平成24年11月8日宣告平成24年(わ)第184号殺人被告事件判決 主文 被告人を懲役7年に処する。 未決勾留日数中90日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,実母のAが,平成24年3月頃から,毎日,意味の分からない言動を繰り返すようになり,同年4月末には,自力では立てなくなって,大便や小便も漏らすようになったため,将来を悲観していた。そして,同年5月2日,同女が急に大声で叫び出したことから,状態が益々悪くなったと思って絶望し,同女を殺そうと決意して,静岡県富士市a番地bハイツ浴室において,同女(当時67歳)に対し,その後頸部を手で押さえ付けて顔面を浴槽内の水に沈め,よって,その頃,同所において,同女を溺死させて殺害した。 (証拠の標目)省略(法令の適用)罰条刑法199条刑種の選択有期懲役刑未決勾留日数算入同法21条訴訟費用刑訴法181条1項ただし書(負担させない)(量刑上特に重視した事情)母親と二人きりで生活し,20歳以降ほとんど職に就かず,自宅に引きこもりがちであった被告人が,母親の心身の状態が悪化するなか,将来を悲観し,その叫び声をきっかけに,絶望して犯行に及んだという経緯は理解できないものではない。しかし, 殺害という行為に及んだのはやはり短絡的といわざるを得ず,被告人は一定の厳しい非難を免れない。 もっとも,自棄的であった被告人は,現在では自分の犯した罪の重さを自覚し,その罪を償い,出所後は,職に就き,自立して生きていこうとの姿勢を見せ始めている。 特段の犯罪傾向も認められず,再犯に及ぶ可能性も低い。 本件は,長年にわたる介護の果 自分の犯した罪の重さを自覚し,その罪を償い,出所後は,職に就き,自立して生きていこうとの姿勢を見せ始めている。 特段の犯罪傾向も認められず,再犯に及ぶ可能性も低い。 本件は,長年にわたる介護の果ての犯行とはいえないが,以上を踏まえると,被告人の刑は主文の程度で足りるものと思われる。 (求刑懲役13年)平成24年11月8日静岡地方裁判所沼津支部刑事部 裁判長裁判官宮本孝文 裁判官小松香織 裁判官戸取謙治
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