【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人大橋茹、同斎藤寿の上告趣意は末尾に添付した別紙記載の通りである。 第一点について。 (イ) 所論公判調書を調べ
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人大橋茹、同斎藤寿の上告趣意は末尾に添付した別紙記載の通りである。 第一点について。 (イ) 所論公判調書を調べて見るに、検察官事務取扱検察事務官は被告人の販売始末書一通の取調を請求し、証拠調終了後、裁判所にこれを提出した旨の記載はあるが、Aの販売始末書の取調を請求した旨の記載のないことは、論旨主張の通りである。しかし、本件記録には被告人の販売始末書を発見できずAの販売始末書が綴りこまれているのである。そして第一審の認定した事実によれば被告人は右Aから衣料品を買受けたのであるから、買受人たる被告人が販売始末書を提出するということは通常あり得ないことであるし、販売人たるAの販売始末書は記録に綴りこまれているが、被告人の販売始末書はこれに綴りこまれていないこと等に鑑みれば、被告人の販売始末書とあるはAの販売始末書の誤記と認めるのを相当とする。従つて、原判決は所論の如き虚無の証拠によつて事実を認定した違法あるものではないばかりでなく、論旨は刑訴法第四〇五条に当らないから上告適法の理由とならないし、また刑訴法第四一一条を適用すべきものとも認められない。 (ロ) 所論昭和一八年(れ)第七七八号事件の判決は裁判所構成法による東京控訴院が上告審として為した判例であつて刑訴法第四〇五条第二号、第三号に掲げている判例に当らないから論旨は上告適法の理由とならない(昭和二四年新(れ)第四九九号、同二五年五月一二日第二小法廷判決参照)。 なお、本件について第一審判決は適用法令として臨時物資需給調整法第一条、第四条、衣料品配給規則第五条を掲げているが、同規則にいわゆる衣料品とは、その第一条第一項に基いて昭和二二年九月一〇日商工省告示第五八号によつて指定され- 1 -ているの 時物資需給調整法第一条、第四条、衣料品配給規則第五条を掲げているが、同規則にいわゆる衣料品とは、その第一条第一項に基いて昭和二二年九月一〇日商工省告示第五八号によつて指定され- 1 -ているのであるから、臨時物資需給調整法の罰則を適用するには、衣料品配給規則第五条のほかに右告示第五八号を掲げなければならない。けだし衣料品配給規則第五条は右告示によつて、その内容が具備するからである。従つて原判決が右告示第五八号の適用をしなかつた第一審判決を維持したことは法令の違反あるものというべきであるが、被告人が買いうけた判示紺織木綿は右商工省告示の指定する衣料品に該当することが明白である以上、右告示を遺脱して処断したとしても刑の量定その他において右告示を適用した場合と異る処はないから前示の法令違反があるとしても刑訴法第四一一条第一号により原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。 よつて刑訴法第四〇八条により主文の通り判決する。 この裁判は裁判官全員一致の意見である。 昭和二五年一〇月一七日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠は差支えのため署名押印することができない。 裁判長裁判官長谷川太一郎- 2 -
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