昭和24(つ)1109 物価統制令違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年1月16日 福岡高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を罰金壱万円に処する。      若し、右罰金を完納することができないときは、金百円を壱日に換算し た期間被告人を労役場に留置する。    

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判決文本文1,809 文字)

主文 原判決を破棄する。 被告人を罰金壱万円に処する。 若し、右罰金を完納することができないときは、金百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 理由 弁護人鶴田英夫の控訴趣意は、末尾添付の書面記載のとおりである。 右に対する判断。 第一点(理由不備)について。 被告人の本件所為が、営利の目的に出たものであることは、被告人において証拠とすることに同意を与えている、司法警察員に対する被告人の第一、二回供述調書によつて極めて明らかなところであり、原判決が、被告人の本件所為は、法定の除外事由なくしてなされたものである旨を判示しているのは、営利の目的の不存在を法定の除外事由とし、被告人が営利の目的に出たものであることをも示す趣旨であると解されないこともないので、原判決に所論のような理由不備の違法があるものとは認められない。 第二点(法律上の理由不備)について、昭和二三年一二月二一日物価庁告示第一二八二号による指定価格が、物価統制令第三条第四条にいう統制額<要旨第一>であることは明白であるので、同価格超過売買の犯罪事実に対する法令の適用を示すためには、物価統制令第</要旨第一>三条第四条第三三条の外右告示の適用を示せば十分であって同告示が総理庁令第何条によるものであるかの点までも示す必要はない、原判決に所論のような法律上の理由不備はない。 第三点(犯意)について、<要旨第二>原判示摘示の事実は、その挙示の証拠によつて認められないことはない、なるほど被告人は原審第一回公判</要旨第二>廷において、裁判官の問に対し、黒砂糖の価格統制が外されたことを新聞紙上で知り、自由に売買できるものと思つて取引したものである旨を述べているのではあるが、原判決が同供述を証拠としない趣 /要旨第二>廷において、裁判官の問に対し、黒砂糖の価格統制が外されたことを新聞紙上で知り、自由に売買できるものと思つて取引したものである旨を述べているのではあるが、原判決が同供述を証拠としない趣旨であることは、判文の趣旨自体から明白であり、事実上黒砂糖の価格統制が撤廃される以前に果してその撤廃の記事が新聞紙上に掲載された事実があるかどうか極めて疑わしいのみならず、仮りに誤ってそのような記事が掲載され、被告人においてそれを行じた事実があったとしても、新聞記事は往々にして、事実を誤まり伝えることもあることは、社会生活上時折経験されるところであり、新聞紙上の誤まつた記事を信じたという一事を以て、直ちに被告人に価格違反の犯意がなかつたものと断ずるのは相当でない、価格統制の撤廃を信ずるについて社会生活上合理的な事由の認められない本件において被告人の犯意を是認した原判決は相当であつて、論旨は理由がない。 第五点(刑の廃止)について、黒砂糖の統制価格が本件犯行の後、昭和二四年一〇月二一日物価行告示第八七六号によつて廃止されたことは、所論のとおりであるが、その廃止以前になされた本件違反行為については、なお罰則の適用があるものと解するのが相当であるのでこの点に関する論旨も採用の限りでない。 第四点(量刑不当)について、記録にあらわれた所論のような事情に照らせば、原判決の科刑は、やや過当であると認められるので、この点に関する論旨は理由があり、原判決は破棄を免がれない。 よつて、刑訴第三五七条第三八一条により、原判決を破棄し、刑訴第四〇〇条但し書に従い、本件について更に判決する。 原判決摘示の事実を法律に照らすと、被告人の所為は、各物価統制令第三条第四条第三三条、昭和二三年一二月二一日物価庁告示第一、二八二号にあたるので、所定刑のうちいずれも 、本件について更に判決する。 原判決摘示の事実を法律に照らすと、被告人の所為は、各物価統制令第三条第四条第三三条、昭和二三年一二月二一日物価庁告示第一、二八二号にあたるので、所定刑のうちいずれも罰金刑をえらび、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから、罰金等臨時措罹法第一条第二条、刑法第四八条第二項により、各罰金の合算額の範囲内で被告人を出金壱万円に処し、若し、右罰金を完納することかできないときは、刑法第一八条により金百円を壱円に換算した期間被告人を労役場に留置すべきものとする。 以上の理由により主文のとおり判決する。 (裁判長判事石橋鞆次郎判事筒井義彦判事柳原幸雄)

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