は,以上のとおり,平成7年11月16日ころから平成10年9月10日までの間,26社と共同して,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって,これは,独禁法2条6項の不当な取引制限に該当し,同法3条の規定に違反する。よって,被告は,原告に対し,独禁法54条2項の規定により,本件審決の主文記載のとおり上記取引制限が排除されたことを確保するために必要な措置を命じる。 第4 原告の主張1(1) 原告 定に違反する。よって,被告は,原告に対し,独禁法54条2項の規定により,本件審決の主文記載のとおり上記取引制限が排除されたことを確保するために必要な措置を命じる。 第4 原告の主張1(1) 原告は,以下に述べるように,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,26社と共同し,本件合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにするという行為(本件行為)を行ってはいない。 (2) 本件合意は,千葉県地質調査業協会及び社団法人全国地質業協会連合会関東地質調査業協会千葉県支部(以下,併せて「協会」という。)のルール・慣行であり,原告は,協会の会員(以下「協会員」という。)ではなく,本件合意の内容の詳細を知らないし,これに参加していない。協会員が,原告にも受注調整に加わるように誘いをかけてきたり,あるいは協会員間の受注調整による受注予定者や,受注予定者とされた者の積算価格を原告に連絡してきたりしたことはあったが,それは協会員の一方的な行為であって,原告はこれに応じておらず,協会員間の受注調整の結果を認めたことはない。 (3) 原告は,千葉市等から指名を受けて入札に参加した場合は,いずれの場合も受注したいという姿勢で参加しており,設計図書縦覧,現場説明,図面説明,現場踏査等に基づき独自に積算を行った上で採算のとれる価格をもって入札したものであり,他の同業者や相指名業者と連絡調整を行うことにより受注予定者を決定するというような行為はしていない。原告が受注した場合も,相指名業者の協力を得て受注したものではなく,原告が落札できるように入札前に原告の入札価格を相指名業者に連絡したこともない。また,原告は,相指名業者が受注できるように協力したことはなく,相指名業者が受注できるように入札価格を決定したこともない。 原告が落札した13物件 前に原告の入札価格を相指名業者に連絡したこともない。また,原告は,相指名業者が受注できるように協力したことはなく,相指名業者が受注できるように入札価格を決定したこともない。 原告が落札した13物件の多くは,金額の小さい物件や利益の見込まれない物件であり,相指名業者が,自らは受注を希望せずに受注を回避した上,誰も受注する者がいなくて入札が不調になるのを防ぐため,一方的に原告を受注予定者としたものであって,本件合意に基づく受注調整によって原告が受注したものではない。 (4)ア 1番物件について,原告は,相指名業者の株式会社ケセン地質研究所及び対馬基礎開発株式会社に対し,原告が受注できるように協力を要請したことはない。相指名業者2社が,原告が受注の意思を有するかどうかについて探りを入れてきたことはあったが,それは,誰も受注する者がいなくて,入札が不調になることを防ぐための探りであって,原告は,これに対し,原告が受注できるように協力してほしいというような対応はしていない。 イ 3番物件について,原告は,受注を希望して相指名業者2社との話合いによって受注予定者となったものではない。相指名業者2社は,現場説明の際,原告に対し,原告が受注せよという趣旨の発言をし,原告は,その横柄な態度に立腹して,入札会場へ行かなかったものである。 ウ 5番物件について,原告は,相指名業者と受注予定者を決める話合いなどはしてはおらず,受注予定者なる者を知らない。原告は,入札日までに,相指名業者の株式会社共同地質の担当者から,同社の受注についての協力依頼の電話を受けたが,協力を断っている。 エ 18番物件について,原告は,相指名業者と受注予定者を決める話合いなどしていない。原告は,入札当日,相指名業者の伸光エンジニアリング株式会社の担当者から,同社の受注についての協力依頼 っている。 エ 18番物件について,原告は,相指名業者と受注予定者を決める話合いなどしていない。原告は,入札当日,相指名業者の伸光エンジニアリング株式会社の担当者から,同社の受注についての協力依頼の電話を受けたが,これに応じていない。 オ上記22物件のその他の物件についても,原告は,相指名業者と受注調整をしたことはない。 2 協会員は,公正取引委員会の審査開始後も本件行為を取りやめていない。 3 本件審決が事実認定の根拠とする原告代表者Aの供述調書である査第33号証は,任意性及び信用性を欠くものである。Aは,審査官から上記供述調書を読み聞かされた際,当日は午後2時から9時半すぎまで窓のない会議室で審訊された上,帰りの電車の時間が気になっていたことから,自ら納得できない又は正さなければならない点などを,一々注意深く聴いてはおらず,軽く聞き流し,軽い気持ちで判を押したものであり,Aの署名・押印があったとしても,記載内容が供述したままを録取したものとはいえない。 4 また,本件審決が事実認定の根拠とする相指名業者の供述調書は,本件の審査手続における協会員の審査官に対する供述の調書であるが,あまりにも一方的な内容で,審査官と協会との間で談合でもあったのではないかと疑わせる程に不自然なものであって,信用性を欠くものである。 第5 被告の認否及び主張原告の主張は争う。本件審決が認定した上記事実は,本件審決挙示の証拠により,本件審決が説示するとおり合理的に認定できるものであり,実質的証拠に裏付けられたものである。また,査第33号証には,その末尾に,録取し読み聞かせた内容に誤りのないものである旨を確認する趣旨で,Aの署名・押印がされており,さらに,原告にとってむしろ有利なものも含まれていること等からすれば,査第33号証の供述には任意性及び信用性がある 聞かせた内容に誤りのないものである旨を確認する趣旨で,Aの署名・押印がされており,さらに,原告にとってむしろ有利なものも含まれていること等からすれば,査第33号証の供述には任意性及び信用性があるといえる。 第6 当裁判所の判断 1 本件審決の上記第3の1ないし3の事実認定のうち,原告及び26社は,平成7年11月16日ころ以降(株式会社システムサーベイ及び三和技建株式会社にあってはそれぞれ平成10年8月25日ころ以降),千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,本件合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにして,そのほとんどを受注するという本件行為を行っていたが,公正取引委員会が平成10年9月10日本事案について独禁法の規定に基づき審査を開始したため,同月11日以降,本件行為を取りやめている,という部分は,本件審決引用の査第33ないし第37,第39,第43ないし第61,第63及び第65ないし第84号証並びに参考人B,同C,同D及びAの審訊の結果により,これを合理的な事実認定と認めることができる。 2 原告は,本件審決が引用する上記証拠のうち,査第33号証は任意性及び信用性を欠くと主張する。査第33号証は,本件審査手続におけるAの審査官に対する供述の調書であるが,その末尾に,Aの署名・押印があり,「上記のとおり録取し読み聞かせたところ供述人は誤りのないことを申し立て署名押印した。」と記載されており,本件行為に関する供述の記載も,原告が本件合意の存在を認識した上,一部の物件について原告の入札価格を相指名業者に教えたことなどを認めつつも,談合行為に全面的に参加していたことを認めるものではなく,大部分の物件については原告の入札価格を相指名業者に連絡していないことなどを述べる内容であって,原告にとってむしろ有利な供述も を認めつつも,談合行為に全面的に参加していたことを認めるものではなく,大部分の物件については原告の入札価格を相指名業者に連絡していないことなどを述べる内容であって,原告にとってむしろ有利な供述も含まれている。本件審判手続におけるAの審訊の結果によると,査第33号証が作成された当日,Aは午後2時ころ公正取引委員会に出頭し,午後9時半ころに署名・押印を終えて帰宅しているが,その間に自由な供述を妨げるような事態は発生していない。その他,本件記録を検討しても,査第33号証の任意性や,その不利益供述部分の信用性に疑問を抱かせる事情は認められないから,本件審決が査第33号証を事実認定の証拠としたことに違法はないというべきである。なお,査第33号証には「私の略歴については,本日,経歴書を持参しましたので,提出します。」と記載されているところ,Aの審訊の結果に照らすと,同経歴書はAが査第33号証作成の日に公正取引委員会で係官から紙を渡されて作成・提出したものと認められるが,このことをもって査第33号証の本件行為に関する供述部分の任意性及び信用性を左右するものということはできない。 3 また,原告は,本件審決が引用する上記証拠のうち,相指名業者の供述調書は信用性を欠くと主張する。相指名業者の供述中には,具体的な受注調整の態様などについて,細部で曖昧な箇所や他の相指名業者の供述と異なる箇所が散見される一方,画一的とみられる箇所もあるが,それらは,通常人一般の記憶力の程度や,同一の受注調整行為に関する質問に対する答えであるということに由来するもので,その点から上記供述調書が信用性を欠くものということはできない。本件審決が,これらの供述調書の内容を他の証拠と総合的に斟酌の上,上記事実認定を行ったことは合理的であるというべきである。 4(1) 原告は,千葉市 記供述調書が信用性を欠くものということはできない。本件審決が,これらの供述調書の内容を他の証拠と総合的に斟酌の上,上記事実認定を行ったことは合理的であるというべきである。 4(1) 原告は,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,26社と共同して,本件合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにするという本件行為は行っていないと主張するので,さらに詳しく検討することとする。 (2) 原告の代表者であるAは,東海地質株式会社に勤務していた平成2年ころ,千葉市等が指名競争入札等の方法で発注する地質調査業務について,入札に参加する事業者の間で,受注希望者が1名のときにはその者を受注予定者とし,受注希望者が複数のときは持ち点制(指名1回ごとに1点を加算して持ち点とし,持ち点の多い者の受注希望を優先させ,落札すれば持ち点がゼロに戻るというもの)の下で,受注希望者の話合いにより受注予定者を決め,受注希望者がいないときは,指名を受けた者の間の話合いにより受注予定者を決め,他の相指名業者は受注予定者が確実に受注できるように協力するという受注調整が行われていたことを知ったものであり,平成4年に原告を設立し,原告に対して千葉市等から最初に指名があった平成7年11月16日においても,同様の認識を有していた(査第33号証並びに参考人B,同C,同D及びAの審訊の結果)。 (3) 上記第2の5のとおり,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,原告は平成7年11月16日から平成10年9月10日までの間に22物件について指名を受けているが,この22物件の入札に参加した各指名業者の入札価格は,本件審決案別紙3-1「入札価格一覧表(入札が2回行われたもの)」及び別紙3-2「入札価格一覧表(入札1回のもの)」記載のとおりである(査第3 が,この22物件の入札に参加した各指名業者の入札価格は,本件審決案別紙3-1「入札価格一覧表(入札が2回行われたもの)」及び別紙3-2「入札価格一覧表(入札1回のもの)」記載のとおりである(査第37,第39及び第65ないし第84号証)。22物件のうち11物件について,2回の入札が行われているが,すべての物件で第1回目の入札で最も低い価格で入札した者が第2回目の入札でも最も低い価格で入札している。22物件の個々の物件の入札状況等は,次の(4)のとおりである。 (4)ア 1番物件について1番物件は,原告が千葉市等から指名を受けた最初の物件であったことから,原告が受注を希望し,その旨を相指名業者2社に告げたところ,相指名業者2社が受注を希望しなかったため,原告が受注予定者となった(査第45号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第45号証において,相指名業者の対馬基礎開発株式会社の営業部長Eは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 イ 3番物件について3番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,相指名業者2社が受注を希望しないので原告において受注してほしいとの意向を示した結果,原告が受注予定者となった。入札当日,Aは入札場所の千葉市役所に出向いたものの,相指名業者から受注を押し付けられたと感じて不満を覚え,千葉市の入札担当者や相指名業者に対し,台風の影響で外房線が不通になったため入札に参加できなくなったとの電話を入れて,入札に参加しなかった。相指名業者2社は,急遽,それぞれが積算した価格で入札し,対馬基礎開発株式会社が落札した(査第45,第63及び第65号証並びにAの審訊の結果。このように,3番物件についても,原告を含む指名業者間の調整で原 者2社は,急遽,それぞれが積算した価格で入札し,対馬基礎開発株式会社が落札した(査第45,第63及び第65号証並びにAの審訊の結果。このように,3番物件についても,原告を含む指名業者間の調整で原告を受注予定者としていたものであり,原告は入札当日になって入札参加を取りやめているものの,台風を奇貨として外房線の不通を口実にした一回限りの参加取りやめであって,原告が本件合意に基づく受注調整とは無縁の行動をとっていたとか,あるいは受注調整から離脱したことを示すものではない。)。 ウ 4番物件について4番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみ受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第44及び第46号証。相指名業者の伸光エンジニアリング株式会社の取締役業務部長Dは,本件審判における審訊で,原告が受注予定者となったことについてAから礼を述べられたと供述している。)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第46号証において,相指名業者の山中エンジニヤリング株式会社の営業部課長Fは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 エ 5番物件について5番物件について,原告及び相指名業者4社が受注希望を確認し合い,持ち点が一番高かった伸光エンジニアリング株式会社が受注を希望せず,持ち点が二番目に高い株式会社共同地質が受注を希望したため,同社を受注予定者とした(査第49及び第52号証)。株式会社共同地質は,原告に自己の入札価格を入札前に連絡した(査第52号証において,株式会社共同地質の取締役総務部長Gは,被告の審査官に対し,入札前に同人が原告及び他の相指名業者に対して同社の入札価格を連絡したと供述している。)。 オ 入札前に連絡した(査第52号証において,株式会社共同地質の取締役総務部長Gは,被告の審査官に対し,入札前に同人が原告及び他の相指名業者に対して同社の入札価格を連絡したと供述している。)。 オ 6番物件について6番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第49及び第51号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第49及び第51号証において,相指名業者の京葉テクニカ株式会社の専務取締役C及び株式会社ケセン地質研究所の営業部長Hは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 カ 8番物件について8番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第51及び第53号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第51及び第53号証において,相指名業者の株式会社ケセン地質研究所の営業部長H及び千葉土質調査株式会社の営業担当者Bは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。Bは,本件審判における審訊でも同じ供述をしている。)。 キ 10番物件について10番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第49及び第52号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第49号証において,相指名業者の京葉テクニカ株式会社の専務取締役Cは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札 9及び第52号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第49号証において,相指名業者の京葉テクニカ株式会社の専務取締役Cは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 ク 11番物件について11番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合ったところ,受注を希望する者がいなかったので,話合いにより株式会社両総コンサルタントを受注予定者に決め,入札前に同社が同社の入札価格を原告及び他の相指名業者に連絡した(査第50及び第53号証)。 ケ 12番物件について12番物件について,原告及び相指名業者4社は持ち点で受注予定者を決めることとし,持ち点が一番高い株式会社当間地質を受注予定者とした。株式会社当間地質は,入札前に同社の入札価格を原告及び他の相指名業者に連絡した(査第48,第53及び第54号証)。 コ 13番物件について13番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第49及び第59号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第49号証において,相指名業者の京葉テクニカ株式会社の専務取締役Cは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 サ 14番物件について14番物件について,原告及び相指名業者4社が受注希望を確認し合ったところ,原告と株式会社当間地質とが受注を希望したが,同社の方の持ち点が原告の持ち点よりも高かったので,同社を受注予定者とした。株式会社当間地質は,入札前に同社の入札価格を原告及び他の相指名業者に連絡した(査第48,第53及び第54号証)。 シ 15番物件に 持ち点が原告の持ち点よりも高かったので,同社を受注予定者とした。株式会社当間地質は,入札前に同社の入札価格を原告及び他の相指名業者に連絡した(査第48,第53及び第54号証)。 シ 15番物件について15番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第44及び第49号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第49号証において,相指名業者の京葉テクニカ株式会社の専務取締役Cは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 ス 16番物件について16番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第49及び第60号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第49号証において,相指名業者の京葉テクニカ株式会社の専務取締役Cは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 セ 18番物件について18番物件について,原告及び相指名業者6社が受注希望を確認し合い,持ち点が一番高い伸光エンジニアリング株式会社が受注を希望したので,同社を受注予定者とした。伸光エンジニアリング株式会社は,入札前に原告及び他の相指名業者に同社の入札価格を連絡した(査第44及び第51ないし第53号証並びに参考人B及び同Dの審訊の結果)。 ソ 19番物件について19番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,株式会社両総コンサルタントが受注を強く希望し,原告及び他の相指名業者は受注を積極的には希望しなかっ )。 ソ 19番物件について19番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合い,株式会社両総コンサルタントが受注を強く希望し,原告及び他の相指名業者は受注を積極的には希望しなかったため,同社を受注予定者とした。株式会社両総コンサルタントは,入札前に同社の入札価格を原告及び他の相指名業者に連絡した(査第50及び第51号証)。 タ 20番物件20番物件について,原告及び相指名業者4社が受注希望を確認し合ったところ,受注を希望する者がおらず,原告のみが犠牲番外物件(受注しても持ち点をゼロにせず,逆に1点を加算する物件,「犠番」とも呼ばれる。)の扱いでよければ受注してもよいと申し出たため,原告を受注予定者とした(査第47,第49,第51及び第52号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第47,第49,第51及び第52号証において,相指名業者の株式会社テクノアースの取締役管理部長兼営業担当部長I,京葉テクニカ株式会社の専務取締役C,株式会社ケセン地質研究所の営業部長H及び株式会社共同地質の取締役総務部長Gは,被告の審査官に対し,入札前にAから原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 チ 21番物件について21番物件について,原告及び相指名業者2社が受注希望を確認し合ったところ,原告のみが受注を希望し,相指名業者2社は受注を希望しなかったので,原告を受注予定者とした(査第44及び第51号証)。原告は,相指名業者に対して自己の入札価格を入札前に連絡した(査第51号証において,株式会社ケセン地質研究所の営業部長Hは,被告の審査官に対し,入札前に原告から原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 ツその他の物件について上記アないしチに掲げた物件以外の物件についても,原告とともに指名 究所の営業部長Hは,被告の審査官に対し,入札前に原告から原告の入札価格の連絡を受けたと供述している。)。 ツその他の物件について上記アないしチに掲げた物件以外の物件についても,原告とともに指名を受けた相指名業者の担当者は,被告の審査官に対し,原告及び相指名業者が本件合意に基づく受注調整を行っていたことを認める供述をしている(2番物件につき査第51及び第63号証,7番物件につき査第51及び第59号証,9番物件につき査第54及び第59号証,17番物件につき査第53,第55,第56及び第58号証,22番物件につき査第44及び第60号証)。 (5) 本件審決は,上記(2)のとおり,Aが遅くとも平成7年11月16日には本件合意の内容を知っていたこと,上記(4)のとおり,原告が,1番物件,5番物件及び18番物件について,相指名業者との間で,話合いにより受注予定者を決め,原告が受注予定者の場合には,原告が相指名業者に入札前に入札価格を連絡し,原告以外の者が受注予定者の場合には,これらの者から入札前に入札価格の連絡を受け,これらにより受注予定者が受注できるようにするなど協力し合っていたこと,3番物件についても,原告と相指名業者との間の話合いで受注予定者を決めていたこと,その余の物件についても,相指名業者においては,原告も他の同業者と同様に受注調整を行っているものと認識されていたこと,一方,原告が上記22物件の入札に際して,3番物件を除いては受注予定者とされていたにもかかわらず受注しなかったとか,他の相指名業者が受注予定者とされていたにもかかわらず原告が受注したなどといった受注調整行為から離脱した,あるいはこれと相容れない行動をとったものと認めるに足らないこと,さらに,上記(3)のとおり,2回の入札が行われた11物件の入札結果からは,原告が受注した 注したなどといった受注調整行為から離脱した,あるいはこれと相容れない行動をとったものと認めるに足らないこと,さらに,上記(3)のとおり,2回の入札が行われた11物件の入札結果からは,原告が受注した物件か否かを問わず,事前に第2回目の入札価格を含めて価格の連絡がされていたことが推認されることを掲げ,これらの事実を総合すれば,原告が本件合意に参加し,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていたものと認めるのが相当であるとし,また,上記認定によれば,原告及び26社は,本件行為により,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務のほとんどすべてを受注していたものと認めるのが相当である,と認定しているが,この事実認定は,証拠に基づくもので,その推論にも問題がなく,合理的なものということができる。 (6) 原告は,本件合意は協会のルール・慣行であって,協会員でない原告は本件行為に参加しておらず,原告は独自に積算した価格で入札に参加していたもので,相指名業者との間で入札前に入札価格の連絡をするようなことはしていないと主張する。 確かに,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務の入札に参加した業者のほとんどは協会に加入しているところ,原告は協会に加入していない(査第33号証並びに参考人J及びAの審訊の結果)。また,上記(4)のとおり,原告が受注した物件のほとんどは,原告のみが受注を希望し,相指名業者は受注を希望しなかった物件である。特に,3番物件は,原告自身も受注を希望しなかったにもかかわらず,入札が不調になるのを回避するため原告が受注予定者とされたものと推認される。 しかしながら,上記(2)ないし(4)のとおり,原告は本件合意の内容を認識し,原告は22物件について相指名業者と入札前に受注予定者を決める話合いに加わっている。そして,原 れたものと推認される。 しかしながら,上記(2)ないし(4)のとおり,原告は本件合意の内容を認識し,原告は22物件について相指名業者と入札前に受注予定者を決める話合いに加わっている。そして,原告が受注予定者となり受注した物件について,原告は自ら積算の上で採算のとれる価格で入札し(このことは原告の自認するところである。),その価格を入札前に相指名業者に連絡しており,相指名業者の協力を得て受注しているのである。また,相指名業者が受注予定者となった物件については,原告は当該相指名業者から入札価格の連絡を受け,それを上回る価格で入札しているのである。 そうである以上,本件合意と協会とのかかわりがどのようなものであるかは別として,また,原告の受注した物件が相指名業者において受注を希望しなかったものであったとしても,原告が26社と共同し,本件行為を行っていたとの認定は相当であるというべきである。 5 原告は,協会員は公正取引委員会の審査開始後も本件行為を取りやめていないと主張する。 原告及び26社が公正取引委員会の審査開始後は本件行為を取りやめているとの本件審決の認定は,上記のとおり,その挙示する証拠(査第55ないし第58,第60及び第61号証並びに参考人B,同C及び同Dの審訊の結果)により合理的なものと認める。 原告は,本件行為は協会員のみによるもので,原告には関係のないものであることを強調し,その根拠の一つとして,協会員はその後も本件行為を継続していると主張するものであり,Aは,公正取引委員会に対する直接陳述で,協会員は上記の審査開始後も順番に受注していると述べている。しかし,原告も本件行為に参加していたことは上記のとおりであり,原告の主張あるいはAの陳述のみで本件行為の取りやめに関する上記の認定の合理性を左右することはできない。 に受注していると述べている。しかし,原告も本件行為に参加していたことは上記のとおりであり,原告の主張あるいはAの陳述のみで本件行為の取りやめに関する上記の認定の合理性を左右することはできない。 6 以上によれば,原告は,平成7年11月16日ころから,26社(株式会社システムサーベイ及び三和技建株式会社については平成10年8月25日ころ以降)と共同して,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,千葉市等発注の市内業者向け特定地質調査業務の取引分野における競争を実質的に制限していたところ,平成10年9月11日以降これを取りやめたものであって,原告の上記行為は,独禁法2条6項の不当な取引制限に該当し,同法3条の規定に違反するものであるから,同法54条2項の規定に基づき行われた本件審決は適法というべきである。 第7 結論本件審決に原告主張の違法はなく,原告の本訴請求は理由がないのでこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条及び民事訴訟法61条の規定を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第三特別部裁判長裁判官泉徳治裁判官持本健司裁判官秋武憲一裁判官森高重久裁判官三代川俊一郎

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