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昭和42(オ)943 詐害行為取消請求

裁判所

昭和46年6月18日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和38(ネ)1189

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1,664 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人太田隆徳の上告理由第一点ないし第四点について。訴外D株式会社が上告人との間で本件取消請求の目的たる行為をするに至つた経緯およびその行為の内容についての原審の事実認定は、挙示の証拠関係に照らして首肯することができる。右認定によれば、本件行為は、(イ)D株式会社の訴外E販売株式会社(当時、上告人会社のいわゆる子会社)に対する売掛代金債権一二二万八三〇〇円につき、上告人が債務引受をしたうえ、これと上告人のD株式会社に対する債権四四一万九二六四円とを対当額において相殺する契約、および(ロ)三一九万一七五〇円相当の在庫商品を、代金はその金額とし、これと上告人の前記債権残額とを対当額において相殺する合意のもとに、D株式会社より上告人に売り渡した行為であり、しかも、右各行為は、これより先、上告人の主導的役割のもとに債権者会議において各債権者の承認を得たD株式会社の再建案(在庫商品、売掛代金等を活用して営業を継続し、各債権者にその債権の八割を月賦弁済するというもの)の実施を不能ならしめるものであつて、D株式会社も上告人もこのことを熟知していた、というのである。論旨は、原審が右各行為を詐害行為と判断したことを非難する。その理由として、まず、弁済が詐害行為にあたらないことを挙げるが(第一点の一部)、右各行為が弁済(本旨弁済)でないことはいうをまたないし、これと同一視しうるものでもないから、右所論は理由がない。また、所論は、D株式会社ならびに上告人に詐害の意思がなかつたという(第二点ないし第四点の各一部)。しかし、前記事実関係のもとにおいては、(イ)の行為は、債務引受と相殺契約とが一体的になされること- 1 -により、一 社ならびに上告人に詐害の意思がなかつたという(第二点ないし第四点の各一部)。しかし、前記事実関係のもとにおいては、(イ)の行為は、債務引受と相殺契約とが一体的になされること- 1 -により、一般債権者の共同担保となるべきD株式会社の債権を、上告人の債権満足のために消滅させ、もつて一般債権者を害するものであり、右会社も上告人も、このことを知りながら右行為をしたと解するほかはないから、右行為は全体として詐害行為となるというべきである。 つたという(第二点ないし第四点の各一部)。しかし、前記事実関係のもとにおいては、(イ)の行為は、債務引受と相殺契約とが一体的になされること- 1 -により、一般債権者の共同担保となるべきD株式会社の債権を、上告人の債権満足のために消滅させ、もつて一般債権者を害するものであり、右会社も上告人も、このことを知りながら右行為をしたと解するほかはないから、右行為は全体として詐害行為となるというべきである。そして、(ロ)の行為が詐害行為となることは、当裁判所の判例(最高裁判所昭和三七年(オ)第一〇七号同三九年一一月一七日第三小法廷判決、民集一八巻九号一八五一頁)の趣旨に徴し、明らかである。なお、所論は、上告人が訴外F(D株式会社代表者)個人所有の不動産に有していた根抵当権を放棄することを承諾したとの原審認定事実により、本件詐害行為についての上告人の善意をいうけれども、右事実は、前記再建案の趣旨に反して上告人が債権の全額満足を得た本件においては、上告人の善意を認める根拠とはならず、右所論は理由がない。したがつて、以上の論旨は採用することができない。その余の論旨は、原判決の採証法則違反、判断遺脱、理由不備等をいうけれども、その実質は原審の事実認定を非難するか、原審の認定しない事実に基づき独自の見解を述べるにとどまり、原判決に所論の違法はない。論旨は採用できない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小川信雄裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一裁判官 小川信雄裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一裁判官岡原昌男- 2 -

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