令和3(ネ)2859 損害賠償等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和4年7月21日 東京高等裁判所 東京地方裁判所 平成28(ワ)40138
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判決文本文39,180 文字)

1 主 文1 1審原告らの控訴をいずれも棄却する。 2⑴ 1審被告東京都の控訴に基づき、原判決中同1審被告の敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記敗訴部分に係る1審原告A、同B、同C、同D及び同Eの1審被告東京5都に対する請求をいずれも棄却する。 3 1審原告A、同B、同C、同D及び同Eと1審被告東京都との間においては、訴訟費用は、第1、2審を通じて、同1審原告らの負担とし、同1審原告らと1審被告東京都を除く1審被告らとの間においては、控訴費用は同1審原告らの負担とし、1審原告全学連と1審被告らとの間においては、控訴費用は同1審原10告の負担とする。 事実及び理由第1 控訴の趣旨1 1審原告らの1審被告らに対する控訴⑴ 原判決を次のとおり変更する。 15⑵ 1審被告らは、1審原告らそれぞれに対し、連帯して200万円及びこれに対する平成28年9月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 1審被告東京都の1審原告A、同B、同C、同D及び同Eに対する控訴主文2項と同旨20第2 事案の概要(以下、理由説示部分を含め、原則として、原判決の略称をそのまま用いる。)1 事案の概要本件は、1審原告全学連の関係者である1審原告A、同B、同C、同D及び同E(個人1審原告ら)が、平成28年9月1日及び同月2日に東京都中央区a町25b丁目c番d号所在のa町区民館(本件会場)で開催された1審原告全学連の第2 77回定期全国大会(本件大会)の際に、警視庁所属の警察官らにより無許可で撮影されるなどの違法な視察活動により、あるいは暴行を加えられるなどの違法行為により精神的損害を被ったと主張し、また、1審原告全学連が、これらの違法行為により本件大会 庁所属の警察官らにより無許可で撮影されるなどの違法な視察活動により、あるいは暴行を加えられるなどの違法行為により精神的損害を被ったと主張し、また、1審原告全学連が、これらの違法行為により本件大会の開催を妨害され、損害を被ったと主張して、1審被告東京都に対しては国家賠償法1条1項に基づき、その余の被告である警察官個5人ら(個人1審被告ら)に対しては民法709条、710条及び719条に基づき、1審原告らそれぞれについて、連帯して損害金200万円及びこれに対する最後の不法行為日である前同日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うことを求めた事案である。 10原審は、①個人1審原告らの1審被告東京都に対する請求を、1審原告A、同D及び同Eについては損害金各20万円、1審原告B及び同Cについては損害金各30万円並びにこれらに対する平成28年9月2日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容して、その余をいずれも棄却し、②個人1審原告らの個人1審被告らに対する請求をいずれも棄却し、③151審原告全学連の1審被告らに対する請求をいずれも棄却した。 そこで、1審原告らが1審被告らに対しその敗訴部分を不服として控訴し、1審被告東京都が個人1審原告らに対しその敗訴部分を不服として控訴した。 2 前提事実並びに争点及びこれに関する当事者の主張は、原判決を次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の第2の1及び2に記載のとおり20であるから、これを引用する。 ⑴ 原判決4頁11行目の「方法でないし、」を「方法ではないし、」と改める。 ⑵ 原判決5頁5行目の「帽子等」の次に「。以下「3点セット」という。」を加える。 ⑶ 原判決10頁18行目の「 る。 ⑴ 原判決4頁11行目の「方法でないし、」を「方法ではないし、」と改める。 ⑵ 原判決5頁5行目の「帽子等」の次に「。以下「3点セット」という。」を加える。 ⑶ 原判決10頁18行目の「防衛員として」を「視察員と大会参加者の間に入25って盾となる(ボディーガードとなる)役割を担う人員(以下「防衛員」とい3 う。)として」と改める。 ⑷ 原判決11頁15行目の「いわゆる」を削る。 第3 当裁判所の判断1 当裁判所は、1審原告らの1審被告らに対する請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は、次のとおり原判決を補正するほかは、原判決の「事5実及び理由」欄の第3の1ないし5に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決28頁11行目の「有していなかった。」を「有してはいなかったが、過去に1審原告全学連の集会に指名手配犯が参加したことがあり、本件大会当時も指名手配犯を含む逮捕状を発付されている中核派の活動家が多数実在し10ていた。」と改める。 ⑵ 原判決28頁14行目の「視察員」から16行目の「配置することとし、」までを「防衛員を配置することとし、」と改める。 ⑶ 原判決28頁25行目から26行目にかけての「(被告G)。」を「。視察員は、本件大会における参加者の会場入りの方法が上記のとおり例年とは異な15るものに変更されたことから、本件大会に指名手配犯や捜査対象者が紛れ込む可能性が高いと考えた(乙イ4ないし6、8、15、1審被告M、同P、同K、同L、同J、同T、同O、同G)。」と改める。 ⑷ 原判決29頁1行目から33頁1行目までを次のとおり改める。 「⑸ア 本件大会初日201審原告Aについてa 認定事実1審原告Aは、本件大会初日、ヤッケを着て、フードや帽子をか 判決29頁1行目から33頁1行目までを次のとおり改める。 「⑸ア 本件大会初日201審原告Aについてa 認定事実1審原告Aは、本件大会初日、ヤッケを着て、フードや帽子をかぶり、更に眼鏡の上からサングラスをかけ、マスクを装着し、容貌や服装が外部から見えないようにした上で、同1審原告が助25手席に、他の2名の本件大会の参加者が後部座席に乗車したタク4 シーで本件会場に向かった。タクシーに乗車していた他の2名も、1審原告Aと同様、3点セットを装着しており、3名とも外見からは年齢や性別すら分からなかった。 タクシーが本件会場入口前に到着した午前9時30分過ぎ頃、本件会場の前には、視察員約15名程度が待機しており、その周5囲には1審原告Bら防衛員約5名もいた。タクシーが本件会場入口前に到着した際、防衛員である1審原告Bら防衛員が、ことさら視察員を気にしたり、タクシーの車内の様子をうかがっている状況がみられた。この状況を見た1審被告Jは不審に思い、本件大会に指名手配犯や捜査対象者が参加する可能性があると考え10た。 タクシーに乗車していた3名は、タクシーが本件会場入口前で停車した後も、しばらくの間、降車しようとしなかった。 ⒝ 1審被告Lは、到着したタクシーの助手席ドア付近から車内をのぞいたところ、乗車していた3名はヤッケのフードで顔を覆15い、顔を伏せているのが見えた。すると、防衛員である1審原告Bが、1審被告Lとタクシーの間に身体を差し入れてきた。1審被告Lは、1審原告Bの行動から、乗車している3名は指名手配犯など1審原告全学連にとって特別な者ではないかとの疑いを抱いた。 20次いで、タクシーの左側後部付近にいた1審被告Mは、タクシーの後部座席に乗っていた者が降車したことから、同 3名は指名手配犯など1審原告全学連にとって特別な者ではないかとの疑いを抱いた。 20次いで、タクシーの左側後部付近にいた1審被告Mは、タクシーの後部座席に乗っていた者が降車したことから、同人に対して「指名手配犯か」などと声をかけ、その容貌を確認するため降車した者の装着していたマスクをずらそうと右手を伸ばした。すると、1審被告Mの左側(タクシーの助手席側)にいた1審原告B25が、両手で1審被告Mの両腕を掴むなどして、1審被告Mを本件5 会場前の道路を挟んだ向かいにあるマンション(以下「マンション」という。)側に押した。この1審原告Bの行動により視察員と防衛員を始めとする1審原告全学連側の活動家がもみ合いを始め、現場が騒然となった。 1審被告Jは、1審原告Bがそこまで参加者を守ろうとしてい5るので、タクシーに乗車している者は指名手配犯などの捜査対象者である可能性が高いと考えた。 ⒞ 1審被告Jは、タクシーの助手席に乗車していた者(1審原告A)が降車したことから、同人に対して「誰だお前は」と質問した。しかし、1審原告Aは、1審被告Jの問い掛けに何も答えず10歩き始めようとした。そこで、1審被告Jは、1審原告Aの装着していた帽子とヤッケのフードをずらした。しかし、1審原告Aの容貌を確認することはできなかった。 1審被告Jが1審原告Aの帽子とヤッケのフードをずらしたのとほぼ同時に、1審原告Aは、持っていた鞄で顔を隠しながら、15下を向き、体を前後左右に揺らし、更に鞄を振り回すなどして暴れ始めたことから、1審被告Jは、これを制止するため後方から1審原告Aの肩を掴んだ。 1審被告Lは、1審被告Jが1審原告Aの容貌を確認しようとする状況を見て、そこに近付き、頭を左右に振るなどして暴れて20いた1審原告A は、これを制止するため後方から1審原告Aの肩を掴んだ。 1審被告Lは、1審被告Jが1審原告Aの容貌を確認しようとする状況を見て、そこに近付き、頭を左右に振るなどして暴れて20いた1審原告Aの後方から、右手で1審原告Aの首又は頭部付近に手をかけて、1審原告Aを制止した。制止した時間は2、3秒程度であった。 また、1審被告Kは、1審原告Aが暴れている状況を見て、その場に駆け寄った。そして、下を向いている1審原告Aの前方か25ら、右手を同1審原告の後頭部に、左手を同1審原告の顔面右側6 に軽く当てて、頭部を左右に振っている1審原告Aを制止しようとした。制止した時間は1秒程度だった。 さらに、1審被告Tは、1審被告Jが1審原告Aのヤッケのフードをめくりあげて容貌の確認を試みたところ、1審原告Aが顔を伏せながら体を揺さぶるなどした状況を見て、1審原告Aに近5付き、左手でその肩付近に手をかけ、制止をした。1審被告Tは、防衛員に妨害されて、1審原告Aに背中を向ける形になったものの、直ぐ振り向いて1審原告Aが顔を上げた瞬間に、容貌を撮影しようと所携のカメラを構えたが、既知の人物である1審原告Aと分かったので撮影しなかった。 101審被告Jらは、制止行為により1審原告Aがおとなしくなり、その容貌も明らかになったことから、制止するのを止めた。 すると、1審原告Aは、本件会場に入った。 (以上につき、甲1、2(MOV017.MODの33ないし35秒)、5、11(3頁ないし32頁)、乙イ5ないし7、15、151審原告A、1審被告J、1審被告K、1審被告L、1審被告T、1審被告M)b 事実認定の補足説明1審原告Aは、前記a⒞で認定した事実に関し、1審被告Jが1審原告Aに対し「誰だお前は」と質問した事実はないと主張 J、1審被告K、1審被告L、1審被告T、1審被告M)b 事実認定の補足説明1審原告Aは、前記a⒞で認定した事実に関し、1審被告Jが1審原告Aに対し「誰だお前は」と質問した事実はないと主張20し、本人尋問においてこれに沿う供述をする。 しかしながら、1審被告Jは、本人尋問において、タクシーから降車した1審原告Aに対し、「誰だお前は」と質問した旨供述しているところ、その内容は、職務質問を行おうとした警察官の行為として自然かつ合理的である。また、1審被告Jの上記発言25は、1審原告Aがタクシーから降車する際の状況を録画した動画7 (甲2)では聞き取れないが、当時、現場は怒号が飛び交うなど騒然となっており、喧噪にかき消されるなどして、上記発言が録音されなかったとしてもおかしくはない。同様の理由から、上記発言が1審原告Aに聞こえなかった可能性もある。これらの事情によれば、1審被告Jの供述は信用することができるから、1審5原告Aの主張は採用することができない。 ⒝ 1審原告Aは、前記a⒞で認定した事実に関し、1審被告Tが1審原告Aの容貌を写真撮影したと主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取書(甲5)にはこれに沿う供述等がある。 しかしながら、1審被告Tは、本人尋問において、1審原告A10の顔をかねてから知っており、本件大会に出席することは当然であって、あえて写真を撮る必要がなかったと供述をしているところ、同供述の内容は合理的であり、かつ、同供述は、1審原告Aの容貌が視察員に明らかになった後は、特に制止されることもなく本件大会の会場に入ったとの同1審原告の供述とも整合する15から、1審被告Tの上記供述は信用することができる。したがって、1審原告Aの供述等を採用することはできず、上記主張は理由がな ともなく本件大会の会場に入ったとの同1審原告の供述とも整合する15から、1審被告Tの上記供述は信用することができる。したがって、1審原告Aの供述等を採用することはできず、上記主張は理由がない。 ⒞ その他、1審原告Aの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲5)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用するこ20とはできない。 1審原告Bについてa 認定事実前記a及び⒝のとおり、本件大会初日の午前9時30分過ぎ頃、1審原告Aら3名の本件大会の参加者を乗せたタクシーが25本件会場入口前に到着した。1審被告Mは、タクシーの車内を見8 たところ、助手席に1名、後部座席に2名が乗車しており、いずれも3点セットを装着して車内で顔を伏せているのを確認した。 1審被告Mは、タクシーに乗車している3名が停車した後もしばらく降車せず、また、防衛員である1審原告Bがそれまで以上に周囲を気にしたり、車内の様子をうかがっていることに気付き、5乗車している3名の中に指名手配者等がいるのではないかと考えた。 ⒝ 1審被告Mは、1審原告Aら3名が乗っていたタクシーの後部座席から降車した者に近付き、「誰だ、お前は」、「指名手配犯か」と質問した上、同人の容貌を確認するため、同人が装着して10いたマスクに右手を伸ばしてずらそうとした。すると、1審被告Mの左側(タクシーの助手席側)にいた1審原告Bが、「何やってんだ、M」と言いながら、1審被告Mの両腕を掴んで、力任せにマンションの植込みの方向へ押した。 1審被告Mは、1審原告Bの前記暴行によってマンションの壁15にぶつかりそうになったことから、これを回避するため、なおも掴みかかろうとする1審原告Bの両腕を両手で振り払った上、バランスを崩して1審被告Mに左後背部を向 の前記暴行によってマンションの壁15にぶつかりそうになったことから、これを回避するため、なおも掴みかかろうとする1審原告Bの両腕を両手で振り払った上、バランスを崩して1審被告Mに左後背部を向ける形になった1審原告Bの腰背部付近を、両手で押し放した。 1審原告Bは、すぐに1審被告Mの方に振り向いたが、そこに201審被告Pがやってきた。1審被告Pは、1審被告Mから1審原告Bを引き離すため、1審原告Bに対して「止めろ、止めろ」と言いながら、1審原告Bと1審被告Mの間に割って入った。そして、1審被告Pは、1審原告Bを1審被告Mから引き離すため、1審原告Bの胸部付近を両手で押した。これにより、1審原告B25は、数歩程度後退し、マンションの植込みに入り込んだ。 9 ⒞ 1審被告Jは、タクシーから降車してきた1審原告Aへの対応が終了した後、マンションの植込み付近で、他の視察員が中核派の活動家ともみ合いになっているのを認めた。そこで、1審被告Jは、同人らに近付いたところ、3点セットを装着して顔を覆っている者を認めた。1審被告Jは、その者の容貌を確認するため、5同人が被っていたフードをめくり上げたところ、1審被告Jの後方にいた1審原告Bが、1審被告Jの頭髪を掴んで後方に引っ張り、更に1審被告Jの右肩付近の衣服を掴んだまま、力任せに道路の反対側の方に引きずった。 1審被告Jは、1審原告Bに引きずられている間、倒れないよ10うに、右手で1審原告Bの左脇付近を、左手で同人のTシャツの左肩付近を掴んでいた。1審原告Bは、1審被告Jを本件会場西側のガードレール付近まで引きずったが、1審被告Jは、同1審被告の衣服を掴んでいる1審原告Bの手を放すため、同1審原告のTシャツの襟もと付近を右手で掴み、左腕を左手で掴んで押し15 本件会場西側のガードレール付近まで引きずったが、1審被告Jは、同1審被告の衣服を掴んでいる1審原告Bの手を放すため、同1審原告のTシャツの襟もと付近を右手で掴み、左腕を左手で掴んで押し15離そうとした。この状況を見た1審被告Pは、左手で1審被告Jの右肩付近を引き寄せ、右手で1審原告Bの左肩付近を押して、両者を引き離そうとした。 この際のもみ合いで、1審原告Bが身を引く様な動作を取った際、1審被告Jの手が1審原告BのTシャツの襟もとに引っ掛か20り、その部分を引っ張るような形になった。 (以上につき、甲1、2(MOV017.MODの22秒ないし32秒前後、54秒ないし1分前後)、6、11、12、15、乙イ5、8、11、19(写真10ないし17)、22(写真7ないし27)、1審原告B、1審被告J、1審被告P、1審被告M、1審25被告L)10 b 事実認定の補足説明 1審原告Bは、前記a⒝で認定した事実に関し、1審被告Mの両腕を掴んで同1審被告の身体を押したことはない旨主張し、本人尋問において、1審被告Mがタクシーの後部座席に座っていた本件大会の参加者の頭部をめがけて手を伸ばしたのを見て、同参5加者と1審被告Mの間に割って入ろうとしたら、同1審被告から両手で胸を強く突き飛ばされ、マンションの植え込みに突っ込んだ旨供述し、1審原告Bからの供述録取書(甲6)にも同趣旨の記載がある。一方、1審被告Mは、本人尋問において、タクシーの後部座席から降りた者に対して「指名手配犯か」などと質問し10た上、同人が着けていたマスクをずらそうとして右手を伸ばしたら、左隣にいた1審原告Bが両手で1審被告Mの両腕を掴んで、マンションの壁に向かって強く押してきた旨供述し、1審被告P、同L及び同Jも、本人尋問において、 ていたマスクをずらそうとして右手を伸ばしたら、左隣にいた1審原告Bが両手で1審被告Mの両腕を掴んで、マンションの壁に向かって強く押してきた旨供述し、1審被告P、同L及び同Jも、本人尋問において、1審被告Mの供述するような状況を目撃した旨供述する。 15しかるに、前記状況が撮影された動画(甲2(MOV017. MOD)の26秒前後)には、1審原告Bがその右横に立っていた1審被告Mの方に両手を伸ばし、マンションの植込みの方へ押している状況が撮影されているのであって、逆に、1審原告Bが供述する、1審被告Mから胸を突き飛ばされ、マンションの植え20込みに突っ込んだというような様子は全く映っていない(乙イ22の写真7ないし14)。そうすると、1審被告Mらの供述は、上記の映像によって裏付けられているから、信用性があるということができる一方、1審原告Bの供述等は、上記の映像に反するものであって、信用することはできない。したがって、1審原告25Bの主張は採用することができない。 11 ⒝ 1審原告Bは、前記a⒞で認定した事実に対し、1審被告Jの頭髪を掴んだことはなく、むしろ、1審被告Jは、1審原告Bの胸ぐらを掴み、着衣の襟元部分を伸びきった状態にし、その際、突き上げた拳で同人の眼鏡のフレームを歪ませ、引き続き右手で1審原告Bの着衣の襟元を掴んで激しく上下させ、同時に左手で5同人の右腕を掴んで、同人の身体を後方に押し続けて、数メートル先の本件会場前のガードレール付近まで移動させ、更に1審原告Bをガードレールに追い込み、左手で1審原告Bの右腕を掴み、右手で同人のTシャツの襟元を大きく下方に引っ張るなどの暴行を加えたと主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取10書(甲6)にはこれに沿う供述等がある。 込み、左手で1審原告Bの右腕を掴み、右手で同人のTシャツの襟元を大きく下方に引っ張るなどの暴行を加えたと主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取10書(甲6)にはこれに沿う供述等がある。 しかしながら、1審被告Jは、本人尋問において、本件大会の参加者の容貌を確認するため同人が被っていたフードをめくり上げたところ、1審原告Bから頭髪を掴んで後方に引っ張られ、更に首付近を掴まれて本件会場側のガードレール付近まで引っ15張られた旨供述し、1審被告Pも、本人尋問において、上記の状況を目撃した旨の供述をしているところ、上記状況を撮影した動画(甲2(MOV017.MOD)の54秒から55秒前後)には、1審原告Bが1審被告Jの頭髪を掴んで後方に引っ張り(乙イ22の写真18ないし20)、そのために1審被告Jの頭部が20後ろへのけぞり(同写真21)、その後1審原告Bが1審被告Jの身体を画面左側方向へ引っ張る状況(同写真23ないし25)が撮影されている。このように、1審被告Jや同Pの供述は動画の映像により裏付けられているといえるから、信用することができる。一方、1審原告Bの供述等は、上記の映像と全くそぐわな25いものであるから、信用することはできない。したがって、1審12 原告Bの主張は採用することができない。 ⒞ その他、1審原告Bの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲6)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはできない。 1審原告Cについて5a 認定事実1審原告Cは、本件大会初日の午前9時30分過ぎ頃(前記及びの1審原告A及び同Bに関する事態が終了した後)、本件大会に参加するため、3点セットを装着し、同様の参加者2名と共に本件会場付近の歩道を歩いていた。1審被告Mは、1審原告1 0分過ぎ頃(前記及びの1審原告A及び同Bに関する事態が終了した後)、本件大会に参加するため、3点セットを装着し、同様の参加者2名と共に本件会場付近の歩道を歩いていた。1審被告Mは、1審原告10Cらが本件会場入口に向かって歩いてきたのを確認した。そこで、1審被告Mは、同人らに対し、「誰だ、お前。指名手配か」と声をかけた。 ⒝ 1審被告Mとほぼ同時に、前記3名が歩いているのに気付いた1審被告L及び同Kは、前記3名に近付いた。すると、同人らは15足早にその場を通り過ぎようとした。そこで1審被告Lは、ガードレールをまたいで歩道に入り、最後尾を歩いていた者(1審原告C)に50cmないし60cmの距離まで近付き、同人の顔をのぞきこんだが、その容貌を確認できなかった。その際、中核派の活動家であるVが、1審原告Cの容貌を見られないようにする20ため、1審原告Cと1審被告Lの間に身体を入れて妨害した。 そこで、1審被告Kは、3人の容貌を確認するため車道からガードレールをまたいで先頭の者に後方から近付き、その者が被っていたヤッケのフードを右手で引っ張って外した。すると、その者の容貌が明らかとなり、同人は1審原告全学連の活動家Uであ25ることが判明した。 13 次いで、1審被告Kは、最後尾を歩いていた者(1審原告C)の斜め後方から近付き、その者が被っていたヤッケのフードを右手で引っ張って外した。すると、近くにいた活動家のVが「おい、K」と呼んだことから、1審被告Kは、1審原告Cの容貌を確認できなかった。 5⒞ その直後、1審被告Tは、本件会場西側の歩道上を歩いてきた前記3名の存在に気付いた。そこで、1審被告Tは、先頭を歩いていた者に近付いたところ、それが1審原告全学連の活動家のUであることが分かった。Uはサングラ 審被告Tは、本件会場西側の歩道上を歩いてきた前記3名の存在に気付いた。そこで、1審被告Tは、先頭を歩いていた者に近付いたところ、それが1審原告全学連の活動家のUであることが分かった。Uはサングラスのみを装着していた。すると突然、1審被告Tの後方から1審原告Cが右手で1審被告T10の左肩を掴んできたので、1審被告Tはとっさにその手を振り払った。1審原告Cはそのまま本件会場に入っていった。その際、1審原告Cは、帽子やフードは被っていなかったが、マスクとサングラスを装着していた。 その後、1審被告Tは、本件会場から3点セットを装着した者15が出てきたことに気付き、その容貌を確認するため、その者の後方から左手でヤッケのフードをめくり上げたところ、その者が1審原告Cであることが分かった。当時、本件会場入口付近は、防衛員と視察員とで入り乱れた状態にあり、1審原告Cは、もみ合い状態になっている集団へ向かおうとしたので、1審被告Tは、201審原告Cをその場に留める必要があると考えて、少しの間、同1審原告のヤッケのフードを左手で掴んでいた。 (以上につき、甲1、2(MOV017.MODの2分26秒ないし30秒前後、2分51秒前後)、7、13、乙イ6、7、15、1審原告C、1審被告M、1審被告L、1審被告K、1審被告T)25b 事実認定の補足説明14 1審原告Cは、本人尋問において、1審被告Kからフードを外された後に本件会場へ向かう途中、1審被告Tから胸ぐらをつかまれて押された旨供述するが、これを裏付ける証拠はなく、採用することができない。 その他、1審原告Cの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲57)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはできない。 1審原告Dについてa 認定事実 とができない。 その他、1審原告Cの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲57)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはできない。 1審原告Dについてa 認定事実本件大会初日が終了した午後5時20分頃、中核派の活動家が10運転するマイクロバスが本件会場東側の路上に到着し、本件会場から出てきた参加者(その多くが3点セットを装着していた。)がマイクロバスに乗り込んだ。このとき、防衛員が視察員の目の前に横一列に並び、立ちはだかっていた。 ⒝ 1審被告Oは、マイクロバス左前方のサイドミラー付近で視察15をしていたが、3点セットを装着した者らが本件会場から出てきて、マイクロバスに乗車し始めた。すると、それまで1審被告Oの正面に立って同1審被告を罵倒していた1審原告Dが、1審被告Oの隣にいた視察員が構えているカメラのレンズに向けて右手を差し出した。1審被告Oは、1審原告Dが自らに向けて右手20を突き出してきたものと認識し、これを制止するため右手で1審原告Dの右手首を掴んだ。1審原告Dは、1審被告Oの手を振りほどこうと右手を振ったため、1審被告Oの手は1審原告Dの手首から離れた。 ⒞ 1審被告Qは、マイクロバス左前方のサイドミラー付近にいた25ところ、1審原告Dが1審被告Oら視察員を罵倒している状況を15 確認し、また、1審原告Dの手が動いて、それを1審被告Oが払いのけるような動作が見えた。 そこで、1審被告Qは、1審原告Dの後方から近付き、同1審原告に対して「止めろ、止めろ」と告げて、右手で1審原告Dの左肩を掴み、これを後方に引いて、同1審原告と1審被告Oの間5に割って入った。 ⒟ 1審被告Rは、同時刻頃、マイクロバスに乗車する者を視察するため本件会場北東側の歩道上にいた。 で1審原告Dの左肩を掴み、これを後方に引いて、同1審原告と1審被告Oの間5に割って入った。 ⒟ 1審被告Rは、同時刻頃、マイクロバスに乗車する者を視察するため本件会場北東側の歩道上にいた。参加者がマイクロバスに乗り込むと、本件会場出入口付近で、怒号が響き、1審原告全学連や中核派の活動家と視察員との間でもみ合いが発生し、現場が10騒然とした。 そのような中、1審被告Rを威嚇していた1審原告Dは、両肩を激しく振りながら、その右肩を1審被告Rの左胸付近にぶつけ、更に身体を強く押し当てた。 1審被告Rは、かなりの興奮状態にある1審原告Dを騒然とし15た現場から遠ざける必要があると考え、1審原告Dの右胸付近に右手掌を押し当てて同1審原告を数歩程度後退させ、押し返してきた1審原告Dの右肩付近を左手で掴んで更に後退させた。1審原告Dは、1審被告Rが手を離すと同1審被告から離れていった。 20⒠ 1審被告Qは、上記⒞の対応を終えた後、本件会場前の路上で防衛員に対応していたところ、1審原告Dが、叫びながら1審被告Qに詰め寄り、1審被告Qの脚部を左右の膝で蹴り上げてきた。そこで、1審被告Qは、1審原告Dの胸部付近に両腕を伸ばし、1審原告Dの攻撃を手掌で止めるようにして防御した上、125審原告Dを遠ざけるため両手で押した。1審原告Dは、バランス16 を崩してよろけたが、転倒はしなかった。 (以上につき、甲1、2(MOV020.MODの2分35秒ないし40秒前後、IMG1683.MOVの11ないし13秒、36秒ないし40秒前後)、9、14(11ないし13頁)、乙イ10、12、13、1審原告D、1審被告O、1審被告Q、1審被告R)5b 事実認定の補足説明1審原告Dは、上記a⒠で認定した事実に関し、本人 後)、9、14(11ないし13頁)、乙イ10、12、13、1審原告D、1審被告O、1審被告Q、1審被告R)5b 事実認定の補足説明1審原告Dは、上記a⒠で認定した事実に関し、本人尋問において、1審被告Qに膝蹴りした事実はないと供述する。しかしながら、上記状況を撮影した動画(甲2(IMG1683.MOV)の39秒ないし40秒前後)には、1審原告Dが1審被告Qに対して左右10の膝を上げている状況が撮影されていること(乙イ19の写真20ないし23、乙イ22の写真31ないし33)に照らすと、1審原告Dの上記供述を信用することはできない。 その他、1審原告Dの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲9)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはで15きない。 1審原告Eについてa 認定事実前記aのとおり、本件大会初日が終了した午後5時20分頃、中核派の活動家が運転するマイクロバスが本件会場東側の路20上に到着し、本件会場から出てきた参加者がマイクロバスに乗り込んだ。このとき、視察員と防衛員との間でもみ合いになり、現場が騒然とした。 ⒝ 1審被告Sは、双方が入り乱れている集団の中心付近で、興奮した1審原告Eが、何かわめきながら1審被告Mに詰め寄り、同251審被告が後退する状況を見た。このため1審被告Sは、1審原17 告Eに近付き、右手で1審原告Eの左肩付近を掴み、腹部に左手を当てて同1審原告を制止した。 その後も1審原告Eは、身体を激しくよじって暴れ始めたため、1審被告Sは、1審原告Eを集団内から遠ざけるため、1審原告Eの左肩付近を両手で挟んで制止し、すぐに肩を組むように51審被告Sの左手を1審原告Eの左肩後付近に回し、その体勢のまま、1審原告Eを集団から数メートル 原告Eを集団内から遠ざけるため、1審原告Eの左肩付近を両手で挟んで制止し、すぐに肩を組むように51審被告Sの左手を1審原告Eの左肩後付近に回し、その体勢のまま、1審原告Eを集団から数メートル離れた本件会場の外壁付近に移動させた。 このとき1審原告Eは、頭を回したり、身体をよじるなどして激しく抵抗したが、自らの足で歩いていた。1審原告Eは、本件10会場の外壁付近に移動した後も、もみ合いの中に戻ろうとして暴れ続けた。1審被告Sは、1審原告Eの背後から、両腕で1審原告Eの体を抱きかかえるようにして、落ち着くよう説得した。1審原告Eは、マイクロバスが発車すると落ち着いたので、1審被告Sは手を離した。 15(以上につき、甲1、2(IMG1683.MOVの14秒ないし16秒、22秒ないし46秒前後)、8、19(6ないし13頁)、乙イ14、22(写真37ないし41)、1審原告E、1審被告S)b 事実認定の補足説明201審原告Eは、1審被告Sが、1審原告Eの頭部を押さえて頭髪を引っ張ったり、その後自身の左腕を1審原告Eの首に巻き付けて、本件会場入口付近まで引きずった上、その外壁に押し付けた旨主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取書(甲8)にはこれに沿う供述等がある。 25しかしながら、1審被告Sは、本人尋問において、上記事実を18 否定し、上記a⒝のとおりの供述をしているところ、上記状況を撮影した動画(甲2(IMG1683.MOV)の22秒ないし46秒)には、1審被告Sが右手で1審原告Eの左肩付近を掴んだり、肩を組むように左腕を1審原告Eの左肩付近に回して、本件会場の外壁付近まで連れ出す状況は撮影されているものの、15審被告Sが1審原告Eの頭髪を引っ張ったり、本件会場の外壁に 肩付近を掴んだり、肩を組むように左腕を1審原告Eの左肩付近に回して、本件会場の外壁付近まで連れ出す状況は撮影されているものの、15審被告Sが1審原告Eの頭髪を引っ張ったり、本件会場の外壁に同1審原告の身体を押し付けたりするような状況は撮影されていない(乙イ22の写真39ないし41)。なお、上記動画(甲19の9頁の上の写真)には、1審被告Sの左手が1審原告Eの頭部辺りに差し出された状況が映っているが、同1審被告が同110審原告の頭部を押さえているとか、その頭髪を掴んでいるとまでは認められない。また、1審原告Eは、上記動画(乙イ22の写真41、甲19の10頁の上の写真)には、1審被告Sが1審原告Eの首に左腕を巻き付けている状況(1審原告Eは、1審被告Sからヘッドロックをされたと供述している。)が明確に撮影さ15れていると主張するが、動画や上記の写真に写された1審被告Sの肘の角度からすると、肩を組むように左腕を1審原告Eの左肩付近に回しているにとどまるものと認められる。このように、1審被告Sの供述は動画の映像によって裏付けられているものといえるから、信用することができるが、1審原告Eの供述等を信20用することはできず、同1審原告の上記主張を採用することはできない。 ⒝ 1審原告Eは、1審被告Sの暴行の結果、着用していたTシャツの背中の部分が破れたと主張する。 しかしながら、1審原告Eは、本人尋問において、Tシャツが25破れた瞬間を覚えておらず、おそらく、一番接触があった1審被19 告Sが破ったのではないかと推測していると供述するにとどまっているのであるから、同供述をもって、1審被告Sの行為により1審原告EのTシャツが破けたと認めることはできないし、他に上記主張を認めるに足りる証拠はない。 ⒞ その他 していると供述するにとどまっているのであるから、同供述をもって、1審被告Sの行為により1審原告EのTシャツが破けたと認めることはできないし、他に上記主張を認めるに足りる証拠はない。 ⒞ その他、1審原告Eの供述及び同1審原告からの供述録取書5(甲8)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはできない。 イ 本件大会二日目1審原告Cについてa 認定事実10視察員は、本件大会二日目の午前9時頃、本件会場付近で視察活動に従事していた。すると、本件大会の参加者が乗車するマイクロバスが本件会場東側の路上に到着し、3点セットを装着した参加者が続々と降車してきた。ほどなくして、これら参加者の顔の確認を試みた視察員と防衛員との間でもみ合いが生じ、現場は15騒然となった。 ⒝ 1審被告Qは、本件会場前の歩道上で、視察員ともみ合っている1審原告Dを目にした。そこで、1審被告Qは、1審原告Dを視察員から引き離そうとしたところ、ヤッケのフードを目深にかぶりマスクをした1審原告Cが近付いてきて、1審被告Qの左腕20を掴み、前方に投げ出すように押してきた。1審被告Qはバランスを崩して数歩後退し、他の活動家(1審原告B)にぶつかった。 ⒞ その後、1審被告Qは、同1審被告から離れていった1審原告Cが1審被告Iともみ合っており、同1審原告が左右の手で同1審被告を叩いているように見え、これに1審被告Iが対処してい25る状況を見たことから、1審原告Cの腹部に左手を回し、同1審20 被告から引き離そうとした。ところが、1審原告Cは1審被告Qの右腕を強く掴み、なおも1審被告Iに向かっていこうとしたので、1審被告Qは、1審原告Cの首付近に左腕を回し、そのままの状態で、2、3秒、制止した。 そして、1審原告Cが 、1審原告Cは1審被告Qの右腕を強く掴み、なおも1審被告Iに向かっていこうとしたので、1審被告Qは、1審原告Cの首付近に左腕を回し、そのままの状態で、2、3秒、制止した。 そして、1審原告Cが少しおとなしくなったようなので、1審5被告Qが左腕を解くと、1審原告Cは右の手拳で1審被告Qの左顎の辺りに殴りかかり、反転して、別のもみ合っている集団の方へ向かおうとした。1審被告Qは、1審原告Cの後ろから、1審原告Cが背負っていたリュックを左手で掴んだが、1審原告Cはこれを振り切って、集団の方へ向かっていった。 10(以上につき、甲1、2(IMG1688.MOVの49秒前後)、7、13、16、乙イ12、22(写真28ないし30)、1審原告C、1審被告Q)b 事実認定の補足説明1審原告Cは、上記a⒞で認定した事実に関し、1審被告Qから15その後頭部を右手拳で殴打された旨主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取書(甲7)にはこれに沿う供述等がある。これに対し、1審被告Qは、本人尋問において、1審原告Cの後頭部を殴ったことはないと供述し、同1審被告作成の陳述書(乙イ12)にも同趣旨の記載がある。 20しかるに、上記の状況を撮影した動画(甲2(IMG1688. MOVの59秒前後)には、1審被告Qが1審原告Cの背後から同1審原告に向かって右手を振り上げようとしている状況が撮影されている(甲16の写真⑪ないし⑯)。しかしながら、動画には、1審被告Qが1審原告Cの後頭部を実施に殴っている場面は撮影25されていない。そして、1審被告Qは、本人尋問において、右手を21 振り上げようとした動作は、1審原告Cのリュックを掴もうとして左手を伸ばしたが掴めなかったので、更に右手を伸ばしてリュックを掴もうとしているところで 審被告Qは、本人尋問において、右手を21 振り上げようとした動作は、1審原告Cのリュックを掴もうとして左手を伸ばしたが掴めなかったので、更に右手を伸ばしてリュックを掴もうとしているところである旨供述しているところ、その内容は上記の動画の映像と矛盾するものではない。そうすると、1審被告Qから後頭部を殴打された旨の1審原告Cの供述を直ちに信用5することはできず、他に同1審原告の主張を認めるに足りる証拠はない。 その他、1審原告Cの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲7)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはできない。 101審原告Dについて(認定事実)a 1審被告Jを始めとする視察員は、前記aのとおり、本件大会二日目の午前9時頃、本件会場付近で視察活動に従事していた。 そして、同時刻頃、マイクロバスが到着し、参加者が降車し始める15と、視察員と防衛員との間でもみ合い状態が生じ、現場が騒然となった。 b 1審被告Tは、本件会場前の歩道上で、1審被告Kが防衛員を制止しようとしてもみ合っているところに、1審原告Dが防衛員の加勢に入ったのを目撃した。そこで、1審被告Tは、1審原告Dを制20止するため、その後方から1審原告Dの胸部に左腕を回して引き離そうとしたところ、1審原告Dが活動家の服を掴んでいた手を急に離したことから、同1審原告は後方に尻餅をついた。 1審原告Dは、すぐに立ち上がり、もみ合い状態にあった集団の方へ向かおうとした。そこで、1審被告Tは、1審原告Dを行かせ25ないように、その後方から1審原告DのTシャツの左肩付近を左手22 で掴んで制止した。その際、1審被告Jも、1審原告Dがもみ合いになっている集団の方に向かおうとしていることに気付き、このままでは公務 に、その後方から1審原告DのTシャツの左肩付近を左手22 で掴んで制止した。その際、1審被告Jも、1審原告Dがもみ合いになっている集団の方に向かおうとしていることに気付き、このままでは公務執行妨害が発生したり、けが人などが出るおそれがあると認識し、1審原告Dを集団の方へ行かせないようにするため、1審原告Dの後方から、左手でその左脇付近を、右手で右肩付近を押5さえて、1審被告Tと共に、同1審原告をその場に引き止めた。ところが、1審原告Dは、体を左右に振って1審被告Tと1審被告Jの制止を振り切った。その際、1審被告Tは、左手で1審原告DのTシャツを掴んでいたため、1審原告DのTシャツを引っ張る形になった。1審被告Jらが1審原告Dを引き止めた時間は1ないし210秒である。 (以上につき、甲1、2(IMG1688.MOVの1分20秒前後)、9、14(18、19頁)、乙イ5、15、22(写真34ないし36)、1審原告D、1審被告T、1審被告J。なお、1審原告Dの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲9)には、上記の認定15に反する部分があるが、信用することはできない。)1審原告Eについてa 認定事実前記aのとおり、本件大会二日目の午前9時頃、視察員が視察活動をしている中、本件大会の参加者が乗車するマイクロバ20スが本件会場東側の路上に到着し、3点セットを装着した参加者が続々と降車してきた。1審被告Nは、マイクロバスの左前方(開閉ドア付近)にいた。また、防衛員が、マイクロバス付近から本件会場の出入口にかけての歩道上に集まっていた。 ⒝ ほどなくして、視察員と防衛員との間でもみ合いが生じた。125審被告Nは、降車する参加者を見ていたところ、1審原告Eが123 審被告Nの視線をさえぎるように の歩道上に集まっていた。 ⒝ ほどなくして、視察員と防衛員との間でもみ合いが生じた。125審被告Nは、降車する参加者を見ていたところ、1審原告Eが123 審被告Nの視線をさえぎるように、1審被告Nの前に立ちはだかった。1審原告Eと1審被告Nは、かねてより面識があった。その際、1審被告Nの右側には視察員(以下「本件視察員」という。)がおり、マイクロバスから降車した者(以下「本件参加者」という。)の容貌を確認しようとしていたが、1審原告Eは、本件視5察員に対し、何か怒鳴りながら掴みかかった。これを見た1審被告Nは、とっさに右手で1審原告Eの左上腕部を、左手で同1審原告の右上腕部をそれぞれ掴んで「止めろ」と強い口調で告げた。 1審原告Eは1審被告Nの手を振りほどき、1審被告Nと本件視察員の首筋の辺りを左右の手で押したことから、両名は数メート10ル後退した。1審原告Eは、手を放し、再び、1審被告Nと正対した。その時、本件会場の入口付近で大きな怒号が起こり、視察員と防衛員のもみ合いが始まり、1審原告Eはそちらの方向へ向かおうとした。1審被告Nは、1審原告Eの右手首を掴んで、「止めろ。E。行くな」と言って、約1分間、この場に留まるよう説15得した。1審原告Eは、手を振りほどくことなどはせず、黙ったままで、1審被告Nが手を離すと走り去った。 (以上につき、甲1、2(IMG1688.MOVの54秒ないし1分前後、19(27頁)、乙イ9、22(写真42ないし44)、1審原告E、1審被告N)20b 事実認定の補足説明1審原告Eは、上記a⒝で認定した事実に関し、1審被告Nの隣にいた本件視察員に掴みかかったことはないと主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取書(甲8)には、これに沿う供述等がある。 25し 原告Eは、上記a⒝で認定した事実に関し、1審被告Nの隣にいた本件視察員に掴みかかったことはないと主張し、本人尋問及び同1審原告からの供述録取書(甲8)には、これに沿う供述等がある。 25しかしながら、1審被告Nは、本人尋問において、1審原告E24 が本件視察員に対し、何か怒鳴りながら掴みかかったと供述するところ、上記の状況を撮影した動画(甲2(IMG1688.MOV)の58秒前後)には、1審原告Eが1審被告Nの右側にいる本件視察員の頸部付近に手を伸ばしている状況が撮影されている(乙イ22の写真42ないし44)。これは、1審被告Nの5上記供述を裏付けるものといえるから、同供述を信用することはできるが、他方、1審原告Eの上記供述は上記の映像とそぐわないから、これを信用することはできない。したがって、1審原告Eの主張は採用することができない。 ⒝ 1審原告Eは、1審被告Nの暴行の結果、着用していたTシャ10ツが破れたと主張する。 しかしながら、1審原告Eは、本人尋問において、いつTシャツが破れたか分からないが、主に接触していたのは1審被告Nなので、同1審被告が破ったのではないかと推測していると供述するにとどまっているのであるから、同供述をもって、1審被告N15の行為により1審原告EのTシャツが破けたと認めることはできないし、他に上記主張を認めるに足りる証拠はない。 ⒞ その他、1審原告Eの供述及び同1審原告からの供述録取書(甲8)には、上記aの認定に反する部分があるが、信用することはできない。」20⑸ 原判決34頁16行目の次に改行して次のとおり加える。 「 したがって、本件視察活動が違法である旨の1審原告らの主張を採用することはできない。」原判決35頁4行目から38頁20行目までを次 決34頁16行目の次に改行して次のとおり加える。 「 したがって、本件視察活動が違法である旨の1審原告らの主張を採用することはできない。」原判決35頁4行目から38頁20行目までを次のとおり改める。 「⑵ 1審原告Aに対する行為25ア 1審被告J、同L、同K及び同Tが1審原告Aに対して行った有形力25 の行使等の内容は、前記1⑸アaのとおりである。 イ 1審被告Jが1審原告Aの帽子とヤッケのフードをずらした行為(前記1⑸アa⒞)について 前記認定事実によれば、1審被告Jは、タクシーから降車した1審原告Aに対して「誰だお前は」と確認したところ、1審原告Aが問い5掛けに何も答えず歩き出そうとしたことから、その容貌を確認しようとして、1審原告Aの装着していた帽子とヤッケのフードをずらしたことが認められる。 a 本件会場では本件大会が予定されていたところ、過去には1審原告全学連の集会に指名手配犯が参加したこともあり、本件大会当時10も指名手配犯を含む逮捕状を発付されている中核派の活動家が多数いた(前記1⑵)。また、本件大会では、参加者の会場入りの方法が例年とは異なるものに変更されたことから、視察員は、本件大会に指名手配犯等が紛れ込む可能性が高いと考えていた(同⑷)。 しかるに、1審原告Aらタクシーに乗車していた3名は、いずれも153点セットを装着してその容貌や服装を隠し、性別すら分からない格好をしており、しかも、タクシーが停車した後も、しばらくの間、降車しようとしなかったのであるから、このような同1審原告らの挙動が警職法2条1項の「異常な挙動」に該当することは明らかである。また、タクシーの到着後、1審原告Bを含む防衛員が、こと20さら視察員を気にしたり、タクシー車内の様子をう ような同1審原告らの挙動が警職法2条1項の「異常な挙動」に該当することは明らかである。また、タクシーの到着後、1審原告Bを含む防衛員が、こと20さら視察員を気にしたり、タクシー車内の様子をうかがうなどしていた。これらの状況を認識していた1審被告Jは、1審原告Aら3名がその異常な挙動や周囲の状況から指名手配犯か捜査対象者であると疑いを持ち、職務質問の要件である「(1審原告Aら3名が)何らかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(同項)がある25と判断したものであり、その判断は合理的である。 26 b そして、1審原告Aは、タクシーから降車後、1審被告Jの質問に答えることなく歩き始めようとしたものであるところ、その周囲では視察員と防衛員を始めとする1審原告全学連側の活動家がもみ合いを始めており、また、タクシーは本件会場入口前に停車していたから、1審原告Aはすぐに本件会場に入ることができる状況に5あった。したがって、客観的にも、上記aのとおり犯罪の嫌疑がある1審原告Aの容貌を確認しなければならない必要性、緊急性があったということができ、これらの状況を認識していた1審被告Jが、上記の必要性、緊急性があると判断したことは合理的である。 また、1審被告Jは、1審原告Aの容貌を確認するため同1審原10告の装着していた帽子とヤッケのフードをずらしているが、かかる行為による1審原告Aの受ける身体への影響は極めて軽微なものであり、上記のような必要性、緊急性のある状況の下では、上記行為は職務質問に付随する有形力の行使として相当なものと認められ、もとより、1審被告Jがそのように判断したことは合理的であ15る。 c 以上のとおりであるから、1審被告Jが1審原告Aの帽子とヤッケのフードをずらした行為が、国賠 と認められ、もとより、1審被告Jがそのように判断したことは合理的であ15る。 c 以上のとおりであるから、1審被告Jが1審原告Aの帽子とヤッケのフードをずらした行為が、国賠法1条1項の適用上警職法2条1項の職務質問の要件を欠き、又は職務質問に付随する有形力の行使として許容される範囲を超える違法なものであったと認める20ことはできない。 ウ その後の1審被告J、同L、同K及び同Tの行為(前記1⑸アa⒞)について前記認定事実によれば、1審被告Jが1審原告Aの装着していた帽子とヤッケのフードをずらすとほぼ同時に、1審原告Aは、持ってい25た鞄で顔を隠しながら、下を向き、体を前後左右に揺らし、更に鞄を27 振り回すなどして暴れ始めたので、これを制止するため、1審被告Jは、後方から1審原告Aの肩を掴み、1審被告Lは1審原告Aの後方から右手で同1審原告の首又は頭部付近に2、3秒程度手をかけ、1審被告Kは、1審原告Aの後頭部に右手を、顔面右側付近に左手を1秒程度当て、1審被告Tは、左手で1審原告Aの肩付近に手をかけた5ことが認められる。 1審原告Aが暴れ始めた際には、同1審原告の周囲には、1審被告Jを始め複数の視察員がいたのであるから、1審原告Aの行為は公務執行妨害罪に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、周囲の視察員の身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に10制止しなければ当該犯罪の発生ないし継続を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、かかる状況を認識していた1審被告J、同L、同K及び同Tが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、制止行為の内容は、いずれも数秒間程度、1審被告Jが後方から1審原告Aの肩 況を認識していた1審被告J、同L、同K及び同Tが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、制止行為の内容は、いずれも数秒間程度、1審被告Jが後方から1審原告Aの肩15を掴み、同Lが後方から首又は後頭部付近を右手で押さえ、同Kが後頭部に右手を、顔面右側付近に左手を当てて押さえ、同Tが肩付近に左手をかけたというものであり、いずれの方法も、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告J、同L、同K及び同Tがそのように判断したことは合理的である。 20これに対し、1審原告Aは、タクシーを降車後に鞄で顔を隠しながら、顔を左右に振るなどしたのは、降車した瞬間に1審被告Jらから帽子とフードを引き外され、身体を押さえ付けられ、装着していたマスクを剥ぎ取ろうとされたので、肖像権を守るために行った正当な行為であるから、1審被告Jらの行為は警職法5条の「犯罪がまさに行25われようとする」との要件を充足しない旨主張する。 28 しかしながら、1審被告Jが1審原告Aの帽子とヤッケのフードをずらした行為は、前記イのとおり、警職法2条1項の要件を備えたものと認められるし、また、同1審被告らが同1審原告を制止したのは、前記及びのとおり、同1審原告が暴れ始め、これが公務執行妨害罪に該当するか又は同罪等に発展するおそれがあったことによるも5のであって、同法5条の「犯罪がまさに行われようとするのを認めたとき」の要件が備わっていたと認めることができる。そうすると、1審原告Aの行為が肖像権を守るために行った正当な行為であるとはいえないから、同1審原告の上記主張を採用することはできない。 したがって、1審被告Jらの行為が、国賠法1条1項の適用上警職10法5条の制止行為として 権を守るために行った正当な行為であるとはいえないから、同1審原告の上記主張を採用することはできない。 したがって、1審被告Jらの行為が、国賠法1条1項の適用上警職10法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 なお、1審原告Aは、1審被告Jらの行為によって、顔面にひっかき傷を負うなどしたほか、帽子、サングラス及びマスクを紛失したと主張するが、仮にかかる事情があったとしても、上記の判断を左右す15るものではない。 エ 以上のとおりであるから、1審被告Jらが1審原告Aに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 ⑶ 1審原告Bに対する行為20ア 1審被告M、同P及び同Jが1審原告Bに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸アaのとおりである。 イ 1審被告M及び同Pの行為(前記1⑸アa⒝)について前記認定事実によれば、1審被告Mは、タクシーの後部座席から降車した者に近付き、「指名手配犯か」などと問い質し、同人の装着25していたマスクをずらしてその容貌を確認するため、そのマスクに29 右手を伸ばしたところ、1審原告Bが、「何やってんだ、M」と言いながら、1審被告Mの両腕を掴み、マンションの植込みの方向へ押したこと、同暴行によりマンションの壁にぶつかりそうになった1審被告Mは、これを回避するため、なおも掴みかかろうとする1審原告Bの両腕を両手で振り払った上、1審被告Mに対し左後背部を向け5る形になった1審原告Bの腰背部付近を両手で押し放したこと、また、1審被告Pは1審被告Mから1審原告Bを引き離すため、「止めろ」と言いながら同人らの間に割って入った上、1審原告Bの胸部付近を両手で押し、これにより同1審原告は数歩後退して で押し放したこと、また、1審被告Pは1審被告Mから1審原告Bを引き離すため、「止めろ」と言いながら同人らの間に割って入った上、1審原告Bの胸部付近を両手で押し、これにより同1審原告は数歩後退して、植込みに入り込んだことが認められる。 101審被告Mがタクシーの後部座席から降車した者の容貌を確認しようとして、同人が着けていたマスクをはずそうとしたことは、前記⑵イで検討したところに照らせば、警職法2条の職務質問に付随する有形力の行使として許容されるものと認められる。しかるに、1審原告Bは、これを阻止するために、1審被告Mの両腕を掴んで、同115審被告をマンションの植え込みの方へ押したのであるから、かかる行為は公務執行妨害罪に当たるものであって、1審被告Mの身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に制止しなければ当該犯罪の継続を防止することができない状況にあったと認めることができる。 そうすると、かかる状況を認識していた1審被告M及び同Pが、警職20法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。 そして、1審被告M及び同Pの制止行為の内容は、1審被告Mにおいて、なおも掴みかかろうとする1審原告Bの両腕を両手で振り払った上、1審原告Bの腰背部付近を両手で押し放し、1審被告Pにおいて、1審被告Mから1審原告Bを引き離すため、同人らの間に割っ25て入った上、1審原告Bの胸部付近を両手で押して数歩後退させた30 というものであり、いずれの方法も当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告M及び同Pがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Mらの行為が、国賠法1条1項の適用上警職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認め5ることはで 被告M及び同Pがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Mらの行為が、国賠法1条1項の適用上警職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認め5ることはできない。 ウ1審被告J及び同Pの行為(前記1⑸アa⒞)について前記認定事実によれば、1審被告Jは、3点セットを装着して顔を覆っている中核派の活動家を認めたため、その容貌を確認しようとして同人のフードをめくり上げたところ、後方にいた1審原告Bが、110審被告Jの頭髪を掴んで後方に引っ張り、更に1審被告Jの右肩付近の衣服を掴んだまま、力任せに道路の反対側の方に1審被告Jを引きずったこと、この間、1審被告Jは、倒れないように、右手で1審原告Bの左脇付近を、左手で同1審原告のTシャツの左肩付近を掴んでいたが、本件会場の西側のガードレール付近まで引きずられたこと、151審被告Jは同1審被告の衣服を掴んでいる1審原告Bの手を放すため、同1審原告のTシャツの襟もと付近を右手で掴み、左腕を左手で掴んで押し放そうとしたこと、この状況を見た1審被告Pは、左手で1審被告Jの右肩付近を引き寄せ、右手で1審原告Bの左肩付近を押して、両者を引き離そうとしたことが認められる。 201審被告Jが3点セットを装着している中核派の活動家の容貌を確認しようとして、同人が着けていたフードをめくり上げたことは、前記⑵イで検討したところに照らせば、警職法2条の職務質問に付随する有形力の行使として許容されるものと認められる。しかるに、1審原告Bは、これを阻止するために、1審被告Jの頭髪を掴むなどし25た上、同1審被告を引きずったのであるから、かかる行為は公務執行31 妨害罪に当たるものであって、1審被告Jの身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に 、1審被告Jの頭髪を掴むなどし25た上、同1審被告を引きずったのであるから、かかる行為は公務執行31 妨害罪に当たるものであって、1審被告Jの身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に制止しなければ当該犯罪の継続を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、かかる状況を認識していた1審被告J及び同Pが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。 5そして、1審被告J及び同Pの制止行為の内容は、1審被告Jにおいて、1審原告Bに引きずられていた間、倒れないように、右手で1審原告Bの左脇付近を、左手で同1審原告のTシャツの左肩付近を掴み、その後、1審被告Jの衣服を掴んでいる1審原告Bの手を放すため、同1審原告のTシャツの襟もと付近を右手で掴み、左腕を左手で10掴んで押し放そうとしたというものであり、1審被告Pにおいて、左手で1審被告Jの右肩付近を引き寄せ、右手で1審原告Bの左肩付近を押して、両者を引き離そうとしたというものであって、いずれの方法も、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告J及び同Pがそのように判断したことは合理的で15ある。 したがって、1審被告Jらの行為が、国賠法1条1項の適用上警職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 なお、1審原告Bは、1審被告Jの行為により、1審原告Bが着て20いたシャツが破れたり、全治2週間の傷害を負ったと主張するが、これを認めるに足る証拠はないし、仮にかかる事情があったとしても、上記の判断を左右するものではない。 エ 以上のとおりであるから、1審被告Mらが1審原告Bに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできな にかかる事情があったとしても、上記の判断を左右するものではない。 エ 以上のとおりであるから、1審被告Mらが1審原告Bに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできな25い。 32 ⑷ 1審原告Cに対する行為ア 1審原告Cに対する本件大会初日の行為1審被告L、同K及び同Tが1審原告Cに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸アaのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審原告Cは、他の2名の本件大会の参5加者と共に3点セットを装着し、本件会場付近の歩道を本件会場入口に向かって歩いてきたこと、1審被告Mが同1審原告らに対し「指名手配か」などと声をかけても、同1審原告らはこれを無視して足早に通り過ぎようとしたこと、1審被告Lは、容貌を確認するために、歩いていた1審原告Cに50cmから60cmまで近付10き、同1審原告の顔をのぞきこんだが、その容貌を確認できなかったこと、その際、中核派の活動家であるVが1審原告Cと1審被告Lの間に身体を入れてきたこと、1審被告Kは、最後尾を歩いていた者(1審原告C)の斜め後方から近付き、右手でヤッケのフードを引っ張って外したことが認められる。 15また、1審被告Tは、1審被告Kが1審原告Cのフードを外した後に、前記3名の存在に気付き、先頭を歩いていた者(U)に近付いたところ、後方から1審原告Cに右手で左肩を掴まれたので、とっさにその手を振り払ったこと、1審原告Cは本件会場へ入っていったが、その後、1審被告Tは、本件会場から3点セットを装着し20た者が出てきたことから、その容貌を確認するため、後方からヤッケのフードをめくり上げたところ、その者が1審原告Cであったこと、1審原告Cは防衛員と視察員が入り乱れ、もみ合い状態になって し20た者が出てきたことから、その容貌を確認するため、後方からヤッケのフードをめくり上げたところ、その者が1審原告Cであったこと、1審原告Cは防衛員と視察員が入り乱れ、もみ合い状態になっている集団へ向かおうとしたので、1審被告Tは、1審原告Cをその場に留める必要があると考えて、少しの間、同1審原告のヤッケ25のフードを左手で掴んでいたことが認められる。 33 b 1審被告Lが1審原告Cの容貌を確認しようとした行為並びに1審被告K及び同Tが1審原告Cのフードのヤッケを外し又はめくり上げた行為について 1審被告Lらが、本件大会に指名手配犯等が紛れ込む可能性が高いと考えていたことは、前記1⑵及び⑷のとおりである。しか5るに、1審原告Cほか2名の本件大会の参加者はいずれも3点セットを装着しており、その容貌を外から確認することはできなかったのであるから、同1審原告らの挙動が警職法2条1項の「異常な挙動」に該当することは明らかである。このような状況を認識していた1審被告L及び同Kは、1審原告Cら3名がその異常10な挙動や周囲の状況から同1審原告らが指名手配犯か捜査対象者であると疑いを持ち、職務質問の要件である「(1審原告Cら3名が)何らかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(同項)があると判断したものであり、その判断は合理的である。 また、1審被告Tがその容貌を確認しようとした本件会場から15出てきた者(1審原告C)は、3点セットを装着していたのであるから、同1審原告の挙動が警職法2条1項の「異常な挙動」に該当することは明らかである。このような状況を認識していた1審被告Tは、上記の者が指名手配犯か捜査対象者であると疑いを持ち、前同様の職務質問の要件があると判断したものであり、そ20の判断 」に該当することは明らかである。このような状況を認識していた1審被告Tは、上記の者が指名手配犯か捜査対象者であると疑いを持ち、前同様の職務質問の要件があると判断したものであり、そ20の判断は合理的である。 ⒝ そして、1審被告Lは、1審原告Cの顔を近くからのぞきこんだだけであって、同1審原告の身体に触れていない。 また、1審被告Kは、1審原告Cの容貌を確認するために同1審原告が装着していたヤッケのフードを引っ張って外している25が、この直前、1審被告Lが1審原告Cに近付いてその容貌を確34 認しようとしたところ、活動家のVが、1審原告Cと1審被告Lの間に身体を入れて妨害したのであるから、更なる妨害を受ける前に、また、1審原告Cが本件会場に入ってしまう前に、1審原告Cの容貌を確認しなければならない必要性、緊急性があったということができ、これらの状況を認識していた1審被告Kが、上5記の必要性、緊急性があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Kは、1審原告Cの容貌を確認するため、同1審原告が装着していたヤッケのフードを外したが、かかる行為による1審原告Cの身体への影響は極めて軽微なものであり、上記のような必要性、緊急性のある状況の下では、上記行為は、職務質問10に付随する有形力の行使として相当なものと認められ、もとより、1審被告Kがそのように判断したことは合理的である。 さらに、1審被告Tは、本件会場から3点セットを装着したまま出てきた1審原告Cが装着していたヤッケのフードをめくり上げたが、1審原告Cのいた場所は本件会場入口付近であり、再15び本件会場に入ってしまう前に、1審原告Cの容貌を確認しなければならない必要性、緊急性があったということができ、これらの状況を認識してい が、1審原告Cのいた場所は本件会場入口付近であり、再15び本件会場に入ってしまう前に、1審原告Cの容貌を確認しなければならない必要性、緊急性があったということができ、これらの状況を認識していた1審被告Tが上記の必要性、緊急性があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Tは1審原告Cの装着していたフードをめくり上げたが、かかる行為による120審原告Cの身体への影響は極めて軽微なものであり、上記のような必要性、緊急性のある状況の下では、上記行為は、職務質問に付随する有形力の行使として相当なものと認められ、もとより、1審被告Tがそのように判断したことは合理的である。 ⒞ したがって、1審被告Lが1審原告Cの容貌を確認しようとし25てのぞきこんだ行為並びに1審被告K及び同Tが1審原告Cの35 フードのヤッケを外し又はめくり上げた行為が、国賠法1条1項の適用上警職法2条1項の職務質問の要件を欠き、又は職務質問に付随する有形力の行使として許容される範囲を超える違法なものであったと認めることはできない。 c 1審被告Tが1審原告Cの右手を振り払った行為及びヤッケの5フードを掴んだ行為について1審原告Cは、1審被告Tの後方からその左肩を掴んだのであるから、かかる行為は公務執行妨害罪に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、1審被告Tの身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に阻止しなければ当該犯罪の発生ないし継続10を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、かかる状況を認識していた1審被告Tが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Tの制止行為の内容は、肩を掴んだ1審原告Cの手をとっさに振り払ったというものであり、当時の具 識していた1審被告Tが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Tの制止行為の内容は、肩を掴んだ1審原告Cの手をとっさに振り払ったというものであり、当時の具体的状況の下で必要かつ15社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告Tがそのように判断したことは合理的である。 また、1審原告Cは、防衛員と視察員が入り乱れて、もみ合い状態になっている集団へ向かおうとしていたのであるから、かかる行為は公務執行妨害罪等に発展するおそれのあるものであって、視察20員の身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に阻止しなければ当該犯罪の発生を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、かかる状況を認識していた1審被告Tが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Tの制止行為の内容は、1審原告Cをその場25に留めるために、少しの間、同人のヤッケのフードを左手で掴んだ36 というものであり、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告Tがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Tの上記各行為が、国賠法1条1項の適用上警職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであった5と認めることはできない。 以上のとおりであるから、1審被告Lらが1審原告Cに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 イ 1審原告Cに対する本件大会二日目の行為101審被告Qが1審原告Cに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸イaのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審被告Qは、本件会場前の歩道上で、視察員ともみ合っている1審原告Dを目に 1審被告Qが1審原告Cに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸イaのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審被告Qは、本件会場前の歩道上で、視察員ともみ合っている1審原告Dを目にしたことから、その後方から1審原告Dを引き離そうとしたところ、フードを目深にかぶり15マスクをした1審原告Cが近付いてきて、1審被告Qの左腕を掴み、前方に投げ出すように押したため、1審被告Qはバランスを崩して数歩後退し、他の活動家にぶつかったこと、その後、1審被告Qは、1審原告Cが1審被告Iともみ合っており、同1審原告が左右の手で同1審被告を叩いているように見えたことから、1審原告20Cの腹部に左手を回し、1審被告Iから引き離そうとしたところ、1審原告Cは1審被告Qの右腕を強く掴み、なおも1審被告Iに向かっていこうとしたので、1審被告Qは、1審原告Cの首付近に左腕を回し、そのままの状態で2、3秒制止したこと、1審原告Cが少しおとなしくなったようなので1審被告Qが左腕を解くと、1審25原告Cは右の手拳で1審被告Qの左顎の辺りに殴りかかり、反転し37 て別のもみ合っている集団の方へ向かおうとしたこと、1審被告Qは、1審原告Cの後ろから、1審原告Cが背負っていたリュックを左手で掴んだが、1審原告Cはこれを振り切って、集団の方へ向かっていったことが認められる。 b 1審原告Cは、1審被告Qの左腕を掴み、前方に投げ出すように5押したり、その後、1審被告Iともみ合い(1審被告Qには、同1審原告が左右の手で同1審被告を叩いているように見えた。)、また、右の手拳で1審被告Qの左顎の辺りに殴りかかったのであって、これらの行為は公務執行妨害罪に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、1審被告Q及び同Iの身体に危険が 見えた。)、また、右の手拳で1審被告Qの左顎の辺りに殴りかかったのであって、これらの行為は公務執行妨害罪に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、1審被告Q及び同Iの身体に危険が10及ぶおそれがあり、これを即座に制止しなければ当該犯罪の発生ないし継続を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、このような状況を認識していた1審被告Qが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。 15そして、1審被告Qの制止行為の内容は、1審原告Cの腹部に左手を回し、1審被告Iから引き離そうとしたり、1審原告Cが1審被告Qの右腕を強く掴み、なおも1審被告Iに向かっていこうとしたので、1審原告Cの首付近に左腕を回し、そのままの状態で2、3秒制止したというものであり、当時の具体的状況の下で必要かつ20社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告Qがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Qの行為が、国賠法1条1項の適用上警職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 25以上のとおりであるから、1審被告Qが1審原告Cに対して暴行等38 の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 ⑸ 1審原告Dに対する行為ア 1審原告Dに対する本件大会初日の行為1審被告O、同Q及び同Rが1審原告Dに対して行った有形力の行5使等の内容は、前記1⑸アaのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審原告Dは、1審被告Oの正面に立って同1審被告を罵倒していたが、同1審被告の隣にいた視察員が構えているカメラのレンズに向けて右手を差し出したこと、これに対し、1審被告Oは、1審原告Dが自らに向けて 原告Dは、1審被告Oの正面に立って同1審被告を罵倒していたが、同1審被告の隣にいた視察員が構えているカメラのレンズに向けて右手を差し出したこと、これに対し、1審被告Oは、1審原告Dが自らに向けて右手を突き出してき10たものと認識し、これを制止するために1審原告Dの右手首を掴んだこと、1審被告Qは、1審原告Dが1審被告Oら視察員を罵倒している状況を見ていたところ、1審原告Dの手が動いてそれを1審被告Oが払いのけるような動作が見えたことから、1審原告Dの後方から近付き、「止めろ、止めろ」と言いながら、右手で1審原告15Dの左肩を掴み、これを後方に引いて、同1審原告と1審被告Oの間に割って入ったことが認められる。 また、1審原告Dは、1審被告Rを威嚇し、両肩を激しく振りながら、その右肩を1審被告Rの左胸付近にぶつけ、更に身体を強く押し当てたことから、1審被告Rは、1審原告Dを騒然とした現場20から遠ざけようとして、同1審原告の右胸付近に右手掌を押し当てて同1審原告を数歩後退させ、押し返してきた1審原告Dの右肩付近を左手で掴んで更に後退させたことが認められる。 さらに、1審原告Dは、防衛員に対する対応をしていた1審被告Qに対し、叫びながら詰め寄り、同1審被告の脚部を左右の足で蹴25り上げてきたため、1審被告Qは、1審原告Dの胸部付近に両腕を39 伸ばし、同1審原告の攻撃を防ぎ、同1審原告を遠ざけるために、両手で押したことが認められる。 b 1審原告Dが1審被告Oの隣にいた視察員が構えているカメラのレンズに向けて右手を差し出した行為、右肩を1審被告Rの左胸付近にぶつけ、自らの身体を押し付ける行為及び1審被告Qの脚部5を左右の足で蹴り上げる行為は、いずれも公務執行妨害罪の暴行に当たるか又は同罪等に発展するおそ し出した行為、右肩を1審被告Rの左胸付近にぶつけ、自らの身体を押し付ける行為及び1審被告Qの脚部5を左右の足で蹴り上げる行為は、いずれも公務執行妨害罪の暴行に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、1審被告O、同R及び同Qの身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に阻止しなければ当該犯罪の発生ないし継続を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、かかる状10況を認識していた1審被告O、同R及び同Qが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。なお、1審被告Oは、1審原告Dが同1審被告の隣にいた視察員が構えているカメラのレンズに向けて右手を差し出したのを、自らに向けて右手を突き出してきたものと認識して制止行為に及んでいるが、1審原告D15が視察員の構えているカメラのレンズに向けて右手を差し出した行為は、公務執行妨害罪に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものということができるところ、1審被告Oの行為は客観的には上記のような1審原告Dの行為を制止するものであったし、また、当時の状況の下では、1審原告Dが自らに向けて右手を突き出20してきたものと1審被告Oが認識したことは、やむを得ないものというべきであるから、同1審被告が警職法5条の制止行為の要件があると判断したことは、何ら不合理ではない。同様に、1審原告Dと1審被告Oの応酬を見た1審被告Qが、警職法5条の制止行為の要件があると判断したことも、何ら不合理ではない。 25そして、制止行為の内容は、1審被告Oにおいて、1審原告Dの40 右手首を掴み、1審被告Qにおいて、右手で1審原告Dの左肩を掴み、これを後方に引いて、同1審原告と1審被告Oの間に割って入り、また、1審原告Dの胸部付近に両腕を伸ば おいて、1審原告Dの40 右手首を掴み、1審被告Qにおいて、右手で1審原告Dの左肩を掴み、これを後方に引いて、同1審原告と1審被告Oの間に割って入り、また、1審原告Dの胸部付近に両腕を伸ばし、両手で押し、1審被告Rにおいて、1審原告Dの右胸付近に右手掌を押し当てて同1審原告を数歩後退させ、押し返してきた1審原告Dの右肩付近を5左手で掴んで更に後退させたというものであって、いずれの方法も、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告O、同R及び同Qがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Oらの行為が、国賠法1条1項の適用上警10職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 以上のとおりであるから、1審被告Oらが1審原告Dに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 15イ 1審原告Dに対する本件大会二日目の行為1審被告T及び同Jが1審原告Dに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸イのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審被告Tは、1審被告Kが防衛員を制止しようとしてもみ合っているところに、1審原告Dが防衛員の加20勢に入ったのを目撃したことから、同1審原告を制止しようとして、同1審原告の後方からその胸部に左腕を回して引き離そうとしたところ、1審原告Dが活動家の服を掴んでいた手を急に離したことから、1審原告Dは後方に尻餅をついたこと、1審原告Dはすぐに立ち上がって、もみ合い状態にあった集団の方へ向かおうとした25ことから、1審被告Tは、後方から1審原告DのTシャツの左肩付41 近を左手で掴んで制止したこと、1審被告Jも、1審原告Dが上 立ち上がって、もみ合い状態にあった集団の方へ向かおうとした25ことから、1審被告Tは、後方から1審原告DのTシャツの左肩付41 近を左手で掴んで制止したこと、1審被告Jも、1審原告Dが上記のもみ合いになっている集団の方に向かおうとしていることに気付き、それを阻止するため、1審原告Dの後方から、左手でその左脇付近を、右手で右肩付近を押さえ、1審被告Tと共に、1ないし2秒の間同1審原告をその場に引き止めたことが認められる。 5b 1審原告Dは、1審被告Kが防衛員を制止しようとしてもみ合いになっているところに防衛員の加勢に入り、いったん1審被告Tに制止されて尻餅をついた後にも、立ち上がって、もみ合いになっている集団の方へ行こうとしたのであって、これらの行為は公務執行妨害罪等の犯罪に発展するおそれのあるものであって、視察員の身10体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に阻止しなければ当該犯罪の発生を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうすると、かかる状況を認識していた1審被告T及び同Jが、警職法5条所定の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。 15そして、制止行為の内容は、1審被告Tにおいて、防衛員の加勢に入った1審原告Dの後方からその胸部に左腕を回して引き離そうとしたり、もみ合い状態にある集団の方へ向かおうとする同1審原告の後方から左手で1審原告DのTシャツの左肩部分を掴んだというものであり、また、1審被告Jにおいて、1審原告Dの後方20から、左手でその左脇付近を、右手で右肩付近を押さえたというものであって、1審被告Jらが1審原告Dを制止した時間は1ないし2秒程度にとどまるのであるから、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告T及び同J 押さえたというものであって、1審被告Jらが1審原告Dを制止した時間は1ないし2秒程度にとどまるのであるから、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告T及び同Jがそのように判断したことは合理的である。 25したがって、1審被告Tらの行為が、国賠法1条1項の適用上警42 職法5条の制止行為としての要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 以上のとおりであるから、1審被告Tらが1審原告Dに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 5⑹ 1審原告Eに対する行為ア 1審原告Eに対する本件大会初日の行為1審被告Sが1審原告Eに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸アaのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審被告Sは、視察員と防衛員の双方が10入り乱れている集団の中心付近で、興奮した1審原告Eが何かわめきながら1審被告Mに詰め寄り、同1審被告が後退する状況を目撃したことから、1審原告Eに近付き、右手で1審原告Eの左肩付近を掴み、腹部に左手を当てて同1審原告を制止したこと、その後も1審原告Eが身体を激しくよじって暴れ始めたことから、1審被告15Sは、1審原告Eを集団内から遠ざけるため、1審原告Eの左肩付近を両手で挟んで制止し、すぐに肩を組むように1審被告Sの左手を1審原告Eの左肩後付近に回し、その体勢のまま、1審原告Eを集団から数メートル離れた本件会場の外壁付近に移動させたこと、1審原告Eは本件会場の外壁付近に移動した後ももみ合いの中に20戻ろうとして暴れ続けたことから、1審被告Sは、1審原告Eの背後から、両腕で1審原告Eの体を抱きかかえるようにして落ち着くよう説得したことが認められる。 b 1審 した後ももみ合いの中に20戻ろうとして暴れ続けたことから、1審被告Sは、1審原告Eの背後から、両腕で1審原告Eの体を抱きかかえるようにして落ち着くよう説得したことが認められる。 b 1審原告Eは、視察員と防衛員が入り乱れている集団の中心付近で、興奮して何かわめきながら1審被告Mの直近に詰め寄り、ま25た、1審被告Sにいったん制止された後も、身体を激しくよじって43 暴れたり、もみ合っている集団の中に戻ろうとしたのであるから、1審原告Eの行為は公務執行妨害罪等の犯罪に発展するおそれのあるものであって、1審被告Mやその他の視察員の身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に制止しなければ当該犯罪の発生を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうす5ると、かかる状況を認識していた1審被告Sが、警職法5条所定の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。 そして、1審被告Sによる制止行為の内容は、右手で1審原告Eの左肩付近を掴み、腹部に左手を当てて制止し、その後も1審原告Eが身体を激しくよじって暴れ始めたので、同1審原告を集団内か10ら遠ざけるため、1審原告Eの左肩付近を両手で挟んで制止し、すぐに肩を組むように1審被告Sの左手を1審原告Eの左肩後付近に回し、その体勢のまま、1審原告Eを集団から数メートル離れた本件会場の外壁付近に移動させ、なおももみ合いの中に戻ろうとして暴れ続ける1審原告Eの背後から、両腕で1審原告Eの体を抱き15かかえるようにして、落ち着くように説得したというものであって、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告Sがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Sの行為が、国賠法1条1項の適用上警職20法5条 当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告Sがそのように判断したことは合理的である。 したがって、1審被告Sの行為が、国賠法1条1項の適用上警職20法5条の制止行為の要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 以上のとおりであるから、1審被告Sが1審原告Eに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 25イ 1審原告Eに対する本件大会二日目の行為44 1審被告Nが1審原告Eに対して行った有形力の行使等の内容は、前記1⑸イaのとおりである。 a 前記認定事実によれば、1審被告Nは、1審原告Eが、同1審被告の右隣にいた本件視察員に対し何か怒鳴りながら掴みかかったことから、とっさに右手で1審原告Eの左上腕部を、左手で同1審5原告の右上腕部をそれぞれ掴んで「止めろ」と強い口調で告げたところ、1審原告Eは同1審被告の手を振りほどき、同1審被告と本件視察員の首筋の辺りを左右の手で押したことから、両名は数メートル後退したこと、1審原告Eが手を放し、再び、1審被告Nと正対した時、本件会場の入口付近で大きな怒号が起こり、視察員と防10衛員のもみ合いが始まり、1審原告Eはそちらの方向へ向かおうとしたことから、1審被告Nが、1審原告Eの右手首を掴んで、「止めろ。E。行くな」と言って、約1分間、この場に留まるよう説得をしたことが認められる。 b1審原告Eは1審被告Nの隣にいた本件視察員に対し何か怒15鳴りながら掴みかかったのであるから、同1審原告の行為は公務執行妨害罪の暴行に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、本件視察員の身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に阻止しなければ当該犯罪の発生ないし継続を防止 同1審原告の行為は公務執行妨害罪の暴行に当たるか又は同罪等に発展するおそれのあるものであって、本件視察員の身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に阻止しなければ当該犯罪の発生ないし継続を防止することができない状況にあったと認めることができる。そうす20ると、かかる状況を認識していた1審被告Nが、警職法5条所定の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Nによる制止行為の内容は、とっさに右手で1審原告Eの左上腕部を、左手で同1審原告の右上腕部をそれぞれ掴んだというものであって、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通25念上相当なものといえ、もとより、1審被告Nがそのように判断45 したことは合理的である。 また、1審原告Eは、1審被告Nから掴まれた手を振りほどき、1審被告Nと本件視察員の首筋の辺りを左右の手で押すなどした後、本件会場の入口付近で大きな怒号が起こり、視察員と防衛員のもみ合いが始まると、防衛員に加勢するためにそちらの方向5へ向かおうとしたものであるが、同1審原告が防衛員に加勢するためにもみ合いの場に行こうとしたことは、公務執行妨害罪等の犯罪に発展するおそれのあるものであって、視察員の身体に危険が及ぶおそれがあり、これを即座に制止しなければ当該犯罪の発生を防止することができない状況にあったと認めることができ10る。そうすると、かかる状況を認識していた1審被告Nが、警職法5条所定の制止行為の要件があると判断したことは合理的である。そして、1審被告Nによる制止行為の内容は、視察員と防衛員のもみ合いの場に行こうとした1審原告Eの右手首を掴み、約1分間にわたってその場に留まるよう説得したというもので15あって、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もと 衛員のもみ合いの場に行こうとした1審原告Eの右手首を掴み、約1分間にわたってその場に留まるよう説得したというもので15あって、当時の具体的状況の下で必要かつ社会通念上相当なものといえ、もとより、1審被告Nがそのように判断したことは合理的である。 ⒝ これに対し、1審原告Eは、1審被告Nの隣にいた本件視察員に対応したことについて、本件視察員は本件参加者が頭に巻いて20いたタオルを引きはがそうとしたものであるが、これは公務執行妨害罪で保護すべき適法な公務ではなく、かかる人権侵害から本件参加者を守るため、本件視察員と本件参加者の間に身体を入れたにすぎないから、その行為は正当防衛として許容されるべきであると主張する。しかるに、上記の状況を撮影した動画(甲2(I25MG1688.MOV)の58秒前後)には、1審被告Nの隣に46 いた本件視察員が、本件参加者が頭に巻いていたタオルを引きはがそうとしている行為が撮影されている。 しかしながら、本件大会当時、指名手配犯を含む逮捕状を発付されている中核派の活動家が多数おり、視察員は本件大会に指名手配犯等が紛れ込む可能性が高いと考えていたことは、前記1⑵5及び⑷のとおりである。そして、本件大会二日目の午前9時頃に同大会の参加者が乗車するマイクロバスが本件会場東側の路上に到着し、3点セットを装着した参加者が続々と降車してきたが(前記1⑸イ)、同人らの容貌を外から確認することはできなかったことからすると、同人らの挙動は警職法2条1項の「異常10な挙動」に該当することは明らかである。そうすると、本件参加者には「何らかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(同項)があったと認めることができる。そして、その周囲では視察員と防衛員との間でもみ合いによる混乱が生じており、同所 る。そうすると、本件参加者には「何らかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(同項)があったと認めることができる。そして、その周囲では視察員と防衛員との間でもみ合いによる混乱が生じており、同所は本件会場入口の近くで、本件参加者はすぐに本件会場に入ることが15できる状況にあったから、上記のとおり犯罪の嫌疑がある本件参加者の容貌を確認しなければならない必要性、緊急性があったと認めることができる。 本件視察員は、これらの事情を認識した上で、本件参加者の容貌を確認するために、同人が頭に巻いていたタオルを引きはがそ20うとしたものと認められるところ、かかる行為による本件参加者の身体への影響は極めて軽微なものであり、上記のような必要性、緊急性のある状況の下では、上記行為は職務質問に付随する有形力の行使として相当なものと認められる。 そうすると、本件視察員が本件参加者の頭に巻いていたタオル25を引きはがそうとした行為は、警職法2条1項の職務質問ないし47 職務質問に付随する有形力の行使として適法というべきである。 なお、1審原告Eは、本件視察員と本件参加者の間に身体を入れたにすぎないと主張するが、同1審原告が本件視察員に掴みかかっていったことは、前記aのとおりである。 以上のとおりであるから、1審原告Eの本件視察員に対する行5為は正当防衛に当たる旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 ⒞ したがって、1審被告Nの行為が、国賠法1条1項の適用上警職法5条の要件を欠いた違法なものであったと認めることはできない。 10以上のとおりであるから、1審被告Nが1審原告Eに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 よって、本件視察活動及びその際の個人1審被告らの行為が違 10以上のとおりであるから、1審被告Nが1審原告Eに対して暴行等の違法行為を行った旨の同1審原告の主張を採用することはできない。 よって、本件視察活動及びその際の個人1審被告らの行為が違法な公権力である旨の1審原告らの主張は、いずれも理由がない。」15 原判決38頁23行目から39頁15行目までを次のとおり改める。 「 前記2で検討したとおり、本件視察活動及び個人1審被告らの行為は、いずれも違法な公権力の行使と認めることはできないから、これらが違法であることを前提とする1審原告全学連の主張を採用することはできない。」 原判決39頁17行目から40頁6行目までを次のとおり改める。 20「 前記2⑵ないし⑹で検討したとおり、個人1審被告らの行為はいずれも違法ではないから、個人1審被告らが民法709条の不法行為責任を負う旨の1審原告らの主張は、前提を欠くものであって、採用することはできない。」原判決40頁7行目から22行目までを次のとおり改める。 「5 結論25以上のとおりであるから、争点⑷(1審原告らの損害の有無及び額)に48 ついて検討するまでもなく、1審原告らの1審被告らに対する請求は、いずれも理由がない。」2 以上のとおり、個人1審原告らの1審被告東京都に対する請求はいずれも理由がないから棄却すべきところ、これと異なり、個人1審原告らの請求をいずれも一部認容した原判決は失当であり、1審被告東京都の控訴はいずれも理由が5あるから、原判決中1審被告東京都の敗訴部分を取り消した上、同敗訴部分に係る個人1審原告らの1審被告東京都に対する請求をいずれも棄却し(主文2項)、また、個人1審原告らの1審被告東京都(原判決が請求を棄却した部分)及び個人1 京都の敗訴部分を取り消した上、同敗訴部分に係る個人1審原告らの1審被告東京都に対する請求をいずれも棄却し(主文2項)、また、個人1審原告らの1審被告東京都(原判決が請求を棄却した部分)及び個人1審被告らに対する請求並びに1審原告全学連の1審被告らに対する請求はいずれも理由がないから、これらを棄却した原判決は相当であって、1審原告ら10の控訴はいずれも理由がないから、これらを棄却することとする(主文1項)。 よって、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第14民事部 裁判長裁判官 石 井 浩15 裁判官 塚 原 聡 20 裁判官篠原康治は、転補につき、署名押印することができない。 裁判長裁判官 石 井 浩25

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