平成11(ワ)325 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年12月17日 岡山地方裁判所
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判決文本文15,731 文字)

主文 原告らの主位的請求をいずれも棄却する。 被告は,原告Aに対し金66万円及び内金60万円に対する平成9年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告B,同C及び同Dに対し,各金22万円及び内金20万円に対する平成9年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告らのその余の予備的請求をいずれも棄却する。 訴訟費用はこれを10分し,その1を被告の負担とし,その余を原告らの負担とする。 この判決は,第2,第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第一請求(主位的請求)一被告は,原告Aに対し,金1342万4298円及び内金1242万4298円に対する平成9年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 二被告は,原告B,同C,同Dに対し,各金447万円4766円及び内金414万1432円に対する平成9年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (予備的請求)一被告は,原告Aに対し,金330万円及び内金300万円に対する平成9年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 二被告は,原告B,同C,同Dに対し,各金110万円及び内金100万円に対する平成9年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第二事案の概要一前提事実(当事者間に争いがないか弁論の全趣旨により明らかな事実) 当事者(一)原告,,,訴外亡Eは大正9年1月21日生まれの男性で平成9年3月29日77歳で死亡した。 原告Aは,Eの妻であり,原告B,原告C及び原告DはいずれもEと原告Aとの間の子である。 (二)被告被告は,岡山県和気郡吉永町において吉永町国民健康保険町立病院(以下「町立病院」という)を開 。 原告Aは,Eの妻であり,原告B,原告C及び原告DはいずれもEと原告Aとの間の子である。 (二)被告被告は,岡山県和気郡吉永町において吉永町国民健康保険町立病院(以下「町立病院」という)を開設し,管理,運営している。 。 F医師は,当時,町立病院の病院長であった。 G医師は,当時,岡山大学附属病院医師で,町立病院において硬膜外ブロック注射の治療を行っていた。 本件事故の発生(一)硬膜外ブロック注射の実施Eは,腰痛治療のため町立病院に行き,平成9年1月20日午後0時ころ,G医師により,腰部に対する硬膜外ブロック注射治療を受けた。 硬膜外ブロック注射とは,下肢痛の治療を目的として,麻酔薬をくも膜の外である硬膜外腔(くも膜と硬膜とは癒着することで一枚の膜となっており,脊髄液側をくも膜下腔,くも膜の外側の空間を硬膜外腔という)。 に注入し,脊髄から出入りする神経だけに麻酔作用が及ぶようにする治療で,使用する薬剤の量で麻酔の広がりを調整することができる。 (二)転落事故及びその後の経緯硬膜外ブロック注射後,約1時間経過した後,Eは,診察台の上で中腰の体勢でズボンを履き上げようとしてバランスを崩し,頭部から病院の床に転落した。 Eは転落直後は,原告Dらの問いかけに応じて正常に会話していたが,午後1時45分ころ,汗をかき,涙を流し,嘔吐し,意識を喪失するなど容態が急変したため,町立病院において頭部のCT撮影等を行った後,緊急に脳外科的手術のできる岡山市民病院に搬送転医され,同病院において開頭血腫除去術(減圧開頭術)を受けたが,意識を回復することなく,本件転落による頭部外傷を原因とする脳挫傷,急性硬膜下血腫,肺炎,意識,,。 障害により同病院において同年3月29日午後6時45分に死亡した 本件各請求(一)主位的請求原告らは被 なく,本件転落による頭部外傷を原因とする脳挫傷,急性硬膜下血腫,肺炎,意識,,。 障害により同病院において同年3月29日午後6時45分に死亡した 本件各請求(一)主位的請求原告らは被告に対し,町立病院において,Eが診察台から転落したことにつき,転落を防止する義務を怠り,また転落事故後,Eに対して直ちにCT撮影を行う義務,経過観察義務あるいは救急車を早期に手配する義務を怠った結果,Eが死亡するに至ったと主張し,F院長が被告の事業の執行につきなした不法行為についての使用者責任もしくは国家賠償法1条1項に基づく損害賠償金及びそのうちの弁護士費用相当損害分を除く損害金に対するEの死亡時から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを,Eに生じた損害に対する各原告の相続分及び各原告の固有損害として,それぞれ請求した。 (二)予備的請求原告らは被告に対し,仮に町立病院の注意義務違反とEの死亡との間に因果関係が認められないとしても,患者には当時の医療水準に基づいた適切な治療を受けることを期待する権利または適切な治療による延命の可能性を期待する権利があり,前記(一)の町立病院の注意義務違反により上記権利が侵害された旨主張して,予備的にF院長についての被告の使用者責任もしくは国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,Eに生じた慰謝料及びこれに対するEの死亡時からの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを,Eに対する各原告の相続分に応じて,それぞれ請求するとともに,各原告に生じた弁護士費用相当の損害金の支払いを求めた。 二 争点 (主位的請求)本件争点は,①町立病院のEに対する診察台からの転落防止義務違反の有無(争点1,②転落事故発生後の町立病院の経過観察義務違反及び救急車)を早期に手配する義務違反の有無(争点2 争点 (主位的請求)本件争点は,①町立病院のEに対する診察台からの転落防止義務違反の有無(争点1,②転落事故発生後の町立病院の経過観察義務違反及び救急車)を早期に手配する義務違反の有無(争点2,③町立病院の①又は②の義務)違反とEの死亡という結果との間に因果関係が認められるか(争点3,④)損害の内容(争点4)である。 (予備的請求)本件争点は,町立病院の義務違反を前提として,Eの適切な治療を期待する権利又は延命の可能性を期待する権利に対する侵害の有無及びその損害額(争点5)である。 争点1について(一)原告らの主張Eは,硬膜外ブロック注射の効果により,交感神経,知覚神経,運動神経が麻酔されるため,腰や足が暖かくなり,痛みがなくなり,足が軽く痺れていた上,77歳の高齢で脳梗塞治療中であったことを考慮すれば,町立病院には,看護婦が見守り,手助けするなどして,ブロック注射後,麻酔効果消失を確認し,Eが立ち上がって足元がしっかりしていることを見届け,ブロック効果の残存に備えて同人の動静に注意するなど転倒を防止すべき義務があるところ,町立病院がこれを怠ったまま帰宅を許可したため,本件転落事故が発生し,Eが死亡するに至った。 (二)被告の反論町立病院において,通常は,ブロック注射後,患者の足元がしっかりしていることを確認して患者の帰宅を指示しているが,本件の場合,Eは,脳梗塞により歩行が困難なため,あらかじめ家族が来るまで診察台で休んでおくように指示していたにもかかわらず,これを無視して診察台の上でズボンを上げようとして誤って転落したものである。すなわち,本件の場合,家族の来院が院内関係者に知らされていないので,帰宅の際に実施する歩行確認がなされる以前に,Eの自招行為による転落事故が発生したものであり,町立病院には過失がな たものである。すなわち,本件の場合,家族の来院が院内関係者に知らされていないので,帰宅の際に実施する歩行確認がなされる以前に,Eの自招行為による転落事故が発生したものであり,町立病院には過失がない。 争点2について(一)原告らの主張,,,(1)町立病院はEが診察台から転落し頭部を強打したのであるからEが当時パナルジン(血小板の凝集及び血小板粘着能を抑えて血流障害を改善する)を服用していたことも考慮すれば,的確な問診やバイ(),タルサインの確認等血圧・脈拍・吐き気・耳鳴り・頭痛等を行い直ちにCT検査を実施すべき義務があったのに,これを怠り,漫然と放置した不作為の過失がある。 また遅くとも,原告DがEを連れて帰ろうとして同人が腰砕けの状態になった時点で直ちにCT検査を実施すべきであった。 (2)救急車の手配の遅滞頭蓋内出血の治療として減圧開頭術を要することが見込まれ,そのためには転院の必要があったのであるから,町立病院としては早期に救急車を手配して準備すべきであり,仮にCT検査による確定診断を待って救急車を呼ぶのが通常であったとしても,本件では町立病院がCT検査により減圧開頭術の適応を知ってから(午後2時5分ころ)実際に救急車を呼ぶ(午後2時33分)まで約28分の時間が経過しており,救急車の手配が遅れたことは明らかである。 (二)被告の反論町立病院では受傷直後のEの意識状態,麻痺などの神経学的症状の有無を観察しており,受傷当初は臨床的に無症状であった。仮にこの時点でCTを撮影してみたところで,通常は所見がないか,所見があっても軽微で治療方針(手術適応)が立てられないので,30分ないし数時間臨床経過を観察してからCT検査を施行するのが常套的な診療手法である。 Eが経過観察のために寝かされていたのは診察室 か,所見があっても軽微で治療方針(手術適応)が立てられないので,30分ないし数時間臨床経過を観察してからCT検査を施行するのが常套的な診療手法である。 Eが経過観察のために寝かされていたのは診察室の診察台であり,看護婦は頻回に亘り行き来しており,放置していたわけではなく,また,Eの,,顔色不良欠伸に気がついたのは看護婦であることからも明らかなとおり経過観察は行っていたものである。 また,Eに起こった急性硬膜下血腫は通常の硬膜下血腫に見られるように脳が損傷して複数の小血管からの出血が起こり,これがパナルジン服用に伴う出血傾向によって助長されたのではなく,比較的太い動脈が損傷したことによって,そもそも,自然止血が期待できない程の出血が生じたも,。 のであるからパナルジン服用と本件結果の間には因果関係が存在しない 争点3について(一)原告らの主張(1)Eが転落した直後にCT撮影の準備がなされていたなら,その準備に15分ないし20分程度かかるとしても,実際に行われた検査(転落から約1時間経過後)よりも40分から45分早く検査が可能であり,早期にCT撮影をしていたならば,Eは急激かつ多量の出血をしていたことからすれば,早期に脳内出血の確定診断が可能であったのであり,早期に手術適応の判断がなされ,救命される高度の蓋然性があった。 (2)また,Eが腰砕けの状態になった時点でCT撮影を行っていた場合でも,町立病院がCT検査により減圧開頭術の適応を知ってすぐ救急車を手配しておれば,実際よりも約40分程度早く転院して手術を受けられたのであるから,やはり,救命される高度の蓋然性があった。 (二)被告の反論町立病院で撮影された頭部CT所見において既に硬膜下血腫量は大量であり,正中も2㎝偏位し,脳底槽も消失しており,テント切痕ヘルニアの ら,やはり,救命される高度の蓋然性があった。 (二)被告の反論町立病院で撮影された頭部CT所見において既に硬膜下血腫量は大量であり,正中も2㎝偏位し,脳底槽も消失しており,テント切痕ヘルニアの所見を呈する重篤な状態であったことからすれば,原告主張のように40分程度,岡山市民病院への到着が早まったとしても,本件死亡時点でなお生存していた高度の蓋然性は認められない。 争点4について(原告らの主張)(一)亡Eの損害2364万8596円(1)入院雑費8万9700円一日当たり1300円の入院雑費にEの入院期間(平成9年1月20日から同年3月29日まで)69日を乗じた金額(2)逸失利益305万8896円①農業収入分97万8896円耕作面積5892㎡に平成7年度の1㎡当たりの平均農業収入6. ,. 390円に平均寿命の半分である4年及び生活費控除後の割合065を乗じた金額②年金収入分208万0000円年間80万円の年金に平均寿命の半分である4年及び生活費控除後の割合0.65を乗じた金額(3)慰謝料2050万0000円傷害慰謝料50万0000円死亡慰謝料2000万0000円(4)原告らによる相続承継原告Aは相続分2分の11182万4298円原告B,同C,同Dは相続分各6分の1各394万1432円(二)原告ら固有の損害(1)葬儀費用120万円を要し,各原告において相続分に応じて負担した。 (2)弁護士費用200万円を要し,各原告において相続分に応じて負担した。 争点5について(予備的請求)(一)原告らの主張(1)医師は当時の医療水準に基づいて,適切かつ速やかな諸検査等による正確な傷病の医学的解明を行い,これによって,患者に対して適切な指示,指導,治療行為をなすべき義務を 求)(一)原告らの主張(1)医師は当時の医療水準に基づいて,適切かつ速やかな諸検査等による正確な傷病の医学的解明を行い,これによって,患者に対して適切な指示,指導,治療行為をなすべき義務を負っている。そして,患者は医師や病院に対し,適切な看護や治療を受けることを期待する権利または適切な看護や治療による延命の可能性を期待する権利がある。 ,,,(2)しかるに町立病院はEが転倒するのを防止する義務を怠りEが診察台から転落して頭を強打し,生命の危険性のある重大な傷害を受けた後も,的確な問診やバイタルサインの確認等を怠ったことなどから,CT検査による頭蓋内出血の確定診断が遅れ,救急車の手配が遅れた結果,岡山市民病院において開頭血腫除去手術を受けるのが遅れることになり,Eの適切な治療を期待する権利又は延命の可能性を期待する権利を侵害した。 (3)このEの精神的苦痛に対する慰謝料は600万円をもって相当とする。 (4)原告Aは,上記損害額の2分の1を,原告B,同C,同Dは各6分,,,の1を相続承継しまた本件訴訟提起を余儀なくされたことに伴い弁護士費用相当額として原告Aは30万円,同B,同C,同Dは,各10万円の損害を被った。 (二)被告の反論(1)町立病院には原告ら主張の義務違反はない。 (2)延命期待性については,保護法益とされるためには,早期発見,治療により一定の蓋然性をもって延命の可能性が期待できることが必要であるが,岡山市民病院への到着遅滞がEの死という結果にどのような影響を与えたかは,およそ不明である。 第三争点についての当裁判所の判断一主位的請求について,,,,, 前記前提事実に甲第5号証乙第1第2号証第3号証の1ないし7第4,第7号証,第8号証の1ないし3,第9,第1 第三争点についての当裁判所の判断一主位的請求について,,,,, 前記前提事実に甲第5号証乙第1第2号証第3号証の1ないし7第4,第7号証,第8号証の1ないし3,第9,第10,第12,第13号,,,,(,証鑑定人H・Iの共同鑑定結果証人J証人K証人F上記各証言中次の認定に反する部分を除く,証人Lの各証言及び原告D本人尋問の結果)(次の認定に反する部分を除く,調査嘱託の結果を総合すると次のとおり)認定できる。 (1)Eは,町立病院において,6年前に発症した脳梗塞の治療のため,パ()ナルジン血小板の凝集及び血小板粘着能を抑えて血流障害を改善するの投薬治療を受けており,脳梗塞の後遺症で,左半身に少し麻痺があった。 Eは,平成9年1月20日午後0時前ころ,硬膜外ブロック注射による腰痛治療を受けるため,町立病院に,妻の原告Aが同乗し原告Dが運転する車で来院した。 F院長は,原告Dに対して,硬膜外ブロック注射の麻酔が終わるのに,,1時間かかるので一度帰って1時間位後に迎えに来たらどうかと勧めEに対して,ブロック注射により1時間くらいは筋力が落ちる可能性があるので,1時間後に一緒に起きて歩いてみるまではそのまま診察台に寝ておくよう,また当日は風呂に入らないよう指示した。 (2)Eは午後0時ころ,町立病院第3診察室でG医師の手によってブロッ。 ,ク注射による治療を受けたK看護婦が上記注射治療につき介助したが同看護婦は,上記治療開始前,Eに対し,1時間は診察台の上で安静にしなければならないので,トイレを済ませておくよう説明した。上記注射において使用した局所麻酔薬は1%リドカイン6mlであったことから,通常は,ブロック注射後60ないし90分麻酔症状が持続することが予想された。K看護婦 で,トイレを済ませておくよう説明した。上記注射において使用した局所麻酔薬は1%リドカイン6mlであったことから,通常は,ブロック注射後60ないし90分麻酔症状が持続することが予想された。K看護婦はブロック注射直後から5分ごとに午後0時30分まで5回にわたり,Eの血圧,脈拍を測定したが,血圧は,注射直後140/70であったものが,5分後からは110/74前後で安定し,局所麻酔ショックを窺わせる血圧低下等の異常は見られず,K看護婦は午後0時30分「Eが)硬膜外ブロック注射をして,30分後に,(1時間になるので血圧測定をお願いします「娘さんが迎えに来る予定。」になっています」旨申し送った上,診察台上で仰臥するEの右手に血。 圧計を巻いたままの状態で,J看護婦と交替した。 ,(3)原告Dは午後0時ころEの治療にはまだ1時間程度かかることを聞きいったん昼食をとるため原告Aとともに帰宅していたが,午後1時ころ,,町立病院にEを迎えに行き同病院には迎えに来たことを告げないまま第3診察室の前にある長いすに座ってEの治療が終わるのを待った。 J看護婦は前記交替後Eに対し足は痺れていないですか気,,,「。」,「分は悪くないですか」などと10分おきに声かけして,その都度大丈。 夫である旨のEの返答を得て,午後1時にEの血圧を測定し,異常のないことを確認した後,血圧計をはずし,Eの足が随意,動くのを確認し,「Eさん終わったでえ,今日はお風呂へ入られなよ「家の人が来られ。」るまでここで休んでいて下さい」とEに告げ,カルテを持って,受付。 の方へ向かった。 (4)原告Dは,第3診察室内から,J看護婦の「Eさん終わったでえ,今日はお風呂へ入られなよ」という声が聞こえ,Eのもとを離れる足音。 が聞こえたため,診療が終わったもの 付。 の方へ向かった。 (4)原告Dは,第3診察室内から,J看護婦の「Eさん終わったでえ,今日はお風呂へ入られなよ」という声が聞こえ,Eのもとを離れる足音。 が聞こえたため,診療が終わったものと思い,同診察室のドアを開けながら「おじいさん」と声をかけた。ちょうどその時,Eは,高さ約60㎝の診察台の上で中腰の姿勢で臀部を40㎝くらい浮かし,ズボンを履き上げようとする姿勢でバランスを崩して,頭部から床上に転落し,左側頭部を強打した。 (5)J看護婦は転落の音を聞いてかけつけ,原告Dと二人でEが診察台に上がるのを手伝ったが,この時のEは自力で診察台に上がれる状態で,J看護婦の「Eさん大丈夫ですか。どこか痛いところはないですか」と,,「。」。 ,の問いかけに対しEはすまん大丈夫ですと答えた相前後して約8メートル程度の距離を隔てた第1診察室で外来診察を行っていたF院長は,Eが転落して頭部を強打した際の鈍い音を聞いて,第3診察室に顔をのぞけ「鈍い音がしたなあ」と言った。これに対しEが「痛かっ,たぞよ」と答え,F院長が頭を触って「どう」と声をかけると,Eは。 「大丈夫,大丈夫」と答えた。Eの頭部には外傷はなかった。F院長。 は,Eに頭痛,嘔吐等の症状が出ていないからすぐにCTを撮っても分からないので時間をおいてから撮る旨,原告Dに説明した。J看護婦はすぐに血圧測定を実施し,血圧に異常はない旨,F院長へ報告した。 その後F院長はJ看護婦に,しばらく様子を見るように指示しただけで具体的な指示はしないまま,元の診察に戻り,J看護婦は定期的にEのバイタルサインを計測することはしなかった。 (6)午後1時30分少し前ころ,原告Dは,Eが転落後,町立病院が何らの診察もしてくれないのならEを連れて帰ろうと考え,Eを起こして足を床に着か にEのバイタルサインを計測することはしなかった。 (6)午後1時30分少し前ころ,原告Dは,Eが転落後,町立病院が何らの診察もしてくれないのならEを連れて帰ろうと考え,Eを起こして足を床に着かせ,立たせようとしたが,Eは腰砕けの状態となったため,原告Dは,J看護婦の助けを得て,Eを診察台の上に運び上げた。J看護婦は「きつい薬だからゆっくりせられえ」といって脈拍を測っただ。 けで,このことをF院長には報告しなかった。 (7)午後1時30分ころ,再び,J看護婦からK看護婦に勤務の交代がなされ,その際,①Eが診察台から落下して頭を打って今は落ち着いていること,②そのことはF院長も知っていること,③経過を見ておかしかったらF院長に報告することというものだった。K看護婦は,第3診察室からは出ずに,Eの顔色や様子を見ながら仕事をしていたがEのバイタルサインを計測することはしなかった。 (8)午後1時45分ころ,Eの顔面に発汗があり,アーアーと声を出し,顔面蒼白気味となり,呼吸も荒くなり,容態が急変したことから,K看護婦は,直ぐにF院長,G医師に連絡した。 G医師は,直ちに第3診察室に赴いたが,Eは仰向けになり,呼びかけにもはっきり反応せず,半昏睡の状態であった。その後,別件の検査を終えたF院長が診察台サイドに到着したが,Eの状態は,一見して,呼吸状態は通常と異なり,大きく,ゆっくりした失調性呼吸であり,すぐに気管内挿管を行い,人工呼吸をすることが必要な病態であった。気管内挿管に至るまでに,Eに嘔吐はみられず気管内挿管はスムーズに行われ,町立病院では,午後2時5分ころ,人工呼吸を行いながら,移動用ストレッチャーにEを移し,CT検査室まで移動し,直ちに頭部CT検査を行ったところ,頭蓋内出血による脳の圧迫が確認され,減圧開頭術の適応であること は,午後2時5分ころ,人工呼吸を行いながら,移動用ストレッチャーにEを移し,CT検査室まで移動し,直ちに頭部CT検査を行ったところ,頭蓋内出血による脳の圧迫が確認され,減圧開頭術の適応であることを認識したが,同病院には当日は脳外科の専門医がいなかったことから,脳外科的治療可能な施設へ転医することとした。 午後2時11分から13分ころまでの間に撮影のCT写真によれば,Eには,左急性硬膜下血腫が生じていて,その大きさは最大厚30㎜以(),,上血腫部分20㎜水腫部分10㎜で正中偏位は最大20㎜であり,,。 脳幹部の圧迫偏位が著しく脳幹周囲の脳槽は全く描出されていないくも膜下出血が両側のシルビウス裂内に厚く認められ,これは脳挫傷に伴う出血がくも膜下腔へ流入したことによるものと考えられ,いわゆる外傷性くも膜下出血と考えられた。なお,当時の町立病院で使用していたCT検査におけるストレッチャー使用時の入室から退室までの使用時間は,①入室から撮影台への移動,位置合わせに約5分,②撮影に12分から13分(撮影中に医師がCT画面を見ることは可能,③撮影台)からストレッチャーへ移動,退室するのに約3分,④フイルミング約1分,⑤現像に約5分かかる。 (9)そこで町立病院は,原告Dに対し,頭蓋内出血による脳の圧排のために,緊急手術を要し,脳外科的手術のできる岡山市民病院に転医する必要があることを告げ,岡山市民病院への転医,救急車の手配(午後2時33分)を行いつつEに対し人工呼吸を行い,血圧,呼吸状態,心電図の観察などバイタルサインのチェックを継続した。 午後2時38分ころ救急車が到着し,午後2時43分ころ,病院から,,はG医師と看護婦一名が同乗して町立病院を出発し備え付けの心電図酸素飽和度をモニターし,人工呼吸を行い,脳圧亢進 を継続した。 午後2時38分ころ救急車が到着し,午後2時43分ころ,病院から,,はG医師と看護婦一名が同乗して町立病院を出発し備え付けの心電図酸素飽和度をモニターし,人工呼吸を行い,脳圧亢進抑制剤,止血剤,ステロイド剤を,点滴静注しながら,国道二号線経由で岡山市民病院に搬入した。しかし,既に救急車内で瞳孔散大の症状が見られた。 (10)午後3時27分ころ岡山市民病院到着直後にCT撮影が行われたが,町立病院で撮影されたCTと比較してさらに血腫の大きさは大きくなり,脳の圧迫も強くなっており,Eは自発呼吸はあるものの,半昏睡,両側瞳孔散大の状態で脳幹が圧迫されていた。Eは,左急性脳硬膜下血腫,脳挫傷と診断され,午後4時に手術室に搬入されて,午後4時半から左前頭側頭開頭による血腫除去手術を受けた。開頭すると,前頭部の内側よりの硬膜が一部破れて血腫が膨隆し,血腫を静かに除去し,頭蓋底部の方から少し新鮮な出血があり凝固止血したが,前頭葉の底部に一本動脈性の出血が認められた。午後7時25分に手術は終了したが,Eは,意識を回復しないまま,平成9年3月29日午後6時45分に死亡した。 (11)Eが,頭を強打してから約30分後に発汗や呼吸困難の症状が現れ,急速に出血が大きくなった理由は,①Eが高齢のため脳が若干萎縮し,脳に隙間が生じていたため,その隙間に水がたまっていた期間は脳が直接圧迫されないことから直ちに症状は出ないが,その後急激に症状が悪化すると考えられ,②通常は,急性硬膜下血腫は脳の表面の静脈が切れて出血することから出血の仕方がゆっくりなのが通常であるが,Eの場合は動脈性の出血があったと考えられる。 以上の事実が認定でき,証人J,証人K,証人Fの各証言及び原告D本人の供述中,以上認定の事実に反する部分は,前掲各証拠に比照して,にわか 通常であるが,Eの場合は動脈性の出血があったと考えられる。 以上の事実が認定でき,証人J,証人K,証人Fの各証言及び原告D本人の供述中,以上認定の事実に反する部分は,前掲各証拠に比照して,にわかに採用できない。 そして以上認定したところによると,次のとおり判断される。 争点1及び3について硬膜外ブロック注射を受けた患者は,交感神経,知覚神経,運動神経が麻痺するところ,Eに対する硬膜外ブロック注射に使用した局所麻酔薬は1%リドカイン6mlであることから,麻酔症状が60分ないし90分間続くのが通常であること,Eは高齢で軽い左半身麻痺の症状もあったことからすると,町立病院には,ブロック注射から1時間以上経過し,血圧,脈拍数が安定している場合でも,運動神経麻痺が残存していないかまず足趾の動きを確,,,認し介助のもとに診察台に腰をかけさせて見てふらつきがないか確認し床に立たせて歩行が可能か確認するまでは,Eに対し安静状態を保たせ,転倒事故を未然に防止すべき義務があるものと解するのが相当である。 しかるに,町立病院は,治療前にEに対し概括的注意はしたものの,治療後,看護婦等による介助保護のもとに,立ち上がり,歩行することが可能であることを確認するまでは,安静状態を保っておくようEに具体的に説明しないまま,かえって,看護婦において,治療が終わったから帰り支度をしてもいいように解される(治療前の概括的注意と相俟ってもそのように解される)告知をなし,Eが診察台から立ち上がって帰り支度をする行動に出る契機を与えたままで,Eを放置してEのもとを離れたものであり,町立病院には転倒防止義務の懈怠があるものといわざるを得ない。 しかしながら他方,Eは,診察台の上で中腰の姿勢で臀部を40㎝くらい浮かし,ズボンを履き上げようとする姿勢でバランスを崩して,頭 であり,町立病院には転倒防止義務の懈怠があるものといわざるを得ない。 しかしながら他方,Eは,診察台の上で中腰の姿勢で臀部を40㎝くらい浮かし,ズボンを履き上げようとする姿勢でバランスを崩して,頭部から床上に転落したものであり,運動神経麻痺がない通常人の健康状態でも極めて転倒しやすい不自然な態勢をとったものである上,そのような態勢がとれたことからすると,硬膜外ブロックによる運動神経麻痺の影響は残存していたとしても僅かであったと考えられることは,鑑定結果で述べられているとおりであるから,本件転落事故は,Eが自ら招いた自損行為と評価するほかなく,町立病院の転倒防止義務の懈怠と本件転落事故との間に因果関係を認め難いところである。 争点2及び3についてEは,診察台から転落して鈍い音がする程度に頭部を強打していて,頭蓋内出血等の危険性があり,しかも,パナルジン(血小板の凝集及び血小板粘着能を抑えて血流障害を改善する)の投薬治療を受けていて,止血しにくく出血しやすい状態にあった上,仮に頭蓋内出血が認められ開頭手術が必要な場合には,町立病院では当時脳外科の専門医がおらず,転送に約40分前後かかる病院へ転送しなければならない状況にあったのであるから,町立病院は,頭部の損傷の有無を確認し,頭痛,嘔気・嘔吐,意識障害,神経症状な,(,,どの症状の出現を待つだけではなく定期的にバイタルサイン脈拍血圧体温)の計測を行いつつ,症状の変化を慎重に観察し,頭蓋内出血病変が疑われるような徴候が顕れた場合には,直ちにCT撮影を行って頭蓋内出血の有無,出血量等検査するとともに転院搬送を速やかにする態勢を整えるべき義務が,町立病院内で生じた本件事故に伴い,存したものと解するのが相当である。 而して,Eは,本件転落事故直後には,頭痛,嘔気・嘔吐等の症状 量等検査するとともに転院搬送を速やかにする態勢を整えるべき義務が,町立病院内で生じた本件事故に伴い,存したものと解するのが相当である。 而して,Eは,本件転落事故直後には,頭痛,嘔気・嘔吐等の症状も見当識障害も窺えなかったから,直ちにCT撮影を行うべき状況にはなかったといえるものの,F院長はJ看護婦に対して頭蓋内出血の兆候を見逃さないための具体的な指示をすることをせず,J看護婦は定期的にEのバイタルサインを計測もしないままただ経過観察をしていたのみであり,Eが腰砕けになった時点でもこれを頭蓋内出血病変が疑われるような徴候として捉えず,こ,,,のことをF院長に報告することもせずCT撮影が遅れる結果となりまたCT撮影後,転院の必要性が判明したのに,転送のための救急車の手配が遅れたことも否めず,町立病院には,前記義務の懈怠があるものといわざるを得ない。 しかしながら他方,町立病院における午後2時11分ころ撮影のCT写真によれば,Eの脳には,左急性硬膜下血腫が生じ,その大きさは最大厚30㎜以上(血腫部分20㎜水腫部分10㎜,正中偏位は最大20㎜であり,),,,脳幹部の圧迫偏位が著しく脳幹周囲の脳槽は全く描出されていないなどこの段階でも脳幹部への圧迫は著しく,脳幹部の偏位も著しい上,Eは救急車で搬送中に瞳孔が散大し,搬送直後に岡山市民病院で撮影されたCT写真では,さらに血腫が大きくなり脳の圧迫も強くなっていることに照らすと,仮に午後2時11分ころの段階で直ちに開頭手術を開始できたとしても意識回復の可能性は極めて低く,救命可能であったとは認め難いところである。 そうすると,Eが腰砕けになった時点で直ちにCT撮影をし(約15分程度早く開頭手術が必要であることが判明,転院の準備が迅速になされていた)(遅くとも午後2時11分ころの段階 認め難いところである。 そうすると,Eが腰砕けになった時点で直ちにCT撮影をし(約15分程度早く開頭手術が必要であることが判明,転院の準備が迅速になされていた)(遅くとも午後2時11分ころの段階で転院の必要性が判明していたのに救急車の手配がなされたのは午後2時33分,救急車到着が午後2時38分,救急車出発が午後2時43分であった)としても,岡山市民病院までの移。 動時間が約40分必要であり,病院到着後も手術開始まで1時間程度要していることに照らすと,Eの死という結果が回避できた蓋然性は認め難く,死亡した時点においてなお生存していた可能性を認めることは困難である。 したがって,町立病院の前記義務懈怠とEの死亡との間に因果関係を認めることはできない。 してみれば,原告らの主位的請求はいずれも,その余の点に触れるまでもなく理由がないことに帰する。 二予備的請求(争点5)について,「,,,, 医療法が医療は生命の尊重と個人の尊厳を旨とし医師歯科医師薬剤師,看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき,医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに,その内容は,単に治療のみならず,疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない(1条の2第1項「医師,。」),歯科医師,薬剤師,看護婦その他の医療の担い手は,第1条の2に規定する理念に基づき,医療を受ける者に対し,良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない(1条の4第1項)と規定していることからも明らか。」なように,医師あるいは医療機関は,その診察に当たる患者に対し,その当時の医療水準に従った適切な医療行為をなすべき義務を負っている。 そして,患者も医師あるいは医療機関に対し,その当時の医療水準 。」なように,医師あるいは医療機関は,その診察に当たる患者に対し,その当時の医療水準に従った適切な医療行為をなすべき義務を負っている。 そして,患者も医師あるいは医療機関に対し,その当時の医療水準による適切な治療を求めてその診察を受けるのであるが,通常患者には自己に最適な治療が何であるか判断し得る能力がなく,専門家である医師に全幅の信頼をおき身を委ねるほかない立場にあることからすれば,そのような治療を求める患者の期待は合理的なものとして法的に保護されるべきものである。けだし,患者が医師あるいは医療機関のミスや懈怠により医師に対して有していた適切な医療を受け得るという期待を裏切られ,そして適切な医療を受ける機会を失い,その結果,心残りや諦め切れない感情などの精神的苦痛を受けることは通常予見可能であって,医療水準にかなった適切な治療,看護を受ける機会を失った患者の精神的苦痛は,医師あるいは医療機関の過失により通常生ずべき損害として法的に慰謝されるべきだからである。 本件において,Eは,町立病院での適切な腰痛治療を受け,治療後の身体状況にも適切に配慮された上で治療,看護を終えることを期待して,町立病院での治療を受けたにもかかわらず,町立病院の前記転倒防止義務の懈怠に端を発して,転落事故による頭部外傷を自ら招くに至った上,町立病院による救護義務の懈怠のために町立病院で生じた頭部外傷についての適切な治療,看護を受けないまま死亡するに至ったものである。したがって、Eは延、,命の可能性に対する期待権の侵害を受けたとは認められないけれどもEは医療機関である町立病院の医療に伴う適切な看護及び町立病院で生じた傷害に対する適切な医療措置に対する期待権を侵害されたものというべく,その結果,心残りや諦め切れない感情などの精神的苦痛を受けたことは容易に推 ある町立病院の医療に伴う適切な看護及び町立病院で生じた傷害に対する適切な医療措置に対する期待権を侵害されたものというべく,その結果,心残りや諦め切れない感情などの精神的苦痛を受けたことは容易に推察しうるところである。そうすると,町立病院のF院長の使用者である被告に対し,民法715条に基づき,Eの精神的苦痛についての慰謝料を支払うべき責任がある。 損害額(一)町立病院は常勤の医師9名,看護婦40名近くを有し,ベッド数50の規模を持つ地域の中核病院であり(証人Fの証言,Eの適切な治療)がなされるものとの期待は大きかったものと想像されること,他方,町立病院の過失はそれほど大きなものとはいえないこと,その他,本件に顕れた諸般の事情を総合斟酌すれば,Eの精神的苦痛に対する慰謝料は120万円をもって相当と認める。 原告Aは前記Eの損害賠償請求権を2分の1(60万円,原告B,同)C,同Dは各6分の1(各20万円)を承継したこととなる。 (二)原告らが本訴の提起,追行を弁護士に委任したことは本件記録上明らかであり,本件事案の性質,審理の経過,認容額を考慮すると,被告の前記過失と相当因果関係のある弁護士費用は12万円(原告Aにつき6万円,原告B,同C,同Dにつき各2万円)が相当である。 (三)以上によれば,被告は,使用者責任に基づき,原告Aに対し損害賠償金66万円,原告B,同C,同Dに対し,いずれも損害賠償金22万円並びに各損害金から弁護士費用相当分を除く部分に対するEの死亡の日である平成9年3月29日から支払い済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払義務がある。 第四 結論 以上の次第で,原告らの主位的請求は理由がないからいずれも棄却し,予備的請求のうち,原告Aにおいて損害賠償金66万円,原告B,同C,同Dにおいて損害賠償金 る遅延損害金の支払義務がある。 第四 結論 以上の次第で,原告らの主位的請求は理由がないからいずれも棄却し,予備的請求のうち,原告Aにおいて損害賠償金66万円,原告B,同C,同Dにおいて損害賠償金各22万円,及び各損害金のうち原告Aにおいては60万円,その余の各原告においては各20万円に対するEの死亡の日である平成9年3月29日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるから,これを認容し,その余は理由がないから棄却することし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法64条本文,61条,65条本文を,仮執行宣言につき同法259条1項を各適用して(被告は,担保を条件とする仮執行免脱宣言の申立てをするが,相当でないため,これを却下する,。)主文のとおり判決する。 岡山地方裁判所第1民事部裁判長裁判官金馬健二裁判官金光秀明裁判官潮海二郎

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